著者
麻野井 祥明 伊﨑 章典
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.1010-1013, 2020 (Released:2020-10-27)
参考文献数
2

クロマキーとは,映像内の特定の色に別の映像を合成する技術であり,一般的には緑色の布が背景に設置されている.本研究では背景偏光板と位相差板付きのフィルタ偏光板を使用して,緑単色を取り出すクロマキー技術について述べている.この技術は従来の手法と比較して,背景から照明を当てられる点,背景色を容易に変更できる点,緑色の布からの反射光による被写体の色づきを抑制できる点において優れている.クロマキー合成には色純度の高い緑色が必要とされており,位相差値を最適化することにより達成することができた.また,偏光板と位相差板を使用することで,被写体に反射した光が着色する課題が確認されており,フィルタ偏光板側に集約されていた位相差板を,背景偏光板側に分割することで,着色を低減できることが明らかとなった.
著者
福島 邦彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.212-218, 1984-03-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
8
被引用文献数
1

生物の脳は, 現在のコンピューターでは実現できないような高度の情報処理能力を示す.神経回路モデルを中介としてそのメカニズムを探り, 新しい情報処理装置の設計原理を見いだそうとするバイオサイバネティクス研究が注目されている.このような研究の結果, 高度のパターン認識能力と学習能力をもつ新しいパターン認識方式「ネオコグニトロン」が生まれた.
著者
蓑毛 雄吾 佐藤 誠 鈴木 寿晃 神崎 正斗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.J75-J79, 2016 (Released:2016-02-25)
参考文献数
20

2015年1月に放送した「第91回東京箱根間往復大学駅伝競走」(「第91回箱根駅伝」)において,往路第5区・復路第6区の箱根エリアの中でコース変更される箇所や山登り・山下りの過酷さと難しさを視聴者に判り易く解説したいという番組制作側からの演出要望があった.そこで,複数の静止画から対象物の3次元情報を再構成する手法(フォトグラメトリー技術)とマルチコプター空撮を組合せることで,高品質なコース解説CG映像を効率的に作成し放送に用いたので報告する.
著者
大庭 弘一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.962-969, 1982-11-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
29
被引用文献数
2 1

マイクロチャンネルプレート (MCP) の代表的な製法である2段管引き法について述べ, いくつかの問題点にふれるとともに, MCPの動作特性として大切な利得特性, 飽和特性, 寿命, 時間特性, 磁場特性について, 今後の取り組み方を含め紹介する. また高速光電子増倍管, イメージインテンシファイアおよび微弱光2次元像検出への応用について現状を紹介する.
著者
西村 仁志 田坂 和之 川西 康友 村瀬 洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.1004-1012, 2019 (Released:2019-08-26)
参考文献数
23

カメラ映像中の物体追跡では,物体の変形・遮蔽・回転等,様々な見えの変化が起こる状況でも高精度に追跡し続けることが求められる.本論文では,識別能力の高い相関フィルタと見えの変化に頑健な時系列フィルタを組み合わせた物体追跡手法を提案する.両フィルタを同時利用するために,相関フィルタによって得られた応答マップをパーティクルフィルタの観測モデルとして使用する.相関フィルタは,追跡している矩形領域をもとにパラメータを更新する.そのため,見えの変化が起こった際,追跡している矩形領域が追跡対象からずれ,誤った矩形領域を用いてパラメータを更新してしまう.提案手法では,追跡信頼度の低下によって見えの変化を検知した場合は複数の相関フィルタで追跡を行い,パーティクルフィルタの枠組みを用いて確率的に相関フィルタの更新を行う.これにより,誤った矩形領域を用いた相関フィルタの更新を低減する.実験では,追跡のAUCスコアについて,ベースライン手法が38.38%であったのに対し,提案手法では40.64%に向上し,提案手法の有効性が確認された.

6 0 0 0 OA 扁平受像管

著者
三戸 左内 上野 嗣勝
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.191-204, 1969-03-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

画面サイズ8インチ, 単偏向板形偏向方式を用い, 管の厚み約56mmの扁平受像管を開発した. また, 螢光面と対向した主偏向器電極に透明なネサ膜を使うことによつて, 螢光面の映像を裏から見えるようにした両面テレビ受信機の可能性を調査した. 解像度は中心部において水平, 垂直ともに300本が得られた.
著者
須山 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.105-112, 1964-02-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
3

テレビのフィルム録画において, ブラウン管にネガ像を出して撮影したフィルムを普通現像してポジ画像を得る方法が多く行なわれているが, 東京放送では, ブラウン管にポジ像を出して撮影したフィルムを反転現像してポジ画像を得る方法を行なっている.最初は富士軟調ポジフィルムを使用して, その反転現像ができるような現像液処方を決定した.しかし, フィルムにおけるハレーションのために画質が悪くなることから, フィルムにハレーション防止処理をすると画質がよくなることがわかった.
著者
沢井 淳志 山本 隼 今村 國康 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.J56-J65, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
12

本論文では, 高精度かつ高安定な周波数源として, 地上デジタル放送波を利用した発振器を提案している. 地上デジタル放送では, ルビジウム原子発振器を用いて放送波を作っており, 基準周波数源として利用可能であると考えられため, まず, 地上デジタル放送波の周波数偏差と安定度を測定し, 安定度を劣化させる要因について検討している. その結果, 平均時間400秒以上で, 安定度の指標である二標本標準偏差が1×10-12以下になり, 高安定な発振器の周波数源として使用可能であることを明らかにしている. この結果をもとに, 水晶発振器を地上デジタル放送波に同期させ, 地上デジタル放送波と同じ長期安定度を有する発振器を製作している. さらに, 事前に取得した地上デジタル放送波の周波数偏差を用いることにより, 周波数偏差が5×10-12以下の極めて精度の高い発振器も製作している.

5 0 0 0 OA 国際中継技術

著者
関 邦秀
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.526-532, 1970-07-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
48