著者
小寺 聡 仁宮 洸太 澤野 晋之介 勝然 進 篠原 宏樹 赤澤 宏 小室 一成
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2K6OS1b04, 2022 (Released:2022-07-11)

背景:医療AIは社会的に実施され、患者に大きな影響を与えることが期待されるため、医療AIに対する患者の意識を調査することが重要である。 方法:本研究では、患者の医療AIに対する意識を調査する目的でインターネット調査を実施した。性別や年齢を考慮して、定期的に医療機関を受診している1240人、受診していない620人を対象にアンケート調査を実施した。 結果:78.1%が医療用AIを期待しており、47.7%が医療用AIについて不安を感じていた。医療用AIの診断を受け入れた人の割合は、診断精度が高い場合は56.7%、説明が明確な場合は41.4%、診断精度が高く説明が明確な場合は84.8%であった。主治医と医療AIの意見が異なる場合、主治医とAIの診断精度が同じであれば、81.3%が医師の診断を受け入れた。医療AIの診断が間違っていた場合、回答者の65.7%が医師の責任と考えた。 結論:この研究は、医療AIでは正確さと説明責任の両方が重要であり、患者は医療AIよりも医師を信頼していることを示した。
著者
高橋 悠太 藤井 純一郎 天方 匡純
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1O3GS703, 2023 (Released:2023-07-10)

土木分野における特異な物体検知はその多様さに比べてデータが少ない.ドローン河川巡視はドローンにより広大な河川領域を撮影し,一般ごみを含む不法投棄などをAIにより検知することになる.常時飛行でない場合,空撮で捉えられることは少なく,一時的な不法占用等はさらに困難となる.既往の研究において,画角は異なるが地上で撮影された画像を学習データに加えることで学習を改善する効果が確認されているが,地上撮影であっても画像数が要求される.本研究では,学習を改善するデータ補強用の画像をStableDifusionなどの画像生成AIにより生成・学習が改善するか検証を行った.
著者
富田 真生 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1T4GS402, 2023 (Released:2023-07-10)

近年,SNSにおけるトラブルが問題となっている.トラブルの要因はいくつか存在するが,その一つに「煽り」が存在する.しかし,SNSにおける「煽り」の詳細な定義付けはされておらず,正確な検出は実現されていない.そこで,本研究では,SNSにおける「煽り」の精度の高い検出を実現するために,煽り表現の分類を行った.対象データとして,Twitter APIを用いて煽りと分析者が判断したツイートを収集し,構成要素と考えられる手段と意図,話題を抽出して,アノテーションした.そして,各ツイートに含まれる構成要素の統計データを用いて,χ二乗検定,因子分析を行った.χ二乗検定では,構成要素のカテゴリごとに頻出しやすい組み合わせが得られた.因子分析では,プロモーション系,決めつけ系,誹謗中傷系,マウント系,誘導系の因子などが得られた.得られた結果は,SNSにおける「煽り」の構成要素と,その関係性に関する特徴を示しており,煽りツイートの分類に有用であると考えられる.
著者
古崎 晃司 江上 周作 松下 京群 鵜飼 孝典 川村 隆浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2E6GS302, 2022 (Released:2022-07-11)

「ナレッジグラフ推論チャレンジ」は説明可能性を有したAI技術の体系化と普及促進を目的とした技術コンテストである.このチャレンジでは,知識グラフとして表現された推理小説を用いた「1.犯人の推定」と「2.推定理由の説明」をタスクとしている.提供する知識グラフは,説明生成に用いられることを念頭に,対象とする小説の追加や知識グラフとして記述する内容の検討等の改良を重ねてきた. 本研究では,これまでの考察をもとに,説明生成に利用することを想定した知識グラフ構築におけるガイドラインを提案する.推論チャレンジで公開している8つの短編推理小説を対象とした知識グラフを元に記述内容の修正方針を検討し,10項目からなる知識グラフ構築のガイドライン案を作成した.さらに作成したガイドラインをそれら8つの知識グラフに適用し,その妥当性の検討を進めている.本発表ではガイドラインの概要と知識グラフに適用して得られた知見を報告する.
著者
榎本 美香 伝 康晴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 98回 (2023/9) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.43-48, 2023-08-25 (Released:2023-08-25)

我々は、野沢温泉で行われている道祖神祭り(1月)、湯澤神社例祭(9月)の準備作業を、11年間に渡って調査し続けてきた。年々、過疎化や少子化により祭りの執行者の人数が減る傾向にあり、それに伴い作業の簡略化や業者への委託など、慣習的な祭りの執行形式が変遷してきている。従来は、長時間に及ぶ力作業を要する非常につらい作業を共に行うことで、大きな達成感が得られ、執行者たちの間に強い結束感が生じていた。仲間と過ごすそれらの時間が徐々に失われつつあることが、この祭りを通した執行者たちの地域コミュニティの絆へどのように影響するのかについて考察する。
著者
齋藤 亜矢
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.754-761, 2018-11-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1
著者
森田 啓介 黒木 裕鷹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-031, pp.156-162, 2023-10-10 (Released:2023-10-12)

企業のガバナンスは経営の透明性やステークホルダーからの信頼と大きく関連する.コーポレートガバナンス・コードが,独立社外取締役の知見に基づいた助言に期待して,その選任を推奨する中で,一人の個人が複数企業の取締役および社外取締役を兼任するケースがある.取締役兼任ネットワークを分析した先行研究の多くは,ネットワーク中心性と企業の業績や情報開示の相関分析に焦点を当てている.しかし,同じ人物による異なる取締役会への参画によって,その人物の知見やノウハウが共有・伝播されるとすれば,接続の同類性やクラスター構造をはじめ,より複雑なネットワーク構造を捉えた分析が重要である.また,ネットワークデータを直接扱う機械学習技術の開発が進んできていることからも,兼任ネットワークにおいて,こうした豊富なネットワーク情報を考慮する意義を見定めることが必要である.本稿では,日本における兼任ネットワークの最近の動向を調査するとともに,条件付き一様グラフ検定と指数ランダムグラフモデル(ERGM)を適用し,ガバナンスとの関連が知られる諸指標の同類性(assortativity)を検証する.結果として,ベータや残差リスクは同類性をもつことがわかり,取締役の兼任によって企業間で知見が共有されている可能性が示唆された.取締役兼任ネットワークのもつ豊富な情報を活用して,ガバナンス構造の分析・予測を行う余地があると考えられる.
著者
伊庭 斉志 井上 博允
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.300-310, 1990-05-01 (Released:2020-09-29)

An algebraic approach for geometric reasoning is presented. The purpose of this study is to avoid the usual difficulties which appear in the symbolic approach for machine handling of geometric concepts, such as appropriate representation for transformation-invariant properties of geometric concepts, formal interpretation of heuristics, and finding the tricky auxiliary lines for geometrical problem solving. In order to solve these difficulties we choose Wu's method as the base of our algebraic approach, and have realized an effective geometric reasoning. In this paper, we describe the basic concept of Wu's method, advantages of this algebraic approach, and usefulness for theorem proving. We also show the validity of our approach by applying it to learning-from-example of some heuristic rules in computer vision.
著者
江上 周作 鵜飼 孝典 太田 雅輝 川村 隆浩 松下 京群 古崎 晃司 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.05, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

ナレッジグラフのトリプルに出典,文脈,時間等の様々なメタデータを付与するメタデータ表現モデル(MRM)が複数提案されている.本研究では同一のナレッジグラフに対して異なるMRMを適用したデータセットを作成し,ナレッジグラフ埋め込み手法によるリンク予測の精度評価を行うことで,各MRMの特性を埋め込みの観点から分析する.
著者
北野 宏明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.26-37, 1992-01-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
3
著者
児玉 実優 酒井 浩之 永並 健吾 高野 海斗 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3K4GS1001, 2022 (Released:2022-07-11)

近年, 投資家は, ESG(E:環境,S:社会,G:統治)情報を投資判断において重視しており,ESG関連情報をテキストデータから抽出する技術が必要とされている. ESG関連情報は統合報告書に多く記載がある. しかし, 企業によってレイアウトや内容が異なり, 学習データの作成が困難である. そこで本研究では, まず有価証券報告書(有報)から ESG関連情報を抽出する. 有報にも統合報告書ほどではないが, ESG 関連情報の記述がある. また, レイアウトはどの企業も同じであり, さらに XBRL 形式と呼ばれるテキスト形式で配布されているので, テキスト処理を行いやすい. 次に有報から抽出したESG関連情報を学習データとして,BERTモデルをファインチューニングする. 最後に当該BERTモデルを用いて統合報告書からESG関連情報を抽出することで,統合報告書から直接学習データを作成する困難を解決できた. 実際に, 本手法で各企業の統合報告書から ESG 関連情報を抽出した.結果, E,S,Gに関する情報をそれぞれ93.3%,91.7%,77.4%の適合率で取得でき,良好な結果が得られた.
著者
南谷 祥之 廣安 知之 三木 光範 横内 久猛 吉見 真聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2I1R42, 2012 (Released:2018-07-30)

本研究では,各医療機関が分散ファイルシステムを構築し,それらを連携させた医用画像保存通信システム(PACS)を提案する.対象とする医用画像DICOMは,データ量の大きな実画像データと患者情報等のメタデータから構成されている.本システムは各医療機関がこのメタデータから構成されるデータベースを保持する一方、外部に分散的に存在するデータベースから検索を可能にするシステムである.