著者
高橋 和則
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2017

【学位授与機関】中央大学【学位の種類】博士(政治学)【学位記番号】法博乙第102号【学位授与の日付】2017年3月16日【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第2項【論文審査委員主査】星野 智(中央大学法学部教授)【論文審査委員副査】石山 文彦(中央大学法学部教授),廣岡 守穂(中央大学法学部教授),齋藤 俊明(岩手県立大学総合政策学部教授)
著者
栗田 尚弥
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.9, pp.185-232, 2015-03

本稿は、幕末の海防論者であり、陽明学者である平戸藩士葉山佐内の思想について分析するとともに、その思想の吉田松陰への影響について論じたものである。著者は、海防論、対外観、陽明学(王陽明および大塩平八郎)に視点を置いて佐内の思想を見るとともに、「西洋兵学への開眼」、「対外観の変化」、「民政の重視」、「陽明学との邂逅」の四点について、佐内の思想が松陰に与えた影響について論じている。これまで、平戸留学が吉田松陰の思想に大きな影響を及ぼしたということはしばしば論じられたきたが、葉山佐内との関係性において論じられたものはほとんどなく、佐内自体の研究も極めて少なかった。本稿は、佐内の思想の持つ合理性、脱中華思想性、平等性を論証するとともに、この思想を受容することによって、松陰が単なる伝統的兵学者から「思想家」へと脱皮したことを明らかにした。
著者
所 雄章 香川 知晶 西村 哲一 佐々木 周 村上 勝三 山田 弘明 持田 辰郎
出版者
中央大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990 (Released:1991-04-01)

デカルトの『省察』のラテン語原典(「Meditationes de Prima Philosophia」)のー共同作業によるー包括的な研究、それがわれわれの目的であって、過去二回(昭和58ー60年度と昭和63年度と)の実験を承け、今回は「第五省察」(昨年度)と「第六省察」(本年度)とをその対象とした。彼のこの形而上学的主著についてわれわれは、(イ)字句の釈義を踏まえたテクストの正当的な読み方の探求、(ロ)それら二つの「省察」に含まれる本来的に哲学的な諸問題の問題論的究明、という二つの作業とを軸として、即テクスト的な研究を遂行した。先ず、「テクストの読み」という点について言えば、この作業は主として研究代表者が担当したが、その際、語句の釈義と併せて、『省察』の古典的な(duc du Luynesの)仏訳本は固よりのこと、近時公刊の英訳書や仏訳書における原テクストの(言うならば、新しい)読み方をも参照し、かつまた古版本ー1642年の初版本や1642年の二版本ーと現行のAdamーTannery版とのテクスト的異同も視野のうちに置いた。次に、「哲学的な諸問題の究明」という点について言うと、「第五省察」と「第六省察」とにおいては、「神存在の存在論的証明」と「デカルトの循環」と「<物心の実在的な区別>によるデカルト的<二元論>」と「<物心分離>的アスペクトと<物心結合>的アスペクトとのデカルト的<二元性論>」とが最も重要な問題であるが、それら四つを主要な対象とする究明の作業は、担当の研究分担者がその問題に係わる今日の代表的なデカルト史家幾人かの解釈を要約したリポ-トを元にして全員で討議し、全員のいわば最大公約数的なーあるいはむしろ、最小公倍数的なー見解を集約するという、そういう仕方で推進された。以上の二点を軸とする研究成果の委細は、テクストの即テクスト的な研究というわれわれの研究の性格上、「実験報告書」の閲読に俟つ。
著者
吉見 義明 田中 祐介
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

研究代表者は、長野県筑北村で宮下土義日記(村長)、細田寸海子日記(主婦)の調査と収集を行なった。京都府では西山夘三日記(建築家)、大槻澪子日記(主婦)の調査と収集を行った。滋賀県ではある農民の日記の調査と収集を行なった。これらの一部または全部は写真撮影で収集した(農民日記は撮影を許可されなかったので、一部を筆写した)。細田氏については聞き取りも行なった。東京都で塚本昌芳日記(飲食業・不動産業)の一部をPDF化し、また、同氏への聞き取りを行なった。これらはいずれも、様々な角度から高度成長期の民衆意識の解明に資するものである。「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行い、永井幸喜日記(実業家)を完了し、時岡八七子日記(主婦)などの目録の一部を作成した。また、国立国会図書館所蔵の日記類の調査を行い、全体の3分の1程度のチェックを完了した。奈良県立図書情報館所蔵日記の調査を行った。さらに、平成27年度に収集した沖縄の日記に関する共同研究を行い、その成果の一部を公表した。研究分担者は、主として「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行ない、笠原徳日記(小学校教員)などの目録作りを完了した。同会所蔵日記類の目録づくりは、高度成長期の研究の基礎となる多様な日記の内容を明らかにするもので、今後の研究に大きな寄与をなすであろう。また、韓国で開催された "The main kurrent of Personal Document Study in East Asia"というシンポジュームに参加し報告した。これは、同時代の東アジアの日記の比較研究に道を開くものとなるであろう。
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
vol.第13輯 第17−20巻 民事判決録,刑事判決録 〔明治40年7, 1912
著者
谷口 洋幸
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.116, no.3, pp.523-548, 2009-09
著者
松尾 正人
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究は、明治期の談話筆記と回想録の総合的研究をテーマとし、第1に明治中期に組織された史談会と同会が刊行した「史談会速記録」の全体像を追究し、その特質を分析した。第2に史談会幹事の岡谷繁実の活動を追究し、談話筆記作成の実態とその問題点を明らかにした。第3に各地の談話筆記と回想録を調査し、特に山口県文書館が所蔵する長州藩関係者の談話筆記や各種の日記・略伝などを収集してその内容を研究した。第4に高知県佐川町の青山文庫で田中光顕関係史料の調査・収集を行い、田中の回想録や伝記類に関係した史料を分析し、「史談会速記録」や伝記類に記述されなかった維新政治の裏面を解明した。
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
vol.第10輯 第1巻〜第30巻 〔明治37年分〕, 1912
著者
斯波 照雄
出版者
中央大学
雑誌
商學論纂 (ISSN:02867702)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.137-154, 2013-10
著者
鈴木 俊幸
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999 (Released:1999-04-01)

本研究は、近世から近代初頭にかけての時代、信濃地域に対象を絞り、書籍・摺物に関わる一連の文化的事象の証跡を網羅的に収集し、当時における文化状況を立体的に復元することを目的とした。すなわち、信濃において製作・発行された書籍・摺物、また信濃人蔵版書の網羅的な調査に基づき、藩版・町版・寺院版を含め信濃における出版活動、書籍流通、享受の全貌、またそれらの連関について明らかにしようとしたものである。そのための基礎作業として、まず、明治20年を下限に、信濃において製作・発行された出版物の調査を行った。さらに、貸本屋や小売専業の本屋は、地域における書籍文化の環境のきわめて重要な要素であると考え、仕入印・貸本印、また、明治初頭の書籍に付された売弘書肆一覧記事から信濃地域の書商の記事を抽出し、信濃地域における書商とその営業内容のリストを作成した。これらは、これまでまともに研究されてこなかった書籍流通の実態をも浮き彫りにしうる基礎データである。次に、信濃地域における彫工、活版印刷業者等業者を洗い出した。摺物所や製本業者も調査対象に加えた。これらはいずれも地域における印刷・出版の前提となる要素である。また、藩・代官、寺社、個人篤志による出版書、また施印本も地域の書籍文化を考える上で逸することができないものであり、これについてのデータ収集も行った。寺社境内図等の名所絵図類は、一枚摺の片々たるもので、見落とされがちな分野であるあるが、地方における出版文化の雄である。これらについては特に意を用いてデータ収集を行った。上記の作業に、寺院・旧家の蔵書等書籍享受に関る資料調査も平行して行い、それらを総合して信濃における書籍文化の具体相について考察してきた。また、書籍を研究対象とする研究者間の情報疎通促進をはかる目的で『書籍文化史』という雑誌を年一回のペースで第一集から第四集まで発行した。
著者
木村 光江
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.11, pp.239-268, 2015-03

本稿は、イギリス二〇〇七年重大犯罪法第二編(The Seirious Crime Act 2007, Part 2)の共犯規定について検討を加えたものである。同法は、コモン・ローの独立教唆罪を廃止し、未完成犯罪としての教唆・幇助を処罰するものであり、アメリカの九・一一事件やロンドンの地下鉄爆破事件などを受けた、テロ対策としての立法の一環と位置づけられる。しかし、その処罰の広さと曖昧さに対し、学説のみならず議会からも批判が加えられている。法律委員会は、同法に続いて共犯法全体の改正を目指し、既に改正案も提示しているが、二〇〇七年法への批判の影響から、未だに立法に至っていない。本稿では、イギリス共犯法の動向を手がかりとして、世界的に重大な課題となっているテロ対策の必要性と、共犯処罰の妥当性のバランスの重要性を指摘した。