著者
駒水 孝裕 外山 勝彦 河口 信夫 佐野 智也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.04, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

本稿では,法令間の関係を用いた法令検索について述べる.特に,モビリティに関連する法令を対象として,その検索方法および検索結果を示す.法令データのオープンデータ化は徐々に進みつつある.これまでに,法令オープンデータのハブとなる法令の Linked Open Data (LOD) としてのデータ化をはじめに,種々の法令文書,国会での会議録や議案に関するデータのオープン化が進められてきた.一方で,その応用については十分に研究されていない.本稿では,モビリティを題材に,関連する法令を検索する方法について示す.具体的には,法令に関する LOD から法令間の関係を抽出し,グラフにおける検索技術であるPersonalized PageRank を用いて,関連法令を検索する.この検索を通して,現状の法令オープンデータの限界を明らかにするとともに,今後の展開について議論する.
著者
大谷 英之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.08, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

土木構造物の設計図面は二次元CADとして工事完成時に納品されているが、その中で記述されている構造物の情報は機械可読でなく、専門家が目で見て読み取ることが想定されている。このため、十全な活用がなされていない。本研究では、設計図面の自動解釈結果と構造物情報の統合結果をともにナレッジグラフで表すシステムによって、橋梁やトンネルの二次元CAD図面から3次元モデルを自動構築する。システムの特徴は、データの表現形式を必要に応じて自動変換する機能に加えて、異種のデータ表現の混在するナレッジグラフがオントロジーに基づくインターフェースによって統一的に操作できる機能を備えることである。橋梁とトンネルの二次元CAD図面から3次元モデルを自動構築する試行の結果として、図面や構造物を表す多種多様なナレッジグラフを後から設計して追加することができるシステムの高い拡張性が確認できた。
著者
奥原 史佳 江上 周作 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.07, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

近年, 教科全体や科目内全体で俯瞰的な学習が求められており, また, 多肢選択式問題が大量かつ広範囲の出題に向いていることから, 俯瞰的な多肢選択式問題が有用であると考えられる. "俯瞰的な問題" とは,幅広い関連情報を含み全体像をとらえさせるような内容である. 俯瞰的な問題を人手で生成・収集することはコストがかかるため, Linked Data を使って出題時に幅広い情報を提示することで俯瞰的な視点で問題を捉えさせるような多肢選択式問題の自動生成手法を提案した. 一方, 特定分野をターゲットとした出題においては, 該当分野における関連情報の幅広さを考慮できていない. また, 生成問題には解答に直接関係のない情報が含まれており, 回答時の俯瞰的な視点の必要性を考慮できていない. 本研究では, 特に歴史分野における生成問題の俯瞰度と, 回答時の俯瞰的な視点が必要な問題生成について考察する.
著者
橋本 慧海 白松 俊 五十嵐 康伸 松本 宇宙 青島 英和
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.02, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

近年,従来のトップダウンな組織運営から,メンバーがより自律的に仕事をこなすフラットな組織運営を目指す動きが増えている.しかし,階層的な組織に比べ,個人の自律性を尊重すると全体としてのマネジメントは難しくなる.そこで本研究では,個人の自律性を尊重しつつ,適材適所な組織運営ができるマッチング機構の開発を目指す.具体的には個人の自律性を尊重した適材適所配置支援システムを開発するために,本稿ではタスクやユーザのためのタグ付けを行うためのオントロジーを設計した.さらにタグを用いたタスクとユーザのマッチング手法を検討し,その応用可能性を考察した.
著者
谷口 航基 來村 徳信 加藤 真一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.03, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

本研究の目的は,無機材料の特性値に焦点を当て,技術者にとって必要な特許文書を検索するために,材料の組成や製造工程に関してのオントロジーを構築することである.物質やその性質は文脈によって呼ばれ方が変わってしまうという問題に着目し,対象の概念が,どのような文脈でどう表現されるかを結び付けて記述することで,文中に現れる用語を適切に認識させ,検索の効率の向上に貢献することを目指す.
著者
西原 陽子 田中 祐次 大澤 幸生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.2A31, 2009 (Released:2018-07-30)

我々は信頼関係を築くためのコミュニケーションについて研究を進めている。本発表では白血病の患者家族から医療者に寄せられたメール相談のデータを用いて、患者家族と医療者の間に信頼関係が生まれていく様子を分析し、両者の発言の特徴を調査した結果を報告する。
著者
西川 理規 松井 藤五郎 大和田 勇人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.2H32, 2009 (Released:2018-07-30)

近年、看護の質と生活の質の両方のバランスの取れた勤務表を作成することを目指したナース・スケジューリングの研究が多くされているが、数多い解から現場で利用出来る解を見つけることは難しい。そこで本研究では、制約論理プログラミングを用いて、各ナースの出来る仕事やスキルなどの情報を定義し、それらを制約として探索戦略に組み込むことにより、対象となる現場に応じた実用的な勤務表を効率的に作成することを可能にした。
著者
内田 脩斗 吉川 大弘 ジメネス フェリックス 古橋 武
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.2C105, 2018 (Released:2018-07-30)

文書分類は,現代の情報化社会において重要な技術である. また,Word2vecを用いて単語の意味関係をベクトルへ埋め込む分散表現が近年注目を集めており,文書分類へ適用する手法も報告されている. 分散表現は一般的にWord2Vecと呼ばれるツールを用いて生成される.そして,Word2Vecはニューラルネットワークを用いた学習構造をしており,ネットワーク内の入力側の重みを分散表現として利用している.しかし,Word2Vecでは,分散表現とは別にネットワーク上で学習される出力側の重みが存在し,異なる性質を持っていると考えられるが一般的に利用されていない. そこで本稿では,分散表現と出力側の重みを利用したアンサンブル学習による文書分類手法を提案し,提案手法の有用性を示す.
著者
佐藤 拓実 HADFI Rafik 武田 弘太 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2C1GS604, 2022 (Released:2022-07-11)

自分の意見を述べたり,情報を共有したり,様々な問題について合意形成を行うために議論は重要である.オンライン議論プラットフォームをはじめとしたソーシャルメディアの普及により,議論における意見数や多様性は増加し,議論を自動的に取得することはより困難になっている.本論文で提案する議論検索は,検索エンジンの基本的なプロセスに準じ,indexing process(索引付け処理)とretrieving process(検索処理)から構成される,新しい試みである.索引付け処理では,自然言語処理技術を用い,前処理されていない議論のテキストデータを,検索可能な形へと変換する.検索処理では,類似した議論を適切に取得する.我々の提案手法では,議論の複雑性を適切に取り扱うために議論のモデル化手法を用いる.実験により,本手法が類似議論の検索に有効であることが示された.また,議論モデル内の要素,要素間の関係を利用し検索を行うことで,検索精度が向上することが示された.更に我々は,オンライン議論プラットフォーム上での議論支援に活用するための議論検索機構の実装を目指しており,その試作について紹介する.
著者
古林 知哉 松井 孝典 宮内 達也 町村 尚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.1B2OS02a5, 2014 (Released:2018-07-30)

日本ではニホンジカの増加や生息域拡大により,生態系や農林業への被害が増加している.アメリカではオオカミの再導入により植生の回復がみられたが,日本での活用のために定量的な解析が必要である.本研究ではマルチエージェント化した個体群動態モデルと生態系プロセスモデルBiome-BGCの結合し,ニホンジカの採食がC3grass植生へ与える影響の緩和に対してオオカミ再導入が与える効果を定量的に評価した.
著者
片寄 晴弘 今井 正和 井口 征士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.748-754, 1988-11-20 (Released:2020-09-29)

The target in computer has been changing from the numerical forms to the symbolic forms, which we human-being are more familiar with. Recently A. I. is studied as the central technique of computer science. In the near future Artificial Sense is thought to be studied as what follows A. I. This paper describes "Listening to the music", as an approach to Artificial Sense. When we have an end to simulate human-like process, signal processing and knowledge processing have to be concatenated. In this paper, the process "Listening to the music" is considered from three major stages ; transcription, analyzing music and understanding music. In the stage of transcription, the notes are extracted as symbol from acoustic signal. In the stage of analyzing music, the structures as melody, rhythm, chord progression are analyzed from the extracted symbol of the notes. In the stage of understanding music, the sentiments are extracted by the rules which describe the relation between the sentiment and the structure extracted in analyzing stage. This paper presents how machine gets the sentiments listening to the music performance.
著者
宮本 誠人 松下 光範 高岡 良行 堀 寛史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1I1OS604, 2022 (Released:2022-07-11)

高齢社会における高齢者の自立した生活の支援に向けて医学的リハビリテーションの専門職である理学療法士の育成が求められている.その育成においては,理学療法熟達者の臨床経験から獲得された実践知の活用が重要である.本研究では,理学療法初学者の観察能力や論理構成力の評価支援を目的として実践知を獲得・共有する枠組みの提案とその過程における実践知の構造化・可視化を行った.提案手法では,理学療法士が患者の歩行を観察し問題点の分析を行う動作分析のテキストを対象とする.そこから実践知を表出するために,理学療法の診断における知識の最小単位をPBPU(Problem-based Physiotherapy Unit)と定義して抽出し,観察と推論の因果関係に着目して構造化した.得られた因果関係をネットワーク表現により可視化することで動作分析テキストに含まれる知識の関係を把握できるようにした.得られたネットワークを経験豊富な理学療法士に提示し定性的評価を行った結果,PBPUを用いて観察と推測の因果関係を可視化することで,動作分析における実践知の有無により生じる論理構成の差分把握に有効であることが示唆された.
著者
山田 雅敏 佐々木 多恵 三井 一希 小豆川 裕子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4Yin213, 2022 (Released:2022-07-11)

クオリティの高い映像を制作する場合には,ハイエンドなパソコンやアプリケーションを利用する必要があるため,実践者は映像制作のコツを獲得することが必要となる.そこで本研究は,映像制作のスキル習得を目指す学習者の言語報告に注目し,そのコツの獲得に関する認知プロセスを検討することを目的とする.方法として,パソコンによる映像編集の経験がないノービスの大学生4名が,研究協力者として参加し, MacBook ProとFinal Cut Proを使って約2か月間の映像制作を行った.学習者に対して,映像制作の実践後,言語報告するように教示した.学習者の映像制作の熟達度合の評価として,自己評価の経時的変化を検討した.言語報告を分析した結果,「疑問・エラー」「理解・意識」「コツの獲得」「その他」の4つの大区分と、8つの小区分に分類された.考察から、映像制作に対する共通する認知プロセスとして、映像編集に関する疑問・エラーを繰り返しながら,それらの知識を習得し,コツを獲得していくことが示された.また,ノービスが映像制作を行う上で,他者の評価を意識し過ぎることが,コツの獲得に影響する可能性が示唆された.
著者
松嶋 達也 古田 拓毅 顧 世翔 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2D5OS18b03, 2020 (Released:2020-06-19)

強化学習において,環境とオンラインに相互作用するコストの高い問題では,事前にデータセットを用意しておき方策を学習するオフライン強化学習が有望である.しかし,既存のオフライン強化学習手法は大きなデータセットに依存しているため,小さなデータセットを利用した場合,学習が不安定になるという問題を抱えている.オンラインの強化学習では,学習のサンプル効率を高める方法としてモデルベース強化学習が利用されているが,オフラインの問題設定に単純にダイナミクスモデルを組み込むだけでは性能を発揮できない.本研究では,モデルベース強化学習において,オフラインデータを利用して方策を学習する新たな手法を提案する.本提案手法は,ダイナミクスモデルのアンサンブルと,オフラインデータから推定した挙動方策とターゲット方策のダイバージェンスによる制約という2つの要素を併せ持つ.評価実験では,高次元連続制御のベンチマークを用いて,本提案手法がより小さなデータセットにおいても安定して方策を学習できることを示す.