著者
佐藤 大輔 黒須 正明 高橋 正明 高橋 秀明
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.269-281, 2005-10-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
14

本研究では, 業界の機運として高まりつつあるユーザビリティ担当者の人材育成への関心を踏まえ, ユーザビリティ担当者に求められるコンピタンスの明確化を目指し, 現在のユーザビリティ業界で実際に広く要求されている経験的なコンピタンスを実証的に明らかにすることを目的とした. まず, ユーザビリティ業界のマネージメント層を中心に半構造化インタビューによる2度のデータ収集および分析を実施し, コンピタンスリスト (第1版) を作成した. 続いて, 質問紙調査によって検証と分析を行った. その結果, 大きく五つの分類からなり3段階に重要度分けされる, ユーザビリティ担当者に求められる54項目のコンピタンスリスト (第2版) をまとめた. また, マネージャとエンジニアで求められるコンピタンスに違いがあること, 活動している業種や職種などにかかわらず同一のコンピタンスリストを適用できることが明らかにされた.
著者
小川 克彦
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.307-310, 1990-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
10
著者
石倉 啓行 山崎 信寿
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.54-61, 2013-04-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
10

オフィスのフリーアドレス制による事務机の共有化が,ノートPCの普及と共に進みつつある.しかし,ノートPCでは,ディスプレイの見やすさとキーの打ちやすさを両立させることが困難であった.このため,形状可変実験椅子を用い,女性5パーセンタイルから男性95パーセンタイルについてノートPC作業を行いやすい椅子条件を求めた.その結果,ノートPCのキーボード面を10°起こし,背もたれ腰部を68°として胸郭支持部は79°にし,座面を水平から10°後傾させれば良いことがわかった.また,低身長者には座面中央部の幅260 mmの範囲の座面長を354 mmとし,左右の座面長は378 mmとして高身長者の大腿側面を支持する最大35°の傾斜をつけた.座面高は350~410 mmで,目の高さを下げるため,従来オフィスチェアよりも低くする必要があることもわかった.試作椅子による40分のノートPC作業では,従来椅子と同等の作業効率で頭頸部の前傾は平均9°小さく,肩の挙上もなくなり,三角筋,僧帽筋,脊柱起立筋の負担が減少し,下肢のむくみも低下した.
著者
黒木 康之 麻生 勤 中島 和子 堀 駿郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5-6, pp.163-169, 1975-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

今回, われわれは, 22~29才の男子被験者18名を対象にして, 一般道路上の通常走行実験を行ない, 連続記録したEEG, ECGおよびEOG等より意識水準低下の出現傾向を調べた. その結果, 18名中6名の被験者に意識低下を表わす8~13Hzのα波の出現をみた. とくに, 昼食後に最も多く出現した精神的疲労, 慣れの現象による運転意欲の低下および日内生体リズム等が関与し, 一時的な精神弛緩状態を作り出すことが起因と考えられる. したがって, 運転者はこうした要因の複合化しないよう心掛ける必要があり, 運転態様の影響も重視してゆくべきだと考えられた.
著者
藤井 澄二
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.9-17, 1965-04-30 (Released:2010-03-11)
参考文献数
22
著者
樋口 ゆき子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.73-80, 1984-04-15 (Released:2010-03-11)
被引用文献数
1 1
著者
笠原 康代 島崎 敢 石田 敏郎 平山 裕記 酒井 美絵子 川村 佐和子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.62-70, 2013-04-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
31

本研究の目的は,内服与薬を遂行する看護師の確認行動と誤薬について検討することであった.63名の看護師に対して,ベッド16床を配置した看護実習室で実験を行い,ビデオカメラで行動を記録した.看護師は処方箋どおりの薬剤を模擬患者6名のベッドに配るよう教示された. 結果,32名(50.8%)が誤薬し,与薬量間違いがもっとも多かった.確認方法は,声出し確認と指差し確認の2つのタイプがある.これらを両方実施した群といずれかを実施した群,両方実施しなかった群の3群間で誤薬件数を比較するために分散分析を実施した.準備段階で主効果がみられ,声出し確認と指差し確認のいずれかまたは両方実施した群は,両方実施しなかった群よりも誤薬件数が有意に少なかった.また,与薬段階においても主効果がみられ,両方実施した群は,いずれかもしくは両方実施しなかった群よりも誤薬件数が有意に少なかった.