著者
秋山 高行 小原 清弘 谷崎 正明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.272, pp.81-87, 2009-11-05
被引用文献数
1

ユーザの嗜好に基づいた最適な情報を提示する推薦技術は、精度が上がるほど、提示情報に新鮮味や意外性がなくなるという課題がある。本報告では、ユーザがserendipityを感じる(意外に良い)情報を推薦するシステムを実現するために、人間の嗜好に関する仮説を立て、その仮説を元に推薦方式を提案し、仮説の実証実験を行った。その結果、ユーザ嗜好を反映するコンテンツ間類似度を用いることによって、serendipityを感じるコンテンツを検索できることを示した。
著者
上野 智史 橋本 真幸 米山 暁夫 川田 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.306, pp.127-132, 2009-11-19
被引用文献数
1

本論文では,ユーザの現在位置・方向情報の精度の改善を目的とした,ユーザ撮影画像と街並画像データベースの画像マッチング手法を提案する.GPSによる位置データを利用してユーザを道案内するナビゲーションサービスが普及しているが,高層ビル街などGPSによる位置精度が悪い場所においても精度の高い位置情報の提供が求められていた.これに対して,対象エリアの街並画像を事前に撮影しておき,ユーザの撮影画像とマッチングすることでユーザ位置・方向を推定する手法が考えられる.しかし,街並画像データベースの撮影間隔が離散的であることと高圧縮の画像であることにより画像マッチングの精度が低い場合があった.そこで本研究では,これらの街並画像データベースでも特徴点の対応関係を精度よく抽出する方式を提案する.本手法は,局所特徴量の対応点の検出時に複数の対応点候補を選択し,その後建物の幾何拘束を考慮して対応点を選択することで,従来の最近傍探索手法より精度よく正解対応領域を検出する.本手法により,従来のSIFTによる最近傍探索に比較して位置精度誤差が7%縮小し,方向推定精度が10%改善する.
著者
徳田 正満 島田 一夫 石井 博義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.51, pp.41-48, 1998-05-15
被引用文献数
9

平成9年度に九州工業大学に建設された多目的の電波無響室に関する仕様と特性を紹介している。この電波無響室は、床面が金属の電波半無響室と、そこに電波吸収体を敷いた電波全無響室の両方を構成することができ、EMC用ばかりでなく、アンテナ特性評価用としての適用も可能である。発砲フェライトという新素材を電波吸収体に新規に適用することにより、30MHz〜18GHzの周波数帯域で、5面と6面のサイト減衰量特性及び放射RF電磁界イミュニティ試験時の電解均一性を、60cmの電波吸収体厚さで実現できることを確認した。
著者
新井 佑介 澤井 涼 山口 佳樹 丸山 勉 安永 守利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.436, pp.81-86, 2006-12-08
被引用文献数
1

Cell Broadband Engine (CBE)は,マルチメディアデータの高速でリアルタイムな処理を目的として開発されたプロセッサである.CBEは,汎用プロセッサコアであるPowerPC Processor Element (PPE)と,高速演算に特化したSynergistic Processor Element (SPE)の2種類のプロセッサコアを持つ,非対称マルチコアプロセッサである.CBEは,マルチメディア系の処理を想定して設計されたプロセッサであるが,その高い演算性能は,科学技術計算にも応用できると考えられる.そこで本研究では,CBEを用いて流体シミュレーションなどに応用される格子ガスオートマトン法を実装し,検証を行った.実装して得られた速度向上は,1024×1024格子規模のFHP-IIIモデルにおいて,マイクロプロセッサ(Pentium4 3.4GHz)と比較し,約20倍であった.本論文で得られた結果は,CBEが浮動小数点演算などを一切用いない計算においても高性能を実現できることを示しており,より広いアプリケーションに対して適用できる可能性について示唆している.そこで,より汎用的な利用や高い性能の実現についても考察を行う.
著者
谷井 琢也 高松 邦義 国分 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.43, pp.7-12, 1996-05-17
参考文献数
4

かつて電電公社において障害を生じた通話路接点に硫酸アンモニウムが発見され, これは汚染された大気中のSO_2ガスと継電器のフェノール樹脂より発するNH_3ガスにより生ずるものと説明された. そこで擬似的に作り出した硫酸アンモニウムを含む汚染雰囲気中に様々な種類の金属材料を晒すことにより, 材料表面の経時変化及び材質による影響の違いを求めようと試みた.
著者
徐 光哲 金子 正秀 榑松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1279-1288, 2001-07-01
参考文献数
6
被引用文献数
25

似顔絵は個人の顔の特徴を端的に表現したものであり, 新聞, 雑誌での利用のほか, ホームページへの掲載, エージェントとしての利用など多くの用途が考えられる. 本論文では, 各顔部品の形状特徴, 配置に関する特徴, 及び傾きに関する特徴を個別に制御可能な, より柔軟性の高い似顔絵生成方法について述べる. まず, 眉, 目, 口などの顔部品の各々について輪郭形状に対する固有空間を求める. これとは別に, 各顔部品の配置情報に関する固有空間を求める. 次に似顔絵を生成しようとする対象顔画像について, 各顔部品の形状, 配置の各々について平均顔との差を求め, 固有空間の基底(固有ベクトル)への直交展開を行う. 直交展開により求められた係数に従って強調倍率を決め, 固有ベクトルに対する強調処理を施す. 顔部品の傾きに対しては, 平均顔における顔部品の傾きとの差を2次関数を用いて強調する. これらの結果に平均形状, 平均配置, 及び平均の傾きを加えることにより, 似顔絵の形状を得る. 生成した似顔絵に対して主観評価実験を行い, 似顔絵の生成方法としての有効性を明らかにする.
著者
大垣 健一 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1739-1749, 1999-10-25
参考文献数
15
被引用文献数
21

人の動きの計測はジェスチャ認識や,CGなどによる動きの再現に利用され応用範囲は広がっている.装着物を使用しない画像による動きの計測は対象の負担とならず,より望ましい.本研究では形状モデル,動きモデルを利用して時系列ステレオ画像から姿勢を推定する方法を提案する.具体的には時系列ステレオ画像から色と位置を利用した領域抽出により,頭と手の領域を抽出し,ステレオマッチングを行うことで対象の3次元位置を求める.頭と手の3次元位置と形状モデルを利用した逆運動学問題を解くことにより姿勢のパラメータを推定する.効率良くパラメータを推定するため動きモデルを用いたパラメータ予測を行い,シルエット領域とのモデルマッチングによる最適化を行う.また,合成画像に対するシミュレーション,実画像に対する実験を行い姿勢推定の有効性を示す.
著者
濱 保久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.88, pp.9-14, 1995-06-09

伝統的な説得的コミュニケーションの研究では、情報の内容、情報の送り手、情報の受け手を個別に研究の対象としてきた。しかし、交渉場面などで展開されている説得的コミュニケーションは、双方向性でしかも力動的なものである。本研究では、ゴール・プランの考え方を導入し、対話過程そのものの構造化を試みた。実験では、架空の交渉場面を設定し2人の被験者に筆談による交渉を行わせた。収集した対話を分析した結果、1)話題の深化には2つのタイプが存在すること、2)話題の深化パターンに2つのタイプが存在すること、3)話題の転移パターンにも2つのタイプが存在することが明らかになった。
著者
吉野 峰生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.118, pp.67-74, 1999-06-17
被引用文献数
3

顔画像の個人識別の現状と将来の展望について法科学的観点から述べた。顔画像の識別は,一般に,顔の構成要素の形態学的分類基準に基づく比較,顔の人類学的計測並びに顔画像相互のスーパーインポーズ法の3手法によって行われている。顔画像相互のスーパーインポーズ法を実施するためには,犯行現場の犯人の顔画像と被疑者の顔画像を同じ撮影角度にする必要があり,被疑者の顔貌の3次元形状データを用いたビデオスーパーインポーズ法が開発されている。将来的には,顔画像上の解剖学的標記点間の距離や角度に基づいたマッチングにより,犯人の2次元顔画像から被疑者の3次元顔画像データベースに対して検索,照合が行えるようになるであろう。
著者
Kumar Das Nirmal Theodorus 宮台 典尚 篠澤 政宏 谷口 哲樹 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.230, pp.133-138, 2003-07-23
被引用文献数
2

本稿では空間・偏波領域における電波伝搬特性の測定や新しい伝送方式の実環境での動作を評価するため試作したMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)実験装置を紹介する.この装置は送信入力4ブランチ,受信出力8ブランチの4×8のMIMOであり,例えば4ブランチを4素子のアレーアンテナとして使うことも,直交偏波を取り入れた2素子・2偏波のブランチとして使うこともできる.そして,電波暗室においてAlamoutiの時空間符号化伝送や固有モード伝送などMIMOの基本伝送実験を行い,この装置の基本動作を確認した.
著者
上山 真生 水頭 一壽 山崎 信行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.558, pp.203-208, 2008-03-20

本論文では,ロボット制御に必要なリアルタイム性をOSが保証するための時間管理機構を提案する.まず,周期タスクのデッドラインがデッドラインをミスしないことを保証するために,周期タスク生成時にアドミッションコントロールを行う.従来のリアルタイムOSでは,実行タイミングの予測性が高い静的優先度アルゴリズムが採用されてきたが,理論的に任意のタスクセットについてデッドラインを保証可能な資源利用率が低く,アドミッションコントロールとは相性が悪かった.しかしながら,本リアルタイムOSでは,モータ制御のように実行タイミングジッタを許容しないタスクの実行を,タイマ割込みサービスルーチンに任せる.ジッタを許容しないタスクを周期タスクのスケジューリングから分離したことにより,周期タスクのスケジューリングの際にジッタを考慮しなくてすむため,実行タイミングの予測性は低いが,理論的に保証可能な資源利用率の高い動的優先度アルゴリズムを採用することが可能となる.この時間管理機構により,リアルタイム性を保証しつつ,計算資源を有効に使うことが可能となる.
著者
武 小萌 瀧本 政雄 佐藤 真一 安達 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.1153-1165, 2009-08-01
被引用文献数
4

本研究では,放送映像における同一場面映像のアーカイブからの発見・検索を目標とする.本研究において解決すべき最大の問題は,同一場面映像間の視点の違いによる視覚的な差異にかかわらず照合を行うことである.本研究は,撮影対象の動きに着目し,特徴点軌跡が時間的に変化するInconsistencyシーケンスに基づいた照合手法を提案する.このInconsistencyシーケンスから派生される,特徴的な事象の発生を示すDiscontinuityシーケンスに基づき,同一場面映像検出における計算量を激減させる高速化アルゴリズムも提案した.また,ローカル特徴量を用いた既存の映像照合手法との精度比較,並びにそれを用いた速度・精度の向上の評価を新たに加えた.更に,提案手法を実際の映像アーカイブに適用し,提案手法の有効性を実証した.
著者
下塩 義文 三好 正純 古賀 広昭 徳田 正満 高井 朋昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.883-891, 1998-09-25
被引用文献数
30

平衡ケーブルの対地平衡度は, 平衡ケーブルに存在する, あるいは何らかの原因で生じた不平衡成分の大きさや分布状態によってどのように変化するか明確にされていない.本論文は完全に平衡と仮定したケーブルに任意に不平衡成分を付加することにより, 実際の平衡ケーブルを表すことを提案し, その対地平衡度の計算法を明らかにしたものである.大地を考慮した平衡ケーブルおよび不平衡成分を表す付加並列アドミタンス, 付加直列インピーダンスの入出力特性を3導体の継続行列で表現し, これらの継続行列を用いて, 任意の不平衡状態における平衡ケーブルの対地平衡度の解析を行った.実験例として, 端末機器接続や浸水等の障害により生じる静電容量不平衡が存在する場合, および試験接続時の対地平衡度の計算値を求め, 実測値とよく一致することを確認した.
著者
本谷 智宏 並木 武文 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.628, pp.9-14, 2000-02-17

電磁界解析手法であるFDTD法において, 金属の領域は完全導体としてモデル化することが一般的である.しかし, 導体損失が無視できないような問題ではこのような取り扱いはできない.その場合の効率的な計算手法として, 表面インピーダンス境界条件(Surface Impedance Boundary Condition:SIBC)を用いることが提案されている.SIBCでは, 金属の電気的特性をその表面の電磁界のみで表現し, 金属内部の電磁界を計算しない.このため, 計算負荷の大幅な低減が可能になる.ここでは, 周波数依存性を持つSIBCの定式化を説明し, マイクロストリップ線路等の伝送線路を構成する金属に適用して伝送特性を解析した結果について報告する.
著者
大場 光太郎 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.3147-3154, 1997-12-25
被引用文献数
10

ビジュアルラーニング手法の一つである固有空間手法は, 隠れを含まない単一物体の認識には非常に有効な手法である. しかしながら従来の方法では, 物体認識前に画像内で物体位置を検出し, 単一物体を一杯に含むように画像のトリミングを行う必要がある.本論文では, 工場内のビンピッキング作業に代表される重なり合っている複数の金属物体を各々認識することを目標とし, 物体の部分的な見え方を用いた"局所固有空間手法"を提案する. また効率的な局所ウィンドウを選択するために, 特徴点評価, 類似度評価, 信頼度評価という三つの評価指標を設け, 複数の隠れを各々含んだ金属物体の安定な認識を実現した.
著者
野中 俊宏 菊地 真美 赤松 則男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.139, pp.7-12, 2000-06-16
被引用文献数
1

本稿では, 高感度の電子ペンによって得られる一次元の筆圧情報に基づく, オンライン署名照合の一手法について述べる.提案するシステムではタブレットを使用しないため, 紙の上に通常のペンで文字を書く場合とほぼ同じ条件でデータを採取することができ, 比較的安定した情報を得ることができる.照合プロセスは2段階で構成される.第1段階では, パラメータ的手法を用いて署名データをストローク単位で対応付け, 明らかな偽筆を棄却する.第2段階では, 対応付けられた領域ごとに関数的手法による照合を行う.被験者31名から得た真署名775個, 偽署名1085個について個人認証実験を行った結果, 等誤り率11.1%が得られた.
著者
佐野 健 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.517, pp.25-28, 2004-12-09

近年,インターネットへの接続回線の広帯域化,端末の高機能化により,Peer-to-Peer(P2P)技術が急速に普及している.Pure P2P SystemではP2Pに参加するピアの間でOverlay Networkが構築され,Overlay Network上で接続確認メッセージ(Ping,Pong)や検索メッセージ(Query,QueryHit)などの送受信が行われる.しかし,Ping,QueryはOverlay Network上でブロードキャストされるため,膨大な数のメッセージが発生する.特に,異なるAS間を複数回往復するようなメッセージはネットワークにとって非効率的である.そこで,本稿ではASの境界ルータがピアとしてP2Pネットワークに参加することで,異なるAS内のピアと隣接関係を持たないようにし,非効率的なメッセージを削減する方式を提案する.また,シミュレーションを用いて提案方式によるP2Pメッセージの改善度を検証する.
著者
岩井 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.271, pp.37-42, 2002-08-15

LSIの消費電力は増加の一途を辿ってきた。チップの消費電力もそろそろ本当の限界に到達しつつあるというのが大方の見方となっており、CMOSLSIの低電力化技術が真剣に検討されている。本論文では最近の低消費電力技術とその問題点を紹介するとともに、低消費電力技術にとって重要なゲート絶縁膜薄膜化技術の最近の動向を紹介する。
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.476-477, 1995-03-27

この世は,人間を主体系として,本体系である自然系と人工系から成っている。これ等は全て,伝送工学を一般化した伝子工学での立場からは,その互いに相補的概念である「線路」と「回路」そのものである。人類は何段かのルネッサンスを経て,現在に生きている。特に現代は,地球ガイアの枠組の上で,個々の生と,その集団の生について,古くからの良きことのルネッサンスと云うことで,より本質的な世界を捉えることになったことに特徴がある。それは,空間移動能力の拡大による意識空間の拡大もあるが,テレコミュニケーションを中心とした意識対応の人工システムの進化過程にのった意識空間の拡大にこそその特徴がある。ここでは[数理伝送][生物物理]を背景に,人間系の個体的,集団的特性を,その生成モデルを,感性対応システム(音楽・絵画等の情報的系と,味覚・痛覚等の生物的系での),その外部系としての景気変動空間系,その生成システムとしての市場交渉的システム・言語約束系等を取り扱うことになる。
著者
木村 一平 王 瓊 王 建青
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.185, pp.41-46, 2009-08-28
被引用文献数
2

高齢化社会の到来に伴い,通信機能を有する人体装着或いは埋込み型生体センサによる医療や生体情報の管理,遠隔治療など,いわゆる医療支援情報通信技術の確立が期待されている.本研究では,ワイヤレスボディエリア通信を実現させるために,超広帯域(UWB)伝送に着目し,人体姿勢動作及び床からの反射を考慮した人体伝送路特性を測定し,インパルス応答のモデリングを行った.また,インパルス応答を用いて,代表的なUWB-IR(Impulse Radio)通信方式における誤り率特性を計算機シミュレーションにより明かにし,UWBボディエリア伝送の実用性を検討した.