著者
佐々木 裕介 関口 敦二
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2021-SE-207, no.31, pp.1-8, 2021-02-22

ラピッドリリースを前提として Microservice Architecture (MSA) で構築したシステムを複数の組織で運用する場合,複数の組織が様々な設定変更を MSA システム上で同時に実施する.しかし,複数の同時変更に起因するテストの失敗,すなわち障害を解決することは困難である.本論文では,サービスメッシュの構成変更時,特に性能にかかわる障害に関して,障害原因の切り分け作業を網羅的かつ効率的に行う手法を提示する.本手法は,複数の設定変更を組み合わせた場合にのみ再現する障害について,効率的に原因箇所を特定できる.
著者
馬場 建 槇原 絵里奈 米田 浩崇
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2019-SE-203, no.9, pp.1-8, 2019-12-05

組込みシステム開発はソフトウェア開発と異なり,ハードウェアが密接に関わる.組込みシステムでは考慮すべき要素が増えるため,初学者はシステムが動かない原因の箇所を推定し,修正することは難しく,初学者のデバッグ効率の向上が課題となる.デバッグ効率を向上させる方法の一つに,熟練者のデバッグのコツを初学者に教示する方法が考えらえる.組込みシステム開発のデバッグ作業の視線において,熟練度の差がどのように現れるかを被験者 7 名の被験者実験により調査した.調査の結果,実験時間全体をまとめて分析した場合,時間分布や注目物体の遷移確率は熟練者と初学者の間で有意な差がなかった.注目物体の時間的推移について調査した結果,熟練度によって時間ごとの注目物体の傾向に違いがあった.傾向の違いを明らかにするために,時系列データを時間分割して注目物体の遷移確率を調べたところ,熟練者は終盤でソースコードと回路の双方に誤りが存在する可能性を考慮しながらデバッグするといった傾向が見られた.このように注目物体の時間的な傾向を基に,初学者に対してシステムの修正方針を教示できると考える.
著者
鷲崎 弘宜 夏 天 鎌田 夏実 大久保 隆夫 小形 真平 海谷 治彦 加藤 岳久 鹿糠 秀行 田中 昂文 櫨山 淳雄 山本 暖 吉岡 信和 吉野 雅之
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2018-SE-198, no.25, pp.1-7, 2018-03-02

セキュリティパターンとは,セキュアなソフトウェアシステムの開発運用における特定の文脈上で繰り返されるセキュリティに関する問題と解決を一定の抽象度でまとめたものである.1990 年代後半からこれまでに 500 近くのセキュリティパターンの特定と蓄積,共有がなされている.それに伴い,それらの適用や抽出といった技術研究も進められているが,その傾向や全体像,技術的課題および展望は明らかではない.そこで我々は最初に,セキュリティパターン研究を分類整理する際の基本的な用語間の関係を整理した概念モデルを提案する.さらに我々は同モデルに基づいた研究の分類体系 (タクソノミ) を提案し,同分類体系に基づき 200 を超える文献の内容を分類した結果を報告する.
著者
村山 優弥 紫合 治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.20, pp.1-8, 2015-03-05

本論文では iPhone と Android アプリケーションを同時に作成する手法とツールについて報告する.まず,Android と iPhone のユーザインタフェースが類似していることに着目し,見た目や動作が似通っている箇所をツール上では同一のものとした.詳細の違いはツール独自の規格に当てはめることで共通化を行った.見た目や動作の類似点から共通化を行っているため本ツールでの開発は共通化された GUI(Graphical User Interface) によって,視覚的に設計を行ったのち,システムが自動的に Android と iPhone のソースコードを生成する.生成したソースコードを eclipse や Xcode などの各開発環境に渡すことでアプリケーションを完成させる.This paper presents a method and a tool to develop a smart phone application both on Android and iPhone simultaneously. The common graphical elements for Android and iPhone, like button, label and text, are defined as the GUI tool elements to design the application user interface. The tool automatically generates the corresponding source codes in Java for Android and in Objective-C for iPhone simultaneously, which will be transferred to the eclipse for Android and the Xcode for iPhone to build the applications.
著者
中才 恵太朗 尾上 紗野 畑 秀明 松本 健一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2016-SE-194, no.5, pp.1-6, 2016-11-10

オープンソースソフトウェア (OSS) への一般的な貢献方法として開発活動 (パッチ投稿,バグ報告など) があるが,運営団体への寄付も重要な貢献方法である.OSS の開発プロジェクトによっては,寄付を促進させるため特典を用意するなど,運営資金の収集に積極的である.本研究は,効果的な寄付の収集方法を明らかにするため,著名な OSS プロジェクトである Eclipse を対象として調査を行った.寄付者のリストとリリース状況を分析した結果,(1) 特典が寄付への動機づけとなっていること,(2) 全体的な寄付者のうち開発者の割合は少ないが,開発者の寄付額は開発者でないものより大きかったこと (3) リリース日には寄付が増えるが,バグ数が多いと寄付が落ち込むようにみえた.
著者
馬場 祐人 筧 捷彦
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2011-SE-171, no.17, pp.1-9, 2011-03-07

現在の日本におけるソフトウェア開発では母国語である日本語で仕様書を作成し,Javaに代表されるような欧米発想のプログラミング言語を使って実装している.本来日本語と欧米言語とは表現や意味にギャップがあり,そのことで仕様と実装に違いが生じている.日本語で一貫してソフトウェア開発が行えることは,有益であると考えている.我々は,日本語プログラミング言語“プロデル”を開発すると同時に,仕様書から実装まで日本語で一貫したプログラム開発を実践している.本研究では,比較的小規模なソフトウェア開発を例に,UMLを用いて設計したものを,プロデルおよびJavaでそれぞれ実装し比較した.本論文ではソフトウェアの実装を日本語で行うことによる利点や浮かび上がった問題点について報告する.
著者
遠藤充 森崎修司
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.9, pp.1-7, 2013-03-04

ソフトウェアドキュメントの詳細化,具体化を計測することを目指し,辞書による抽象度の定義を用いてドキュメントに含まれる語の抽象度を計測した.国語辞典の抽象度の定義を用いて同一ソフトウェアのフェーズの異なるドキュメント間で,含まれる単語の抽象度ごとの出現頻度を求めたところ,大きな違いはみられなかった.基本設計書に含まれる語よりも詳細設計書に含まれる語,要件定義書に含まれる語よりも基本設計書に含まれる語のほうが国語辞典に抽象度の定義のない単語が多く含まれており,それらの単語はソフトウェア開発の観点からみて,具体的な単語が多かった.
著者
岸 知二 石田 裕三 坂田 祐司 中西 恒夫 野田 夏子 野中 誠 林 好一 久住 憲嗣 山内 和幸 吉村 健太郎 鷲崎 弘宜
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.32, pp.1-3, 2013-10-17

ソフトウェアプロダクトライン国際会議(SPLC2013)が東京で開催されたので,会議の状況について報告する.We report on the 17th Software Product Line Conference was held in Tokyo, Japan.
著者
碓氷裕紀 森崎修司
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.8, pp.1-7, 2012-07-12

クラウドソーシングを活用したソフトウェア開発の際に重要となるソフトウェア分割の方法を提案する.本稿で前提とするクラウドソーシングでは分散環境において個々の開発者が非同期型のコミュニケーションをとるため,コミュニケーション量をなるべく小さくすることにより,効率化が期待できる.本稿で提案する分割方法では,コミュニケーション量を減らすことを目的とし,開発者間で相互に更新,参照されるデータの定義を事前に決めておく方法,及び,相互に更新,参照されるデータの参照,更新APIを定義しておく方法,である.提案方法を演習問題として実際に動作させたことのあるオンラインショッピングサイトのソフトウェアに適用し,適切な分割ができるかを試行した.また,分割方法と試行をオンラインショッピングサイトの構築に携わっているソフトウェア開発の熟練者から意見をもらった.
著者
星野 大樹 林 晋平 佐伯 元司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-8, 2015-03-05

ソースコード編集履歴の理解性や利用性を向上させるための履歴リファクタリング手法が提案されている.しかし,既存手法ではどのような編集履歴をどのようにリファクタリングすべきか明確でない.本稿ではリファクタリングが必要となる履歴の特徴を 「履歴の臭い」 として定義し,また,履歴の臭いを判別するためのメトリクスを提案する.提案したメトリクスによって各編集操作の結びつきを捉え,臭いの自動検出を可能とする.検出の精度について評価を行い,適合度 0.86 など有用な結果を得た.History refactorings that improve the understandability and usability of a history of source code have been proposed. However, the proposed technique has not define where and how to refactor a history. We define bad smells in history and metrics for detecting them. Identifying the relationship between editing operations in a history by using the proposed metrics leads to automated detection of bad smells in history. We confirmed that our detection technique is useful due to its high accuracy.
著者
高増 広大 田原 康之 清 雄一 大須賀 昭彦
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2016-SE-191, no.2, pp.1-8, 2016-03-07

近年,スマートフォンの普及率が世界的に増加しているのに付随してスマートフォンアプリケーションの需要が高まっており,開発が進められてきている.そのため同じ課題を解決できるアプリケーション,すなわち類似したアプリケーションが多数出現している.そこでユーザはアプリケーションを利用して目的を満たす事は最低限の条件として,アプリケーションのコンテンツや使い易さ等,自分がこだわる観点でのアプリケーションの選定を行いたくなると考えられるが,多数の中からの選定は困難である.本研究では,ユーザが目的を達成する為にアプリケーションを導入するという前提で,ユーザのこだわりを考慮した推薦システムを提案する.そのために,通常アプリケーションの入手先となるアプリストアに投稿された他のユーザのレビューコメントに自然言語処理手法を適用する.具体的には,コメントから類似アプリケーションの特徴を表すと考えられる単語を抽出し,ユーザはそこから興味を持った単語を選ぶ.アプリケーションのレビューコメントにおいて単語の評価がネガティブかポジティブかを判定することにより,アプリケーションのその単語に関する評価値を算出し,ランク付けして推薦する.算出した評価値を,実際にアプリを使用した被験者による評価と比較し,またレビュー内に出現する単語に対するネガティブ・ポジティブの判定を,人手で作成した正解データと照らし合わせる事でシステムの評価を行った.
著者
宇田川 佳久
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.31(2009-SE-163), pp.263-270, 2009-03-11

CMMI などの開発標準では,品質向上のため工程を跨る設計項目の来歴管理を義務付けている.多くのシステム開発における設計項目数は数百以上であることから,来歴管理を実施するためには,網羅的,客観的かつ効率的な設計項目の抽出が前提となる.一方で,設計書は,設計の目的に最適化した記法によって記述されており,設計書間の整合性の確保を難しくしている.本文は,Web システムの外部設計と内部設計を対象とし,各種の設計書から設計項目を木構造として網羅的に抽出する方法について論じている.また,来歴管理の一手法として提唱されている設計項目間の “トレース関連” を一括して定義する方法を述べている.
著者
丸地 康平 酒井 政裕 進 博正
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.17, pp.1-8, 2013-03-04

本論文では,シーケンス制御プラグラミング言語に適した新しいカバレッジ基準 MTC を提案する.MTC は,必要となるテストケース数を抑えつつ,効果的なテストを実現するためのカバレッジ基準であり,論理回路におけるトグル網羅とソフトウェアにおける MC/DC 網羅の両性質を併せ持つことを特徴とする.ミューテーションテストによる評価実験により,MTC の有効性を確認した.
著者
古宮 誠一 今泉 俊幸 橋浦 弘明 松浦 佐江子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-03-12

プログラミングの初学者にとって,プログラムの記述から,そのプログラムの挙動を思い描くことは難しい。その原因は,初学者がプログラムの実行を制御する構文の記述内容が変わるとプログラムの挙動がどのように変化するかということを理解できていないからだと考えられる。そこで著者らは,制御構文と再帰関数を採り上げ,これらの構文の記述内容によってプログラムの挙動がどのようになるか,プログラムの挙動を可視化するシステム AZUR を開発した。そして,AZUR をプログラミングの演習授業に導入し,学生達が使用した結果を分析することにより,AZUR の可視化機能がプログラミングの学習に有効であることを示している。It is difficult for beginner programmers imagine how a program does behave. It is thought that the cause is because beginners cannot understand it how the behavior of the program changes when control statements (e.g. if-statement, while-statement, switch-statements) are changed. Therefore they focused on control statements and recursive function, and developed system AZUR which visualized the behavior of the program. And they introduce AZUR into a programming class and verified that a visualization function of AZUR is effective for learning of the programming by analyzing the result that students used.
著者
牧 隆史 鈴木 正人
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2012-SE-175, no.22, pp.1-8, 2012-03-08

複数製品の開発に用いられたソースコード上のコンパイルスイッチを解析することにより製品群の持つフィーチャーを抽出し、フィーチャーモデルをリバースエンジニアリング的に適用することを試みた。さらに、デザインパターンの適用によるリファクタリングの方向性についても検討した。
著者
徳本 修一 谷垣 宏一 高橋 洋一 中島 毅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.46, pp.1-6, 2015-03-05

ソフトウェア開発において,成果物での要件の実現を追跡すること (要求トレース) は,成果物の品質保証や改修作業の影響範囲を特定するために重要な活動である.しかし,その重要性に反して,実際のソフトウェア開発では既存作業の変更や作業時間増加が懸念され,定着が困難である.我々は,明示的なリンク作業を行わずに,開発内容の関連情報 (トレーサビリティリンク) を構築し,影響箇所を特定する方式の提案とトレーサビリティリンクの可視化を実現した.ここでは成果物に付けたタグの名称や位置情報からトレーサビリティリンクを構築し,2 種類のトレーサビリティマトリクスによる可視化を行う.本方式を実現するためにプロトタイプツールを作成し,ツール開発へ本方式を適用した.In software development, tracking of the implementation in artifacts of requirements (Requirements Trace) is an important activity in order to quality assurance and identify the impact range of modified artifacts. However, the contrary to the importance, it is difficult to fix the process by increase and existing work development scale. We propose a method for building traceability link without explicit linked, and realize suggestions visualization method to identify the impact. For acquisition of the trace information, built the trace information from the name and location information of the tags attached to the development artifacts and performs visualization of information by two types of Traceability Matrix. The prototype tool to realize this method, it is applied to this system to the tool development.
著者
齊藤 康廣 門田 暁人 松本 健一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.5, pp.1-7, 2013-03-04

本稿では,自然言語で記述された提案依頼書 (Request For Proposal ;以下 RFP とする )に記載された非機能要件の記述の明確さを機械学習により評価する方法を提案する.提案方法では,まず,RFP から非機能要件に関するキーワード群を抽出し,個々の非機能要件の特性とマッピングさせる.次に,各キーワードの出現頻度と文脈ベクトルに着目して重み付けを行い,ランダムフォレストによって,非機能要件の記述の明確さをモデル化する.70 件の RFP を題材として,提案方法によって多数の非機能要件の記述の明確さを 3 段階で評価した結果,エキスパートによる評価に対する完全一致率の平均が 69.8 %となった.また,完全不一致率 (評価が 2 段階外れること) は極めて小さかった.このことから,エキスパートがいない状況においても,機械学習によって RFP の品質の自動評価をある程度行えることが分かった.
著者
岩橋 正実 満田 成紀 鰺坂 恒夫 中島 毅
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2009-SE-164, no.11, pp.1-8, 2009-05-21

機器組込みソフトウェア開発の生産性と品質を向上させるためのオブジェクト指向の開発方手法の提案とその有効性について述べる。組込みシステムにオブジェクト指向を適用する際には、要求からクラスの抽出方法、状態の抽出方法が開発者によりバラツキがある。要求から設計/実装の双方向のトレーサビリティの確保と動的分析、時間制約などのリアルタイム制御システム特有の問題を解決することで生産性と品質の確保を可能にした。本稿で提案する手法論は、1998年に発表した自律オブジェクト指向技術を更に研究を進めたものである。その中で特に本稿では分析手法と設計手法を中心に述べる。
著者
艸薙 匠 齋藤 彰儀 落水 浩一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-8, 2010-11-04
被引用文献数
2

本研究では,WBSをベースとした従来型のプロジェクト計画立案とその実現可能性を検討する方法に関わる課題を整理し,それに基づいて,プロジェクトの負荷構造と組織の容量構造を定義し,負荷容量参照モデルを提案する,さらに参照モデルの事例から割り当ての自動化と実現可能性の検証を行う方法を検討する.提案する参照モデルは,プロジェクト計画の初期段階で計画の効率的検証を支援することが期待される.This paper discusses some problems about a project planning and a verification method for the acceptance of a project in a software development organization. We propose the conceptual framework for a project design that defines an effort structure of a project and the capacity of an organization. The proposed framework supports us to verify a project plan efficiently at a early stage.
著者
久米 出 波多野 賢治 中村 匡秀 柴山 悦哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.37, pp.1-8, 2015-03-05

逆回し (back-in-time) デバッガはプログラムのトレース (実行履歴) を記録して過去の状態の参照を可能する機能を有しており,デバッグに於ける診断のあり方を根本から変える可能性を秘めている.しかしながらその機能を有効に活用するためには,作業者が膨大なトレースの中から適切な実行時点を指定し,その状態の正不正を判定しなければならない.こうした指定や判定は作業者自身のプログラム理解に大きく依存している.オブジェクト指向プログラミングはプログラムの再利用性や拡張性が向上させる反面,コードの理解を困難にする傾向が指摘されている.我々はこうしたオブジェクト指向プログラムに固有な問題を解決するために,外挿診断法 (diagnosis by extrapolation) という手法を提案し,それを実現する逆回しデバッガを開発中である.本手法は指定された時点の実行文脈を,作業者の既知の情報を用いて抽象化する事によって,問題解決を実現する点に最大の特徴を有している.本論文では実用的なプログラムのデバッグ事例を通じて逆回しデバッガが実装すべき機能と手法の有効性の評価方法を考察する.