著者
斗内 政吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.323-332, 2002-05-01
被引用文献数
2

フェムト秒光パルス励起に伴う高温超伝導体の超高速電荷ダイナミックスを研究する手段として,テラヘルツ電磁波放射を用いることを提案し,その時間領域波形から,雪崩崩壊過程,ホットエレクトロンのバンド内緩和,準粒子再結合過程,対粒子の動的振舞いなどが議論でき得ることを明らかにする.また,超高速光超伝導電流変調により,従来の超伝導理論では許されない,超伝導内部における磁束量子の生成と制御が可能であること,並びにその現象の応用展望についても報告する.
著者
篠田 光秋 上田 祐輔 佐々木 良一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.195, pp.77-82, 2003-07-10
被引用文献数
1

電子商取引や電子政府の進展に伴い,デジタル署名文書を長期的に利用・保管する必要性が高まっており,長期的にデジタル署名の証拠性を保つ事ができる署名技術の一つとしてヒステリシス署名が考案されている.しかし,特定の第三者機関を利用するシステムに関しては検討されているが,第三者機関を利用しないヒステリシス署名システムに関しては,具体的に検討されていない.そこで,本稿では,既に現代社会の業務の一環として成り立っている紙文書によるやり取りをシステムに取り込み,特定の第三者機関を利用しないヒステリシス署名システムの提案と評価を行う.
著者
井手 一郎 山本 晃司 浜田 玲子 田中 英彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1543-1551, 1999-10-25
参考文献数
24
被引用文献数
42

増大する量への対応及び利用価値の点から,ニュース映像への自動的索引付けの実現が期待されている.これを受けて様々な手法が提案され,なかでも映像に付随する言語情報を利用したものが活発に研究され,既に実用化の域に達しているものも存在する.しかし,それらの多くは言語情報主導であり,映像データベースにとって重要であるはずの,索引 (キーワード) と画像内容の一致を考慮したものは少ない.そこで本論文では,このような問題点を踏まえ,画像的に類似した映像は類似した内容を含む,というニュース映像特有の性質を利用し,画像的に典型的な映像に対し,内容を反映した語義をもつ字幕を選択的に付与する自動的索引付け手法を提案し,その有効性を評価する.提案手法を実際のニュース映像に適用したところ,いずれかの典型的映像に分類されたもののうち,全体の25∼93%,必要な情報が字幕に存在して索引付け可能であったもののうちの75∼100%に対して索引付けに成功し,一定の有効性を示した.
著者
田辺 靖貴 塙 敏博 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.1428-1444, 2007-06-01
参考文献数
9

詳細な性能解析,事前性能予測などを目的に,マルチプロセッサシステムを含めたコンピュータシステムのシミュレータを構築する際に利用可能なスーパスカラプロセッサのシミュレーションモデルとしてISIS-SimpleScalarを開発した.ISIS-SimpleScalarは,シミュレータ構築をサポートするライブラリとして利用可能で,マルチプロセッサシステムでの利用に対応し,スーパスカラプロセッサの動作を詳細にシミュレーション可能なプロセッサモデルである.ISIS-SimpleScalarは,SimpleScalarのsim-outorderモデルを元に開発を行ったが,命令のシミュレーション方法や,共有メモリアクセス要求を外部へ発行するようにしたりといったような変更が必要であった.評価,検証を通し,実装されたプロセッサモデルは,動作速度が低速ではあるものの,スーパスカラプロセッサの動作を反映しつつマルチプロセッサシステムをシミュレーションすることが可能で,シミュレータ構築時の実装コストを低減させられることも示す.
著者
吉瀬 謙二 片桐 孝洋 本多 弘樹 弓場 敏嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.143-154, 2005-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
9

本論文では, 機能レベルのプロセッサシミュレータであるSimCore/Alpha Functional Simulator Version 2.0 (SimCore Version 2.0)の設計と実装について述べる.SimCore Version 2.0の主な特徴は次のとおり.(1)機能レベルシミュレータとして豊富な機能を提供する.(2)C++で記述して, 2, 800行というコンパクトな実装により実現する.(3)プログラムローダの機能を分離する.(4)グローバル変数を排除して可読性と機能の向上を図る.(5)動作検証機能を提供する.(6)多くのプラットホームに対応する.(7)同様の機能を提供するSimpleScalarツールセットのsim-fastと比較して19%の高速化を達成する.
著者
岡林 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.94, no.161, pp.55-61, 1994-07-21

1994年6月に米国San Joseで開催されたSID(Society for Information Display)大会では,Applied Vision, Human Interfaceに関連する論文はセッション数は6,ポスターセッションを含めると24件を超え,セッションも二日半通しで割り当てられ,従来同様多くの講演発表と活発な討議がなされた.講演全体は大まかに分類して,航空機や戦闘機用表示装置の視覚特性,コンピュータとのインターフェイスに関する考察,画質に関する基礎的な考察の三分野と言えよう.話題騒然となるある種の派手さはないが,表示システムと他学会とのまさしくインターフェイス的な役割としてエンドユーザからの観点での発言は本学会としても今後とも重要な分野であろう.
著者
岩本 一樹 和崎 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.397, pp.107-113, 2007-12-12
参考文献数
13
被引用文献数
2

コンピユータウイルスの亜種判定について、コード内のAPI呼び出しや制御フローを静的解析することにより、特徴抽出と種の分類を行う手法について述べる。具体的には、収集したウイルスの実行可能コード(Win32)を逆アセンブルし、マルウェアとして特徴・影響があると思われるAPIの呼び出しグラフを作成し、既に解析済みの種と比較することで、新種・亜種の別などの検査を行う。また、いくつかの亜種の特徴の共通部分グラフをとることで、種の特徴抽出も試みた。
著者
青木 和麻呂 太田 和夫 荒木 志帆 松井 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.94, no.56, pp.47-60, 1994-05-20
被引用文献数
2

線形解読法をFEAL-8に適用した場合の安全性評価の実験結果を報告する。線形解読法では1)偏差率の大きい線形表現を見つれること、2)解読の計算量と記憶容量を計算機実験可能な範囲におさまるように実効ビット数を押えること、が重要である。従来知られているBihamの線形表現(偏差率は2^-11>)より大きい偏差率(1.149×2^-8>)の7段線形表現を発現し、線形表現における鍵ビット、テキストビットの影響を注意深く観測することで実効ビット数を削減して、FEAL-8に対する線形攻撃法をワークステーションで実装可能にした。計算機実験(SPARCstation 10 Model 30)を行なったところ、既知平文数2^25>個では1時間程度で70%以上、2^26>個では1時間強でほぼ100%の成功率ですべての拡大鍵を導けることを確認した。
著者
佐藤 清 豊嶋 久道 有山 一弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.1226-1230, 1995-09-25
参考文献数
4
被引用文献数
2

中国人の剰余定理を実現する高速ハードウェアアルゴリズムを提案したものである.剰余生成部においてけた上げ保存加算器を利用することにより,ビット幅の大きいけた上げ伝搬加算器の使用を1段ですませることができる.
著者
Galescu Lucian
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.108, pp.37-42, 2002-05-24
参考文献数
19
被引用文献数
2

現在の音声認識は認識対象語彙がそのドメインに頻出するものに限定されている。しかしながら、未知語の存在は不可避である。多くの場合、未知語は意味的に重要であるため、最近ではこれを検出したり分離するばかりか、その自動書き下しを目指した研究が活発化している。しかし、タスクが非常に限定された場合ですら未だ成功はおぼつかない。本報告では、発音とその音韻表記の対応関係に注目した未知語の副次的なモデリングによる語彙制約なし音声認識の新たなアプローチを提示するとともに、これを大語彙音声認識タスクに適用した結果、良好な結果が得られたので報告する(文責:担当幹事)。
著者
江里口 義隆 大槻 知明 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.88, pp.59-64, 2005-05-19
参考文献数
8
被引用文献数
2

本稿では, MIMO-OFDMシステムにおける2-Dimensional Pilot-Symbol-Assisted (2-D PSA) MMSEチャネル推定法の低演算量化や特性改善を実現する2つのチャネル推定法を提案する.従来の2-D PSA MMSEチャネル推定法は, まずパイロットシンボルを配置されたサブキャリアに対してLeast Square (LS)推定を行い, そのサブキャリアの周波数応答を求める.次にLS推定で求めた周波数応答から, チャネルの相関を利用し, MMSEチャネル推定ですべてのサブキャリアの周波数応答を求める.本稿では, はじめに従来法の演算量を削減するために, OFDMシンボル内の隣接するサブキャリアの周波数応答や, 隣接するOFDMシンボル内の同一サブキャリアの周波数応答を等しいと仮定し, MMSEチャネル推定での演算量を削減した低演算量2-D PSA MMSEチャネル推定法を提案する.また, チャネル推定のMSE特性を改善するため, 従来法のMMSEチャネル推定の推定サイズを拡張することを提案する.シミュレーションの結果, 2つの提案法は, 従来法と比較して, 1つめの提案法は, ほぼ等しいMSE特性で演算量を削減できることを示す.また, 2つめの提案法は, 演算量は増えるがMSE特性を改善できることを示す.
著者
千葉 英利 稲沢 良夫 宮下 裕章 小西 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.431, pp.21-25, 2008-01-16

最適化アルゴリズムを用いたレドーム設計に関して報告する.一般的にレドームはその形状やレドームへの入射波の入射角が任意であることを想定して設計する必要があり,その最適設計は非常に困難な問題となる.そのため最適化アルゴリズムを用いた設計が有効である.本稿では,近年注目を集めているParticle Swarm Optimization(PSO)と呼ばれる手法を用い,透過係数の周波数特性を評価関数,レドームの層厚み,レドーム形状を規定するパラメータを最適化変数として最適設計を実施する.また,PSOにおける解探索の大域性を向上させるため,本稿ではPSOにGAにおける突然変異の概念を取り入れた手法を導入し,それをMutated PSO(MPSO)と称する.MPSO,PSO,GAを扱い,それらの比較検証及びレドームの設計結果について報告する.比較の結果,MPSOは反復終盤でも最適解の更新を続け,結果的にMPSOはPSOよりも安定的に良好な最適解に到達することを確認した.また,最適化により得られたレドームの電気特性は,評価した全周波数帯域で透過特性-2dB以上を実現した.
著者
山田 和弘 星野 貴彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.478, pp.81-86, 2007-01-17
参考文献数
7
被引用文献数
1

東海道新幹線においては,2009年よりお客様に対して,地上〜車上間の通信路に漏洩同軸ケーブル(LCX)を利用し,最大で約2Mbps/例車の通信速度で,新幹線車内でインターネット接続サービスを提供する予定である.また,将来的には通信速度を向上させる要求が高まると考えられるため,数十Mbpsのダウンリンク回線が構築可能な衛星通信方式や,100Mbps以上で双方向通信が可能なミリ波通信方式などの検討を進めている.しかしながら,衛星通信ではトンネル内に不感知帯が生じる,ミリ波通信では1アンテナのカバーエリアが高々100m程度であるなど,新幹線のような高速移動体通信においては,数十Mbps程度以上の広帯域通信を,ある1つの無線通信方式を利用して構築することは技術的にもコストの面からも容易ではない.このため,将来的にはLCX通信,衛星通信,ミリ波通信など複数の通信方式を利用して地上〜車上間の通信を行うことが考えられるが,それぞれを別システムとして扱うと,お客様が利用する通信方式を選定する必要が発生し,また選定された通信方式が切断された場合などにはシームレスに他の通信方式に切り替えることができないなど,複数の通信方式を構築するメリットが非常に小さくなってしまう.そこでこの問題を解決するため,本論文では,モバイルIP技術を活用した複数通信経路上での動的ルーティング,各方式間での不等価負荷分散を実現するシステムの構築,および東海道新幹線を利用した検証試験について報告する.
著者
平和 昌 加藤 崇 澤谷 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.230, pp.49-54, 2002-07-17
被引用文献数
10

本報告は、波源から比較的短い距離に配置した測定面における測定データに対して、高分解能到来方向推定技術を適用することにより波源の位置を推定する方法について、実際の測定装置を用いて得た初期的な結果をまとめたものである。波源が1つの場合及び2つの場合について、2.45GHzによる測定データを用いた推定結果から得られた誤差を示し、見込んでおくべき誤差の量について検討している。その結果、本手法によって波源の位置を点として明確に特定することができる結果は得られたが、波源が1つの場合、特に波源が中心軸から離れることにより最大で約5cm程度の誤差を見込んでおく必要がある結果となった。一方、波源が2つの場合、2つの波源の位相差に応じて誤差も異なり、本実験的検討からは最大で約17cm程度の誤差を見込んでおかなければならない結果となった。
著者
加藤 崇 平和 昌 澤谷 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.230, pp.43-48, 2002-07-17
被引用文献数
12

電子機器から放射される不要な電波により周辺の電子機器が誤動作する問題があり,漏洩する電波の位置を特定することができれば,EMC対策に大きく寄与できるものと考えられる.本報告では,漏洩する電波の到来方向を利用し,MUSICアルゴリズムを用いて波源位置の特定を検討している.MUSICアルゴリズムは,通常,十分遠方に存在する波源を対象としているが,本検討では,電子機器からの放射電波の波源推定を行うため,数波長程度離れた位置(有限距離)においてMUSICアルゴリズムを導入した.本報告では,有限距離からの電波源位置推定の特性をシミュレーションにより求め,その推定精度を示している。
著者
西尾 今日子 中島 伸介 山田 篤 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.309-314, 2007-06-25

知的財産として認定・登録されるには,既存のものとの差異があることが条件である.しかしその差の大小や着眼ポイントは知財の分野やそれがもつ特徴によって異なるため,既存知財データの整理は欠かせないタスクとなっている.知的財産である商標にもこれが当てはまる.そこで,本稿では商標の特徴を「画像データ」「外観データ」「言語データ」の3点から抽出し,それらの評価基準同士の相関関係と知財化容易度について述べる.
著者
前 孝宏 宮本 敦 金子 俊一 五十嵐 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.524, pp.139-146, 2001-12-13
被引用文献数
2

登録画像内の相関構造を予め解析し, 未知の対象画像の検索を厳密にしかも高速に行う検索法を提案する.任意に選択した解候補となるべきピボット画像と対象画像との相関係数値と, 予め算出されているピボット画像と登録画像との相関係数値とを用いることによって, 対象画像と任意の登録画像との未知の相関係数値を拘束する不等式条件を導出した.これにより導かれる2種類の判定条件を利用する高速内容検索アルゴリズムを提案する.特許庁の商標画像データベースから引用した1, 200枚の実画像を用いて, 検索実験を行い, 提案手法の有効性を確認した.
著者
小山 高明 小宮 輝之 藤木 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.314, pp.13-18, 2002-09-13
参考文献数
9

近年、ファイアウォール装置、仮想プライベートネットワーク(VPN)構築用のルータなどのネットワーク装置が普及し、広域ネットワークにおいてもVPN接続が可能となった。また、ネットワークポリシを用いてネットワーク装置の設定パラメータを自動生成する、VPN構築用オペレーションシステムが開発されている。しかし、設定パラメータ操作についてアカウント毎に細かな権限を定義する機能が提供されておらず、装置毎に管理者が多数存在する広域ネットワークにおけるVPN構築に適していない。本論文では、まず、広域ネットワークにおけるVPNを広域仮想ネットワークと定義し、広域仮想ネットワーク構築用オペレーションシステムにおいてアカウント毎の管理操作権限設定実現のため、管理アカウント毎に許可条件を事前設定し、複数のオペレーション要求時に事前設定条件に基づいて許可されている操作のみを抽出する方法を提案する。本提案は、装置毎に担当者を分け、装置設定を複数企業にアウトソーシングするネットワーク規模の大きい企業に、特に有効である。
著者
阿部 敏彦 小林 隆夫 今井 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1771-1781, 1996-11-25
参考文献数
18
被引用文献数
27

本論文では,音声信号の瞬時周波数(IF)に基づき,雑音環境下においてロバスト性の高いピッチ推定を行う一手法を提案する.音声信号のピッチ推定において重要な要素は周期的成分であり,特に雑音が加えられている場合に,非周期的成分の存在はピッチ推定に悪影響をもたらす.まず,瞬時周波数に関する振幅スペクトルを定義し,そこでは周期的成分と非周期的成分の分布には明らかな違いがあることを示し,瞬時周波数の局所的分布(モーメント)に基づき音声信号の非周期的成分を抑圧する手法を提案する.次に,瞬時周波数に関する振幅スペクトルからピッチを求めるための評価関数を提案し,それに基づきDP(dynamic programming)を用いて連続的なピッチを求める手法を提案する.
著者
向田 茂 蒲池 みゆき 尾田 政臣 加藤 隆 吉川 左紀子 赤松 茂 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.1126-1137, 2002-10-01
参考文献数
12
被引用文献数
34

近年,顔の認知に関する心理学的研究が盛んに行われている.心理実験を行うには実験デザインに応じた実験刺激の作成が必要となるが,これまで実験刺激の生成を目的とした統合的な顔画像合成システムは見当たらなかった.我々は,先行研究で用いられてきた合成顔を容易に作成できるとともに,今後検討されるであろう様々な実験刺激の作成にも柔軟に対応できるよう,心理学研究からの要求を考察し,実験デザインの段階から実験刺激の作成までの一連の作業をサポートする顔画像合成システムの開発を行った.特に,一連の作業の中で,操作者への負担が大きくなる,特徴点の取得作業の負荷を軽減できるよう,採用した操作者補助の機能の有効性を実験により確認した