著者
浜田 信 武本 充治 横畑 夕貴 中村 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.119-122, 2008-02-28

将来のユビキタス環境におけるサービスの提供を柔軟に行うことを目指してユビキタスSOAの研究開発を行っている.ユビキタスSOAでは,様々なデバイス・機能と言ったサービスの実体を抽象化した部品を,同じく抽象化されたシナリオにしたがって,組み合わせることで,目的となるサービスを実現することを目指している.その特性を生かしたサービスとして,我々は,スマートフォンにSNSサイトに蓄積された情報を,コンテキストに応じて,配信するシステムを試作し,そのフィージビリティの確認のため実証実験を行った.本稿では,本システムに関してユーザ履歴に着目したシステム動作の概要および検証について示す.
著者
田山 健一 村田 博幸 丸山 勉 宇野 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム
巻号頁・発行日
vol.102, no.458, pp.21-26, 2002-11-14
被引用文献数
4

サービスを経済的に且つ迅速に提供するためには,設備を効率的に利用することと申込みからサービス提供時間の削減を可能とする業務支援システム(OSS : Operation Support System)が重要である.光アクセス設備は,光通信装置,所内光ファイバ,所外光ファイバなどの設備特性・管理形態の異なる設備から構成される.これら設備の選定・再選定の順番(プロセス)制御が必要である.本稿では,選定におけるアクセス設備の特徴を抽出し,さらにPDS(Passive Double Star)方式における多様化するスプリッタ設置形態を選定の観点から分析し,効率的な選定プロセスを導いた.また提案プロセスは,所外スプリッタ配下2回線目の選定における選定・再選定処理を大幅に削減可能であり,所外スプリッタ設置形態の設備モデルにおいて,選定処理量を30%削減できることを示した.
著者
秋水 和計 石井 健司 金田 茂 品川 準輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.386, pp.1-4, 2003-10-17
被引用文献数
1

移動体通信網ではユーザや通信デバイスの移動に伴って、トラヒックの発生場所が時間と共に変わり、網内におけるトラビックの交流状況が変動する。我々はこの点に着目し、この変動に対してパス構成やノード機能配置を動的に最適化するための制御技術「Dynamic Network Topology Control」を検討した。本発表では本技術のフレームワークの提案と移動体通信トラヒックの分析手法、及びパス変更制御により想定されるコスト低減効果の評価手法について報告する。
著者
大倉 昭人 川上 博 井原 武 三浦 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.272, pp.31-34, 2004-08-26

次世代移動体通信網としてIPネットワークの検討が進んでいる。IPネットワークでは様々なトラヒックの品質要求に応じたQoS制御が必要であるが、移動体通信網は花火など端末集中による輻輳や、地震など災害地への呼集中による輻輳の影響を受けやすい。本研究ではIPセルラ網に向けたロバストなQoS制御方式に関し、トラヒック異常検出に基づく予測制御と、線形最適化を応用したマルチパス制御を提案し、シミュレーション評価により方式の有効性と適応範囲を明らかにした。
著者
倉谷 和彦 増山 博之 笠原 正治 高橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.187-192, 2008-02-28

近年,Session Initiation Protocol (SIP)ベースのインターネット電話に代わる電話サービスとして,Peer-to-Peer (P2P)技術に基づいたユーザ管理機構をもつSkypeが注目を集めている.Skypeではユーザ情報はユーザノードから選ばれたスーパーノードによって管理されており,ユーザノード数に応じてその数を動的に増減させることで負荷の分散を図っている.本稿では,このユーザ管理機構に着目し,呼設定処理に対するP2P型動的負荷分散機構の有効性を解析的に検証する.具体的には,一般ユーザの参加を非斉時ポアソン過程でモデル化し,ユーザノード数の満たす状態確率微分方程式に対してStationary Peakedness Approximation法によって時間依存の状態確率を計算する.数値例より,P2P型のユーザ管理方式を用いたサービスでは,能力の高い中央サーバを用いた場合のクライアント・サーバ型方式に匹敵し,初期設定時間の観点から見て安定したQoSの保証が実現できることが示された.
著者
土橋 昌 中山 英久 加藤 寧 JAMALIPOUR Abbas
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.627, pp.73-76, 2006-02-23

デジタルコンテンツの配信をセキュアに保つDRM(デジタル著作権保護)技術に注目が注がれている.トレイタートレーシング技術は,DRM技術の一種であり,配信側がコンテンツの視聴状況を把握する技術である.その例として,電子透かしを用いる手法や暗号配信の際の暗号鍵を利用するものがある.しかし,コンテンツに対する加工情報を利用するそれらの手法では,ユーザ側での不正な加工によりトレーシングを無効化される可能性を払拭できない.ユーザ側での不正な加工を防ぐためには,ネットワーク上のルータで加工情報を解析しなければならない.しかしながら,現在の高速広帯域ネットワークにおいては,流れているパケットの解析が非常に高負荷であるため,現実的ではない.したがって,加工情報以外の情報を用いる手法を検討する必要がある.本稿では,ストリーミング再生中のトラヒック量の変化に着目したトラヒックパターンを用いて,コンテンツを視聴しているか否かを判定する手法を提案する.提案手法は,無線環境でエラーが頻発することを考慮し,動的な判定方法や崩れた波形のマッチング方法についても検討を行った,画期的なトレイタートレーシング技術である.実際にPCを用いた実ネットワークにおける実験環境を構築し,有線だけではなく無線においても提案手法が有効であることを確認する実験を行い,良好な結果が得られたことを示す.
著者
中島 裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.55-58, 2009-04-09

近年,無線LANが安価になり,かつ設置が容易であるため広く普及してきた.これを背景に,無線環境での音声やビデオストリーミングなどのリアルタイムアプリケーションの需要が高まっている.IEEE802.11の通信品質(Quality of Service:QoS)を向上させるための方式としてIEEE802.11eが標準化されている.しかし,この方式ではアプリケーションから過剰なトラヒックが生成された場合,十分なQoSが提供できなくなる.これは,IEEE802.11eがMAC層でトラヒックの発生をスケジューリングするが,トラヒックの発生量を制御しないためである.この問題を解決するためMAC層の無線チャネル占有情報を用いてアプリケーションレベルのトラヒック生成制御を自律的に行う方式を提案する.チャネル占有率はNetwork Allocation Vectorを分析することによって推定し,クロスレイヤ制御によってトラヒックの生成を適切に制御することを可能にする.
著者
堀内 健介 権藤 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.392, pp.39-44, 2009-01-15

NGNのような使用帯域が保証されたネットワーク環境が整備されていることを背景に,高画質の映像配信サービスとしてIPTVが注目されている.IPTVの視聴には信頼性の高いネットワークが必須要素であることからユーザーの宅内の受信機は有線LAN環境に接続されていることが前提である.一方,今後は無線LANが多用されると想定される.そこで本稿では,無線LAN環境(IEEE802.11g)における,標準化プロトコルを用いたIPTV視聴時のストリーム伝送特性と映像品質への影響を評価・考察する.
著者
平井 敏之 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.4, pp.11-16, 2010-04-08

インターネットへのアクセス手段として、IEEE 802.11による無線LANが急速に普及してきた。無線LAN環境下で、TCPとUDPが同時に利用されているとき、それぞれの通信品質を確保する制御方式を提案する。UDPによるリアルタイム通信では、所定の帯域幅を必要とする。ところで、TCPの輻輳制御アルゴリズムとしてよく利用されるTCP Renoは、パケットロスが発生するまでウィンドウサイズを増加させる方式を採用している。そのため、UDP通信(リアルタイム通信)に必要な帯域幅を奪い、リアルタイム通信の品質を低下させる恐れがある。この問題を解決するために、無線LANの利用状況を観測しながら、リアルタイム通信の妨害をしないウィンドウサイズの制御方式を提案する。提案方式をコンピュータシミュレーションにより評価し、UDP通信に必要な帯域幅を確保しながらTCP通信が可能となることを示す。
著者
小林 正好 蔵杉 俊康 小西 弘一 村瀬 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.715, pp.103-110, 2002-03-08

現在のキャッシュサーバは動画像等のストリーミングコンテンツにも対応している.動画像コンテンツ全体をキャッシュすることは,コンテンツサイズが大きいためコスト的に難しい.このため,従来のストリーミングコンテンツ用キャッシュサーバは,コンテンツの先頭部分などを部分的に保持し,保持部分をストリーミング配信すると同時に,後続部分をオリジンサーバからプリフェッチする機能を持っている.しかし,このプリフェッチは,ストリーム配信の品質の安定を目的としており,ボトルネックを共有する一般のWebトラヒックなどの状況を考慮せず行われるため,一般のWebトラヒックとの競合を引き起こす.このため,一般のWebトラヒックのスループットを維持しようとすると,ストリーム配信本数を増やせないという問題があった.本稿では,ストリーミングコンテンツ用キャッシュサーバにおいて,ボトルネックの輻輳度に見合った適応的なプリフェッチを行うことで,ストリーミング配信品質を保ちつつ,一般のWebトラヒックのスループットを向上させる方式を提案する.また,シミュレーションによる性能評価により,若干のバッファコスト増加と引き替えに,一般のWebトラヒックのスループットを従来と同等に保ちつつ,従来の2倍のストリーミング配信本数を同一ボトルネック帯域に収容できる事を示した.
著者
藤崎 貴章 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.5-8, 2003-04-11
被引用文献数
6

P2P(Peer-to-Peer)ストリーミングは、 P2Pネットワークを利用し、ストリームデータの発信および中継処理を各ピアに分散させることによって、個人でのストリーム配信を可能とした技術である。しかし、P2Pネットワークはダイナミックに変化するため、ストリーム配信を各ピアに対して維持することが難しい。本稿では、Gnutellaプロトコルを基本としたPureP2Pストリーム配信ネットワークの構成法を提案し、その有効性について示す。
著者
舟阪 淳一 二矢川 敏夫 石田 賢治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.36, pp.19-24, 2009-05-14
被引用文献数
1

ファイルを部分に分解し、複数のサーバから同時に別々の部分を取得することによって高速化を図る並列ダウンロードが提案され、効率的な実行について研究が重ねられてきている。従来のTCPを用いる方法には、データリンクで損失の多発するネットワークにおいては性能が低下するという問題があった。これを解決するために我々はTCPの替わりにSCTPを用い、特にマルチストリーム機能の適用に注目した並列ダウンロード方式を提案してきた。本稿ではSCTPマルチストリームを用いて並列ダウンロードを実現する方法を検討し、用いるサーバを1台のみに簡単化して(分割ダウンロードとして)シミュレーション実験により評価する。ここではネットワーク環境のパラメータである遅延、パケットロス率を変更し、方式のパラメータである同時リクエスト数、分割数、ストリーム数をさまざまにとり、シミュレーション実験を行った。その結果、SCTPマルチストリームが分割ダウンロードのロス耐性を向上させる効果をもつことが明らかとなった。
著者
橋本 雅和 阿多 信吾 北村 浩 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.689, pp.79-84, 2005-02-24

IPv6の持つ新たな機能であるエニーキャストは, 同じサービスを提供する複数のサーバに共通のIPアドレスを割り当てて複数のサーバの中から最適なサーバを1つ選んで通信する機能であり, その特性から様々な用途が期待されている.特にIP層でのエニーキャストの実現は, 既存のアプリケーションに変更を加えず使用することができるという利点がある.しかし, 通信の対象となるノードがインターネット上に広く分散しているという特徴を持つグローバルエニーキャストの実現には, 既存の経路制御を大きく変更する必要があり, 実現が困難であると思われてきた.そこで本研究では, Mobile IPv6とグローバルエニーキャストのメカニズムの比較から多くの類似点を見いだして, Mobile IPv6のメカニズムを応用することによりグローバルエニーキャストを容易に実現できることを発見したので, その手法を報告する.
著者
高瀬 柔郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.692, pp.261-266, 2003-02-28

今後恒常化する高齢社会の近隣地域のボランティア活動を支援するために近隣網が提案されている.近隣網では,通信を無料化するためにルータ等の管理サーバを設置せず,各家庭のパソコンをノードとし家庭間をリンクで直結する.そのリンクに光ファイバーを使用するとFiber Among the Homes(FATH)が出現し,集合住宅では立体的な分散網が形成される.立体的な分散網の損失率の下限を提示する.
著者
永田 智大 鈴木 俊博 小林 基成 カーン アシック 趙 晩熙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.79-84, 2008-05-08

本論文では,我々が新世代ネットワークとして提案する仮想ネットワーク技術を実現する際,単一ノードが支援する技術について検討を行う.仮想ネットワークはリンク資源,処理資源を統合的に扱うため,単一ノードでは仮想マシン技術を応用することで,効率的な資源割当てを実現できると考える.資源割当が正しく行われた仮想マシンが相互に連携して仮想ネットワーク全体の資源分割を支援する.そこで,我々はまず仮想マシンの資源利用状況を監視し,単一ノード内で実際に使われていない資源を,資源が足りていない仮想マシンに割当てることで,資源の利用効率やサービスのスケーラビリティ向上を目指す.また,その応用例として,仮想マシンの再起動に対する冗長性について検討を行う.再起動の原因に応じて資源割当てを変化させることで,仮想マシンが提供するサービスを効率的に継続して提供できる.
著者
宮村(中村) 浩子 大坐畠 智 中尾 彰宏 川島 幸之助 鈴木 喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.188, pp.85-90, 2009-09-03
被引用文献数
3

大規模ファイル共有ネットワーク可視化方式を提案する.ネットワークデータはノードと,ノード間の接続を表すリンクから構成されており,このリンク数が増加するとリンク同士が交差し,ネットワーク構造を把握するのが困難になる.そこでわれわれは,ネットワーク構造を把握し,主要なノードを探すために,リンクを表示しないマトリクス形式のネットワーク可視化方式を提案する.また,ファイル共有ネットワークのログデータを用いて,提案する可視化方式の有効性を検証する.
著者
川上 博 石野 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.74, pp.1-6, 2001-05-17
被引用文献数
1

IMT-2000ではATM技術を用いて回線交換およびパケット交換を統合したネットワーク構築が可能である. 本稿ではATM技術を用いたパケット交換サービスのQoSサービスの提供形態を提示し, ATM-SVCおよびIPルーチングそれぞれのバックボーンネットワークでATMを用いたQoS提供方法を示す. またQoS保証が必要な代表的なサービスであるVoIPを移動通信網で提供するための課題を提示する.
著者
岩崎 俊介 池上 大介 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.14, pp.61-64, 2006-04-13
参考文献数
5

近年,大規模ワームや分散型サービス拒否(DDoS: Distributed Denial of Service)攻撃といったサイバー攻撃が深刻な社会問題となっている.これらの攻撃パケットの送信元IPアドレスは偽装されていることが多く,攻撃発信元を特定することが困難である現状がある.そこで本研究では,AS間のルーチングに利用されているBGP(Boarder Gateway Protocol)の特性を利用した,送信元IPアドレス偽装パケット検知手法を提案する.
著者
小林 淳史 西野 将史 木村 真吾 石橋 圭介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.286, pp.1-6, 2008-11-06

近年,バックボーン内のトラヒックにおいて,IPTV,VoIPトラヒックのようなネットワーク品質を要求するアプリケーションが増えている.このため,ユーザのトラヒックをもとに,より簡易に大容量のストリーム・サービスの品質を測定する手法が要望されている.本稿では,選択的にパケットを抽出し,所望のパケットのみをsFlowで配信するルータを用いた品質測定システムを検討したので報告する.特に,VoIPにおいては,SIPによるシグナリング・パケットを監視することで,メディアを特定し,当該メディア・パケットをルータのアクセスリスト機能を用いて,選択的にsFlowルータにて抽出する手法を用いる.このため,SIP監視からアクセスリストの設定,sFlowによるトラヒックデータ受信までの一連の動作システムのアーキテクチャの検討とプロトタイプによる動作検証を行ったので報告する.
著者
後藤 崇行 長谷川 輝之 阿野 茂浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.36, pp.79-84, 2009-05-14

近年,ネットワークを流れるトラヒック量が増大してきており,その迅速な解析を目的としたサンプリングの必要性が高まってきている.サンプリングはパケットサンプリングとフローサンプリングに分類される.前者は実装が容易であり,様々な製品に実装され広く使用されているが,フロー統計の計測性能が低いという問題を有している.後者は,パケットサンプリングに比べてフロー統計の計測性能は高いが,フローを分類する必要があり汎用のルータ・スイッチへの実装は進んでいない.本稿では,フローサンプリングの問題点である実現性向上を目的として,ルータ・スイッチのアクセスリスト機能を利用したワイルドカードマスクによる方法を提案する.ハッシュベースのフローサンプリングと比較し,フローを大きく間引かない場合には,フローの統計量分布の計測性能は実用上問題とならないことを確認した.