著者
塩谷 碩彬 那須野 薫 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回 (2017)
巻号頁・発行日
pp.2B14, 2017 (Released:2018-07-30)

深層強化学習は学習に多くの試行回数を必要とする。この問題を緩和する方法としてモデルベース強化学習があり、さらにモデルフリーの強化学習を組み合わせることで環境のモデルによる方策への制約を緩和しようという試みがある。本研究ではモデルベース学習を活用してモデルフリーの深層強化学習の手法であるDeep Deterministic Policy Gradientのサンプル効率が改善されるか否かを分析する。
著者
濱田 太陽 金井 良太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3F4OS2304, 2022 (Released:2022-07-11)

AIは至る所に我々の社会に介在しており、ウェルビーイングに介入するAIが新しいトレンドになりつつある。例えば、個人のメンタルヘルス、組織の健康、そして人間関係の促進といった形で、開発が始まったり私たちの日常生活に導入されたりしている。さらに、組織やグループといった集団の中での人間的関係もウェルビーイングに貢献することが知られている。しかしながら、グループに対するウェルビーイングが重要であることが知られているのにも関わらず、グループに介入するAIの開発はあまり行われていない。この発表では、グループ内の人間関係に介入するAIエージェントについて媒介論的なアプローチからその可能性と倫理的な問題について議論する。複数の集団における人と人との相互作用に介入するAIは、家庭、学校、職場、趣味、SNSにおける人間関係やウェルビーイングの促進といった幅広い応用可能性が考えられる。しかし、人間関係にAIが介入することに技術的だけでなく"AIエージェントが直接人間関係に介入して良いのか"という倫理的な問題もある。これらの議論を通じて、AIエージェントと人間の共生について考えたい。
著者
湯川 直旺 鈴木 雅大 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2G5OS18a02, 2022 (Released:2022-07-11)

脳活動データからのinner speechのデコードは, 障害を抱えた患者の意思疎通の円滑化や, メタ認知理解などに繋がると考えられる. 先行研究では, 深層学習モデルEEGNet を用いて実験が行われたが, 4 クラス分類のタスクで30% ほどの正答率であった. ここで, 転移学習を用いた特徴量抽出の精緻化が有効であると考えられる. しかしinner speech に転移学習が用いられた研究は未だなく, EEGデータ一般でも, 異なるタスクのデータや, EEG以外のデータの転移学習における有効性については, 十分に検証がなされていない. 本研究では, inner speech データセットに, ドメインやデータ量の異なるデータセットを用いた転移学習を行い, 特徴量抽出の改善を検証した. 結果, 異なる被験者のデータを用いた転移学習による精度の向上が確認できたが, 異なるタスクのEEGデータを用いた場合は精度は改善しなかった. 一方で画像データセットは, 凍結する層を工夫することで, EEGデータとは性質が異なるにも関わらず, 精度の向上が確認された.
著者
内田 純平 穴田 一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-028, pp.35, 2022-03-12 (Released:2022-10-21)

In recent years, research on stock trading and foreign exchange trading using technical analysis has been vigorously conducted. In the research on investment strategies using technical analysis, it is popular to construct trading strategies using deep reinforcement learning and neural networks. However, trading strategies constructed by these methods cannot be interpreted because they are not algorithms that take interpretability into account. Therefore, it is difficult to analyze the reasons for the actual trades. In this study, we propose a new algorithm, Weighted Genetic Network Programming, which is an improvement of Full Range Genetic Network Programming, one of the evolutionary computation methods. We propose a new algorithm, Weighted Genetic Network Programming, which is a modification of Full Range Genetic Network Programming, one of the evolutionary computation methods.
著者
川越 敦 大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4I3OS26b04, 2022 (Released:2022-07-11)

協力ゲームHanabiは,暗黙の意図伝達を手がかりとする協調行動の分析に適した題材である.近年, 異なるふるまいをする複数のHanabiエージェントを作成し,人と協力プレイさせた結果を比較することで人の協調行動を分析する研究が行われている.しかしながら,このような手法は実験コストの大きさや人の内的状態が直接観察できないといった問題がある.これらの問題の解決法として,人のふるまいを再現するために用いられる認知アーキテクチャ上で作成したモデルを使い,シミュレーションを行う方法が挙げられる.本研究においては,認知アーキテクチャACT-Rを用いてリスクのある行動を選択肢として持つモデルとそうでないモデルを用いてHanabiゲームのシミュレートを行った.その結果,1ゲーム当たりの使用時間について人のHanabiゲームと類似した変化がみられた.また,リスクのある行動を選択肢として持つことは得点を向上させるための学習効率を低下させること,および行動決定のための時間を大きくすることが示唆された.さらに,Hanabiプレイにおいて,記憶の検索が行動決定のための時間を長くする一因であることが分かった.
著者
浅野 聖也 坂田 一郎 大知 正直 浅谷 公威
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4N1GS304, 2022 (Released:2022-07-11)

近年、個人貢献度評価のニーズは年を追うごとに高まっている。集団的活動の貢献度評価における問題点として、グループ評価を個人の貢献度に分割していく操作が非常に困難であることが挙げられる。 一方でTwitterのようなSNS上では、特に集客を狙ったプロジェクトの内容・成果に対し、感想や意見、もしくはリアクションといった情報が発信されている。 そこで本研究では、漫才劇場の宣伝投稿のいいね数を特徴量として用いることで、出演芸人ごとの個人貢献度の推定を目指す。具体的には、オンラインゲームのスキルレーティングシステムであるTrueSkillのアルゴリズムを貢献度評価に適用する手法を提案する。 ルミネtheよしもとの宣伝ツイートのいいね数を用いた精度評価実験では、提案手法はお笑いファンによるいいねを除いた場合において特に精度が向上することが示された。また、提案手法によって算出された出演芸人のレート値はM-1グランプリ2021の結果と相関を持つことが確認され、個人貢献度とみなすことができることが示唆された。
著者
弘中 大介 横田 将生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.233-244, 2003 (Released:2003-06-10)
参考文献数
28

In general, it is not always easy for people to communicate each other comprehensively by limited information media. In such a case, employment of another information medium is very helpful and therefore cross-media translation is very important during such a communication. This paper presents the method and experiment of cross-media translation based on MIDST(Mental Image Directed Semantic Theory), where natural language texts about static positional relations of physical objects are systematically interpreted into 2-D pictures.
著者
福嶋 真志 來村 徳信 溝口 理一郎 山本 瀬奈 間城 絵里奈 淺野 耕太 田墨 惠子 青木 美和 中村 成美 荒尾 晴惠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-058, pp.05, 2022-11-22 (Released:2022-12-03)

本研究の目的は,がん治療の副作用による生活上の問題点を感じているがんサバイバーの生活改善を支援するために,問題を解決する生活の知恵を知識モデルとして記述し,患者同士が生活の知恵を共有・活用できるシステムを開発することである.文献や患者インタビューの分析結果に基づいて,行為分解木というオントロジカルな枠組みを援用して,投薬から症状の発現,症状から日常生活における問題点と,それに対する対処方法を,原因—結果の因果連鎖として構造化し,対処方法を分類して,知識モデルとして記述した.記述した知識モデルに基づいて,患者がWebブラウザ上で生活上の問題点から対処方法を閲覧・共有できる知識共有システムのプロトタイプを開発した.本稿では設計思想,プロトタイプの機能と動作などについて報告する.
著者
樋口 千洋 櫛田 達矢 畠中 秀樹 長尾 知生子 古崎 晃司 荒木 通啓 水口 賢司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-058, pp.01, 2022-11-22 (Released:2022-12-03)

医薬基盤・健康・栄養研究所他研究機関での食品統計調査の支援を意図し、国民の検討栄養調査の食品群からOWLで食品オントロジーFGNHNSを構築しBioPortalで公開した。さらなる拡張としてWikidata情報の追加、FoodOnとの連携、日本標準食品成分表との統合、農作物語彙体系との連携、食物アレルギー情報との連携をすすめている。本研究会でその状況を報告する。
著者
福田 清人 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.3O16in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年, 絵画や音楽, 小説のような人間の感性に基づく創作物を計算機に自動生成させる試みが, 人工知能研究における重要な課題となっている. その中で小説の自動生成については, 既存の小説のストーリーを利用した研究がほとんどであり, 生成される小説が既存の小説に大きく依存してしまうことが問題点として挙げられる. 本研究では既存の小説に依存しないストーリーを自動生成する手法を提案し、その有効性を示す.
著者
堀江 幸生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.2G5J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

強い人工知能と,神の想いで創造された魂の起源・人の価値・人を人たらしめるものとの間には,キリスト者に,聖書的な教えとは何かと言う神学的な葛藤を問い続ける.それは,キリスト者として信仰が試される場でもある.技術の進歩が遅い時,キリスト者は人工知能の領域における技術的成果の可能性が,神によって本質的に制限されているという主張には関係しないことが可能であったが,強い人工知能の誕生可能性が大きくなるに連れて無視できる事柄ではなくなった.本稿では,キリスト者の聖書的な理解が,強い人工知能と対峙すべきか否か,またそれを強い人工知能にどのように作用すべきかを考察した.結果は,強い人工知能の出現を神は妨げるものではないが,強い人工知能の倫理的な影響は慎重に考慮する必要があることを提示した.
著者
村田 真樹 山本 専 黒橋 禎夫 井佐原 均 長尾 真
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.503-510, 2000-05-01 (Released:2020-09-29)

In conventional studies, metonymy interpretation has been carried out by using a hand-built database that includes relationships between words concerned with metonymy, such as a special knowledge base of metonymy and a semantic network. However, these relationships between words are diverse, and it is difficult to manually make a detailed database. Therefore, in this paper we interpret metonymy by using examples in the form of noun phrases such as "Noun X no Noun Y (Noun Y of Noun X)" and "Noun X Noun Y, " instead of a hand-built database. This method has two advantages. One is that a hand-built database of metonymy is not necessary because we use examples. The second is that we can interpret newly-coined metonymies by using a new corpus. In experiments using this method on 23 metonymy sentences taken from textbooks, we correctly judged 17 sentences to be metonymy sentences and correctly interpreted 7 of them.
著者
丸井 淳己 則 のぞみ 榊 剛史 森 純一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 知識ベースシステム研究会 102回 (2014/7) (ISSN:24364592)
巻号頁・発行日
pp.10, 2014-07-24 (Released:2021-07-14)

It is now common to have a conversation with others on social media. Many research have been taken to see the community structure on social media, but there are few studies that apply link-based community (link community) detection on a large social network. Link community detection allows users to belong to more than one community. We improve the method of existing link community detection of Ahn et al., which extracts many small communities. We evaluate existing and proposing methods by network indexes, and we characterize link communities from users' biographies. We found that link communities sharing users have similar characteristics from biographies.
著者
竹内 孝 西田 遼 鹿島 久嗣 大西 正輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2I3GS5b03, 2021 (Released:2021-06-14)

群衆に対する移動誘導は,突発的な事故や道路遮断で生じる交通渋滞の解消や,災害時に混雑した建物などの危険箇所からの迅速な避難などの分野で注目を集める問題である.ある状況下において誘導はどのような群衆移動を起こすか?この質問に解答するシステムが実現されれば,誘導の意思決定における補助が可能になると考えられる.本研究では,群衆移動誘導におけるwhat-if問題を,少数かつ選択バイアスを持つデータから誘導における因果効果推定を行う問題として定式化する.さらにバイアスを補正した高精度な予測を行うために,空間データ解析と因果推論の分野で広く研究されている深層表現学習を用いた空間畳み込み反事実回帰(SC-CFR)を提案する.介入効果推定の性能評価には,すべての誘導を実行した場合の群衆移動データが必要であるが,そのようなデータは存在しない.そこで,高精度なマルチエージェントシミュレータを用いて,新国立劇場での避難シナリオにおける避難データを生成した.このデータを用いた実験によって,提案手法によって介入効果の推定誤差が既存法と比較して最大56%削減されたことを示す.