著者
金井 明人 野村 なつき
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.2F5OS01b3, 2014 (Released:2018-07-30)

映像作品においては,編集によって「違和感」あるいはその前段階としての「戸惑い」を認知時に生じさせることができ,それが映像への没入度と関係している.本発表では、近年の代表的な映像作品における「戸惑い」の認知を分析すると共に、それが物語的な切断を意図した映像編集の有無によって変化することを立証する.
著者
上子 優香 榊 剛史 原 忠義 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.4I13, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでニュース記事の一読者に過ぎなかった人々が、ソーシャルメディアを通じて意見を発信することで社会的影響力を持つようになってきた。本研究ではYahoo!ニュース内のコメントとTwitterでのコメントを対象として、ニュース記事のもつ言語的特徴が、ニュース記事の読者がソーシャルメディア上で発信するコメントの数や感情度に与える影響と、プラットフォームによるコメントの性質の違いを明らかにした。
著者
藤野 直輝 小島 一晃 田和辻 可昌 村松 慶一 松居 辰則
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1D24, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究では,テーマパークにおいて携帯情報端末を用いて混雑情報を取得することができる来場者の満足度を,マルチエージェントシミュレーションを用いてモデル化した.具体的には,期待不一致モデルをもとに,アトラクションに対する効用とアトラクションに並ぶ行列人数とのトレードオフの関係を考慮するようなモデルを構築した.その上で,来場者の満足度向上の観点からテーマパークにおける混雑情報の提供方法を検討する.
著者
大川 佳寛 小林 健一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2G4GS2f03, 2021 (Released:2021-06-14)

学習済み機械学習モデルを用いたAIシステムの運用において,コンセプトドリフトとも呼ばれる時間経過に伴うデータ分布の変化は,システムの性能低下を引き起こす主な原因の一つである.しかしながら,システム運用前に,運用中のデータ(運用データ)の分布変化を事前に予期することは困難であることに加え,取得した運用データに正解ラベルを手動で付与することは高コストな作業である.従って,AIシステムが運用中においても長期間に渡ってモデル学習時と同等の性能を維持するためには,ラベルなし運用データに対しても,コンセプトドリフトを含む分布変化をリアルアイムで検知し,その変化に対してシステムを適応させる必要がある.そこで本稿では,上記のコンセプトドリフトの検知および適応手法に関して,これまで発表された代表的な手法から最新の手法までの調査結果について述べる.特に,検知・適応時において,運用データの正解ラベルを用いない(または少数の正解ラベルのみ限定的に用いる)各手法について,その特徴に基づいて整理し,紹介する.
著者
原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.366-369, 2018-05-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
2
著者
田中 陸斗 高木 友博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 95回 (2022/09) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.47-52, 2022 (Released:2022-09-01)

深層学習を利用した対話システム構築において対話データの質と量は重要である.しかし,日本語の対話コーパスは大規模なものが公開されておらず,限られたデータしかないといった問題がある.また,コーパスを用いてend-to-endに学習したモデルはありきたりで短い応答をすることが多く,生成文の多様性が少ないといった問題もある.これらの問題を克服するために,本研究では非会話文を活用して対話データを増やすことで対話モデルの多様性の向上を試みる.ここで言う非会話文とは,web上の文章や小説の台詞などの対話の形式として整えられていない文のことであり,対話データと比較して収集が容易である.逆翻訳とサンプリング生成を用いて非会話文から対話データを増やし,不適切な対話を除去するためのフィルタを通すことでより質の高いデータを獲得する.増やしたデータを加えて対話モデルを学習させた結果,生成文の多様性の向上が見られた.
著者
中原 啓 武田 一哉 藤井 慶輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3G4OS15b04, 2022 (Released:2022-07-11)

近年、測定技術の向上に伴い、野球の応用的なデータ分析が広く行われるようになった。グラウンド上のあらゆるプレーが定量的に評価され、個人やチームの戦略に大きな影響を及ぼしている。個人の打撃貢献を表す指標としてwOBAという指標がよく知られているが、wOBAは走者状況や点差などの試合状況を考慮しない。しかしながら、実際の試合において試合状況を考慮して複数の打撃戦略を使い分けることは一般的であり、その効果は未知である。これは、打者の戦略を第三者が取得できず、効果の推定が困難であるためだと考えられる。そこで本研究では、反実仮想シミュレーションによる効果推定方法を新たに提案する。これを実現するため、打撃戦略の変更にあたって妥当な打撃能力変換を行う深層学習モデルを提案する。本手法によって、実際の試合データでは難しかった、様々な戦略の効果推定が可能となる。検証の結果、打撃戦略のスイッチングコストを無視できる場合、戦略の使い分けが得点を増加させることが明らかになった。また、スイッチングコストを考慮する場合、得点が増加するための条件は限定的であることが明らかになった。
著者
平野 太一 田中 文英
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3Yin209, 2022 (Released:2022-07-11)

SNSの誹謗中傷の抑制は,つらい思いをする人を減らすために重要である.日本政府は侮辱罪の罰則強化に乗り出しているが,未だ施行日は不透明である.また,注意喚起メッセージを表示する試みがなされている.しかし,誹謗中傷の根本的かつ長期的な抑制には,投稿者自身の意識・行動変容が不可欠だと考える.そこで,快感の源を誹謗中傷から感謝に変える手法を検討する.具体的には,投稿者がポジティブなメッセージを投稿し,相手からポジティブな返信を受け取るのが気持ち良いと実感させるものである.そのために,エージェント(笑顔の投稿者)がネガティブなメッセージに含まれる誹謗中傷ワードをポジティブな言葉に変換する.また,架空の相手からのポジティブな返信メッセージを自動的に生成し,投稿者に向けて通知する.本稿では,初期開発の概要と進捗状況を報告する.
著者
荒井 幸代 宮崎 和光 小林 重信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.609-618, 1998-07-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1

Most of multi-agent systems have been developed in the field of Distributed Artificial Intelligence (DAI) whose schemes are based on plenty of pre-knowledge of the agents' world or organized relationships among the agents. However, these kind of knowledge would not be always available. On the other hand, multi-agent reinforcement learning is worth considering to realize the cooperative behavior among the agents with littls pre-knowledge. There are two main problems to be considered in multi-agent reinforcement learning. One is the uncertainty of state transition problem which is owing to concurrent learning of the agents. And the other is the perceptual aliasing problem which is generally held in such a world. Therefore, the robustness and flexibility are essential for the multi-agent reinforcement learning toward these two problems. In this paper, we evaluate Q-learning and Profit Sharing as the method for multi-agent reinforcement learning through some experiments. We take up the Pursuit Problem as one of the multi-agent world. In the experiments, we do not assume the existence of any pre-defined relationship among agents or any control knowledge for cooperation. Learning agents do not share sensation, episodes and policies. Each agent learns through its own episodes independent of the others. The result of experiments shows that cooperative behaviors emerge clearly among Profit Sharing hunters who are not influenced by concurrent learning even when the prey has the certain escaping way against the hunters. Moreover, they behave rational under the perceptual aliasing areas. On the other hand, Q-learning hunters can not make any policy in such a world. Through these experiments, we conclude that Profit Sharing has the good properties for multi-agent reinforcement learning because or its rubustness for the change of other agents' policies and the limitation of agent's sensing abilities.
著者
市毛 竣 五十嵐 治一 石原 聖司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1D1GS203, 2022 (Released:2022-07-11)

近年のAIに関する課題として,機械学習の推論結果の内部のブラックボックスが挙げられる.その解決アプローチとして,人間の主観に沿うルールにより行うファジィ制御と強化学習の融合は有効な手法だといえる. ファジィ制御と強化学習の融合方式は以前から多くの試みがあった.五十嵐らはファジィ制御ルールを方策に持つ方策勾配法を提案した.そこではルール重みやメンバーシップ関数内部パラメータの学習則を述べている. 本研究では,自動車の速度制御問題の事例において,メンバーシップ関数をシグモイド関数で近似し,シグモイド関数内のパラメータ及びルール重みの学習を行った.学習実験の結果,適切なパラメータ値を得ることを確認した.しかし,この場合もメンバーシップ関数の概形は人間が設計していた.そこで,メンバーシップ関数をニューラルネットワークで近似し,適切なメンバーシップ関数の形状をゼロから学習できるか試みた.学習実験の結果,ランダムなパラメータの初期値から人間が設計したメンバーシップ関数の形状によく似た関数形を得ることができた.これは,本学習方式により,人間のファジィ的な概念をゼロから獲得できることを示唆している.
著者
鵜飼 孝典 江上 周作 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.06, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

知識グラフ推論チャレンジにおいて、知識グラフ埋め込みを用いたリンク予測による犯人の推定を行う研究がいくつか行われている。それらの多くは、提供された知識グラフを主語、述語、目的語の三要素(基本パターン)に変換して用いている。本研究では、提供された知識グラフをそのままの形で用いて予測する場合(イベント中心モデル)と、基本パターンに変換して用いる場合を比較し、予測モデルの違いについて考察する。