著者
児玉 祐悦 工藤 知宏 清水 敏行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1695-1704, 2006-08-01

ミッションクリティカルな分散コンピューティングでは,パケットロス率が小さく,障害に強い通信が要求される.そのような高信頼通信を実現するために,マルチパスを用いた通信手法が研究されてきた.これは,通信パケットを複製し,それらを異なるパス経由で転送させ,目的ノードでそれらをマージする手法である.マルチパス手法では,あるパスでパケットロスが起きても,他のパスからそのデータがやってくれば,再送を行うことなく,パケットロスを回復することができる.高バンド幅高遅延ネットワーク間でデータ通信を行う場合には,パケットロスによる通信性能の低下が著しいため,このような遅延に影響されない高信頼化通信は有効である.ギガビットクラスのネットワーク上で高信頼通信を実現するために,我々の開発したネットワークテストベッドGtrcNET-1上に,マルチパス手法を実装した.本実装によりパケットロス率の比較的高い高速ネットワークであっても,マルチパス手法を適用することにより高い通信性能を維持できることを確認した.更に,利用しているパスの転送性能などを受信側から送信側にフィードバックする改良手法を適用することにより,途中のパスで転送性能の低下が起きた場合でも高信頼通信を維持できることを確認した.
著者
吉留 天則 後藤 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.513, pp.173-178, 2007-01-22

我々は、OBSネットワークにおけるトラフィック負荷増加時のバースト転送遅延の急増を抑制することを目的とした低遅延バースト転送方式を提案した。その提案方式では、コントロールパケットが中継ノードの予約テーブルを全て参照することで、従来のDynamic Two-way (DTW)方式がシグナリング中に見逃していたバースト転送可能時間帯を有効に利用することができるため、より効果的にバースト転送遅延を抑制することができる。しかし提案方式では、実際のバースト転送には用いない無駄な仮予約時間帯による帯域浪費量の増加という問題がある。本稿ではこの帯域浪費量について吟味し、帯域浪費量を削減するための改良案として、帯域浪費継続時間に注目したEarly Release (ER)方式および帯域浪費サイズに注目したLimited Reference (LR)方式を提案する。シミュレーションによりバースト転送遅延および帯域浪費量を計算した結果、トラフィック負荷が低い場合には、従来のOne-way方式におけるバーストの再送による帯域浪費量よりも、提案方式における無駄な仮予約による帯域浪費量の方が大きくなることが分かった。しかしながら、ER方式とLR方式を併用することで、高い遅延抑制効果を維持したまま帯域浪費量を効果的に削減できることを明らかにした。
著者
唐澤 信司 池田 千里 具 龍會 鄭 俊憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

本報告では、ロボットの知能は『もし、○○であれば、○○とする。』という論理で記述され、この論理を実行する意志決定回路{Decision-Making Circuit (DMC)}が形成されることを知能の獲得とする。DMCはある状況を示すセンサの状態の組み合わせに対応した出力回路の状態を指定する。体験的学習では、同時に励起された入力群と出力が接続される。このDMCを構成単位とする人工知能システムを考え、その形成をフローティング・ゲートMOSFETに記憶させる。ここでは、この書き込みを体験的学習のように行う技術を検討した。このロボットの知能は体験に範囲を限定され、いはば個性のようなものを持つ。
著者
原田 英昭 鶴巻 渡 松雪 康巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-08-13

TMN(Telecommunications Management Network)に準拠したオペレーションシステム(Operations System :OS)が実用の段階を迎えている。しかし、既存OSとの機能分担、既設設備の有効利用等の観点からTMN準拠OS(以下、TMN-OSと記す。)と非TMNである既存OSの相互接続が必要となる。 本稿では、相互接続を実現するアダプタの機能及び配備法を検討する。
著者
島津 啓 鳥飼 弘幸 斎藤 利通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.741, pp.45-48, 2004-03-19

本論文では、インバータ制御に用いられるデルタ変調目路(DMC)の基本動作を考察する。同回路をスイッチトダイナミカルシステムとしてとらえ、一次元リターンマップを導出する。マップを用いた解析により、系は広いパラメータ領域で非周期になることを明らかにする。次に、周期的強制スイッチングによるPWM信号を安定化を提案する。同手法をDMCに適用することによりインバータ制御に使えるパラメータ領域で系を安定化できることを示す。またその他のパラメータ領域ではリターンマップはカオスや共存等の非線形現象を呈することを示す。
著者
島津 啓 鳥飼 弘幸 斎藤 利通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.336, pp.45-48, 2003-09-23

本論文では、インバータ制御に用いられるデルタ変調回路(DMC)の基本動作を考察する。同回路をスイッチトダイナミカルシステムとしてとらえ、一次元りターンマップを導出する。一次元りターンマップは、様々な分岐現象を呈する。リアプノフ指数を計算し系の呈する現象、安定性などについて考察する。そして、周期的強制スイッチングによるPwM信号を安定化を提案し、安定化DMCの呈する分岐現象iこついて考察する。また、安定化DMCを用いたPWMインパークの基本特性についても考察する。
著者
金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.227-240, 1996-02-25
被引用文献数
10 3

我々は, 説明のもつ学習効果, 第三者に説明することにより説明の当事者が多くのことに気づく現象に着目し, 学習者が自分自身の問題解決について述べる自己説明の働きを利用した教育システムを開発した. 我々が開発した教育システムは, 計算機上で学習者が他の学習者に説明を行う擬似環境を与える. 学習者は自己説明環境の下で, 説明を繰り返し行う. 自己説明の繰返しは, 内省を活性化することになり学習効果が上がる. システムは,学習者の説明を評価し, 学習者にアドバイスを与える. 学習者の説明は, アドバイスを受けることにより, 変化する. 我々は, この変化を説明の洗練と呼び,システムによる学習者の説明の洗練方法について示す. 最後に, 自己説明について行った実験について述べ, 我々の提案したモデルについて考察する.
著者
永田 智大 鈴木 俊博 小林 基成 カーン アシック 趙 晩熙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.79-84, 2008-05-08

本論文では,我々が新世代ネットワークとして提案する仮想ネットワーク技術を実現する際,単一ノードが支援する技術について検討を行う.仮想ネットワークはリンク資源,処理資源を統合的に扱うため,単一ノードでは仮想マシン技術を応用することで,効率的な資源割当てを実現できると考える.資源割当が正しく行われた仮想マシンが相互に連携して仮想ネットワーク全体の資源分割を支援する.そこで,我々はまず仮想マシンの資源利用状況を監視し,単一ノード内で実際に使われていない資源を,資源が足りていない仮想マシンに割当てることで,資源の利用効率やサービスのスケーラビリティ向上を目指す.また,その応用例として,仮想マシンの再起動に対する冗長性について検討を行う.再起動の原因に応じて資源割当てを変化させることで,仮想マシンが提供するサービスを効率的に継続して提供できる.
著者
秋山 勝彦 中川 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.651-659, 1998-04-25
被引用文献数
48

本論文では, オンライン手書き日本語文字認識を対象に, 二つの特徴点列の長さの和に比例した処理の手間で済む伸縮パターンマッチング手法を提示する.この手法は, 決定論的な特徴点列対応付けと限定的な場合に起動する浅いバックトラックからなる.また, 本マッチング手法によって生じる重複した対応を除去して特徴点列を1対1に対応づける処理, それぞれの対応間の局所類似度からパターン間全体の類似度を算出する処理についても述べる.本手法を大分類, 文脈後処理, そして漢字の部首パターンを共有する構造化字体表現辞書と組み合わせ, 筆順違いや略字などに統一的に対処でき, 筆画の続けに対応したオンライン手書き日本語文字認識システムを構成した.JIS第1水準の漢字と平仮名, 片仮名, 大小英文字, 数字, 記号などからなる文章を筆記制限なしで収集したオンライン手書き文字パターンデータベース, TUAT Nakagawa Lab.HANDS-kuchibue_d-96-02のデータ80セットに対して, 認識率88.0%, 平均認識速度0.21秒をPentium 100MHz上で達成した.本手法による文字認識は, 特徴点列長の積に比例した処理の手間が掛かるビーム付きDPマッチングを用いた場合と比較して, 同程度の認識率を保持しながら6倍以上高速であることが確認できた.
著者
豊田 規人 三枝 武男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.148, pp.121-128, 1996-07-13
被引用文献数
5

(F) IRSで用いられる仮定に基付かないより広い状況で可能な学習項目に対する一つのMeasure ("重要度")を導入する. この"重要度"を実例で計算し、特性、用途等を論じた。更に着目している学習項目の周辺の関連度をも考慮した"Shapley Value"を専入し、実例で計算し、その結果を分析しつつ、両者の特性、用途等比較吟味してきた. Shapley Value は、協調ゲーム理論の一つの合理的解を与えるものであるが、その定義から、ここで導入された"重要度"のExactな表現である. 実際"重要度"は"Shapley Volue"の一次近似とみなせ, "重要度"に生じる縮退を解くことが出来る.
著者
大野 克郎 朱雀 保正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27

直線位相の有限インパルス長ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)の手軽な設計法として,周波数サンプリング法(FS法)があるが,窓関数法より遥かに優れているにも拘らず,あまり推奨されていないようである.しかも,実数のサンプル値を与え,これをそのまま逆離散フーリエ変換(IDFT)すれば求めるインパルス応答(h[n]で表す)が得られるとする誤った説明さえ時として行われている.その主な原因は,Rabinerらの書では,振幅サンプル値(Rabinerらの記号では|H(k)|.|H(k)|は負の値もとり得るのでこの記号は実は適当でない)を補間して得られる周波数特性の吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が陽な形で示されていないことにあると思われる.以下では,直ちに利用できる形の公式とその誘導法とを示す.なお本稿では,大野が公式を導き,朱雀がこれを整理検討した.
著者
佐々木 整 水野 一徳 浅井 智也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.163, pp.45-48, 2009-07-24
被引用文献数
1

近年,日本で学ぶ留学生は増加傾向にあるが,その一部には日本語の習得が十分ではない学生も見受けられる.そこで,著者らはこのような日本語能力が高くはない学生を対象として,授業中に講師が用いる用語に特化した学習システムの開発を行ってきた.しかし,e-Learningの利用やWebを用いた情報検索など,授業時間以外でも日本語の文章を読んだり,理解したりするための支援も必要である.本稿では,留学生の日本語能力に応じた,Webページのひらがな化の方法を中心に,現在取り組んでいる支援について報告する.
著者
岡本 秀輔 鎌田 賢 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.43-47, 2007-07-02

Webアプリケーションとして複数プレイヤー参加型RPGを簡易に作成するためのプログラミングツールについて述べる.このツールの設計目標は単純な指定でさまざまなRPGを作成できることである.プログラミングの初心者や小学生などもこのツールの対象ユーザに含めている.ツールはGUIエディタとコードジェネレータからなる.GUIエディタはRPGのキャラクタの動作を規定する状態遷移図を作成するためのものである.コードジェネレータは,ゲームを構成するためのC,PHP,JavaScript,HTMLなどのコードを状態遷移図から生成する.生成されたRPGは,Firefox,Safari,IEといったよく使われるWebブラウザで操作できる.RPGのプレイヤーがWebブラウザ上でクリックやキー入力を行うと,その結果がWebサーバに送られデータベースに記録される.その結果,プレイヤーの入力が,他のプレイヤーのアバタやプレイヤーと関連を持たないゲームキャラクタに影響を与えることができ,さらにそれが他のプレイヤーの画面に反映される.状態遷移図は特定のプログラミング言語には依存せずに動作を規定するための道具である.そして,その構造は単純なために簡単に学習できるとともに,ゲームキャラクタの振舞指定に適している.本報告では,ツールを用いて容易にWeb用のRPGを作成できる可能性について述べる.
著者
元木 諒介 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.397, pp.1-6, 2009-01-15
被引用文献数
2

ブラウザ上に表示されている住所情報をコピーし,Googleマップ等の検索欄にその住所情報をペーストして、住所を検索する方法はよく利用されている方法である.しかし,この方法ではコピーする範囲を間違ったりして少し手間が掛かるという感は否めない。そこで、本研究では,ブラウザ上の住所情報を自動的に検出し,その検出した住所情報をクリックするだけで,Googleマップを自動的に呼び出してその住所を地図上に表示することができるシステムをFirefoxのアドオンとして開発した.
著者
山本 瑞秋 米倉 達広 岡本 秀輔 鎌田 賢 荒木 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.2246-2250, 2006-10-01
被引用文献数
2

本論文では,状態遷移図の編集とその自動変換によるWebブラウザ自動生成ツールを提案する.具体的には,カスタマイズ可能なWebブラウザ「Mozilla Firefox」の拡張機能を利用した上記プロトタイプシステムを試作したので報告する.
著者
生井 邦明 曲谷 一成 簗島 謙次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.75-80, 1997-01-25
被引用文献数
1

我々は, GPSを用いた視覚障害者ナビゲーションシステムを使用する事が出来ない地下街等の場所を対象としたナビゲーションシステムの開発を目標に研究を行っている. ナビゲーションシステムの具体的構成としては, 構造物内部に適当な間隔で設置した光ビーコンを用いての絶対位置取得, 既知の地図情報を用いてのマップマッチング処理と最適誘導経路算出, 音声認識・音声合成装置を用いた入出力インターフェースの利用等がある. 今回は, 我々が開発しているシステムについての概要を述べると共に, システムに於いて標識として使用するオプティカル・ビーコンの試作を行ったのでこれについて報告を行う.
著者
遠田 利之 執行 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.244-251, 1996-06-25
被引用文献数
4

ディープサブミクロンCMOSの実現における重要な課題の一つが,pMOSでの埋込チャネルと表面チャネルの選択である.これまで,埋込チャネルは微細化や低電圧化が難しいと考えられてきた.これは,短チャネル効果が顕著であり,Sスイング(Subthreshold-Swing)も大きいからである.但し,従来の検討は埋込層が深い場合に対して行われた.微細化に伴い接合は浅くなるが,埋込層が浅い場合の検討は充分ではなかった. そこで我々は,埋込チャネルのSスイングおよび短チャネル効果の,埋込層およびソース/ドレーン接合深さ依存性をシミュレーションにより解析した.この結果,埋込層が完全に空乏化する程浅ければ,表面チャネルよりもSスイングが低下し,サブスレッショルド特性が急しゅんになることがわかった.すなわち,Sスイングを極小とする最適構造は表面チャネルでなく,埋込チャネルにあることを初めて見いだした. この構造をCDSC(Counter-Doped Surface-Channel)と呼ぶ.更に,ソース/ドレーンを埋込層より浅くすれば,短チャネル効果も表面チャネルより抑制できることも明らかになった.すなわち,CDSCはディープサブミクロンに適用できるpMOSとして有望である.
著者
金子 豊 滝沢 悦貞 川添 豪
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.410, pp.73-76, 1994-12-16

宇宙開発事業団では,将来の月面有人活動の実現に向けて,先行ミッションとして不可欠な無人探査ミッションの概念検討を実施している。無人探査ミッションは,月周回観測衛星によるリモートセンシング,月面移動探査機による地表面直接探査,地球に試料を持ち帰るサンプルリターンミッションから構成される。ここでは,月全体の地形及び元素,鉱物分布のデータ取得を主目的とした月周回観測衛星の概念検討の結果について報告する