著者
藤谷 哲造 井之口 順 可児 一孝
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.491-501, 1973 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

A retrospective study of 16 cases with visual disturbances resulting from head injury, seen in our clinic between the years 1969-1972, is described. A proposed endnasal-trans-ethomoidal operative technique was performed in all cases, and the following results were obtained.1) The patients consisted of 14 males and 2 females.2) The most prominent cause of visual disorders of the present series was the accident of motor cycle crashes.3) Once blindness occurred completely, their visual powers have never recovered, even if the operation procedures were performed safely in these 6 cases except one case.4) In 10 cases of having imcomplete loss of visual power, some remarkable improvements were gained after the operation.5) Having compared the time of operation with their results, they have been no difference in the series. 6) An otologist should be consulted early in all cases of visual loss resulted from head injury.
著者
安村 佐都紀 大橋 直樹 中川 肇 渡辺 行雄 水越 鉄理
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5Supplement6, pp.1249-1253, 1991-11-01 (Released:2013-05-10)
参考文献数
13

起立性調節不全症候群の脳血流のautoregulationについて, single photon emission computer tomography (SPECT) を用いて検討した.対象は, Schellong検査陽性症例13例で, 対照例として陰性症例4例を検討した. 心電図RR間隔測定を行い, 立位・臥位の2回, SPECTを撮影し, 脳血流の変化率を求めた.自律神経障害はSPECT計測による脳血流には影響を及ぼしていなかつた. 自律神経障害と起立性めまい発現とには相関があつた.自律神経失調による血圧低下に対しても脳血流のautoregulationは保たれていた. めまい発症については, SPECTでは指摘できない内耳のautoregulation障害の可能性も考えられた.
著者
岸本 麻子 金 義慶 南 豊彦 中川 のぶ子 多田 直樹 井野 千代徳
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.97-103, 2006-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
10

真性唾液過多症の1例を報告した。患者は24歳の女性で15歳頃より唾液過多を自覚していた。今日まで心因性のものとして加療されてきたが効果なく当科を紹介受診した。安静時唾液量は5分間で9-10mlと非常に多く、RI検査では両側の顎下腺で集積が低下していた。これは分泌に集積が追い付かない現象と理解した。唾液腺造影ではワルトン氏管の拡張が認められた。これは恒常的に多量な唾液が分泌されての現象ととらえた。顎下神経節をブロックして唾液量が著しく低下したことより顎下腺が責任腺と考えた。治療として抗ヒスタミン剤、マイナートランキライザー、H1受容体ブロッカー、カルバマゼピンを選択し投与した。結果、カルバマゼピンにてやや有効と判定された。最終的に左顎下腺摘出術を行ったが、結果は予想以上に良好で手術後49日目の安静時唾液量は1.5mlで、自覚的にも有効と判定された。
著者
五十川 修司 鳥谷 龍三 田中 文顕 鳥谷 尚史 大礒 正剛 本田 達也 犬童 直哉 中野 幸治 神埼 祐一 江浦 正郎
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.285-291, 2012 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15

熊本県の最近 10 年間における平均スギ花粉飛散数は約 2,000 個/cm2であるが、われわれは既に、大量飛散した 2009 年 (4,289 個/cm2) におけるロイコトリエン受容体拮抗薬 (LTRA) モンテルカストのスギ花粉症に対する初期療法の有用性について報告している。今回、例年よりスギ花粉飛散が結果的に少なかった 2010 年 (815 個/cm2) においても同じ初期療法を施行し、スギ花粉飛散量の多寡によってモンテルカストの初期療法の有効性に違いが生じるかどうかを検討した。対象は 2010 年 1 月から 3 月までに熊本県内 10 施設を受診したスギ花粉症患者 82 名であった。モンテルカスト単剤で治療開始から飛散終了までの鼻症状をコントロールできた症例は 54 例 (65.9%) で、2009 年の 40.7%と比較して高く、飛散数の少ない年ではモンテルカスト単剤でコントロールできる割合が多いことが分かった。さらに、2009 年、2010 年に 2 年連続してモンテルカストによる初期療法を受けた患者 8 名の解析では、初年に有効であった 4 例は翌年も全例有効であったのに対し、無効であった 4 例のうち 3 例は飛散の少なかった翌年も効果はみられなかった。すなわちこれらの無効症例は花粉飛散の多寡に関係なく LTRA の効果が期待できないいわゆる「LTRAに対する non-responder」と考えられた。
著者
小宗 静男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.1167-1182, 1984-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
39
著者
加藤智絵里
雑誌
耳鼻と臨床
巻号頁・発行日
vol.50, pp.60-66, 2004
被引用文献数
2
著者
加藤 智絵里
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.60-66, 2004

口腔・中咽頭癌のリハビリテーションに携わる言語聴覚士として、当院にて言語聴覚士が嚥下リハビリテーションにどのようにかかわっているかをまとめ、報告する。手術の前からオリエンテーションを行う重要性や、間接訓練や直接訓練、構音訓練のリハビリテーションの流れ、内容について紹介する。また脳血管障害による嚥下障害のリハビリテーションとの共通点、相違点についても述べ、最後に診療保険点数についての現状と今後の課題を報告する。
著者
丸笹 直子 中川 のぶ子 南 豊彦 井野 千代徳 山下 敏夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.373-376, 2000-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
5

興味ある味覚性発汗の2例を報告した。症例は26歳と55歳の男性で、主訴は共に小児期よりの食事中の両側の耳漏。視診上は異常なく、ヨード澱粉反応を応用してその実態を確認した。耳下腺の手術およびその周囲の外傷の既往はない。出生時の鉗子分娩が味覚性発汗の原因とする報告があるが、症例1は鉗子分娩を受けており、症例2はその疑いがあった。鉗子分娩による味覚性発汗の多くは幼児に発症するなど一致しないところもあるが他に原因もなく鉗子分娩による味覚性発汗と診断した。耳介側頭神経は外耳道入口部の耳垢腺にも分布しているのでauriculotemporal syndromeの一つと考えている。
著者
佐藤 喜一 POLPATHAPEE Sunanta PEERAVUD Sumet ANTARASENA Soontorn
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.733-739, 1990

タイ国における頭頸部悪性腫瘍の実態を, わが国の国立がんセンターの研究資料と比較し興味ある結果を得たので報告した. いずれも1985年度の調査で, タイでは総数835 例, わが国では, 1, 353例であつた. タイでは口腔癌が圧倒的に多く46.83%であり, 次いで上咽頭癌22.63%, 咽頭癌14.85%の順であつた. わが国では口腔癌が33.85%で, 喉頭癌30。38%, 上顎洞癌11.30%の順であつた. これらはX2検定で有意であつた. 罹病者は男性が女性の2倍から3倍にみられたが, わが国の男性はタイ男性に比較して1.5 倍高い罹病率であつた. 口腔癌のうち舌癌は第1位であるが, タイでは頬粘膜, 歯齦, 口唇癌が多かつた. これはタイの人々が生の煙草やbetelを好んで噛む習慣のためと考察した. 上咽頭癌がタイに多く, これに対し喉頭癌と上顎洞癌がわが国に多い点について若干の考察を加えた.
著者
池ノ内 紀祐 下方 薫 太田 清人 小久保 晃 上村 晃寛 大石 尚史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.465-470, 2004

誤嚥性肺炎に対する新たな呼吸管理を行ったので報告する。症例1は81歳、男性。脊髄小脳変性症後生じた誤嚥性肺炎に対して、排痰を促したが改善が得られず、非侵襲的陽圧換気 (NPPV) 使用下による気管支鏡を実施した。食物残渣をはじめとする多量の気道内分泌物を吸引し、救命し得た。症例2は73歳、男性。鯖歯後に生じた誤嚥性肺炎に対して、排痰を促したが改善が得られず、NPPV使用下による気管支鏡を実施した。左右両気管支を閉塞させる膿性痰を吸引し救命し得た。挿管拒否、二次感染の危惧される症例では、NPPV使用下による気管支鏡の実施が、救命およびADLの維持に有用と考えられた。
著者
酒井 俊一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.719-725, 1994

1957年から1994年に至る筆者の上顎癌治療の足跡を回想し, その発展の経過を紹介した. 現在筆者の治療方針は, 放射線治療50Gy/5Wk, 5FU持続動注2000mg, 上顎洞は開窓し, 照射中の観察に止め, 照射終了3週後に拡大デンケル手術を行う. 上顎全摘出術は再発を確認した後に行う. これは筆者らが何度かにわたるトライアルの結果到達したものであり, 急な治療方針の変更はできない心境にある.<BR>35年間にわたる癌治療を通じて, 患者とのインフォームドコンセントについての所信を述べた. 最後に, 癌治療医の資質として次の3点をあげた.(1) 過去の経験を速やかにフィードバックできること,(2) 生涯にわたつて継続できること,(3) 患者・家族の心情に交感できること.
著者
落合 安家
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.4, no.Supplement1, pp.49-58, 1957-06-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
22
被引用文献数
5

Using the magnifying otoscope, the acoustic reflex of tympanic muscles was investigated by the retraction-grade measuring of the tympanic membrane when the various tone stimuli were given to the human ear. The following results were obtained.1). The change of the grade of retraction of the tympanic membrane was observed when both ears or each ear had been, simultaneously or successively, stimulated respectively by a tone of definite intensity and of various frequencies for two minutes.a). In the stimulation of both ears the retraction was markedly in the range from 256 to 2048 cps, in which the response to 1024 cps was most remarkable, and was very slight or showed no change in the tone below 128 cps or above 4096 cps.b). The frequency characteristic, in the stimulation of opposite ear, was similar to that in the stimulation of both sides, however, the degree of retraction was less than the latter.2). The change of the retraction-grade was measured by increasing the intensity of the stimulating tone. The minimum phones in respective frequencies raising retraction of the tympanic membrane were as follows.64 cps80,128 cps74,256 cps70,512 cps72, 1024 cps67, 2048 cps72,4096 cps74, 8192 cps73-83.
著者
河本 光平 坂口 麻理子 島野 卓史 宮本 真 馬場 奨 高田 洋平 濱田 聡子 河内 理咲 尹 泰貴 林 佑伊子 朝子 幹也 友田 幸一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.260-274, 2013-11-01 (Released:2014-11-01)
参考文献数
26

スギ花粉症の患者に対して第 2 世代抗ヒスタミン薬を問診表を用いて選択させた報告では患者満足度はのきなみ高く、患者参加型医療は満足度を向上させ、ひいてはアドヒアランス向上につながることを示唆している。今回われわれは、スギ花粉症の診断から薬剤選択までの作業に患者が参加できるような問診表を作成し、2011 年のスギ花粉症に対して使用し、アンケート調査も行った。実際に鼻アレルギー診療ガイドラインどおりに薬剤が処方されたのは約 55%の患者であった。41.2%の患者はガイドラインの重症度分類を認知しており、35.3%の患者は重症度に応じて推奨薬剤が異なることを知っていた。 64.7%の患者は自分で薬剤を選択できてよかったとした。総合的な満足度では「やや満足」、「満足」以上で 100%という評価であり、このような薬剤自己選択式問診表はスギ花粉症患者の満足度を向上できることが示唆された。
著者
中島 幹夫 谷本 俊次 小川 真滋 榎本 卓朗 生駒 尚秋
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.656-659, 1993-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
14

脳循環障害によるめまい患者15名に対してイブジラストを経口投与し, 臨床効果を判定した.めまいの全般改善率は67%であり, 悪化した症例はなかつた. 投与後4週間で67%の改善を認めた. めまいの臨床検査の改善はRomberg検査, Mann検査で50%, 注視眼振検査, 頭位眼振検査で100%の改善が認められた. 他覚所見総合改善率は40%であつた. 副作用は認められなかつた.以上から脳循環障害によるめまいに対してイブジラストは有効で安全な薬剤と考えられる.
著者
ト部 晋平 浜村 亮次 藤野 有弘 田中 弘之 宮國 泰明
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.174-181, 1995-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
7

マスキングなしの気導域値に左右差があるとき, オーバーマスキング (OM) の可能性がない最高のノイズを用いる骨導聴力検査のマスキング法を考案した. 本法の手順はA BC法やABCI法よりも単純であり, 理論的に最も能率的なマスキング法である. さらに, 非検耳の気導骨導差 (A-B gap) が気導音の両耳間移行減衰量 (IaA) に等しい場合でも, プラトー法を応用することによつて, 検耳の真の骨導域値を推定できる場合があることを述べた. A-B gapとIaAの関係式は, マスキング法を理論的に解析する上で最も重要な式である.
著者
辻中 猛 三宅 久美子 橋本 啓子 小川 真 猪原 秀典
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Suppl.2, pp.S185-S192, 2009 (Released:2010-12-01)
参考文献数
13

この研究の目的は、指示従命スコアの信頼性および妥当性を検証することである。当院介護病床入院症例 138 名 (男性 35 名、女性 103 名、平均年齢 82.4 ± 9.7) を対象に、上気道運動の 1 )発声、2 )咳払い、3 )舌運動、4 )空嚥下、さらに 5 )開閉眼、6 )掌握の指示への応答をそれぞれ 0 - 3 点で評価し、上気道に関する運動のスコア 1 ) - 4 )、その他の運動のスコア 5)、6 )のそれぞれの和を求めた。信頼性に関しては、内部一貫性について上気道運動に関するスコアの和と他の運動のスコアの和の間の相関性およびクロンバックの α 係数を用いて評価し、評価者間および評価者内信頼性については kappa 値を算出して評価した。妥当性については、病床勤務の看護師による主観的印象による評価と指示従命スコアとの相関性、または指示が入ることを予測するスコアの cut-off 値を求めた。結果として、( 1 )上気道運動に関するスコアの和と他の運動のスコアの和との間に高い相関性が得られた (r = 0.86、p < 0.0001)。また、クロンバックの α 係数は 0.94 と高い値を示した。( 2 )評価者間一致率の kappa 値は空嚥下を除き 0.8 以上と良好であった。( 3 )評価者内一致率の kappa 値は評価者間のものよりも低い値であった。( 4 )「指示が入る」と主観的に判断された症例と「指示が入らない」と判断された症例との間に明確なスコアの差が認められた。 ( 5 ) 「指示が入る」ことを予測するためのスコアの cut-off 値を 1 あるいは 2 にしたときに、感度と特異度の最良のバランスが得られた。以上のことから、指示従命スコアの高い内部一貫性、評価者間信頼性および妥当性が示された。また、当スコアの評価者は単独でも十分であるが、評価時については患者の状態が良好な時間を選ぶべきであることが示唆された。
著者
嘉川 須美二
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2Supplement5, pp.725-737, 1979-07-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
41

The color of nasal mucosa and the physico-chemical properties of nasal secretion may be affected in pathological change of the paranasal sinus such as chronic sinusitis.Therefore, analysis of physico-chemical properties of nasal secretion and objective indication of the color of nasal mucosa are important in either establishing diagnosis or deciding treatment.With 12 normal adults and 43 patients who were suffered from nasal allergy and chronic sinusitis, color analysis of nasal mucosa was done using a new equipment that was specially designed by me as oxymeter.Additionally, viscosity of nasal secretion by a falling ball viscometer, and pH value, amount of Ca, Na, K, mucopolysaccaride and protein in their nasal secretion were studied.The results which thus obtained were follows.1) Color of nasal mucosa was different in each phase of pathological situation.2) Viscosity was found to be much more higher in the muco-purulent secretion than the others, and it was closely correlated with amount of Ca and protein.3) In purulent secretion, more increased amount of K, mucopolysaccaride and protein were observed clearly than the others.In addition, there were a liner relationship between decrease of pH and increase of K.From these findings, clinical significance of physicochemical characteristics of nasal secretion and color of the nasal mucosa was briefly discussed.
著者
小西 静雄
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.433-437, 1977-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Measurements of auricle (width of “top to bottom” and “front to rear”), head (length of “front to rear” and “left to right”) and height were taken from 628 persons (male 328, female 300) who were living in Okayama city and under 20 years old.Result of the study was as followsThe auricle is fully developed at about 10 years old, and it is earlier in completion of development than head and height. In a fully developed auricle the width of “top to bottom” is 6-6.5cm and of “front to rear” is 3.5-4cm. It is also noted that in a female, the completion of development of the auricle is earlier and smaller in size. than that of the male.Moreover, the comparison of development of the auricle, head and stature was discussed in detail in the paper.
著者
豊住 頼一 宮崎 俊巳 平野 実 光増 高夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.594-607, 1997-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

喉頭筋の系統進化は原始喉頭筋のM. taryngei ventralis et dorsalisから直接進化すると伝統的に言われてきた. しかし, 私達が観察したウシガエル, スッポン, 白色レグホンの検索では, 私達はそれと同じ種類の筋を観察できなかつた. むしろ, それらの筋とは異なる筋を観察した. したがつて, 私達の検索の結果は肺魚と哺乳類との間に, 喉頭筋の直接進化は存在しないことを示唆している. 研究方法と結論前記三種類の動物の生体から喉頭を摘出した後, 双眼顕微鏡下に外喉頭筋以外の喉頭筋を比較観察した. 結果は次のようであつた.a. 原始型 (肺魚類, 初期両生類型)Mm. laryngeus ventralis et dorsalis and Mm. sphincter laryngis (from Goeppert; fixer of the glottis)b. 移行型 (両生類, 爬虫類, 鳥類型)fan shaped laryngeal mescles (fixer of the glottis)c. 哺乳類型M. intrinsic laryngeal muscles (closer of the glottis)したがつて, 喉頭筋の進化は原始型から移行型を経て哺乳類へ進化発達することが結論された. つまり, 原始型から哺乳類への直接進化はあり得ないことが確認された.
著者
山口 優実 佐藤 伸宏 梅﨑 俊郎 安達 一雄 菊池 良和 澤津橋 基広 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.151-156, 2017-09-20 (Released:2018-09-20)
参考文献数
9

喉頭全摘出術を施行された無喉頭者(喉頭摘出者)は、永久気管孔より呼吸を行うため鼻孔からの呼吸ができなくなり、嗅裂部への気流が失われ、さらに廃用性に嗅覚障害が起こると考えられている。海外では、嗅覚障害の予防、または改善のため鼻腔内の気流を誘発する演習が、嗅覚器官のリハビリテーション(以下、嗅覚リハ)に適用されており、その有効性も報告されている。しかし本邦では広く普及しているとは言い難く、嗅覚リハに関する報告も極めて少ない。そこで、喉頭全摘出術を施行された喉頭摘出者 11 例に対し、鼻腔内への気流を誘導するための口腔および咽頭内の陰圧を作成する nasal airflow-inducing maneuver(NAIM 法)という嗅覚リハを実施し、噴射式基準嗅力検査にて評価した。検知閾値の平均は、介入前 2.4 から介入後 − 0.5 と有意に改善した。認知閾値の平均は 5.4(高度脱失)から 4.7(高度脱失)と改善傾向であった。また、喉頭摘出から嗅覚リハ開始までの期間は、検知閾値、認知閾値のいずれにも有意な相関は示さなかったが、喉摘から嗅覚リハ開始までの期間と、嗅覚の検知閾値の訓練前後での改善度においては、有意な逆相関を認めた。嗅覚の維持、再獲得の観点からも喉頭全摘出術後は可及的早期に嗅覚リハを開始すべきであることが示唆された。