著者
八木 拓磨 井上 達朗 小川 真人 岡村 正嗣 島田 雄輔 平郡 康則 岡田 梨沙 岩田 脩聡
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12148, (Released:2022-05-20)
参考文献数
29

【目的】回復期リハビリテーション(以下,回リハ)病棟に入棟した患者のサルコペニアが実績指数に与える影響を明らかにすること。【方法】2019年5月~2020年6月に単一の回リハ病棟に入棟した65歳以上の連続症例128例。主要アウトカムは日常生活動作能力の改善度を示す実績指数とした。サルコペニアと実績指数の関連について重回帰分析を実施した。【結果】対象者(平均年齢81.5歳)のうちサルコペニアの有病率は76.6%であり,サルコペニア群の実績指数は非サルコペニア群と比較して有意に低値を示した(サルコペニア群:42.2 vs.非サルコペニア群:52.2, p=0.039)。重回帰分析の結果,サルコペニアは独立して実績指数と関連していた(β=−20.91, p=0.003)。また,Skeletal Muscle Mass Index(β=−18.82, p=0.008)が独立して実績指数と関連していた。【結論】回リハ病棟入棟患者のサルコペニアは実績指数の独立した予測因子であった。
著者
渦岡 良介 松浦 純生 小川 真由 丸山 友也 神田 祥五
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

台風時などによる風倒木が発生した箇所では斜面崩壊が発生する場合がある。本研究では樹木の振動を受ける根系周辺地盤の緩みを力学特性の変化と考え、模型実験および現場実験により、この力学特性の変化のメカニズムと影響因子との関係を明らかにすることを目的とする。実験の結果、細粒分の多い緩い地盤で風荷重による振動によって根系周辺地盤の緩みが生じやすいことがわかった。
著者
田嶋 宏隆 久米 学 小川 真由 渡邊 俊 内山 里美 内山 耕蔵 大坪 鉄治 古賀 春美 亀井 裕介 三田村 啓理
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-11, 2023-06-01 (Released:2023-06-01)

ニホンウナギ Anguilla japonica はかつて日本全国で豊富に漁獲された。しかし、現在は個体数が激減している。福岡県柳川市の掘割も本種の個体数が減少した場所の一つである。これは、水門の改修に伴い、シラスウナギの川から掘割内への侵入個体が激減したことが要因であると考えられている。現在、地元の高校やNPO法人により掘割へのニホンウナギの放流活動が行われている。しかしながら、野生個体または放流個体が掘割内に定着しているかは明らかになっていない。そこで本研究では、現在、福岡県柳川市の掘割にニホンウナギが生息しているかを明らかにするため、電気ショッカーを用いて本種の採集を試みた。その結果、5回の調査(2021年10月、2022年2月・3月・11月、2023年2月)において、合計47個体のニホンウナギを採集した。採集した個体が放流個体か天然個体かは判断することができなかった。採集された個体の全長は122–623 mmの範囲であった。47個体のうち2個体の銀ウナギが2022年11月の調査時に採集され、残りの45個体は黄ウナギですべての調査時に採集された。砂泥中からは139 mmから558 mmまで様々な全長の個体が採集された。中・大礫から採集された個体に比べ、巨礫や石垣から採集された個体の全長は大きい傾向があった。調査月の違いやウナギの全長に関わりなく本種を採集できたことから、掘割はニホンウナギが生息・成長するための環境を少なからず備えていると推測した。
著者
小川 真 猪原 秀典
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.77-84, 2013 (Released:2013-05-15)
参考文献数
22

咽喉頭症状のみを有する症例における咽頭後壁濾胞の所見とI型アレルギーとの関連性を調査するために, 吸入抗原特異的IgEの有無と抗ヒスタミン剤の効果との関連性について検討した. 全24例中17例において少なくとも1つの特異的IgEが陽性であった. 全症例に抗ヒスタミン剤を12週間投与し, 披裂部浮腫を伴う症例に対してはプロトンポンプ阻害剤を併用したところ, 特異的IgE陽性群では, 症状の程度が改善した症例および咽頭後壁濾胞数が5個未満に減少した症例の割合が経時的に増加したが, 陰性症例では変化が乏しかった. 以上の結果より, 咽頭後壁濾胞所見が咽頭におけるI型アレルギーの診断の手がかりとなる可能性が示唆された.
著者
峯 徹哉 川口 義明 小川 真実 川嶌 洋平
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.2393-2402, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
54

従来の診断基準は日本消化器内視鏡学会で作成されたが,国内でも十分に活用されているとはいいがたい.外国でも診断基準は作られているが長い間改正されないので,現実的ではなくなっていると思われる.われわれの作成したガイドラインはEBMに基づいたものであり,世界を見回してもEBMに基づくERCP後膵炎ガイドラインは見あたらないと思われる.われわれは将来的にERCP後膵炎の診断基準を見直し,より早く治療を行い救命すると同時に如何に重症のERCP後膵炎を生じさせないかその予防法を検討する必要がある.
著者
小川 真生 土田 英昭
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.336-340, 2017-10-25 (Released:2017-11-08)
参考文献数
10

患者は76歳の男性.6年前に三叉神経痛を発症し,カルバマゼピン(CBZ)が投与された.しかし,薬剤性過敏症症候群を発症してプレドニゾロン(PSL)が投与され,その後に痛みは改善した.2年前にも左三叉神経痛が再発したが,プレガバリンで改善した.今回,左奥歯から顎にかけての痛みが会話時に出現し,三叉神経痛の再発と診断してプレガバリンを開始したが十分に効果を認めず,嚥下痛や咀嚼痛のために固形物の摂取が困難になった.リドカインを口腔内へ散布したところ痛みが改善し,器質的所見を認めないことから,舌咽神経痛の発作と診断した.患者の強い希望によりCBZを開始すると痛みは改善したが,2日後に薬剤性過敏症症候群が発症した.CBZを中止し,PSLパルス療法を開始すると,薬疹のみならず疼痛も改善した.PSLを中止しても疼痛は再発しなかった.ステロイドパルス療法は,治療の困難な典型的三叉神経痛や舌咽神経痛に対して試みる価値がある治療法となる可能性がある.
著者
佐野 友美 吉川 徹 中嶋 義文 木戸 道子 小川 真規 槇本 宏子 松本 吉郎 相澤 好治
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.115-126, 2020-05-20 (Released:2020-05-25)
参考文献数
26
被引用文献数
2

目的:医療機関における産業保健活動について,現場での事例をもとに産業保健活動の傾向や実施主体別の分類を試み,現場レベルでの今後の産業保健活動を進めていくための方向性について検討した.対象と方法:日本医師会産業保健委員会が各医療機関を対象に実施した「医療機関における産業保健活動に関するアンケート調査」調査結果を活用した.自由記載欄に記載された現在取り組んでいる産業保健活動の記述内容を対象とし,複数名の専門家により各施設の産業保健活動の分類を試みた.特に,1.個別対策事例(具体的な取り組み事例・産業保健活動の主体)2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類の2点に基づき分類を行い,各特徴について検討した.結果:有効回答数1,920件のうち,581件の自由記載があり,1,044件の個別の産業保健活動が整理された.1.個別対策事例のうち,具体的な取り組み事例については,個別対策毎の分類では「B労務管理・過重労働対策・働き方改革(35.7%)」,「Cメンタルヘルス対策関連(21.0%)」,「A労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)」等が上位となった.また,施設毎に実施した取り組みに着目した場合,「B労務管理・過重労働対策・働き方改革関連」と「Cメンタルヘルス対策関連等」を併せて実施している施設が施設全体の13.2%に認められた.産業保健活動の主体による分類では,「a:産業保健専門職・安全衛生管理担当者(71.7%)」が最も多く,「b:現場全体(18.4%)」,「c:外部委託(2.4%)の順となった.2.産業保健活動の取り組み方を反映した分類では①包括的管理(42.0%)が最も多く,②問題別管理(23.8%),③事例管理(16.5%)の順となった.考察と結論:医療機関における産業保健活動として,過重労働対策を含む労務管理・働き方改革,メンタルヘルス対策への取り組みが多く実践されていた.特に,メンタルヘルスにおける一次予防対策と過重労働における一次予防対策を併せて実施している点,外部の産業保健機関,院内の各種委員会,産業保健専門職とが連携し産業保健活動が進められている点が認められた.厳しい労働環境にある医療機関においても,当面の課題に対処しつつ,医療従事者の健康と安全に関する課題を包括的に解決できる具体的な実践が進められつつある.また,各院内委員会や外部専門家との連携によりチームとして行う産業保健活動の進展が,益々期待される.
著者
小川 真規 和田 耕治 小森 友貴 太田 由紀
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.32-41, 2022-01-20 (Released:2022-01-25)
参考文献数
12

目的:病院機能評価に認定された関東地方の医療機関における産業保健活動を把握することである.方法:470医療機関に質問票を郵送した.質問項目は,病院規模,産業保健体制,感染症対策,メンタルヘルス対策,働き方改革への取り組み,産業保健上の優先課題である.結果:140医療機関から回答を得た.職場巡視の毎月実施率は6割弱であった.入職時の肝炎検査,4種抗体検査は65%程度の実施率だが,インフルエンザワクチンはすべての医療機関で行われていた.多くの医療機関で産業医にメンタルヘルスに関する相談ができる体制があった.働き方改革は,カンファレンスの時間の工夫,タスクシフト・シェアに取り組んでいた.今後の課題は,血液媒介感染症予防,呼吸器感染対策,医療従事者の健康管理を多くの医療機関が挙げていた.結論:医療機関の産業保健活動は,法定項目及び感染症関連の項目は実施率が高かった.働き方改革は,カンファレンスの時間工夫,タスクシフト・シェアの取り組みが上位を占めていた.
著者
小川 真和子
出版者
地域漁業学会
雑誌
地域漁業研究 (ISSN:13427857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.87-118, 2015-10-01 (Released:2020-06-26)
参考文献数
24

20世紀初頭以降,日本人がハワイの漁業を独占したことに対して,ハワイ準州政府や米連邦政府が取った政策について,本稿は主にアメリカ合衆国公文書記録管理局(United States National Archives and Records Administration)所蔵の米連邦政府商務省,内務省,国務省,陸海軍,およびそれらとハワイ準州政府側との折衝に関する資料の分析を通して実証的に検討する。1927年以降,ハワイ準州政府,特に魚類鳥獣課は,連邦政府に対してハワイの漁業振興のための支援を求めたが,連邦政府は,商務省漁業局(1940年以降は内務省魚類及び野生生物局),内務省準州島嶼課が中心となって連邦政府予算によるハワイ海域の漁業調査の実現を画策した。そのねらいはハワイの食糧自給率の向上と,有事に備えた食糧備蓄の推進であった。一方,米海軍やF. D. ルーズベルト大統領は日本人漁船と日本海軍艦船を同一視し,その排斥に努めた。そして太平洋戦争開始後は日本人から漁船を没収し,その漁労を禁止した。しかしハワイ準州政財界や地元住民の,漁業再開を求める声は根強く,1943年以降には上記の連邦政府官庁による漁業復興へ向けた動きが加速した。1947年に連邦議会で可決された,太平洋における漁業調査法案は,ハワイの漁業振興のみならず中部太平洋におけるアメリカの漁業利権の確保を目指しており,ハワイ準州並びに連邦政府関係官庁による協力体制の結晶であった。
著者
小川 真実 森貞 亜紀子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.120, no.6, pp.398-408, 2002 (Released:2003-01-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

リバビリン(レベトール®)はC型慢性肝炎の治療にインターフェロンα-2b(IFNα-2b)と併用して使用される抗ウイルス薬である.本薬は主にRNAウイルスに対して幅広い抗ウイルス作用を示すことが報告されており,C型肝炎ウイルス(HCV)の代替ウイルスとしてウシウイルス性下痢症ウイルスを用いた感染細胞系において,IFNα-2bと併用することにより増強作用が認められた.本薬の作用機序として,宿主のイノシン一リン酸脱水素酵素の阻害作用,RNAウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の阻害作用等が報告されていた.最近,リバビリンがHCVと同じRNAウイルスであるポリオウイルスのRdRpによりRNAに取り込まれ,新生RNAの鋳型となり,突然変異を誘導することが明らかにされた.更に,リバビリンにより誘導される突然変異のわずかな増加により,ウイルスの感染能が激減することが証明された.このRNAウイルスに対する変異原としての作用は本薬の新規機序であり,本薬は新しいクラスの抗ウイルス薬として分類されるものと考えられる.
著者
小川 真生 道渕 路子 我妻 孝則 西川 美香子 川﨑 康弘 土田 英昭 寺口 奏子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.501-505, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
18

【緒言】終末期の難治性せん妄が数日間の持続的な深い鎮静後に改善した事例を経験した.【症例】脳実質浸潤を伴った57歳女性の頭頸部がん患者の異常行動を伴ったせん妄が,急激に悪化した.オピオイドスイッチや薬物治療などを行ったが,異常行動は改善しなかった.難治性の終末期せん妄と診断され,家族は鎮静を希望した.ミダゾラムによる間欠的鎮静を開始し,さらに持続的鎮静へと移行した.その数日後,家族の鎮静継続への葛藤を認め,10日後に鎮静を中止した.覚醒後,患者の異常行動は消失し,軽度の意識障害はあったが,家族とのコミュニケーションを保ちながら2カ月後に死亡した.【考察】鎮静に伴う多種類の薬剤の中止はせん妄改善の原因の一つと考えられる.緩和医療学会のガイドラインにおいて家族の気持ちの確認以外の持続鎮静中止の基準は明確ではなく,よりエビデンスレベルの高い鎮静中止の基準が必要であると考えられる.
著者
小川 真里子
出版者
一般社団法人 日本産業精神保健学会
雑誌
産業精神保健 (ISSN:13402862)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-20, 2023-03-30 (Released:2023-03-30)
参考文献数
13

近年,更年期障害による労働損失が莫大なものであることが明らかになり,“更年期ロス”と呼ばれている.更年期ロスとしては離職や昇進の辞退が多いとされ,そこに至った原因としては,更年期によくみられる精神的症状が関与している可能性がある.更年期障害は,更年期に現れる症状の中で,器質的変化に起因せず,日常生活に支障をきたす病態と定義される.その症状は,血管運動神経症状に加え,精神的症状,泌尿生殖器症状,その他に大別される.また,女性において更年期はうつ病の好発時期でもある.更年期障害に対する薬物療法としては,漢方療法,ホルモン補充療法(HRT),抗うつ薬が用いられる.更年期障害では一人の女性が同時に多くの症状を訴えることが多く,漢方薬やHRTの有効性も高い.当事者だけでなく周囲も含めて更年期障害についての理解を深め,適切に治療を行える環境を作ることが,更年期ロスを減らす足がかりになると考えられる.