著者
籠谷 公司 西川 賢 廣野 美和 楠 綾子 伊藤 岳
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

外交的抗議は軍事的行動や経済制裁とは異なり、標的国の国民に物理的な損害を与えない。しかし、安全保障政策が顕著な争点である限り、外国からの否定的な声明でさえも標的国の国民の間に愛国心を引き起こすかもしれない。自国の国益と相手国の対外政策が相反する場合、抗議をしなければ事態の更なる悪化を招き、抗議をすれば相手国内の反発や相手国からの強硬策を招いてしまう。それゆえ、外交的抗議のジレンマが存在する。こうした学術的背景を踏まえ、本研究では「いかなる場合に外交的非難がラリー現象を引き起こし、国家間の緊張を高めるのか」という学術的問いの答えを探す中で、外交的抗議のジレンマの解決策を探る。
著者
吉野 ヒロ子
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2018

元資料の権利情報 : この資料の著作権は、資料の著作者または学校法人中央大学に帰属します。著作権法が定める私的利用・引用を超える使用を希望される場合には、公開者へお問い合わせください。
著者
田口 善弘
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度はテンソル分解を用いた教師無し学習を用いた変数選択法を用いて、マルチビューデータ解析を行う方法を提案した。この方法では複数個のテンソルの積から新しいテンソルを作成し、このテンソルをタッカー分解するという方法で、通常のマルチビューデータ解析には欠かせない、ここのビューの重みづけ評価をすることなく解析することが可能であることを、人工データ、及び、数々の遺伝子発店プロファイルや、エピジェネティックプロファイルの統合解析で可能にした。タッカー分解の実際のアルゴリズムには高次元特異値分解法が有効であることが分かった。この方法を用いて、マルチオミックスデータ解析を行った。用いたデータはDBTSSからえた、RNA-seq,TSS-seq及びヒストンのアセチル化のデータセットである。更に、遺伝子発現プロファイルからAI創薬を行う方法を提案し、Gene Expression Omnibusにある遺伝子発現プロファイルと、DrugMatrixにあるデータをくみあわせることで実際にAI創薬を行った。対象となった疾患は以下のとおりである。・心臓疾患 ・血友病 ・心的外傷後ストレス障害 ・糖尿病 ・腎臓がん ・肝硬変 また、これとは別に、テンソル分解を用いた教師無し学習を用いた変数選択法を直接マルチオミックスデータに適応し、遺伝子選択を行うと共に、心的外傷後ストレス障害由来の心臓病の原因遺伝子の推定を行った。また、これらの遺伝子についていろいろな種類のエンリッチメントサーバを用いて評価を行い、良好な結果を得た。
著者
前川 要 天野 哲也 酒井 英男 千田 嘉博 斉藤 利男 玉井 哲雄 深澤 百合子 辻 誠一郎 MORRIS Martin
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、ロシア連邦サハリン州を中心として、北東日本海域における古代から中世の交流の実態を考古学的に明らかにすることを目的とした。そのために中世陶器の流通の問題、北東アジアにおける在地土器生産の問題、北海道の中世チャシや東北北部の防御性集落、ロシア沿海州の土城について考古学的な調査を進めた。また関連分野では、建築史学、植生史、言語学、文献史学、炭素同位体年代測定法の各研究者をそろえ、学際的な研究組織を構成した。そして年2回の研究会議を開催し、研究成果の発表と検討を行った。2001年度より3年間にわたって、サハリン白主土城の測量調査および発掘調査を行った。初年度は測量調査を中心に行い、2・3年目に本格的な発掘調査を行った。その結果、土塁と堀に関して、版築を行っていること、金後半から元にかけて使われた1尺=31.6cmの基準尺度が使用されていたことが判明した。これは、在地勢力によって構築されたとは考え難く、大陸からの土木・設計技術である可能性が高いことが明らかとなった。また土城内部から出土したパクロフカ陶器片から成立時期を9〜11世紀頃の年代が想定できるが、版築技術などからは、土城内部の利用時期と土塁・堀の構築時期には、時間差があると考えられた。調査研究の成果を公表するために、最終年度に2月26・27日に北海道大学学術交流会館において北東アジア国際シンポジウムを開催した。シンポジウムは、1・白主土城の諸問題、2・北東アジアの古代から中世の土器様相、3・北東アジアの流通の諸様相の三部構成で、北東アジアにおける古代から中世にかけての交流の実態について発表が行われた。考古学だけではなく、文献史学・建築史学・自然科学など関連諸分野の研究報告が行われ、また国外からも7名の研究者を招聘した。白主土城の歴史的な位置づけのほか、北東アジアにおける土器様相、交易の様相について検討された。
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
vol.第1巻 刑事部判決録,民事部判決録 〔明治24年1月−3月分〕, 1912
著者
坂田 聡 馬部 隆弘 薗部 寿樹 岡野 友彦 吉岡 拓 冨善 一敏
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では中世~近代の古文書が個々の民家に連続して残存する京都市右京区京北の山国荘地域をフィールドにとり、作成時期の異なる由緒関係文書(何らかの由緒にもとづき身分的優越性や権益を主張する文書)において繰り返し語られることによって、後世の地域社会の歴史意識を規定することになる伝承が由緒として語られはじめる時期と、その伝承を文章化した主体(百姓自身かプロの文書作成代行業者か)、さらには、かかる伝承が地域の歴史として定着する過程について考察する。また、以上の考察の前提条件として、そもそも近世前期の百姓はどの程度の文章力を有していたのかという問題についても、実証的な検討を加える。
著者
鈴木 俊幸
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

1. 書籍の流通業者について(a) 貸本屋に関するデータの収集図書館・文庫、また個人蔵書から貸本印のデータ収集を行い、また引札等から本屋の貸本営業に関する記事を収集した。(b) 仕入印データの収集図書館・文庫、また個人蔵書から、そこに押捺してある仕入印のデータを収集した。その成果の一部として、日本近世文学会平成10年秋季大会において「仕入印と符牒」と題する研究発表を行った。(c) 売弘書肆データの収集主として明治初期刊本に備わる売弘書肆一覧記事を収集し、データ化した。(d) 上記収集データの総合地域ごとに配列した書商の名寄せの形で上記データを総合し、冊子体の報告書とした。2. 書籍の享受についての調査・研究松本市安西家・上松町武居家・小千谷市高橋家・同田中家・同大滝家の蔵書調査を行った。その内武居家の蔵書についての研究は「木曽上松宿武居家の蔵書」と題して『中央大学国文』第42号に発表した。3. 近世日本を中心とする書籍・摺物の出版・流通・享受に関する文献目録の作成研究成果公開促進費(一般学術研究)の交付を受け、『近世書籍研究文献目録』と題し、ペりかん社より刊行、収集データを公開した。
著者
吉野 朋美 小林 ふみ子 青木 幸子 中嶋 真也 平野 多恵 佐藤 至子 兼岡 理恵 中野 貴文
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、以下の四点に集約される。【1】多様な教育手法と経験を備えた大学と高校の教員が、専門分野や学校の垣根を越えて連携し、研究と高等教育の現場を結びつけて、探究型の古典文学教育を実現する。【2】学習者(高校生・大学生・大学院生)と教授者(高校・大学教員)が同じ題材を学び合うことで多様な視座の獲得を可能にするワークショップ(以下WS)を継続的に開催し、古典文学教育でディープ・アクティブラーニングを実現する授業方法を開発する。【3】欧米の大学・大学院における教育方法を応用し、新たな古典教育のモデルを開発する。【4】本研究で開発した教材や教育方法モデルをWeb公開して、社会に広く還元する。
著者
斯波 照雄
出版者
中央大学
雑誌
商學論纂 (ISSN:02867702)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.137-154, 2013-10
著者
小室 靖明
出版者
中央大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本研究の背景筋小胞体カルシウムポンプはP型のATP加水分解酵素であり,筋小胞体膜中に存在する膜タンパク質である.1個のATPを加水分解し,2個のCa2+を細胞質から小胞体内腔へ1万倍の濃度勾配に逆らって能動輸送する.これまでX線結晶構造解析によって輸送サイクルの反応中間体の立体構造が決定され,カルシウムポンプは大規模な構造変化によってイオン輸送を実現していることが示唆された.本研究では,分子動力学(MD)計算によって生体環境中のカルシウムポンプの熱運動を解析した.多リン酸分子力場の改良脂質二重膜に埋め込まれたATPとADPそれぞれの結合状態の筋小胞体カルシウムポンプの全原子MD計算を実行した.本研究では,多リン酸分子の力場パラメタをより高精度に改良した.改良された力場パラメタをATP結合状態のカルシウムポンプだけでなく,他のATP結合タンパク質のMD計算に適用して検証を行った.カルシウムポンプの場合では,従来の力場を用いるとATPの構造が大きく崩れてしまう結果に対し,改良された力場ではATPの構造は安定に保持した.他の4種類のATP結合タンパク質を用いた場合でも同様な結果が得られた.また,ATPの取り得るコンフォメーションの多様性の比較のため,改良した力場とオリジナルの力場を用いて溶液中ATPのレプリカ交換MD計算を行った.従来の力場を用いた場合ではATPの三リン酸部分が伸びきった構造のみ出現したが,改良された力場ではこの構造も含むより広範囲なコンフォメーションを実現していた.改良された力場で得られた三リン酸構造の分布は,PDBに収容されているタンパク質に結合したATPの構造との重なり合いが見られた.改良した力場は生体分子のダイナミクスの研究に適しており,カルシウムポンプや一般のタンパク質のMD計算におけるATPの熱運動の解析に有用であることを示した.
著者
前嶋 敏
出版者
中央大学
雑誌
中央史学 (ISSN:03889440)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.65-79, 2014-03
著者
金 容美
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2018

【学位授与機関】中央大学【学位の種類】博士(文学)【学位記番号】文博甲第122号【学位授与の日付】2018年3月15日【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第1項【論文審査委員主査】藤原 浩史(中央大学文学部教授)【論文審査委員副査】林 明子(中央大学文学部教授),安部 清哉(学習院大学文学部教授)
著者
鈴木 俊幸
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、近世から近代初頭にかけての時代、信濃地域に対象を絞り、書籍・摺物に関わる一連の文化的事象の証跡を網羅的に収集し、当時における文化状況を立体的に復元することを目的とした。すなわち、信濃において製作・発行された書籍・摺物、また信濃人蔵版書の網羅的な調査に基づき、藩版・町版・寺院版を含め信濃における出版活動、書籍流通、享受の全貌、またそれらの連関について明らかにしようとしたものである。そのための基礎作業として、まず、明治20年を下限に、信濃において製作・発行された出版物の調査を行った。さらに、貸本屋や小売専業の本屋は、地域における書籍文化の環境のきわめて重要な要素であると考え、仕入印・貸本印、また、明治初頭の書籍に付された売弘書肆一覧記事から信濃地域の書商の記事を抽出し、信濃地域における書商とその営業内容のリストを作成した。これらは、これまでまともに研究されてこなかった書籍流通の実態をも浮き彫りにしうる基礎データである。次に、信濃地域における彫工、活版印刷業者等業者を洗い出した。摺物所や製本業者も調査対象に加えた。これらはいずれも地域における印刷・出版の前提となる要素である。また、藩・代官、寺社、個人篤志による出版書、また施印本も地域の書籍文化を考える上で逸することができないものであり、これについてのデータ収集も行った。寺社境内図等の名所絵図類は、一枚摺の片々たるもので、見落とされがちな分野であるあるが、地方における出版文化の雄である。これらについては特に意を用いてデータ収集を行った。上記の作業に、寺院・旧家の蔵書等書籍享受に関る資料調査も平行して行い、それらを総合して信濃における書籍文化の具体相について考察してきた。また、書籍を研究対象とする研究者間の情報疎通促進をはかる目的で『書籍文化史』という雑誌を年一回のペースで第一集から第四集まで発行した。
著者
木村 光江
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.11, pp.239-268, 2015-03

本稿は、イギリス二〇〇七年重大犯罪法第二編(The Seirious Crime Act 2007, Part 2)の共犯規定について検討を加えたものである。同法は、コモン・ローの独立教唆罪を廃止し、未完成犯罪としての教唆・幇助を処罰するものであり、アメリカの九・一一事件やロンドンの地下鉄爆破事件などを受けた、テロ対策としての立法の一環と位置づけられる。しかし、その処罰の広さと曖昧さに対し、学説のみならず議会からも批判が加えられている。法律委員会は、同法に続いて共犯法全体の改正を目指し、既に改正案も提示しているが、二〇〇七年法への批判の影響から、未だに立法に至っていない。本稿では、イギリス共犯法の動向を手がかりとして、世界的に重大な課題となっているテロ対策の必要性と、共犯処罰の妥当性のバランスの重要性を指摘した。
著者
力丸 祥子
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.5, pp.43-68, 2014-10

二〇一三年五月一七日、フランスは「すべての者のための婚姻に関する法律」を制定し、世界で一四番目に同性婚を認める国となった。 本稿では、同法制定以前に創設されたパックスの制度との対比をしつつ、その違いからフランスで同性婚を認める必要性があるとされたことを明らかにする(一)。同法は世論を二分する中で可決され、これにより同性婚及び同性婚カップルが子を持つ権利が認められることとなった。 しかし、同法はまた新たな問題をも生み出した(二)。具体的には①同性婚の司式の拒否、②同性婚カップルが子を持つことができる権利を有することと関連して、彼らが人工生殖や代理母により子を設けることの可否である。中でも人工生殖に関しては、人工生殖に関する生命倫理法が、人口生殖をなしうるのは、異性間カップルに限っていることから、法のねじれ現象が生じ、問題となっているという状況を紹介する。 最後に結びにかえて、我が国で同性婚を認めることの可否に関する動きにつき、同性婚合法化の動きのあるアジア圏の国々の状況も考慮に入れつつ、簡単に触れる。
著者
早田 幸政 林 透 堀井 祐介 前田 早苗 望月 太郎 島本 英樹 工藤 潤
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本調査研究は、ASEANの急速な経済発展を背景に、活発化している国境を越えた大学間の教育交流や学生・職業人等による人的移動におけるASEAN地域を包括した高等教育質保証の役割を解明することにあった。今回の調査では、国設の大学評価機関である「マレーシア質保証機構(MQA)」の高等教育質保証システムの概要や特質を把握することができた。MQAの中心的役割は、高等教育質保証の基盤であり国の質保証基準に対して基本的視点を提示する「マレーシア資格枠組(MQF)」を運用することにあった。こうした国レベルの高等教育質保証の仕組みを訪問調査、書面調査の双方の手法を用いて把握しその意義の分析に取り組んだ。また、マレーシアにおいて教育研究面で高い評価を得ている「マレーシア国民大学」、「テイラーズ大学」への訪問調査も実施した。これらの調査を通じて、上記MQAによる外部評価に合格するために各大学がどのような対応をしているか、について十分な知見を得ることができた。具体的には、これら大学は、自身の大学の質保証を行うために、独自の「内部質保証」システムを構築し、「ラーニング・アウトカム」の測定・評価を軸に同システムを効果的に運用していることが明らかとなった。このことは、次年度以降のASEAN諸国の高等教育質保証の実態調査を行う際にも大きく役立つ成果であった。
著者
石橋 賢太
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2016

著者は学位授与報告書による