著者
倉谷 和彦 増山 博之 笠原 正治 高橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.87-92, 2008-09-04

近年,インターネットを利用した実時間通信サービスとして,Peer-to-Peer (P2P)技術に基づいたユーザ管理機構をもつSkypeが注目を集めている.Skypeではユーザノードから選ばれたスーパーノードによってユーザ情報の管理,呼設定,Network Address Translation (NAT)越えの中継がなされており,スーパーノードはユーザノード数に応じてその数を動的に増減させることで負荷の分散を図っている.本稿ではこの機構に着目し,スーパーノード利用型P2P実時間通信網の負荷分散性能を解析的に検証する.具体的には,一般ユーザの参加を非斉時ポアソン過程で表現したM(t)/M/∞待ち行列モデルでユーザノード数の状態確率を計算する.数値例より,ピアノード数が大規模に変動する環境下においても,スーパーノードに対する負荷を高めることなく実時間サービスを提供できることが明らかにされた.
著者
山野 悟 溜 煥旭 川崎 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.259-264, 2007-03-01

WiMAxとWi-Fiが混在するアクセスネットワークにおいて,高カバレッジのWiMAXと低カバレッジで広帯域のWi-Fiを効果的に連携させるWiMAx-Wi-Fiアクセス連携システムを提案する.Wi-Fiで溢れた呼を迂回回線のWiMAXで収容する迂回中継方式、および、ハンドオーバ確率に応じてWiMAXの帯域を予約するハンドオーバ確率帯域予約方式により,アクセス連携システムにおいて無線リソースを有効利用できることを示した.
著者
中塚 正之 岩谷 周 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.171-176, 2009-02-24

近年様々な場所において、自動監視システムや各種ユーザアプリケーションを目的として、環境中における人間の数を求めることが重要なトピックとなっている。既存手法としてはカメラベースの手法が多数あり、歩行者にRFIDを付与した人数カウントシステムも考えられる。しかし、これらの方式では設置の制約や展開コスト、プライバシーが問題になるため、本稿においては、既存の無線通信インフラを用いたPassiveな混雑推定システムについて検討を行う。具体的には無線通信時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)やLQI(Link Quality Indicator)の平均値・分散値を利用して混雑度を推定する。そのために回折などの人間による電波への影響に関して調査も行った。
著者
持田 武明 原田 啓司 丸山 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.127, pp.25-28, 2005-06-16
被引用文献数
2

放送のデジタル化に伴う効率的なHDTVコンテンツ制作作業を支援するため, IPネットワーク技術を用いて非圧縮HDTV映像信号を低遅延で伝送可能な「i-Visto(アイビスト)ゲートウェイXG」を開発した.「i-VistoゲートウェイXG」は, 10Gbit/sのネットワークインタフェースを使い複数のHDTV映像信号を同時に送受信できる多重伝送機能, 1Gbit/sのGbEインタフェースを2本束ねてHDTV映像信号を送受可能なインバースマックス機能を有する.本稿では各機能の実現方法, フィールド実験を含む評価結果, およびi-Vistoの今後の展開について紹介する.
著者
飯塚 宏之 江連 裕一郎 伊藤 哲也 長谷川 淳 板谷 聡子 長谷川 晃朗 デイビス ピーター
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.86, pp.49-52, 2005-05-19
参考文献数
9
被引用文献数
1

屋内テストベットにおいて, 無線マルチホップネットワークを構成し, TCP上で動作するFTPと, UDP上で動作するTFTPの2つのファイル転送プロトコルを使用し, 性能比較実験を行った.その結果, FTPを使用した場合, 端末間で激しい無線帯域争奪が行われ, 不安定な経路を持つ端末が安定な経路を持つ端末のファイル転送の終了を待たなければならないという不公平性が発生し, 端末間にスループットの格差が見られた.一方で, TFTPによるファイル転送はFTPより転送速度は遅いが, 無線マルチホップ環境ではFTPに比べて安定したデータ転送レートを維持することができ, 公平であることがわかった.
著者
飯塚 宏之 江連 裕一郎 松本 晃 伊藤 哲也 長谷川 淳 板谷 聡子 長谷川 晃朗 デイビス ピーター
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.405, pp.83-86, 2005-11-10
参考文献数
5
被引用文献数
8

無線通信端末だけで無線マルチホップネットワークを構成した場合と, 無線通信端末をアクセスポイントに収容しアクセスポイント間通信に無線マルチホップネットワークを利用し階層化した場合について, FTPとTFTPのスループットとその時間変動に注目し, 屋内テストベッドにて実験を行った.その結果, 無線通信端末だけで構成する場合には各クライアントでのスループットにばらつきがあること, アクセスポイントで階層化するとそのばらつきが抑制されること, および, アクセスポイント間の経路が不安定になることが確認された.これらの現象とその解析結果, および, 無線マルチホップネットワーク上のアプリケーションに与える影響について報告する.
著者
金子 雅志 入江 道生 四七 秀貴 飯尾 政美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.321-324, 2010-02-25
参考文献数
3
被引用文献数
1

データ通信と音声通信を統合したIPネットワークである次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)では、多様なサービスの登場が期待されている。NGNのサービスを実装するアプリケーションサーバの開発において、開発効率の向上を目的としてJavaを採用する動向がある。一方で、高信頼・高品質な通信サービスの提供が求められる通信事業者向けサーバにおいては、ガベージコレクションに伴う停止時間が招くリアルタイム性への影響が懸念される。近年、ガベージコレクションの停止時間を改良したリアルタイムGC等の技術によってリアルタイム処理性能についての改善が見られるが、フルGCの発生確率を完全に無くすことはできないため、十分な解決策とはなっていない。本稿では、ガベージコレクションによるリアルタイム処理性能への影響を低減させる方式について、ロードバランサと連携する方式と、ネイティブコードを利用する方式を提案する。そして、後者の方式の有効性を示すため、応答時間の改善効果と処理に必要なオーバーヘッドを試作によって実機評価した結果を示す。
著者
磯部 隆史 堤 聡 瀬戸 康一郎 青島 健次 苅谷 和俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.549-554, 2010-02-25
参考文献数
6

TLS/SSL暗号通信の全機能をFPGA・ASICにワンチップ化して搭載するアーキテクチャを開発し、省電力(23W)な10Gbps TLS/SSLアクセラレータを65nm FPGAを用いて実現した。FPGA・ASICを用いることで、並列化・パイプライン化・演算単位最適化による演算効率向上が可能となり、省電力化が実現される。ワンチップ化することで、機能ブロック間の接続にスイッチを用いることが可能となり、データ交換時の輻輳が無くなり、高スループット化が実現される。本研究では、回路量を削減してワンチップ化を容易にするために、送受信回路の一部共通化、複数データで1回路を共有する並列演算、等の演算方式の高効率化を行った。加えて、スイッチの配線量を削減して動作周波数を向上させるために、スイッチの入出力を共通化することでスイッチを小型化した。これらにより、TLS/SSL暗号通信の全機能の回路量を、本開発で使用した65nm FPGA1つ分に抑え、10Gbpsスループットの実現に必要な166MHz動作(64ビット幅パイプライン処理時)を得た。試作ボードを用いた実験評価では、23Wの消費電力による10Gbpsの暗号化スループットを達成した。
著者
田中 直毅 齊藤 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.435-440, 2008-03-06
参考文献数
8

匿名P2Pネットワークにおける情報漏洩は,WinnyなどのP2Pファイル共有ソフトを使用するユーザのPCから発生しており,各個人の機密情報や個人情報をAntinnyと呼ばれる暴露ウィルスがP2Pネットワーク上に拡散するものである.特にP2Pファイル共有ソフトWinnyによる情報漏洩拡散の被害は急増しており,対策技術は社会的な必要性を増しつつある.しかし,法的な問題もあり現在の対策技術の有効性は疑わしいとされている.本研究では,既存の対策技術の有効性について検討した上で,それらを改良した新しい方式を提案する.本システムは,Winnyネットワーク上に存在するファイルの要約情報であるキーを偽造することによりWinnyネットワークの検索機能を撹乱させ検索性能を低下させることにより漏洩情報の拡散を防止することを目的としたものである.
著者
山田 明 三宅 優 寺邊 正大 橋本 和夫 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.11-16, 2008-09-11
参考文献数
14

メールやWebなど様々なプロトコルにおける名前解決の基盤としてDomain Name System (DNS)が利用されている.そこで,DNS監視によって,それらのプロトコルにおけるクライアントの振る舞いを監視できる可能性が示されている.これまで提案されてきた方式は,企業LAN規模のようなクライアント数の少ないネットワークを監視する方式であり,ISPのようなクライアント数の多いネットワークへの適用が困難である.本稿では,クライアント数が多いネットワークにおいても,異常なクライアントを検知する方式を提案する.提案方式は,障害の原因となりやすい流量の多いクライアントのみを選別して判定処理を行うことによって,対象クライアントを個別に監視するのに要する総計算量や総記憶量を削減できる.実DNSサーバの6ヶ月間の通信による評価から,スパムメール送受信などの異常を検知できることを示す.
著者
サンソン ホラシオ ネイラ アルバロ ロヨラ ルイス ソウサ クリスティアン 松本 充司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.102, pp.55-60, 2009-06-18

In this paper, we evaluate via real experiments the performance of the Stream Control Transmission Protocol (SCTP) in conjunction with its Partial Reliability extension (PR-SCTP) for streaming real-time H.264 video over an Free Space Optics link. We show that careful tuning of PR-SCTP partial reliability capabilities in terms of either number of retransmissions or retransmission time outs allow us to stream real-time H.264/AVC video with reliability comparable to that of TCP and with similar or lower delay characteristics.
著者
為近 智行 奥田 剛 飯田 勝吉 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.689, pp.167-170, 2004-02-26

本研究は非同期通信環境下における電子現金の個人間送金手法を提案する.非同期通信環境下での個人間送金を可能にすることで,送信者と受信者がそれぞれ都合のよい時間に送金の操作を行うことが可能となる.しかしその実現には,通砂防報が不着の場合や盗聴,改ざんされた場合のセキュリティ問題を解決する必要がある.これらの問題に対し提案方式では公関鍵暗号方式を用い、時間に依存する取引識別番号で取引順序を管理し,送信者と受信者の間にサーバを挟んだ3者闇取引とすることで解決を図る.最後に提案手法が上記の問題を解決できることを定性的に示す.
著者
小谷野 壮 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.408, pp.145-150, 2012-01-19
被引用文献数
2

近年、ルータを含むネットワーク機器の省電力化が大きな課題となっている。このため、トラヒック量に応じて処理能力を動的に変更させ、省電力化を実現するルータに関する研究が行われている。トラヒック流量に基づいて省電力制御を行うためには、ルータにおいて将来発生しうるトラヒック量を細かい周期で正確に予測する必要がある。本稿では、トラヒック量に追従可能な省電力ルータにおける細粒度トラヒック予測技術を実現するための手法および適正なパラメータチューニングを提案する。そして実データによるシミュレーション評価で、提案予測手法が最大95%の電力削減を達成できることを示す。
著者
木谷 友哉 谷口 義明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.499-504, 2009-02-24

センサネットワークのカバレッジ,コネクティビティ,寿命,ロバスト性はセンサ端末の初期配置に大きく影響される.本稿では,大量のセンサ端末を一度に空中で散布する際に,センサ端末の効果的な初期配置を実現するための散布法を提案する.提案手法では,センサ端末に落下中に2つの水平方向の移動挙動を切替えられる機構を持たせ,その切替タイミングを制御することにより観測領域に均等に分布して落下させる.センサ端末は落下中に他のセンサ端末と通信を行い,周辺の他の端末数を考慮して落下挙動の切替を行うことで,落下後のセンサ端末の分布の偏りを防ぐ.シミュレーションにより,提案手法がセンサ端末の初期配置を一様に近づけられることを示す.
著者
森谷 優貴 渥美 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.348, pp.37-42, 2002-09-23
被引用文献数
1

空港や人気ショップ等,多くのユーザが利用する無線LANホットスポットでは,ユーザ収容数を向上させるため,複数の無線LANアクセスポイント(AP)を設置する必要がある.そのような環境において,マルチキャストを利用した映像配信等のサービスを行う際,同一マルチキャストグループの受信者が異なるAPに接続すると,複数のAPから同一データが送信され,必要のない帯域が消費されてしまうという問題が発生する.この問題を解決するため,本研究では,ホットスポット管理ルータが受信者の接続先APを制御することにより,同一マルチキャストグループの受信者の接続先APを同一APとするマルチキャスト受信者集約方式を提案し,実装実験により有効性を検証した.
著者
古川 久夫 宮口 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.261, pp.75-80, 2007-10-11
被引用文献数
3

固定IP網、移動IP網を将来統合可能としておくために現時点で何をすべきかを検討しており、本報告では、統合IP網の基本的構造及び統合IP網内に設置する終端装置の機能を論ずる。終端装置の機能は、IPカプセル化及び逆IPカプセル化、IPフロー分離機能、優先制御及びポートフィルタルタを含む。
著者
野崎 寛也 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.633-638, 2011-02-24
被引用文献数
1

ストリーミングは、かつてはRTP/UDPとRTSPを用いる方式が主流であり、HTTP(TCP)ストリーミングはファイアウォールを超えられない場合の代替手段として用いられていた。 しかし、ネットワークの広帯域化の進展と共に、最近はYouTubeなどに代表されるHTTPストリーミングが主流となりつつある。さらに、Appleが提案したHTTP Live StreamingがiPhone、iPad等の普及により注目を集めている。そこで本研究では、HTTP Live Streamingを想定してTCPの比較評価実験を行った。ネットワークの広帯域化に伴い、様々な輻輳制御方式のTCPが提案されてきたが、その中で、Loss-based手法としてのTCP-Reno、Delay-based手法のTCPとしてのTCP-Vegas、Loss-based手法で、現在、Linux標準となっているCUBIC-TCP、Hybrid手法として筆者らが提案したTCP-Fusionを評価対象としている。
著者
筒井 達大 浦林 宏行 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.545-550, 2011-02-24
被引用文献数
3

ネットワーク内に配置されたキャッシュを自律的に協調させる方法として,コンテンツの存在方向を示す足跡情報(インネットワーク誘導)をルータに残すBreadcrumbs方式が提案されている.コンテンツ要求は当初ロケーションIDにより転送されるが,所望コンテンツの足跡にヒットすると,その足跡方向に誘導される.この誘導により,サーバへの経路上にキャッシュがなくても適切な方向のキャッシュからコンテンツを取得することが可能である.本稿では,このBreadcrumbs方式が部分普及した状況での,サーバダウンロード低減効果を評価した.その結果,単なる部分普及時には非対応ルータにおける誘導経路の分断により,足跡情報の無効化が多く発生し,サーバダウンロードがそれほど低減されないことを明らかにする.また,その解決手法の一つであるオーバレイによる手法の評価も行い,その有効性を明らかにする.
著者
西田 祐二 中尾 彰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.421-426, 2013-02-28

インターネット上で実施される従来のアドターゲティングには,(1)HTTPで送受信されるテキストデータの解析,(2)広告ネットワークに閉じたデータマイニング,(3)広告コンテンツのサイズが小さい,といった制限が問題として存在するため,我々は網内アドターゲティングによってそれらの問題を解決し,(1)プロトコルにとらわれないテキストデータの解析,(2)広告ネットワークを横断する統一的なデータマイニング,(3)精彩で魅力のある広告コンテンツの利用,といったことをWiFiアクセスポイントを用いることで実現可能にする.また,我々の提案方式では,WiFiアクセスポイントの仮想化により,複数のMVNOを同時に収容し,WiFiを対象としたあらゆるサービスや実験を同時に提供可能としている.本稿では,WiFiアクセスポイント上の計算資源が限られているため,推測処理プログラムを実環境や遠隔サーバで共有し,プロセス間通信を通して利用することで,消費リソースの軽減や計算時間の短縮を達成する手法を評価し,本提案による網内アドターゲティングが実用可能であることを示す.
著者
與儀 那広 城間 政司 長田 智和 谷口 祐治 玉城 史朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.372, pp.59-62, 2011-01-13

近年,AjaxやHTML5の台頭により,JavaScriptを用いたWebブラウザのリッチクライアント化が進んでいる.これにより,プラットフォームに依存しないアプリケーションの開発が可能になってきた.しかし,現在のJavaScriptの機能では,Webブラウザ間でP2P通信を行うアプリケーションを開発することはできない.そこで,本研究ではJavaScriptに新たな機能を追加し,WebSocketを用いることでWebブラウザ間P2P通信を実現する.また,その有用性を示す例として,Webブラウザ上で動作し,さまざまな気象情報を伝送するP2Pアプリケーションの開発を行う.