著者
加藤 大樹 李 嘉誠 能登 正人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2J4GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)

近年、株価予測に関する研究が盛んに行なわれている。株価予測では始値や終値を利用して予測を行うテクニカル分析が主流となっている。この手法ではデータの傾向を掴み予測するため、データによって予測のしやすさが異なる。従来は主に日足、研究内容によってはその他の分足などが人の手によって選択されてきた。現状、選択した足が最も適切である根拠が薄く、結果をより改善できる可能性が存在する。本研究では、機械学習と統計的手法の結果を関連付ける手法を提案する。実験では、USDJPYをベースに複数の時系列を使用する。まず、予測しやすい足の調査を簡単なLSTMモデルを用いて行う。その結果に対して統計的な裏付けを行うことで、説明可能性への足がかりを掴むことを目的とする。実験の結果、足ごとの予測精度に違いがあることが分かった。また、データとの相関も確認できた。最後に、本研究を利用して説明可能性を広げる機会について述べる。
著者
南 賢太郎 今城 健太郎 中川 慧 今長谷 拓
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2J4GS1002, 2022 (Released:2022-07-11)

フルスケール最適化 (FSO) はポートフォリオ選択の枠組みで,ヒストリカルリターンの上で効用関数を直接最適化する手法である.FSOの既存の定式化は経験分布に基づいているため,リターン分布が時間変化する場合にはout-of-sampleでのパフォーマンスが悪くなりうる.本論文では,予測型フルスケール最適化 (PFSO) というFSOと分布予測を組み合わせた新しいポートフォリオ構築の枠組みを提案する.PFSOは柔軟な枠組みであるため,投資家のリスク選好や将来のリターン分布に関する見通しを取り入れることができる.また,FSOのための新しい連続最適化アルゴリズムも提案する.提案法は階層的な予算制約のもとで素早く最適解に収束する.現実のポートフォリオのデータにおいて数値実験を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
浅野 優 横手 健一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4D3GS603, 2022 (Released:2022-07-11)

文書内における個人情報の匿名化や情報抽出などを目的に固有表現を抽出しようとする際、機械学習をはじめとする統計的アプローチでは、類似表記に対して異なるラベルが付与されることがある。同一のラベルを一貫して付与する方が望ましい場合、それを判定できれば、ラベル付与の精度を改善できる。 本研究はこのような固有表現の一貫性を判定する手法を提案する。拡張固有表現タグ付きコーパスを用いた実験では、ベースラインから精度の向上を確認した。
著者
脊板 弘康 倉橋 節也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.3A3J1301, 2019 (Released:2019-06-01)

顧客第一主義を標榜し、品質第一主義を掲げて世界を席巻してきた日本企業で今、品質詐称事件が後を絶たない。これは、これまで各企業が日本独特の高コンテクスト社会ならではの概念である「空気」を用いて絶対化していた品質第一といういわば信念が組織内の現実の問題により相対化し崩れたために詐称に至るものと考えられる。 本研究で、Giddensの構造化の理論の枠組みを基に、山本七平の言う日本独特の精神文化とも呼べる「空気」により形成された顧客への「忖度」が相対化され破れに至る様を、ビジネスゲームを用いて再現させる事を目的としている。
著者
江上 周作 川村 隆浩 古崎 晃司 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.SWO-044, pp.08, 2018-03-18 (Released:2021-09-17)

Urban areas have many problems such as homelessness, illegally parked bicycles, and littering. These problems are influenced by various factors and are linked to each other; thus, an understanding of the problem structure is required in order to detect and solve the root problems that generate vicious cycles. Therefore, we propose constructing an urban problem linked open data (LOD) system that would include urban problems' causality. In addition, we propose a method for detecting vicious cycles of urban problems using inferences from the LOD. We first designed a Linked Data schema that represents urban problems' causality. Next, we instantiated actual causes and effects using crowdsourcing, supported with techniques based on natural language processing. In addition, we complemented the constructed LOD by drawing inferences using Semantic Web Rule Language (SWRL) rules. Finally, using SPARQL queries, we detected several root problems that led to vicious cycles, then urban-problem experts evaluated the extracted causal relations.
著者
上門 雄也 大和田 勇人 金盛 克俊 鈴木 正昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回 (2017)
巻号頁・発行日
pp.1K25, 2017 (Released:2018-07-30)

転職サイトは企業の求人広告を載せ、掲載料をもらうことで収益をあげている。なので、転職希望者が多ければ多いほど収益が多くなる。しかし、転職希望者は転職サイトに登録しても一度も応募せず離脱してしまうことが多い。そこで、本研究は職務経歴書を用いて離脱する会員と離脱しない会員の違いを特定する。また、会員の登録情報とテキストデータを統合することで会員の離脱予測の精度を上げる。
著者
丸山 博之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.14-17, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

Stock exchanges are making many changes to become a more desirable market. One of these efforts is changing the tick size. This represents the unit of order price when an investor places an order. In this study, we estimated the change point for trading volume in the period before and after this change. As a result, it became clear that the change point exists before the actual tick size change date.
著者
大橋 毅宏 石田 勉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4Yin243, 2022 (Released:2022-07-11)

国内のIT産業に於いて、細分化・多段階化したグループ会社構成や多重下請け構造による組織のサイロ化が問題となっており、知識やスキルの共有の妨げにより柔軟な人員の配置が行えず人材リソースの活用に非効率が生じている。従来は人材リソース管理システムで単純なマッチングを行っていたが、プロジェクトで必要なスキルセットと人員のスキルセットのマッチングをとると、特定の人員にリクエストが集中し、その代役を探すシーンが度々出てくる。その際、似たスキルセットを持つ人員を見つける類似検索がリソース最適化に繋がる。本研究では、多種多様な人材データに対しUniform Manifold Appearance and Projection(UMAP)の非線形次元削減アルゴリズムを使用して、類似スコアによる類似人材検索機能を開発した。低次元空間への埋め込みはCosine距離によってマッピングされ、k最近傍(kNN)検索を用いて該当する人材から類似人材と類似スコアを取得する。この機能は短時間で代役を見つける事を可能にし、従来よりピンポイントで適切な人材を配置することに寄与した。
著者
森脇 恵太 大野 瞬 杉山 弘晃 酒造 正樹 前田 英作
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2L1GS204, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では,事実不整合検出の為の分類モデルと事実不整合修正の為の生成モデルとを組み合わせて,文章に含まれる事実不整合の修正を行い,ニューラルネットを用いた文章生成モデルの出力に事実不整合が含まれることを防ぐことを目的とする. 検出,修正モデルの学習には文章生成を行うモデルの学習データセットを改変した人工的なデータセットを用いる. 修正モデルのみを用いた場合と比較を行った結果,検出モデルを入れることで修正モデルによる整合文から不整合文への書き換えを防ぎつつ,事実不整合を含む文章の書き換えを行うことができることが示された. しかし,二つのモデルの解決可能,不可能な問題に同様の傾向が見られた. より性能を上げるために,それぞれのモデルが相補的に働くことができるような学習データを用意する必要があると考える.
著者
金田 龍平 芳賀 大地 杉山 弘晃 酒造 正樹 前田 英作
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2L1GS203, 2022 (Released:2022-07-11)

ニューラル言語生成技術の進展により, 雑談などの非タスク指向型対話においてより自然な発話生成が可能になりつつある. そして,自然且つ多様な発話生成を実現するためには,それまでの発話履歴を参照するだけでなく 適切な外部知識を参照して,発話文生成を行うことが必要となる. このとき外部知識として, タスク指向型対話で用いられる構造化された情報(例えば旅行案内対話における料金・アクセス等)に加え BlogやWikipediaに代表される非構造化情報(同口コミテキスト等)の活用が期待される. しかしながら,構造化/非構造化情報の混在下において 文脈に応じて適切な外部知識を選択することは必ずしも容易ではない. そこで本研究では,BERTを利用した発話生成のための知識選択手法について検討を行い, 旅行案内ドメインを事例としてとりあげ, 適切な知識選択のための入力情報について検討を行った
著者
高橋 裕
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2K4GS1002, 2022 (Released:2022-07-11)

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する必要性が認識されてから久しい.それにもかかわらず,日本ではDXの成功例があまり多くない.本研究の目的は,日本のDXに関する戦略立案の方向性が適切であるかどうかを検証することである.これを検証するために,「DX銘柄」として選定された企業の業績推移に着目した.その結果,「DX銘柄」に選定された企業を全体としてみた場合,平均的企業に比べて,「DX銘柄」に選定されたにもかかわらずパフォーマンスが低く,DXで成功しているとはいえないことがわかった.このことは,「DX銘柄」を選定するための定性的な基準や,それに似た企業のDX戦略の立て方に問題があることを示唆している.そこで本稿では,定量的なシミュレーションの活用を提案する.これは,AI提供者(AI専門企業やITベンダー)の役割がビジネスモデルのシミュレーションを用いた助言にまで拡大することを示唆している.
著者
田中 孝治 森川 綾香 石川 健介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 先進的学習科学と工学研究会 92回 (2021/7) (ISSN:13494104)
巻号頁・発行日
pp.04, 2021-06-30 (Released:2021-07-02)

コロナ禍の学校教育システムにおける価値共破壊を回避することが必要である。著者らの大学の学科では,学生が主体となってピアサポートサービスを提供するオンライン心理教育的援助サービスが実施された。本研究では,ピアサポートサービスの提供者を対象に質的調査を行い,心理教育的援助サービスにおける教員と学生の価値共創を検討した。