著者
篠原 季次 宮下 直樹 平原 大地 吉本 引正 山川 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.88, pp.91-95, 2013-06-13

宇宙基本法が改訂になり、人工衛星を用いた海洋監視手法の研究開発が求められ、JAXAにおいても、排他的経済水域の保全管理、違法操業等の海上犯罪、不審船事案、重大海難事故等、あるいは、我が国に至る海上輸送路における海賊行為等の対処に資することを目的とした、外洋を含めた広い範囲のAIS信号を人工衛星で受信するシステムの検討を行ってきた。衛星AIS (AIS: Automatic Identification System)は、上記に貢献できる宇宙システムの一つであるため、小型衛星を利用した衛星搭載AIS受信システムに関する技術実証実験SPAISE1 (SPacebased AIS Experiment1)を実施した。今回は約1年間に及ぶSPAISE1の実験結果のサマリを報告する。
著者
住谷 美登里 青山 久枝 山田 泉 ブラウン マーク
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.165, pp.1-6, 2013-07-19

航空交通の増大に伴い、空港面の交通においても航空交通の効率性向上を目指した空港面の運用の検討が必要となっている。そのため電子航法研究所では、出発便の混雑時の地上走行による離陸待ち等の滞留の軽減策を検討している。本稿では、日本で最も離発着便が多い羽田空港を対象に、まず空港面交通状況を把握するために、空港面地上走行データを用いて、滑走路離着陸数に関する分析結果を報告する。次に、出発便の離陸時刻を予測し、離陸待ちによる滞留を軽減するように滑走路離着陸数の予測に基づいて駐機スポットからの出発時刻を調整する手法について提案する。そして、この手法について電子航法研究所が開発した空港面交通流を模擬するシミュレータを利用して、検証した。その結果、離陸待ちしている便数および離陸待ちによる滞留時間が軽減されたことが示された。
著者
住谷 美登里 青山 久枝 ブラウン マーク 山田 泉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.162, pp.1-6, 2012-07-20

航空交通の増大に伴い、航空交通の効率性向上を目指して、空港面の交通においても空港面交通管理手法の検討が必要となっている。電子航法研究所では日本で最も離発着便が多い羽田空港において、出発便の混雑時の地上走行による離陸待ち等の滞留の軽減策を検討している。本稿では、まず羽田空港の空港面監視データを用いて、空港面交通分析を行った結果を報告する。次に、空港面交通管理手法の検討のために電子航法研究所が作成している空港面交通流を模擬するシミュレータの概要を説明する。そして、出発便の滞留緩和策の一つである駐機スポットからの出発時刻を調整する方法をシミュレーションで検討した結果の例を示す。
著者
平島 弘一 三尾 剛 市山 尚 三觜 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.453, pp.107-113, 1994-01-28
被引用文献数
7

気象レーダ及びその他のセンサーからの情報を複合したシステムを用いて雷雲を捕捉するシステムである地上用雷電探知装置の、雷雲判定の方式等を中心にシステム概要を報告する。本システムで実現された主な課題は次のものである。・立体構造の判定単位区分の細分化・予知に結び付ける新しい知見に立脚した処理アルゴリズムの開発
著者
小出来 一秀 柏瀬 俊夫 鈴木 龍太郎 有本 好徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.527, pp.37-42, 2000-12-15
被引用文献数
1

多数の低高度衛星から構成される低軌道衛星間リンクにおいて, 従来の電波通信の代わりにレーザを用いた光通信を行うことが検討されている.低軌道衛星間リンクでは, 自機の周りの複数機間で光通信を行うことが想定されており, 1衛星に複数の光通信捕捉追尾装置が搭載されるため, 装置の小型・軽量化が必須となる.さらに, 隣接軌道面間リンクにおいては, 相対角速度, 必要駆動範囲が大きくなるため, 捕捉追尾装置の粗駆動機構の高速化, 広駆動範囲化が求められる.これら2つの要求に合致するものとして, クーデパス式光アンテナ結合方式がある.本報告は, 試作したクーデパス式光アンテナの構成, および性能評価試験結果について述べる.
著者
天井 治 長岡 栄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.66, pp.9-15, 1993-05-26

我が国では、平成4年6月から評価用の3本のルートを用いて、広域航法(Area Navigation:RNAV)の運用評価が行われている。本論文では、その各ルートを飛行したRNAV機の航法精度を評価するために行った解析の方法およびその結果について述べる。航空路監視レーダで取得したレーダデータを用いてRNAV機の航跡を抽出した。RNAV機であることを確認するためには飛行計画情報を用い、この航跡データから横方向経路逸脱量を求めた。221日分のデータを用い、各ルートにおける横方向経路逸脱量の特徴を調べた。また、すべてのデータを一纏めにして、その累積度数分布を求めた。その結果、RNAV機の横方向経路逸脱量のデータの少なくとも95%は、±1NM以内にあることが分かった。
著者
三輪 進 斎藤 彰彦 幸谷 智 加来 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.285, pp.43-48, 2000-09-07
被引用文献数
1

本論文は、レーダにおける信号対クラッタ比(SCR)について、どう定義すれば視覚によって感じる値と一致するかを考察した第一報である.まず, 考え得る色々なSCRの算出式を定義する.ついて, 小型船舶用レーダにより取得した検波後のデータにおいて、信号部分を切り出して伸縮させ、任意のSCR状態を作り出す.これにSCR改善手法の一例として, ウェーブレット変換を施す.これら処理前, 処理後のデータの鳥瞰図を複数の人から成る2つのグループに見せて得たアンケート結果を示し, SCR定義との関連について考察する.第1グループの評価では, 「ターゲットの平均電力/クラッタの標準偏差」の定義が視覚結果に最も近かったが, 第2のグループの評価はどの定義式よりも低く, 評価方法を再検討する必要を感じた.
著者
ブラウン マーク 青山 久枝 山田 泉 住谷 美登里
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.407, pp.9-14, 2012-01-19

独立行政法人電子航法研究所では、羽田空港の交通流の改良を目指して交通流を分析し、改良方法を評価するためにシミュレーションモデル開発を行っている。忠実な交通流シミュレーションを得るため、各フライトの駐機スポットと駐機時間情報が必要である。スポット情報はSMAP(Spot Management and Planning:スポット総合調整サブシステム)とODAP(Online Data Archive Processor:運用情報管理サーバ)の二つの独立した航空管制情報システムから得ている。しかしながら、この二つのシステムのスポット情報に矛盾や欠陥が時々発生する。この場合、空港面監視レーダの航跡データからスポット位置を推定しスポットの利用状況を推定する可能性を検討した。本稿は羽田空港のSMAPとODAPスポット情報と空港面監視レーダ航跡データから推定したスポット位置の特徴を求め、駐機時間の解析を報告する。
著者
山上 祐希 入江 正樹 佐々木 晃一 渡辺 康夫 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.35, pp.29-34, 2005-04-21
被引用文献数
7

近年, 無線LANや自動車レーダ等に見られるように, ミリ波帯電波以上の利用が進みつつあり, これに沿って高周波帯における電波吸収体の開発研究が行われている. 高周波帯電波吸収体に求められる性能として, 薄形・軽量, 耐環境性能, 広帯域, 広角度性能, 両偏波対応が挙げられる. 電波吸収体の実現には, 電波吸収体材料の電気材料定数の計測, 電波吸収体材料の理論的検討, 厚みの設計及び電波吸収体の製造, 吸収量の計測及び特性評価の4つの過程が必要となる. 本稿では, 不燃性, 耐候性, 意匠性に優れ, 軽量な酸化チタン多孔体を用い, Wバンド電波吸収体を試作評価した結果を報告する. 実験方法として, 試作した電波吸収体の複素比誘電率を計測し, 電界ベクトル回転法と反射電力法を用い吸収量計測を行った. その結果, Wバンドでの電波吸収体の作製が可能であることを示した.
著者
福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.665, pp.35-40, 2003-02-21
被引用文献数
4

航空機が保持する針路,速度,ロール角等の動態情報を管制システムがデータ通信で取得し,航空機の間隔が管制間隔を満足しない近接状態を予測検出する手法について検討した.2機の航空機が水平面で接近するシミュレーションを実施し,レーダの観測位置のみを利用する方法と観測位置に加えてロール角,速度,選択針路,通過予定ウエイポイント等の航空機の動態情報を利用する方法を比較した.航空機の動態情報を利用する方法は,観測位置のみを利用する方法に比べて,航空機の針路変更時の不要警報と警報の検出遅れの発生を低減できることがわかった.
著者
中西 洋喜 小笠原 克久 沼田 亜紀子 野口 新 吉田 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.637, pp.9-15, 2001-02-16
被引用文献数
1

軌道環境保全という観点から, 故障衛星がスペースデブリとなって漂いつづけるという問題は今後ますます深刻になっていくと考えられ, これらを回収する技術が求められている.ロボットアームを搭載した無人衛星によって、故障した衛星を回収・軌道外投薬することが議論されている。この場合, ターゲットが協力的(姿勢安定, グラプルフィクスチャー装備)であることが要求されるが, 故障衛星にそのようなことを望むことはできない。本論文では, 非協力衛星を協力化させる衛星回収システム"The TAKO-Flyer"を提案する.The TAKO-Flyerはターゲットに多関節グリッパー"TAKO-Gripper"を用いてソフトに抱きつき, その姿勢を安定化させ, ロボット衛星により回収が可能となるような機能を提供する.
著者
岸本 統久 沢辺 幹夫 寺田 弘慈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.112, pp.1-4, 2007-06-21
被引用文献数
3

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、関係研究機関と協力して高精度測位実験システムの開発を実施すると共に、2006年3月31日の政府方針「準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針」に基づき、準天頂衛星システム第1段階(準天頂測位衛星初号機、準天頂衛星追跡管制システム)の整備を行っている。これまで、高精度測位実験システムについては、詳細設計、及び、準天頂測位衛星初号機・準天頂衛星追跡管制システムについては、予備・基本設計を実施してきており、本稿ではこれらのシステム設計について示す。
著者
草間 拓真 難波 一輝 スリ スマンティヨ ヨサファット テトォコ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.330, pp.21-26, 2012-11-23

合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)は全天候型の画像センサーであり解像度の高い画像が得られるという特徴を持つ.その一方,画像容量が大きくなるため,航空機や衛星上などのプラットフォームから地上との通信時間が長くなる課題がある.そのため,プラットフォーム上でSAR画像処理による画像圧縮が注目されている.本論文では,無人航空機(UAV)において準リアルタイム観測での運用が可能なSAR画像処理システムとSAR画像処理における画像転置アルゴリズムを提案し,Viretx-6 FPGAに実装し評価している.
著者
斉藤 貞夫 今岡 啓治 藤井 秀幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.100, pp.87-90, 2008-06-19

改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-Eは、地球観測衛星Aquaに搭載されたマイクロ波放射計である。AquaおよびAMSR-Eは2002年5月4日に打ち上げられた。満6周年を迎えた現在も、致命的なトラブルはなく順調に観測を続けている。ここでは、AMSR-E運用および利用の現状を紹介し、AMSR-Eの観測した地球環境のイベントの一部を紹介する。
著者
久保岡 俊宏 高橋 正昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.530, pp.5-9, 2004-12-17

小口径の望遠鏡を中心としたシステムでも静止衛星の撮像は可能なのか,さらには軌道決定に活用できる定量的なデータを取得できるのかを確かめるため,冷却CCDカメラを装着した10cm F5及び6cm F6の屈折望遠鏡を可搬型の赤道儀に搭載して静止衛星の撮像を試みた.その結果,画角内への衛星の導入精度には問題があるものの,いずれの組み合わせでも静止衛星の検出が可能であることが分かった.また,10cm望遠鏡を用いたシステムと鹿島宇宙通信研究センターにある口径35cmの据置型の望遠鏡で同時観測を行い,背景に写っている恒星の位置から各時刻における衛星の赤経・赤緯を求めた.2つのシステムから求められた赤経・赤緯の差はRMSで1/1000度程度であり,小型望遠鏡から得られたデータも静止衛星の軌道決定に十分利用可能であるものと考えられる.
著者
小林 敬生 馮 〓 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.41-45, 2003-09-04
被引用文献数
6

アフガニスタンにおける地雷除去活動への供与を目的とする地雷探知SAR-GPRシステムの開発を進めている.開発中のSAR-GPRシステムは地中を3次元可視化して地雷の判別を行なう.センサは10基のビバルデイアンテナで構成されたアレイアンテナである.実験によりレこのアレイアンテナのアンテナ間隔と地表面粗さが地中ターゲット画像に及ぼす影響を調べた.その結果、アレイアンテナのアンテナ間隔には地表面粗さに応じた最適値が存在することが分かった.
著者
西本 昌彦 戸村 公亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.219, pp.1-5, 2009-10-01
被引用文献数
6

地中レーダを用いて浅い埋設物の同定/識別を行う場合,レーダ応答に含まれているターゲットの特徴を精度よく抽出することが必要となる.パルスレーダでは波形の変化が重要な特徴となるが,使用する送受信アンテナの特性により,計測した波形には歪みが生じる.本研究では,金属板による反射応答を用いて構成した逆フィルタにより波形の校正を行い,計測した応答波形から所望の入射波形に対する応答を再構成する.
著者
國森 裕生 竹中 秀樹 布施 哲治 後藤 忠広 久保岡 俊宏 豊嶋 守生 吉田 和哉 桑原 聡文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.107, pp.99-104, 2012-06-21

東北大が計画している小型衛星「ほどよし21」別名RISESATに光通信ミッションのレーザ送信機器コンポーネントを搭載し、先進的宇宙実証をおこなう計画を述べる。ミッション名VSOTA(Very Small Optical Transmitter for component validation)の目的と仕様、リンク計算、衛星インタフェースと実験とその評価方法の概要を述べる。
著者
竹中 秀樹 豊嶋 守生 高山 佳久 小山 善貞 秋岡 眞樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.425, pp.59-63, 2011-02-17
被引用文献数
1

50kgクラスの小型衛星は,ピギーバックとして打ち上げ可能なため,普通の衛星に比べて製作のコストと時間を低減することができる.しかし,超小型衛星は,搭載リソースが少ないため通信容量が制限される.その解決方法として光通信を用いることで通信容量の向上が可能である.光通信は,現在,電波法による制限がないため,国際周波数調整が不要で打ち上げスケジュールの短縮が可能である.情報通信研究機構(NICT)では小型光トランスポンダ(SOTA : Small Optical TrAnsponder)を開発しており,小型衛星に搭載して光通信実験を行うことを計画している.本稿では,超小型衛星搭載用のSOTAを用いた光通信の実験計画について報告する.
著者
山本 泰智 佐野 元昭 関根 松夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.264, pp.17-22, 1994-09-30
被引用文献数
4

レーダは、現在、航空機や航舶の安全航行上必要不可欠な装置となっている。そして、レーダの信号処理では、いかにしてクラッタを抑圧しターゲットの検出を容易にするかが問題となる。本研究では、フラクタル次元を用いて適当な閾値を得ることにより、クラッタとターゲットの分離を試みた。我々は、X-バンドレーダを用いて、強雨とシークラッタに埋もれた2隻の船を観測した。実際に観測したデータからいくつかのサンプルを取り出して様々な閾値におけるフラクタル次元の変化を観ることに依って、最適な閾値を得ることができ、雨雲とシークラッタが抑圧されターゲットである船舶を検出できた。