著者
菅原 淳 リチャード ラン 小林 等 奥村 治彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.653, pp.13-17, 2000-02-24
参考文献数
6

携帯機機の普及や環境への配慮から、電力消費の少ない非発光型、すなわち反射型のディスプレイが注目されている。ディスプレイの画質としては、紙のような白さとカラー印刷並の色再現性が求められている。しかし、従来からある反射型液晶ディスプレイでは、偏光板や色素による光の吸収が反射率を低下させ、紙のような白さを実現することが難しい。本発表では、紙の白さとカラー表示か可能な可動フィルムディスプレイ(AFD:Actuated Film Display)の提案を行う。これは白色フィルムの上で、シアン・マゼンタ・イエローの色フィルムを静電力によって機械的に出し入れする方式であり、原理的に印刷物に迫る画質が期待できる。
著者
栗田 孝昭 井合 知 北脇 信彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.331-339, 1993-04-25
参考文献数
8
被引用文献数
41

テレビ電話やテレビ会議などのオーディオビジュアル通信を経済的,効率的に提供するため,信号の高能率符号化や通信衛星,ATMなどの技術の通信網への導入が検討されている.これらの技術は信号の伝搬遅延時間を増加させるため,通信品質を劣化させる可能性がある.伝搬遅延が通信品質に及ぼす影響は電話による音声通信において多数検討されているが,オーディオビジュアル通信における検討例は少なく,音声に映像が加わったことによる遅延品質への影響は十分に把握されていない.本論文ではオーディオビジュアル通信における遅延品質規定に資するため,音声通信とオーディオビジュアル通信における遅延品質を主観評価試験により測定し,両通信の品質を比較することにより映像の有無が遅延品質へ及ぼす影響を検討した.その結果,音声と映像の遅延時間が等しい通話では,映像の有無による遅延品質への影響は認められず,遅延品質の支配的な要因は音声の遅延時間であることが明らかになった.また,音声と映像の遅延時間が異なる通話における許容遅延時間を検討した結果,音声の許容遅延時間は音声と映像の遅延時間が等しい通話の許容遅延時間に等しく,かつ音声と映像の遅延差は音声と映像のずれの検知限まで許容されることを明らかにした.
著者
横平 徳美 岡本 卓爾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1484-1493, 2001-08-01
参考文献数
7
被引用文献数
10

EDDコネクション受付制御方式では, コネクションの設定要求が発生した場合, そのコネクションを設定するものと仮定したときのそれに属するパケットの最悪の場合のend-to-end遅延を計算し, この遅延がそのコネクションの許容するend-to-end遅延以下のときのみその設定を許可し, それらの遅延の差(遅延余裕)を分割してそのコネクションの通過するリンクに割り当てる. この割当ては, 受付制御の容易化のために考えられたものであるが, ネットワーク内に同時に設定可能なコネクションの最大数(最大コネクション数)は, 割当てのし方に大きく左右される. 本論文では, ネットワーク内の特定のリンク群の利用率が他のリンク群の利用率より常時大きくなるようにコネクションの設定要求が発生するトラヒックパターンを対象に, 新たな割当法として, リンクの最悪遅延に比例して割り当てる方法(遅延法)を提案し, 従来の均等に割り当てる方法(均等法)及び利用率に比例して割り当てる方法(利用率法)と比較している. 数値例によれば, 最大コネクション数の面では, 遅延法は均等法及び利用率法に比して同程度か, あるいは, 最大でそれぞれ約1.30倍及び約1.48倍の性能が得られる. 受付制御の所要時間の面では, 遅延法は均等法と同程度であり, 利用率法より格段に優れている.
著者
石井 周志 田中 秀磨 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.509, pp.27-33, 2000-12-08

KASUMI暗号は松井によって提案されたMISTYをベースに設計された64ビットブロック暗号である。本論ではKASUMI暗号に大して高階差分攻撃による強度評価を行った。高階差分攻撃とは選択平文攻撃であり、高階差分値が鍵に依存しないことを利用した攻撃法である。高階差分攻撃の階数は、F関数の次数や、選択する平文に依存する。我々は効果的な平文の探索を行い、4段のKASUMIは2階差分で攻撃可能であることが分かった。本攻撃には2^<6.2>個の選択平文と2^<93.2>の計算量が必要である。
著者
田中 宏 中島 健次 石垣 一司 秋山 勝彦 中川 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.489, pp.31-38, 1998-12-17
被引用文献数
11

PDA、ペンPC等でキーボードに代わる文字入力手段として、高精度な手書き文字認識が求められている。今回、文字パターンを2次元イメージとして扱うオフライン認識と、座標点の時系列情報として扱うオンライン認識とを融合することにより、それぞれの欠点が補完された高精度な認識エンジンを実現した。オフライン認識はストロークの重ね書きや塗り潰しなどの影響を受けにくく、認識速度が速いという利点があるが、字形の大幅な変形にはあまり強くない。一方オンライン認識は続け字・崩し字には強いがちょっとしたノイズにも敏感である。これらの相補的な認識傾向を利用して性能を向上させた実用的な認識エンジンを実現した。本発表では、まずオンライン・オフライン認識の相補的な認識傾向について触れた後、タブレット等で入力された文字パターンについてオフライン認識を行う方法について述べる。次にオンライン認識とオフライン認識の認識結果を統合する方法をいくつか提案し、実験結果を含めて考察を行う。
著者
加藤 正美 中村 耕太郎 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.709-719, 1998-11-25
被引用文献数
7

本論文では, 蓄積されたビデオと音声をインターネットプロトコルを適用してPHSで伝送する場合を考える.PHSによるデータ通信では, データリンクレベルのプロトコルとしてPIAFSが適用され, インターネットアクセス時には, トランスポートプロトコルとしてTCPやUDPを利用できる.このような環境下で複数の連続メディアを伝送すると, 再送による遅延の発生がメディア同期を乱す.しかし, PHSによるインターネットアクセスに関するこれまでの研究では, メディア同期性能の定量的な評価はなされていない.そこで, 筆者らは, モバイル端末とダイアルアップルータ間にPIAFSを, モバイル端末とインターネット上のメディアサーバ間にUDPを適用し, モバイル端末において, 受信したビデオと音声を同期・出力する実験システムを構築した.特に, メディア同期制御方式として, 筆者らの既提案のスライド制御方式を一部拡張して実装し, メディア同期性能の評価実験を行った.同期の平均2乗誤差等のシステム性能の測定結果により, その有効性を示す.
著者
清田 公保 江崎 修央 柳井 貴志 山本 眞司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.310-317, 1996-02-25
被引用文献数
17

本論文では, 視覚障害者, 特に中途失明者を対象としたオンライン日本語入力インタフェースを新たに提案する. 本方式は, キーボードや点字キーの位置を黙視確認できない中途失明者にとって修練なしに利用可能な情報入力手段を提供するものである. 最初に, 視覚障害者に適した操作性の良い入力手段に関する基本的考え方を整理し, 次いでそれに基づく基本設計の概要を述べた. 次に, これらの設計思想に基づいたプロトタイプの試作を行い, 最後に被験者評価実験を通して従来の仮名漢字変換による入力方式との比較を行った. 実験の結果, 情報機器の操作経験のない視覚障害者でも本方式は容易に利用できることを確認し, また入力時間についても, 認識精度の向上による候補文字の読み上げ回数の削減により, 従来の仮名漢字方式に習熟した人の2倍まではかからない見通しが得られた.
著者
橋口 博樹 西村 拓一 赤坂 貴志 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.79-86, 2000-11-10
被引用文献数
3

近年, 多量の音楽ディジタルデータを個人が所有するようになり, 楽曲の検索ニーズが高まっている.これに伴い, 著者らは鼻歌をクエリーとして, 主旋律に基づいて楽曲信号から直接検索するシステムを開発した.この検索は, mp-CDPと呼ばれるマッチング手法により実現されている.本稿では, 歌詞のある鼻歌を想定し, 音素認識に基づく歌詞検索機能も導入する.このとき, 通常行なわれている音声認識の技術では, 楽曲のように激しく音程が変化するという状況を想定していないため, 歌詞の検索は困難であると考えられる.そこで, mp-CDPがたどった主旋律情報を利用して, 歌詞検索に向いた音素認識法を考え, 両者の統合システムを提案する.
著者
橋本 光弘 三浦 健司 村岡 裕明 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.301, pp.17-22, 2002-08-30
被引用文献数
1

垂直磁気記録においてメディアノイズは転移性ノイズが支配的であるため、そのノイズ電圧実行値は線記録密度の平方根に比例して増加すると考えられるが、実際には高記録密度時に飽和する傾向を示す。この現象について、再生過程、磁化状態の両面から検討した。その結果、再生過程の影響はみられなかったが、磁化状態についてMFM像より高記録密度時にビット突き抜け起きていることを確認し、ノイズ特性との相関を調べたところ、比較的良い一致を示した。さらに、ビット付き抜けが再生信号に与える影響を調べたところ、信号の減衰も引き起こしていることが示唆された。
著者
山下 寛樹 石田 利恵子 斉藤 達也 以頭 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

デバイスの微細化や回路の高速化に伴って、α線によって発生するノイズ電流による回路特性への影響は益々増大する。特に、バイポーラ型論理回路では、動作速度が速いため、回路が追随する時間帯のノイズ電流が問題となる。そこで、我々はこの時間帯にα線によって発生するノイズ電流の増倍現象を回路的な観点からその取り扱いについて検討を行なった。
著者
藤本 桂一 石川 智治 篠田 亮 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.598, pp.59-62, 2002-01-18

CD盤の構造・材質による音質の違いはCDの始まりの頃, ホットに議論された事はあるが明確な答えが出ないままに立ち消えになった.我々は, 高度感性情報を忠実に伝送し, 深々さ, 凄み, 等の"深い音楽"を伝達する目的の研究の中から, 信号の時間方向の伸び縮み歪み(jitter)が音質劣化の元凶であると推測するに至った.jitterに注目し, 注意深い観察から, 最終的には信号に何らかの問題が生じるとしても, 光学的な平均的とらえ方では, ピット毎の光反射の瞬時的あばれを測定できていない.一方, 機械的振動としてとらえると, 材質, 構造に起因するCD盤の光反射の瞬時的あばれを, 間接的ではあるが, モニターできると見通し, 実験, 考察をしてきた.その仮説は, 過去の種々の問題を説明しており, 矛盾は一つも起きていない.例えば, 音質上大きく違うのに, 反射率は, ほとんど変わらないが, 振動に関係する(アルミ箔の厚み)を計測すると二桁も違う, と言う結果が出ている.CD盤の材質, 構造, プロセスと, 高度感性情報の忠実な再現に関して報告する.CDの音質を向上させる大きなかぎと考えている.
著者
黒瀬 晋 松本 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.255, pp.33-38, 2005-08-19

生協型ビジネスモデルは、顧客と出資者が同じで、常に顧客の利用動向・購買動向や事業運営に対する要望・期待などを把握できる環境にある。これはインターネットを活用したe-ビジネス型ビジネスモデルやポイントカードで顧客囲い込みを行う店舗販売型ビジネスモデルなどと比較しても、顧客の要望・期待に応えて価値を提供するという点で優れた可能性を持っている。これら他のOne-for-One型ビジネスモデルとの対比の上で、生協型ビジネスモデルの利点・欠点を明らかにし、その欠点を補い利点を強化することを支援する情報システムに必要な要件を提案する。
著者
向後 英二 亀田 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.691, pp.17-24, 2000-03-16

矛盾は知識の不備を発見するための有用な手掛かりの一つであるという考えに基づき矛盾の処理に関する基礎的考察, すなわち, 矛盾の分類と, 分類した中の論理的矛盾の分析, 論理的矛盾の解消方法について考察し, その結果について報告する.具体的には, まず矛盾を論理的矛盾, 感情的矛盾, その他の矛盾の3つに分類した.つぎに論理的矛盾について, まず論理的矛盾の発生原因について分析し, つぎに論理的矛盾の対処方法を考案・検討した.この際, 知識の根拠, 根拠の頑強度, 根拠空間という新たな概念を設定した.論理的矛盾解消の際に生じる知識体系の変化を考察し, その結果と新たに設定した上述の諸概念とを用いて論理的矛盾を解消する方法を提案した.
著者
今水 寛 宇野 洋二 川人 光男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.932-941, 1996-05-25
被引用文献数
14

計算論的なアプローチでは, 生体が外部座標(視覚の作業座標など)と身体座標(関節角や運動指令など)との間の座標変換に対応する内部モデルを獲得し, 速く正確な運動制御を可能にしていると考えられている. 本研究では身体座標を含む座標変換の内部モデルが適応的に変化するかどうかを調べるため, 位置計測装置とCRT画面を用いて, 肘と肩の関節角をそれぞれ0.5倍, 1.25倍するように視覚環境を変換した条件下で, 被験者に繰り返し到達運動の訓練を行わせた. 到達運動の正確さは次第に向上し, 学習が起きていたことを示していた. 更に, 実際に使っている腕とは反対側の腕の関節角変換を学習させたところ, 実際に使っている腕の関節角変換よりも難しかった. また, 実際に使っている腕の関節角変換を両腕で交互に学習するときには, 学習効果の両手間転移があることがわかった. 以上の結果は, 被験者が上記のような変換を身体座標での線形変換として学習していたこと, 中枢神経には身体座標を含む座標変換の内部モデルが存在し, 外部環境や筋骨格系の変化に応じて, 比較的短時間で適応的に変化することを示唆している.
著者
綱島 伸明 佐藤 洋一郎 横平 徳美 岡本 卓禰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

マルチウィンドウ合成方式として広く用いられている描画時合成方式では,管理ソフトウェア(例えば,Xウィンドウシステムにおけるサーバ)において,ウィンドウ間の重なり処理や再描画処理が実行されるが,ウィンドウの移動やリサイズなどのように,短い時間間隔で連続的に要求が発生するウィンドウ操作の場合,各操作に伴うこれら2つの処理がこの時間間隔内に終了せず,連続的操作全体の実行時間がユーザの許容範囲を越えてしまう.一方,この問題点を緩和できる方式として拡張表示時合成方式が知られている.この方式では,各ウィンドウの画像(他のウィンドウに隠されている画像も含む)が別々のメモリに格納され,これらから同時に読み出した画像が,各ウィンドウの表示優先順位にもとづいてハードウェア的に合成される.従って,管理ソフトウェアにおける重なり処理は不要となるが,多数のウィンドウの表示を可能とするためには,メモリ量が膨大になる.本報告では,拡張表示時合成方式の利点を極力生かしつつ,メモリ量を大幅に低減することのできる合成方式を提案する.
著者
古川 浩 大崎 邦倫 赤岩 芳彦 清水 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.93, no.255, pp.71-77, 1993-09-30

コードレス電話や無線LANなどの屋内無線通信システムを構築するにあたっては電波伝搬特性の解明が重要である。本論文では将来屋内無線通信に用いられると思われる準マイクロ波帯において中規模建物内での伝搬損推定とフェージング特性の調査を行なった。伝搬損の推定には次の4つのモードを考えた。(1)見通し内における低損失伝搬路伝搬波、(2)廊下伝搬波、(3)障害物を通り抜けた直接波、(4)建物再侵入波である。これらの伝搬モデルに必要なパラメータを実験から求め伝搬損の推定を行った。その結果平均誤差4.5dB前後で推定することができた。一方、フェージング特性についてはレベル分布とライスパラメータにより解析した。また、空間的に離した2本のアンテナに受信される信号の相関係数を測定した。その結果、見通し内のライスパラメータは約2、見通し外のライスパラメータは約1となることがわかった。ダイバシティ受信を行った場合2本のアンテナの相関が0.5以下となる場所率は80〜95%であることがわかった。
著者
藤本 桂一 石川 智治 篠田 亮 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.596, pp.59-62, 2002-01-18

CD盤の構造・材質による音質の違いはCDの始まりの頃, ホットに議論された事はあるが明確な答えが出ないままに立ち消えになった.我々は, 高度感性情報を忠実に伝送し, 深々さ, 凄み, 等の"深い音楽"を伝達する目的の研究の中から, 信号の時間方向の伸び縮み歪み(jitter)が音質劣化の元凶であると推測するに至った.jitterに注目し, 注意深い観察から, 最終的には信号に何らかの問題が生じるとしても, 光学的な平均的とらえ方では, ピット毎の光反射の瞬時的あばれを測定できていない.一方, 機械的振動としてとらえると, 材質, 構造に起因するCD盤の光反射の瞬時的あばれを, 間接的ではあるが, モニターできると見通し, 実験, 考察をしてきた.その仮説は, 過去の種々の問題を説明しており, 矛盾は一つも起きていない.例えば, 音質上大きく違うのに, 反射率は, ほとんど変わらないが, 振動に関係する(アルミ箔の厚み)を計測すると二桁も違う, と言う結果が出ている.CD盤の材質, 構造, プロセスと, 高度感性情報の忠実な再現に関して報告する.CDの音質を向上させる大きなかぎと考えている.
著者
小野 康弘 川嶋 稔夫 ピトヨ ハルトノ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.198, pp.241-246, 2008-08-29
被引用文献数
2

摂食パターンはある程度個人の健康状態を反映すると考えられるため、摂食パターンを解析することで健康状態をある程度把握することができ,病気の早期発見につながる。本研究で我々は過去に開発したセンシングトレイとIDウェアを用いて個人の摂食パターンを自動的に記録できる手法とその記録パターンの視覚的及び定量的な提示方法の提案を行った。これらの提示方法では、食事に出る品を状態として扱い、摂食の様子を時系列的な状態遷移と見なすことにより,マルコフモデルを構築することができる。複数人の数回にわたる摂食実験から,健康に異常のない特定の個人は特有の摂食パターンを持ち、個人差も明確であることが分かった。この結果を用いて、今後摂食パターンを基に健康管理システムの提案を行う。
著者
中野 雅文 新井 潤 夏目 季代久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.341, pp.19-24, 2006-11-03

近年θリズムは記憶機能との関係で積極的に研究されているが、海馬でのβリズムはこれまで研究されなかった。嗅覚学習でのβリズムは、記憶プロセッシングの検索過程に関連していると言われている。青斑核(LC)から生じるノルアドレナリン神経は、海馬に投射する。コリン作動薬であるカルバコールは、invitroにおいてラット海馬スライス様β振動を誘導する。本研究では、ラット海馬スライスCA3領域におけるカルバコール誘導β振動の発生に対するノルアドレナリン(NA)の影響を調べた。カルバコール(30μM)は、周波数15.6±0.3Hz、振幅0.7±0.1mV(mean±S.E.M.;n=24)のβ振動を誘導した。NA(50μM)は、その周波数を有意に増加させたが、振幅には影響しなかった。これらの結果は、LC活性が海馬CA3領域でのβリズムの周波数を調節する可能性があることを示唆している。