著者
武田 善行
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.103, pp.1-39, 2007-06-30 (Released:2009-12-03)
参考文献数
81
被引用文献数
1
著者
桑原 穆夫 竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1966, no.26, pp.48-57, 1966-11-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
3

1,揉ねん室の温度を15℃から45℃の間を5℃間隔に変え,茶葉温度を室温に近い温度に保ちつつ揉ねんし,その製品の品質を比較した。2,茶葉の発酵力は,揉ねん中葉温が44℃になった場合に低下がみられた。3,茶葉のタンニンは,揉ねん室温度が低い場合は揉ねん中の酸化の進み方は少ないが,これを25℃で発酵させた場合には正常に酸化した。25℃,35℃区は揉ねん中にもタンニンの酸化は進み,その後の発酵中の酸化も正常であった。45℃区は揉ねん中にタンニンの不溶化が進み,発酵力の低下もともなって,発酵2時間後の酸化,重合型タンニン量は少なかった。このため,製品の水色も15,25,35℃間ではあまり差がなかったが,45℃区は色調はさえずうすかった。4,揉ねん室温度によって発酵適期に至る発酵時間は変化し,揉ねん15℃,20℃では180分前後,25℃区:120分,30℃区,35℃区:60~90分と短縮するが,40℃区は若干長くなり,45℃区では発酵120分たっても十分に発酵が進まなかった。5,茶の品質は,揉ねん室温度15℃,20℃,25℃,30℃,35℃区間でみると,茶期による差が若干あるが,この区間ではあまり大きな品質の差がなかったが,40℃区45℃区になると品質は前5区よりも低下し,特に45℃区の品質は劣っていた。しかし,15℃区では揉ねん中茶葉の粘性が減り,揉ねん操作が円滑にゆかない欠陥がみられ,これらの点を考えると,揉ねん中に茶葉温度が20~35℃程度に維持されてることが望ましいように考えられた。
著者
竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.42, pp.1-13, 1975-02-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
143
著者
中川 致之
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.32, pp.72-77, 1970-01-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
6

1.外国産および国産紅茶の高,中,下級品35点についてテアフラビン,テアルビジンの分析と官能検査を行なった結果,テアフラビン含量と水色,滋味の間に危険率1%の相関関係のあることが認められた。2.紅茶中のテアルビジン含量は高級品でも下級品でもほとんど差がなく,テアフラビンに対するテアルビジンの比率の高いものは一般に品質がよくなかった。3.テアフラビン,テアルビジンに対する水色の重回帰式から計算した値と水色審査評点の"ずれ"はきわめて小さかった。おわりに,外国産紅茶の試料を提供していただいた三井農林株式会社藤枝工場,統計処理に関し御指導,御意見を賜わった農林省食糧研究所吉川分析部長,官能検査を担当され,実験に対し有益な御意見をいただいた当場桑原技官,計算に御協力をいただいた当場岩浅技官,試料の調製に御協力いただいた中島技官に深く感謝する。
著者
三ッ井 稔 原田 重雄
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.19, pp.10-14, 1962-11-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
10

昭和34年から37年の間にインド種6種類の実生苗または栄養系苗を供試して,8,11および14時間の日長処理を行なった。茎葉の生育は8~11時間よりも14時間日長下においてすぐれる傾向が認められた。この性質は中国種の日長感受性と似ている。なお日長効果は葉数よりも茎長において現われやすい傾向があった。
著者
上野 健二 杉山 春喜智 斎藤 弘 岩堀 源五郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.12, pp.59-73, 1958-11-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
2

1.セイロンより輸入したC.C.C型シングルアクション揉ねん機による,ブロークン型の紅茶の製造法につき,はさみ摘原葉を用いて,1955~1957年にわたり試験した。2.この機械の基本的な操作方法としては,生葉投入量はインド,セイロン等における手摘原葉の場合に比し約20%減で,生葉換算113kg(萎凋程度3G~35%)が適当と認められた。この投入量に対しては,回転数は43rpm,揉ねん時間は第1回揉ねん40分,第2回揉ねん30分が良好であつた。3.回転数と揉ねん時簡との間には密接な関係があるので,特にこの点に関して再調査を行つたが,回転数を43rpmとし第1回揉ねんを40~50分(第2回揉ねん30分)とした時が最も適当で前の成績を確認した結果となつた。4.揉ねん機の合理的な使用法を明らかにするため,普通型の揉ねん機と組み合せて比較した結果,第1回揉ねんに従来型の揉ねん機を使用し,第2回揉ねんにおいて,本機により強圧揉ねんすることが効果的であることがわかつた。5.揉ねん中の茶温の上昇が製茶品質に影響することが大きいと思われたので,1回の加圧時間を短くし重圧のかけはずしの回数を多くして試験した結果その欠点を防ぐことができた。また第1回揉ねんに普通型揉ねん機を使用するかわりに,本機を無加圧で使用しで試験し,投入量113kg,回転数毎分43回の場合,揉ねん時間を多少長くして,第1回50分,第2回40分とすることによつて目的を達することを認めた。
著者
池田 奈実子 渡瀬 隆也
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.122, pp.9-14, 2016-12-31 (Released:2019-01-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

国内で生産される茶の種類が多様化した場合の適正な含水率の知見を得るために,中国茶の含水率と水分活性を測定した。また,中国及び台湾産の紅茶と他の産地の紅茶の含水率及び水分活性の比較を行った。中国茶の茶種間で含水率に差が認められた。白茶,黒茶の含水率は青茶,緑茶,紅茶より高かった。中国産の紅茶の含水率の平均値は8.73%で,ネパール,インド,日本産の紅茶の含水率より高かった。青茶は含水率のばらつきが大きかった。緑茶,青茶,紅茶,黒茶においては茶の含水率と水分活性の間に正の相関関係が認められ,含水率が高いほど,水分活性が高い傾向が認められた。黒茶は青茶,白茶,紅茶に比べて同程度の含水率の場合は水分活性が低い傾向が認められた。ほとんどの中国茶の水分活性は0.6前後より低く,含水率が12%程度までは微生物は繁殖できないと考えられた。
著者
岡田 文雄
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.48, pp.52-56, 1978-09-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

カテキンの植物体への吸収作用とその生体内でのウイルスに対する阻害作用を検討した。(-)ECgと(-)EGCgの1000ppmと2000ppmの溶液を断根処理したN. glutinosaに吸収させてTMVを接種すると,TMVの病斑形成は阻害された。その結果を全体的に比較すると,1000ppmの(-)ECgが92%,(-)EGCgが99%,また,2000ppmでは(-)ECgが90%,(-)EGCgが99%の阻害率を示した。4種のカテキンそれぞれをタバコKy-57の根から24時間吸収させると,1000ppmでは変化を生じないが,同一濃度でも混合液で吸わせるとタバコの葉に葉脈の褐変と,赤い斑点をつくった。また2000ppmになると葉は外巻き症状を呈した。タバコKy-57に(-)ECgと(-)EGCgをそれぞれ7日間吸収させて,ポリフェノール成分の変化をペーパークロマトグラフィーで調査した。その結果,対照区に比べ(-)ECg区に3個,また(-)EGCg区に2個の未知のスポットが増加し,ポリフェノール物質であることが確認された。これらのことからカテキンは生体内へ吸収されることが明らかとなった。
著者
堀江 秀樹 山本(前田) 万里 氏原 ともみ 木幡 勝則
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.94, pp.60-64, 2002-12-31 (Released:2009-07-31)
参考文献数
9
被引用文献数
14 15

緑茶のカテキン類,ストリクチニン,カフェインを分析するための抽出法について検討した。2%リン酸水溶液で茶粉末を分散後,エタノールを等量添加して抽出する方法により最も高い抽出率が得られた。
著者
物部 真奈美 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.113, pp.113_71-113_76, 2012-06-30 (Released:2015-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Catechins, one of the main components in green tea extract, have antioxidative activity and immunomodulating activities, and play an important role in reducing the risk of disease. The most abundant catechins in a green tea extract are epigallocatechin gallate (EGCG) and epigallocatechin (EGC), and the EGCG/EGC ratio in a green tea extract was affected by the extraction temperature. We found that the cold water extract or the catechin mixture with a high EGC ratio induced greater immunoglobulin A (IgA) production by murine Peyer's patch (PP) cells. Here, we investigated the effect of cold water extract of green tea on salivaly sIgA levels in habitual green tea (hot water extract) drinker.
著者
水野 卓 金兵 忠雄
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1964, no.21, pp.77-85, 1964-01-25 (Released:2009-07-31)
参考文献数
9

The leaf-starch was isolated as the form of iodine-starch complex from tea extracted with hot 30% calcium chloride solution, the yield of purified starch being ca. 1 % (45.8g. starch' from 4.5kg. of fresh leaf).Amylose, amylopectin and their middle fraction in tea leaf-starch were then fractionated principally by Schoch's method using n-butanolwater (1 : 7 by volume).The peaks of visible absorption spectra, Xln ol, of their iodine-potassium iodide solution were 600 mlt in leaf-starch, 620 mit in amylose, 551 m, a in amylopectin, and 605 ma in middle fraction respectivly.Moreover, the relations of the concentration of their solution to the optical density (E) at λmax HCLO4 were investigated to make clear the fundamental items about the fractional quantitative analysis of amylose, amylopectin and middle fraction in the tea leaf-starch.The following relationships were obtained. Starch (mg.)=0.0973 E-0.0012 Amylose (mg.)=0.0597 E-0.0005 Amylopectin (mg.)=0.4527 E-0.0044 Middle fraction (mg.)=0.1452 E-0.0030The quantitative determination of starch in the tea leaves, and the fractional determinations of amylose, amylopectin and middle fraction of the tea leaf-starch have been developed, the main procedure being as follows:
著者
物部 真奈美 池田 麻衣 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.114, pp.114_29-114_36, 2012-12-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
10

緑茶冷水(4℃)浸出液を飲用することによる粘膜免疫系の活性効果は,マクロファージの活性上昇と正の相関が認められている。そこで,本報では,マクロファージ様細胞の貪食能を指標に,緑茶冷水浸出液による自然免疫系の活性化について,茶期及び品種による違いを調べた。その結果,緑茶冷水浸出液のEGC/EGCGが約2を超えていることが必要条件であり,かつEGC量が十分量含まれていれば,茶品種・年度に関わらず活性を得られることが示唆された。さらに,茶期が進むに従いカテキン含量が上昇するため,茶期の進んだ茶葉を利用すると効率良く成分を得ることが可能である。また,品種によっても茶葉中EGC含量に違いがあり,本報告の環境条件下で調べた茶品種の中では「ゆたかみどり」が全ての茶期でEGC含量比が高く,効率良く高EGC浸出液を得られる品種であった。
著者
水上 裕造 松永 明子
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.114, pp.114_21-114_28, 2012-12-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

‘そうふう’の煎茶の香りには1-octen-3-one,linalool,3-methylnonane-2,4-dione,β-damascenone,(Z)-methyl jasmonateが強く影響した。FDfの指数を算出し,匂いの性質で分類してアロマプロファイルを作成したところ,‘そうふう’は‘やぶきた’に比べ,果実様の匂いと花様の匂いが強く, 中でもmethyl anthranilateと(Z)-methyl jasmonateの影響を受けることがわかった。一方,‘やぶきた’の煎茶の香りは,(Z)-1,5-octadien-3-one,4-mercaptomethyl-pentanone,linalool,(E,E)-2,4-nonadienal, 3-methylnonane-2,4-dione, β-damascenoneの6成分が強く影響することが考えられた。

1 0 0 0 OA 玉露のうま味

著者
堀江 秀樹 氏原 ともみ 木幡 勝則
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.93, pp.91-94, 2002-06-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
8
被引用文献数
2

玉露浸出液中のアミノ酸及び有機酸を分析し,これに基づき,玉露のうま味のモデル液を調製した。このモデル液から,各成分を除去したときの味の変化を官能検査した結果,グルタミン酸,テアニン,クエン酸が玉露のうま味にとって重要と考察された。
著者
堀川 知廣 川島 和夫 栗田 和彦 竹野 恒之 成川 吉男
出版者
茶研報
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.57, pp.18-25, 1983

P.longiseta SPEG. によるチャ輪斑病防除薬剤のうち,クロロタロニル剤,カプタホル剤,チオファネートメチル剤について,浸透性を付加させるとされている展着剤アトロックスBI,トクエース,ラビサンスプレーを加用した場合の効果について調査した。<BR>クロロタロニル剤800倍液は単用で散布した場合,摘採数時間後以内に処理しなければ効果がないとされていたが,アトロックスBIを500~1000倍で加用すると,摘採1日後においても若干の防除効果が認められた。しかし,摘採1日後の防除効果は実用的にはやや不十分であり,アトロックスBIを加用した場合でも,摘採当日中の散布が必要であると考えられた。トクエース(1000倍),ラビサンスプレー(500倍)も同等の効果が認められた。<BR>カプタホル剤は,摘採1日後散布では防除効果は実用的にやや不十分とされていたが,アトロックスBIを500~1000倍で加用したところ,摘採1日後散布においても十分な効果が認められた。摘採2日後以降の散布では効果不十分であった。トクエース(1000倍),ラビサンスプレー(500倍)も同等の効果が認められた。<BR>チオファネートメチル剤2000倍液にアトロックスBIを500倍で加用し,摘採5日後散布の防除効果を調査したが,効果は認められなかった。<BR>クロロタロニル剤800倍,アトロックスBI500倍の組み合わせについて,散布後12日目に製茶した荒茶について,ガスクロマトグラフィーを用い茶抽出液と荒茶の両者について残留性を調べたところ,残留量はアトロックスBIの加用により減少した。このことは加用による濡れ性の向上に伴ない,初期付着量が減少したためと考えられ,残留性について問題はなかった。