著者
立花 卓 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回全国大会(2009)
巻号頁・発行日
pp.1J1OS211, 2009 (Released:2018-07-30)

物語の表現方法としての映像表現カメラワークを対象とした研究を行っている。ルールに基づきカメラワークを適用するシステムを試作し、そのルールを小津の『東京物語』の分析から「小津ルール」として得た。『東京物語』を再現した映像に試作を適用し、実際の映像をどの程度表現できるかシミュレーションした結果、約60%表現可能であった。芸術作品において何処までルール化が可能なのかを問うことが本研究の意義である。
著者
武田 征士 濱 利行 徐 祥瀚 岸本 章宏 中野 大樹 古郷 誠 本江 巧 藤枝 久美子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.4F4GS10o04, 2021 (Released:2021-06-14)

AIやデータなどを駆使して材料開発を加速させるマテリアルズ・インフォマティクスが世界的な注目を集めている。中でもAIによる分子構造デザインは、ポリマーなど様々な材料分野への応用が可能であるのみならず、生成モデルの文脈で近年数多くの報告がなされている。しかしながら、これらの技術のほとんどがディープ生成モデルであるため、膨大なデータや複雑なハイパーパラメータ調整、長時間にわたる事前学習を必要とする。さらに、得られたモデルも化学者には解釈ができず、構造生成の細かいチューニングも行えなため、材料化学の実利用に即しているとは言い難い。我々が開発した手法およびツールは、化学構造のエンコードおよびデコード部がグラフ理論を基礎とするアルゴリズムにより構築済みであるため、事前学習が不要かつ、特徴ベクトルや構造生成過程の詳細を理解可能であり、原子単位での細かい調整が可能である。本ツールにより、人間の専門家と比較した場合に数10~100倍程度の構造生成のスピードが確認された。本発表では、基本的な方法論に加え、ツールの実装内容、各材料分野における事例などを紹介する。
著者
藏屋 沙那恵 石田 好輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1B303, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では、フェイクニュースの判定を補助するシステムの構築を目指し,信用度を相対的整合性により動的に決める動的関係ネットワークを用いた信用度評価モデルを提案する.この信用度評価モデルは,記事の真偽を表す結論ノードと,5W1Hの情報を持った事実ノードで構成される.信用度評価モデルの評価のために,通常のニュースとフェイクニュースを用いてネットワークを構築し,評価した.その結果,事実ノードより,信用できない情報の特定が可能,結論ノードより,記事の傾向が推察可能であることがわかった.
著者
山田 万太郎 汪 雪婷 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3N4J1003, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究の目的は,不動産間取り図をその間取りを反映したグラフ構造に自動で変換することである.それには,深層学習によるsemantic segmentationを行うことで画像中の各部屋やドアを認識し,それらの隣接関係をもとにグラフ構造を作成するという手法でグラフ化を行う.この提案手法により,正解グラフと81%の類似度を持つグラフに変換できることを確認した.さらには,自動変換したグラフを用いて実際に類似間取り検索への応用を示した.間取り図をグラフ構造という構造化された表現に変換することで,間取りの比較や評価,さらには検索が容易になり,間取りを扱うあらゆるシステムへの応用が期待される.
著者
須永 剛司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.2A1OS151, 2011

<p>学際共同研究であるCRESTプロジェクトから私たちが見出したのは拡張の必要である。社会の営みに埋め込まれるシステム開発のために、技術やデザインの視野を、システムから道具へ、道具から人々のリアルな活動へ拡張すること。ここでは、生きた活動をデザインの対象問題として認識するために、「こと」という概念を提示する。「こと」は人々に経験される事態であり、私のまわりに、そのとき立ち現れる生成的な出来事である</p>
著者
小松 孝徳 山田 誠二 小林 一樹 船越 孝太郎 中野 幹生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.733-741, 2010 (Released:2010-09-14)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

We describe artificial subtle expressions (ASEs) as intuitive notification methodology for artificial agents especially in order to convey their internal states for users. We prepared two types of audio ASEs; one is a flat artificial sound (flat ASE), and the other is a decreasing sound (decreasing ASE). These two ASEs were played after a robot made a suggestion to the users. Specifically, we expected that the decreasing ASE will inform users of the robot's lower confidence about the suggestions. We then conducted a simple experiment to observe whether the participants accepted or rejected the robot's suggestion in terms of the ASEs. The result showed that they accepted the robot's suggestion when the flat ASE was used, while they rejected it when the decreasing ASE was used. Therefore, we found that the ASEs succeeded in conveying the robot's internal state to the users accurately and intuitively.
著者
松浦 出 和泉 潔 坂地 泰紀 松島 裕康 島田 尚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1P2J1301, 2019 (Released:2019-06-01)

インデックス投資が市場の価格形成に与える影響を調べるため,証券市場とその参加者,価格決定をモデル化した.そのモデル上でインデックス投資が価格形成にほとんど影響を与えないことをシミュレーション実験により示した.
著者
佐藤 尚 白木 善史 守谷 健弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2F2OS4a03, 2018 (Released:2018-07-30)

Well-Being(WB)とは、ヒトが個人や社会性の中で自律的に生き生きとしている心的状態を指し、人と人のつながりの関係性の範囲の視点から整理されることが多い。本研究はその中で群集という範囲の関係性に着目し、そのWBな状態を測定し、見える化や技術による介入を行おうとする試みである。可視光通信技術を応用することで生理状態(呼吸、脳波)を多人数から同時に測定し、コンサートなどで群集全体が盛り上がったときの生理状態の特徴を捉える試み、群集の状態を視覚的なフィードバックによって見える化する試みについて紹介する。
著者
水田 孝信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2L5GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

人工知能が相場操縦を行った場合の責任の所在が議論されている.そこで本研究では,遺伝的アルゴリズムを用いた人工知能が人工市場シミュレーションを用いて学習するモデルを構築し,人工知能の作成者が相場操縦という取引戦略を全く意図していなかったにも関わらず,人工知能が学習を通じて相場操縦という取引戦略を発見するのか調べた.その結果,人工知能は相場操縦に他ならない取引を最適な取引として見つけ出した.この結果は,株式取引を行う人工知能の作成者には,人工知能が相場操縦を行わないようにする義務を負わせるなどの規制の必要性を示唆している.
著者
吉野 幸一郎 森 信介 河原 達也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.53-59, 2014-01-05 (Released:2014-01-07)
参考文献数
28

A novel text selection approach for training a language model (LM) with Web texts is proposed for automatic speech recognition (ASR) of spoken dialogue systems. Compared to the conventional approach based on perplexity criterion, the proposed approach introduces a semantic-level relevance measure with the back-end knowledge base used in the dialogue system. We focus on the predicate-argument (P-A) structure characteristic to the domain in order to filter semantically relevant sentences in the domain. Moreover, combination with the perplexity measure is investigated. Experimental evaluations in two different domains demonstrate the effectiveness and generality of the proposed approach. The combination method realizes significant improvement not only in ASR accuracy but also in semantic-level accuracy.
著者
福本 淳一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2P2OS18a1, 2017 (Released:2018-07-30)

日本酒の味表現で多く用いられているのが比喩表現である.これまでの味表現の分析から,香り,甘味,酸味,旨味,苦味についてのいろいろな比喩表現が用いられていることがわかっている.本研究では,比喩表現を用いることでどのような味の違いを説明しているのか,また,比喩表現以外の味表現との違いにはどのようなものがあるのについての分析結果を報告する.
著者
若宮 悠希 砂山 渡 畑中 裕司 小郷原 一智
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3F1OS12a03, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,SNSが広く普及したことにより,ネットワークを通じて様々な人間と気軽に交流を行えるようになった. 円滑な交流を行うためには,相手の性格を理解し,受け入れる必要がある. しかし,SNS上では文章のみのやり取りになるため,十分に理解することは容易ではない. そのため,文章の特徴から著者の性格を推定することができれば,その結果を元にして交流相手を理解することがより簡単となる. そこで本研究では,代表的なSNSのひとつである,Twitterユーザを対象として,ユーザがSNS上に投稿した文章集合から,ユーザの性格を深層学習を用いて推定した結果を利用者に提示するシステムを構築することを目的とする. 人間の性格を複数の構成要素から成るものとして,それぞれの要素について深層学習により分類ネットワークを構築し,推定システムを開発した. 各要素の推定結果に対して,複数人の協力により作成した正解データを元に評価を行った結果,高い適合率,再現率を示し,十分な妥当性を確認することができた.
著者
黄 宏軒 上亟 正樹 関 優樹 李 周浩 川越 恭二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.187-196, 2013 (Released:2013-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The use of virtual conversational agents is awaited in the tutoring of physical skills such as sports or dances. This paper describes an ongoing project aiming to realize a virtual instructor for ballroom dance. First, a human-human experiment is conducted to collect the interaction corpus between a professional instructor and six learners. The verbal and non-verbal behaviors of the instructor is analyzed and served as the base of a state transition model for ballroom dance tutoring. In order to achieve natural and highly interactive instruction during the multi-modal interaction between the virtual instructor and the learner, it is necessary to divide the learner's motion into small but meaningful segments in real-time. In the case of ballroom dance, the smallest meaningful unit of dance steps is called count which should be synchronized with the beats of accompanied music. A method of automatic extraction from the learner's dance practice motion into count segments is proposed in this paper. This method is based on trajectory similarity comparison between the motion of the learner and the data collected from a professional dance instructor using Angular Matrix for Shape Similarity (AMSS). Another algorithm for identifying the worst performed portion and the corresponding improvement of the learner's motion is also proposed. Finally, a comparison experiment between the prototype system and a non-interactive self-training system was conducted and reported.