著者
片桐 秀樹
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨 糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
巻号頁・発行日
pp.103, 2005 (Released:2006-03-24)

肥満・糖尿病患者の増加が注目を集めているが、その治療法としては現在でも食事療法や運動療法が中心である。これらの病態ではインスリン抵抗性やレプチン抵抗性がその発症に関与している。そこで我々は、モデル動物に肥満・糖尿病を発症させた後、エネルギー消費に関わる蛋白を発現させ、これら病態の発症機構や治療効果について検討した。 脱共役蛋白UCP1(uncoupling protein 1)は、褐色脂肪細胞でエネルギーをATPに合成することなく熱として放散させる分子として知られ、またその遺伝子多型と2型糖尿病の関連についても報告されている。そこで、まず、高脂肪食により肥満・糖尿病を発症させたマウスの肝臓にUCP1遺伝子を導入したところ、約13%のエネルギー消費の亢進がもたらされた。肝臓では、AMPKが活性化・SREBP1cの発現抑制による脂肪肝の改善が認められ、さらに、このような肝における局所効果のみならず、内臓脂肪組織の脂肪蓄積の減少やレプチン抵抗性の改善といった多臓器における代謝改善効果が認められた。その結果、肥満・糖尿病・高脂血症の改善といった著明な治療効果が観察された。一方、標準餌にて飼育している非肥満・非糖尿病マウスに対しては、肝臓へのUCP1発現導入にてもエネルギー代謝は亢進せず、そのため体重や血糖値、肝や内臓脂肪組織の脂肪蓄積量にも影響を認めないという結果が得られた。このことから、肝臓内に発現した異所性UCP1は、エネルギーバランスを感知し、余剰カロリーのみを効果的に消費するが、必要カロリーについては影響を受けにくいという機序が示唆された。このことは実際の治療への応用を考えた場合、非常に好ましい結果であると考えられる。 次に、肥満・糖尿病の病態発症後の腹腔内脂肪組織におけるUCP1遺伝子導入を行ったところ、さらに強力な治療効果が認められた。高脂肪食負荷にて肥満・糖尿病を発症させたマウスの副睾丸周囲脂肪組織に組換えアデノウィルスを用いてUCP1の発現導入を試みたところ、その発現は局所的・限定的であり、全身のエネルギー消費量には有意な増加を認めない程度であったにもかかわらず、体重増加は抑制され、血糖値・血中脂質値の有意な低下、血中インスリン値・レプチン値の著明な低下を認めた。また、糖負荷試験・インスリン感受性試験・レプチン感受性試験にて、耐糖能・インスリン抵抗性・レプチン抵抗性の著明な改善が観察された。しかし、興味深いことに、皮下脂肪組織へのUCP1遺伝子導入においては、同様の発現が得られたにもかかわらず、これらの治療効果はほとんど認められなかった。このことから、腹腔内脂肪をターゲットとし、そのキャラクターを改善させる事が、メタボリックシンドロームに対する有効な治療になりうることが示唆された。 以上、本レクチャーでは、肥満・糖尿病において、細胞におけるエネルギー消費を亢進させることによる全身代謝に与える影響や病態への関与と、それを応用した新規治療法開発の可能性ついて論じてみたい。
著者
三浦 文子 吉野 正代 富岡 光枝 長谷川 美彩 田中 康富 嶺井 里美 尾形 真規子 佐藤 麻子 岩本 安彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.865-870, 2009-10-30 (Released:2010-03-01)
参考文献数
8

簡易血糖測定器は,糖尿病患者が自己管理に用いるだけでなく,臨床現場での迅速な血糖測定に活用されることも多い.安定性については今までにも報告されているが,近年,測定時間の短縮化,血液量の微量化などの改良がなされてきている.そこで,環境・検体要因が血糖測定の安定性に支障をきたすことがないか,5機種の簡易血糖測定器を用いて,高低3濃度の血糖値について検討を行った.5機種とも同時再現性と希釈直線性は良好であった.静脈血血漿と指尖血全血の相関は各機種とも良好であったが,測定環境,患者因子,共存物質の影響で測定原理の違いや機種により測定値にばらつきが認められた.特に,環境因子の影響は血糖濃度により差異が認められ,使用方法や測定環境と共に,血糖実測値の高低による各因子の影響を含め測定値の評価をする必要のあることが示された.
著者
澤井 喜邦 加藤 大也 釜谷 直人 片田 直幸 伊藤 光泰
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.938-942, 2013-12-30 (Released:2014-01-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2

症例はインスリン自己免疫症候群(IAS)と診断された73歳の女性.71歳時に進行直腸癌に対し低位前方切除術を受けた.術後5-FUなどを用いた化学療法を施行した.73歳時に後腹膜再発による回腸浸潤を認め後腹膜転移巣切除と回腸切除を施行した.術後7日目に低血糖昏睡を生じその後毎日低血糖を生じたため術後17日に当科入院となった.低血糖発作時の血糖値は45 mg/dlで血清インスリン305 μIU/ml,インスリン抗体が陽性でScatchard解析の結果k1=0.1135×108 l/mol, b1=1.7×10-8 mol/lと低親和性高結合量の抗体性状を有することからIASと診断した.IgEインスリン抗体も陽性だった.HLA-DRB1*0406, *04051とIAS感受性と抵抗性アリルを併せ持つ稀な型を認めた.低血糖は補食で対応でき約半年で自然軽快した.直腸癌の後腹膜再発・回腸浸潤の手術後にHLA-DRB1*0406, B1*04051に発症したIASは興味深い.本例のIASは回腸手術が誘因の免疫寛容消失が関与した可能性が考えられた.
著者
藤原 豊 堀川 敬 本多 敏朗
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.249-257, 2012 (Released:2012-05-28)
参考文献数
22

日本人2型糖尿病患者を対象に膵β細胞機能の12ヶ月間の変化と影響因子を検討した.著しい高血糖からの離脱例,高度肥満例,進行した肝障害,腎障害,インクレチン使用例,インスリンと経口血糖降下薬併用例を除外し,血糖コントロールが3ヶ月以上良好で安定している症例205名を対象とした.膵β細胞機能はグルカゴン負荷試験のCペプチドの6分間の反応量(ΔCPR)で評価した.検討する臨床指標は,年齢,性別,糖尿病罹病期間,糖尿病網膜症,高血圧,尿アルブミン,HbA1c,血清脂質を用いた.観察開始時(ベースライン)での横断的検討では,糖尿病罹病期間はΔCPRと有意(r=0.357, p<0.001)な負の相関を示した.ステップワイズ法による重回帰分析の結果,臨床指標の中で糖尿病罹病期間はΔCPRを予測する主な独立変数(F=16.951)であった.全対象例の12ヶ月間の縦断的検討で,ΔCPRは有意(p<0.001)に低下した.これらを治療法別に検討すると,非薬物療法群(39名)と経口血糖降下薬群(134名)のΔCPRはそれぞれ有意(p<0.05, p<0.001)に低下したが,インスリン治療群(32名)のΔCPRは有意な変化は認めなかった.経口血糖降下薬群での投薬内容に関するサブ解析で,ΔCPRの低下にインスリン分泌促進系経口血糖降下薬,特にスルホニル尿素薬の関与が強く示唆された.日本人2型糖尿病における膵β細胞のインスリン分泌能の経年変化には,高血糖曝露による自然史的影響ばかりでなく,種々の治療方法の影響が関与していることが示唆された.
著者
鈴木 吉彦 竹内 郁男 細川 和広 渥美 義仁 松岡 健平
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.31-35, 1994-01-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
7
被引用文献数
2

糖尿病発病から数年でインスリン分泌が減少しketotic proneであることからインスリン依存型糖尿病 (以下IDDMと略す) と診断し, 経過観察中に多発性硬化症 (以下MSと略す) の疑いある病像を併発した23歳女性を報告する.MSは, 発病年齢が若いこと, 中枢神経病巣が複数あること, 他疾患を除外しうること, 症状が一過性であったことなどから疑いありと診断した.両疾患合併が疑われた報告は本邦で最初である.両疾患が合併しやすい理由には糖脂肪代謝異常による脱髄現象説, ウイルス感染説など種々の説がある.両者とも発病年齢, 性差, 地理的特徴, 発病頻度, 寛解期を有する点, 自己免疫異常機構を介した機序が考えられる点に共通性がある.本症例ではIDDMに対し疾患感受性HLA遺伝子であるDR4とMSに対するDR2を有する点は遺伝的背景を疑わせる.またMSの併発は糖尿病治療に種々の幣害を及ぼし, 通院中断や過食, 神経症に対する誤診を導くなど悪影響を認めた.
著者
朝山 光太郎 井上 義朗 雨宮 伸 大山 建司 加藤 精彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-57, 1983

肥満児において, 赤盈球インスリン受容体結合 (IB) とヘパリン負荷後血中リボ蛋白リパーゼ (LPL) および肝性トリグリセライドリパービ (HTGL) 活性を測定し, 高TG血症との関連性を解析した.IBはGambhirらの方法に準拠して測定し, LDLおよびHTGL活性の測定は免疫化学的測定法によった.ヘパリン負荷量は10単位/kg体重と, Allenらの循環血液量算出法に基づく補正投与量を用いた.5~16歳の顕性糖尿病を認めない肥満児35名を対象とした.<BR>肥満児には高TG血症を高頻度 (20/35) に認めたが, 著明な高コレステロール (chol.) 血症, 低HDLchol.血症はなかった.IBは肥満児では低値であり, 空腹時インスリン値 (n=18), OGTT時のインスリン面積 (n=18), 血清TG値 (n=20) のそれぞれの対数値と負相関を示した.LPL値は10単位/kg負荷時 (n=13), 補正投与量負荷時 (n=12) のいずれも小児正常値と差がなかった.血清TG値は空腹時インスリン値 (n=29) およびインスリン面積 (n=20) と正相関した.相対体重はIB, 血清脂質とは相関せず, 空腹時インスリン値 (n=29) およびインスリン面積 (n=20) と相関した.<BR>肥満児においては, 肥満度に依存しないインスリン感受性低下とそれにともなう高インスリン血症が高TG血症の成立に関与しており, TG処理障害の明らかな関与は認めなかった.
著者
吉原 博夢 佐野 恭章 天田 拓麻 朝倉 俊成 北川 幸己 浅田 真一
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.179-187, 2016-04-30 (Released:2016-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

インスリン製剤やGLP-1受容体作動薬をはじめとする自己注射製剤は,患者自身が注射を行うため,製剤内への血液混入が起きることがある.しかし,自己注射製剤への血液混入による影響については詳しく報告されていない.そこで代表的な自己注射製剤に血液を加え,製剤中の有効成分に対する影響を検討した.その結果GLP-1受容体作動薬では大きな変化が見られなかった一方で,多くのインスリン製剤では沈殿形成と時間依存的な濁度上昇が見られ,特に超速効型の製剤では短時間で生じる傾向にあった.さらに,沈殿物はインスリンとヘモグロビンを含有しており,沈殿が生じたインスリン製剤ではインスリン濃度が有意に減少していた.以上の結果,血液を混入させないように血管を避けることや,血液が逆流しないよう適切な注射手技を患者に指導する必要があることが示された.また,血液を逆流させない製剤上の工夫も求められる.
著者
廣田 勇士
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.809-811, 2018-12-30 (Released:2018-12-30)
参考文献数
4
著者
山城 健二 吉原 理恵 石井 博尚 赤司 俊彦 横山 淳一 田嶼 尚子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.493-497, 2007 (Released:2009-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
3

症例は62歳,男性.46歳時に糖尿病を指摘され,57歳より経口血糖降下薬を内服していたがコントロール不良のため,ヒトインスリン混合型製剤による治療が開始された.初回注射時より注射部位に発赤・腫脹を認め,また,消化器症状も出現し,症状が持続したため当院を紹介受診.皮内テスト・皮膚生検により,ヒトインスリンに対する即時型アレルギーを確認した.製剤をインスリンアナログ製剤に変更したところアレルギー症状は軽快し,インスリン治療継続可能となり血糖コントロールは改善.また,インスリン抗体,抗ヒトインスリン特異的IgE抗体の低下をみた.インスリンのアミノ酸配列のわずかな差異がインスリンアレルギーの発症,生体の免疫反応に関与する可能性があると考えられた.
著者
片岡 弘明 田中 聡 北山 奈緒美 村尾 敏
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.350-356, 2013 (Released:2013-07-09)
参考文献数
31

2型糖尿病患者の骨格筋量の低下に影響を及ぼす因子を検討した.対象は2型糖尿病患者111名(男性58名,女性53名)で生体電気インピーダンス方式体組成計を用いて上下肢筋量を測定し,糖尿病に関連する因子との関係について男女別に検討した.上肢筋量および下肢筋量を従属変数としたステップワイズ重回帰分析の結果,男性の上肢ではHbA1c,下肢筋量では糖尿病神経障害とHbA1c,女性の下肢筋量では,糖尿病神経障害,LDLコレステロール/HDLコレステロール(L/H)比が有意な独立変数として選択された.本研究の結果から2型糖尿病患者の骨格筋量の低下には,男性では糖尿病神経障害とHbA1c,女性では糖尿病神経障害とL/H比が関与していた.2型糖尿病患者の骨格筋量低下に関連する因子は複数存在しており,さらにこれには性差が存在していることが明らかとなった.

1 0 0 0 OA 3. 骨格筋

著者
岩部 真人 山内 敏正 門脇 孝
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.413-416, 2013 (Released:2013-08-08)
参考文献数
5
著者
真山 享 赤井 裕輝 渡辺 力夫 阿部 茂樹 門伝 昌巳 本郷 道夫 豊田 隆謙 後藤 由夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.1017-1022, 1987-11-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

糖尿病性自律神経障害による胃排出能の異常が食事摂取後のインスリン需要動態および血糖コントロールに与える影響について検討した. 胃排出能正常な糖尿病者 (N群) 4名, 胃無力症 (胃排出能高度異常) の糖尿病者 (G群) 7名の計11名を対象とした.胃排出能は99m-Tc-Tin colloidにより標識した試験食摂取後のアイソトープ胃内残存量をガンマカメラにて経時的に測定し, 全例に人工膵島 (Biostator®) によるfeedback controlを行い, インスリン注入動態を観察した.G群では食後のアイソトープ胃内残存率がN群に比較して高値であり, 150分後ではG群, 74.1±7.4%(M±SD), N群21.3±5.4%であった (p<0.01). 食後インスリン需要量はN群でG群よりも高値であり, 150分後ではN群11.7±5.3単位, G群5.6±2.1単位であった (p<0.05).prokinetic agentの投与により, 胃排出能が著明に改善した6例では, 血糖日内変動, HbA1ともに明きらかに改善し, 良好なコントロールが得られた.胃排出能の異常は血糖の不安定性の原因の1つであり, インスリン需要動態に大きな異常をもたらす. 胃排出能の改善により, 食後インスリン需要量が適正化し, 良好な血糖コントロ一ルを得ることが可能となる.
著者
北村 忠弘
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.336-339, 2016-05-30 (Released:2016-06-01)
参考文献数
8
著者
徳永 勝人 松岡 瑛
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.61-65, 1999

水溶性食物繊維 (難消化性デキストーン5.12g) を有効成分とする特定保健用食品 (混合茶340g, 缶入り, 一般名;「難消化性デキストーン」(Tea Containing indigestible dextrin), 以下<I>KS</I>と表記) の糖質および脂質代謝に及ぼす影響を, 健常人および高脂血症患者を対象に評価した.(1) 健常人40例において, <I>KS</I>は試験食 (うどん定食: 炭水化物105g, 580kcal) 摂取後の血糖上昇を対照の緑茶340g摂取時 (83.0±4.6mg/d<I>l</I>) の76%に, また血糖曲線下面積 (AUC: 105.4±6.5mgmm/d<I>l</I>) は70%に低下させた.低下効果は緑茶摂取時の血糖頂値が40例の平均値 (171.5±4.7mg/d<I>l</I>) より高値を示した18例 (199.1±4.2mg/d<I>l</I>) でより顕著に現れ, 血糖上昇 (107.3±4.8mg/d<I>l</I>) は68%, AUC (134.2±8.3mg mh/d<I>l</I>) は67%に低下した.(2) 高脂血症llb型3例, IV型4例および健常人3例に<I>KS</I>を毎食時1カ月間反復摂取させたところ, 血清中性脂肪値は全例で低下し, 開始時 (205.5±2) mg/d<I>l</I>) に比べ有意な低下 (141.6±19.5mg/d<I>l</I>) がみられた. 低下はIV型において顕著G5~58%であった.
著者
篁 俊成
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.20-23, 2016-01-30 (Released:2016-02-04)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
谷山 松雄 鈴木 吉彦 榎本 詳 佐藤 温 杉田 江里 杉田 幸二郎 渥美 義仁 松岡 健平 伴 良雄
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.401-404, 1995-05-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
9

The substitution of guanine (G) for adenine (A) at positioln 3243 of mitochondrial DNA, first demonstrated in MELAS patients, has been found in some diabetics, and this mutation seems to be one of genetic factors for diabetes mellitus. Because mutational mitochondria coexist with normal mitochondria (heteroplasmy), conventional PCR-RFLPm methods may not detect a mutation When a majority of the mitochondrial DNA in leukocytes is normal. We tested the efficacy of specific PCR amplification in detecting the 3243G mutation using a primer whonse 3' base was complementary to the mutational base. This mutation-specific PCR amplification method permitted detection of the mutation in 2 patients with MELAS and in a diabetic patient whose mutation was detected by the PCR-RFLP method in biopsied muscle but not in peripheral leukocytes, and in two other diabetic patients.Specific PCR amplification for detection of the 3243G mutation is a simple and senisitive method and is useful inevaluating this mutation in diabetes mellituls.