著者
全 珠美 水野 貴之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2E5OS1b02, 2020 (Released:2020-06-19)

HYIPは高い利益を得ると広告して参加者を集めるポンジ詐欺の一種である。この投資プログラムはリスクが高いにも関わらず参加者は集まって経済的な被害を受けることになる。本研究では、ビットコイン市場で観察されたHYIPに関する取引データを用いて、この投資プログラムが活性化し崩壊するまでのメカニズムを分析する。HYIPプログラムから利益を貰うか貰わないによって、肯定的または否定的なフィードバックのループが発生する。参加者たちはネットワークを形成していて、彼らの模倣行動によって投資金額はLog-periodic的なパターンで成長する。この現象は株式市場のバブル形成・崩壊のメカニズムと同様である。本研究では、代表的なバブル時の株価予測モデルであるLPPLモデルを応用しHYIPの活性を予測する。この研究は今後、仮想通貨市場で現れるポンジ構造の詐欺プログラムの追跡や効果的な規制の研究につながると期待する。
著者
木村 大毅 SUBHAJIT Chaudhury SARATHKRISHNA Swaminathan 田中 恒彦 DON Joven Agravante 立堀 道昭 ASIM Munawar ALEXANDER Gray
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3Yin256, 2022 (Released:2022-07-11)

近年の深層学習は強化学習など様々な分野へと応用されている.ところが,一般的な深層学習ではニューラルネットワークを基本としているため,大量の学習データを用意する必要があり,異なるドメインへの学習結果の転用ができなく,更には学習後の動作の説明や解析が困難である.そこで,ニューラルネットワークを用いた深層学習と,記号的表現に基づくシンボリックAIを組み合わせたニューロシンボリックAIの活用が期待されている.本稿では,ニューロシンボリックAIを強化学習に応用した手法を提案する.結果として,提案手法は,既存の深層学習のみ手法,及び既存のニューロシンボリックAIに比べて,学習効率が良く,説明可能であることを示した.
著者
牧 良樹 中村 聡史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS04b3, 2017 (Released:2018-07-30)

これまでの研究で,ネタバレが小説の面白さを増加させる場合があることが示唆されているが,ネタバレの問題について十分に研究されているとは言い難い.そこで我々は,読み進めた度合いがネタバレの影響は増減すると考え,コミックを対象とした実験を実施し,ネタバレ遭遇タイミングを人により変更することでその影響を調査した.その結果,3分の2の部分まで読んだ段階でネタバレされると面白さが減少することを明らかにした.
著者
上田 翼 和泉 潔 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-030, pp.40-44, 2023-03-04 (Released:2023-03-04)

COVID-19の流行以降、サプライチェーンの混乱が経済や資産市場に大きな影響を及ぼしている。政策当局や金融市場関係者の間で、供給関連指標に対する関心は高まっているが、データの粒度や迅速性の点で課題が残る。そこで、本研究では、オルタナティブデータと深層学習手法を用いて、自動車サプライチェーンの異常度をリアルタイムで測定する指数の構築を試みた。構築した指数は、ミクロ的な生産障害を把握する上で有用であり、既存の統計指標とも一定の関係性があることを確認した。
著者
桂 裕樹 岡田 将吾 新田 克己
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3N43in, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究ではタブレット端末を対象とした,グラフィックインターフェースを備えた議論支援ツールを設計・開発する.議論を可視化する手段・研究は様々あるが, 必ずしも論理的に正確であるとはいえない.また,これまでの研究では既に終了した議論を分析することを主眼に置いており実際の議論では使えなかった.そこで本研究では数理議論学をベースに論理性を確保するとともに,リアルタイムな議論支援を行う.
著者
李 銘義 公文 誠 足立 紀彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.94-101, 2001 (Released:2002-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

The objective of this article is to provide the basic formulation of the affordance of environment. Study on affordance has been mostly focusing on the significance of perception, behavior and workspace, while leaving the problem of application unaddressed. Using the proposed method, it is possible to apply reinforcement learning algorithm on the robot within a certain environment, making the abstraction of affordance of the environment with interaction between the reinforcement learning agent and the environment available. Conclusion is made in the latter part of the paper that the percipient(robot) should simplify the number of perception in order to get enough valid equivalence relationship which abstracts affordance from environment with in the limit of incomplete perception; and the structure of the environment(workspace) would restrict the robot’s behavior. The prospect of this study, therefore, focuses on the interactive processes between the robot and the workspace from which the robot could set up it’s perception for particular tasks, and on how the robot could continuously manage it’s perception.
著者
木村 優里絵 尾崎 知伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1H2OS13b02, 2018 (Released:2018-07-30)

不完全情報ゲームの一つである人狼ゲームでは,ゲーム中の会話から,他プレイヤの役職を推定することが重要となる.本論文では,役職推定の更なる精度向上を目的とし,複数のベクトル表現と多様な集計方法を用いて各プレイヤの発言をベクトル化する手法を提案する.また人狼BBSのログデータを対象に,種々の分類モデルを用いて提案手法を評価する.
著者
園田 潤 小岩 晃
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3D4GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)

山形県酒田市の離島,飛島では主なアクセス手段は定期船である.出航の判断は当日の朝に周辺地域の風速や波高などの天候データから行われている.このため出航の可否は当日まで分からず計画も立てづらく,前日までの定期船の運行予測が求められている.本研究では,翌日以降の定期船の運行予測を目的とし,気象庁のアメダスデータや人工衛星画像を用いたSVMやCNN等の機械学習による定期船の運行予測を検討している。結果として,当日では90%程度,翌日では80%程度の精度で予測が行えること,出航は1週間先でも90%程度の精度で予測できることを確認している.
著者
伊藤 克哉 南 賢太郎 今城 健太郎 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4Rin167, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、金融分野において、機械学習的手法を用いた定量的な金融予測手法の開発が実務的にも学術的にも盛んである。 しかし、機械学習を用いた定量的金融予測モデルの開発には三つの困難がある。まず、原理的に全てのモデルは短命でかつ、ほとんどチャンスレートの正解率しか達成できない。次に、取引戦略という特殊なルールを一般的な機械学習モデルが学習することは難しい。最後に、高い予測精度とモデルの解釈性を同時に達成することが難しい。これらの問題に対処するべく我々は、Trader-Company法という新しいメタヒューリスティクスを用いた予測アルゴリズムを提案する。Trader-Company法は、単純な予測アルゴリズムであるTraderとTraderを管理するCompanyからなる。提案手法は、短命で弱いモデルが大量に存在する実際の金融市場の特性を反映している。また取引戦略の枠組み内で最適化を行うため、最適な予測戦略を作成できる。そして個々のTraderは人間に理解に可能な戦略からなるので解釈可能である。我々は提案手法の有効性を、実際の株式市場のデータを用いた実験で確認する。
著者
呂 良誠 許 俊杰 拜 亦名
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.39-46, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

This paper targets to predict overnight stock movement by taking contextualized news and stock information into account, using the Pre-trained Language Model (PLM) that was recently popular in Natural Language Processing (NLP) field. We proposed a model in which, given a piece of news and a stock code, the model can predict its overnight stock movement by utilizing combined news-stock embedding. Such embedding consists of (1) the contextualized embedding that contains the semantics of such a piece of news produced by a language model trained on a set of news and its paired stock movement. (2) The contextualized embedding is produced by a PLM trained on the information of stocks. Moreover, we introduce news augmentation on multiple pieces of news for the input and study its effect, respectively.
著者
Cong Liu 坂地 泰紀 和泉 潔 早川 正亮 塚本 和哉 加藤 大輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.28-31, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

近年、中国経済の躍進に伴い、中国の各国経済に与える影響が高まっている。そのため、米国経済を中心に把握するだけではなく、中国経済の動向を把握することがより重要になっている。しかしながら、中国経済に言及した英語記事は中国語媒体よりも少なく、また、中国語で記載された中国経済に関する膨大な記事から選別してトピックを抽出することは現状難しい。そこで本研究では、中国語記事と英語記事の両方からセンチメントを獲得し、これらを合わせて利用することで、中国市場インデックスを予測する新たなモデルを提案する。