著者
浦本 武雄
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

正規言語の分類理論であるEilenberg理論を公理化し、その整数論への応用例を見つけた。特にBorgerが定義した意味でのWitt vectorに対するChristolの定理の類似を証明した。その後、この定理の続編としてBostとConnesによって導入されたBost-Connes系というC*力学系の数論的部分代数とWitt vectorのなす代数が同型であることを観察している。このことから、Witt vectorをmodular関数の変形族の特殊値によって実現できるだろうことを示唆を得て、それに関する観察を得た。
著者
太田 誠一 武田 博清 石塚 成宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

近年、湿潤熱帯アジアでは増大するパルプ需要に答えるため大規模な植林事業が展開されており、こうした地域ではアカシア・マンギウム(以下アカシア)を代表とするマメ科早生樹が広く植栽される。しかし、アカシアは窒素固定樹種であるため成長が早い一方、土壌-植生系内を循環する窒素量が増大することで、亜酸化窒素(N2O)を通常の森林よりも多く排出することを明らかにしてきた。本課題では N2O 放出緩和オプションの提示を目的として、インドネシア南スマトラ州のる大規模産業植林地帯において、以下の研究を実施した。1)リン施用がアカシア林地からの N2O 放出に及ぼす影響、2)リン施用を導入したアカシア植林施業の温暖化緩和効果の評価。 その結果、リン施用は植物根のない状態ではN2O 排出を促進するが、アカシア根による養分吸収がある条件下では植物の窒素吸収を促進することで土壌からの亜酸化窒素排出を抑制する効果を持つことを明らかにした。またアカシア新植時からリン施用を行えば無施用区に比べ、土壌炭素の分解が促進される一方で、 N2O の発生抑制ならびに植栽木のバイオマス生産増によって、全体としては温暖化緩和効果が強化されることを明らかにした。
著者
中村 正二郎
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1949

博士論文
著者
田中 宏明 花本 征也 小川 文章 山下 洋正
出版者
京都大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

抗生物質による水環境汚染は、世界的に解決すべき喫緊の課題となっている。我々は抗生物質の自然減衰に対して先駆的に研究を行い、英国テムズ川では、国内河川よりも抗生物質の減衰が大幅に速いこと、金属錯体形成反応や河床間隙水塊との水交換といった日本では観測されない反応や現象が生じていることを見出した。しかし、これらの反応・現象に対する知見はまだほとんどない。そこで本研究では、英国テムズ川を対象とし、現地調査、室内実験、数理モデルを駆使して、ⅰ)金属錯体形成反応を考慮した抗生物質の底質への収着のモデル化、ⅱ)河床間隙水塊を考慮した河川水-底質間の抗生物質の移動現象のモデル化、ⅲ)抗生物質の水環境中濃度予測モデルの構築を実施する。本研究は、新たな反応・現象のモデル化により、化学物質、特に現在、世界的課題となっている抗生物質管理に資する普遍的な環境濃度の予測システムを構築するものである。新型コロナウイルス蔓延のため、英国への渡航ができない状況が続いている。令和3年度は、これまで英国との交流のコアとなってきた、第23回日英内分泌かく乱物質・新興化学物質ワークショップが11月29日-30日にオンラインで開催され、それに参加するとともに、以下の内容を共同発表した。人に投与された医薬品の水圏への排出源は概ね明らかになっているが、家畜に投与された医薬品の水圏流出経路は国や地域によって異なっており、十分な知見は得られていない。そこで、本年度は動物用及び人用医薬品の河川調査を、全国各地の畜産地域において年間を通して実施した。また、昨年度構築した、畜産場・下水処理場・浄化槽を排出源とした医薬品の水圏排出モデルによる河川負荷量の予測値と、現地調査による観測とを比較することで、動物用及び人用医薬品の水圏流出量の予測可能性を評価した。
著者
下平 英寿 清水 昌平
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

画像,タグ,文書等の様々な種類(ドメインと呼ぶ)の情報源から得られるデータベクトルと,データベクトル間の関連性の強さに関する情報が得られているデータを,多ドメイン関連性データと呼ぶ.従来の多変量解析ではベクトルが1対1対応するものを扱っていたため,柔軟なデータ構造を表すことができなかった.本研究ではベクトルの関連性をグラフ(ネットワーク)で表現して,そのグラフ構造をなるべく保存するように次元削減を行う情報統合の方法を提案・発展させた.
著者
木曽 明子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1987

博士論文
著者
佐藤 幸治
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1990

博士論文
著者
南 英治
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

木質バイオマスの熱分解ガス化により可燃性ガスを生産すれば、高効率のガスタービン発電が可能になる。しかし、タールやコークの副生が長年の課題になっている。本研究では、グロー放電や誘電体バリア放電による低温プラズマを用い、タールやコークを抑制したクリーンガス化を目指した。グロー放電プラズマでは固体バイオマスを完全にガス化できたが分解速度は遅かった。一方、セルロース熱分解物を気相にて誘電体バリア放電処理すると、低電力で容易にガス収率を改善できることを示した。
著者
廣川 洋一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1977

博士論文
著者
米田 稔 瀬戸口 浩彰 原田 浩二 福谷 哲 高橋 知之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

福島第一原発事故で放射能汚染された地域の復興では、森林活動の復活が欠かせない。本研究では、実際に被災した村が考える森林を活用した復興のあり方を実現するための知識の普及、技術の確立、村有林等を対象としてモデル事業を実施した場合の有効性の検証を行う。その研究内容は大まかには以下に分類される。1.森林を活用した住民の生活時間パターンの把握とそのパターン毎の被曝量評価2.現地での天地返し法を主たる除染法とした線量削減効果の評価3.様々な健康リスクを考慮した森林活用健康生活モデルの提案4.村有林を対象としたパイロット除染事業の可能性検討と効果の予測これらの研究を実施し、帰還地域の復興加速化に貢献する。
著者
本田 直樹
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

動物は状況に応じて、より多くの報酬が期待できる行動戦略を獲得することで、環境に適応する。しかしながら、自由行動下の動物が持つ行動戦略を定量化する手法は確立していなかった。そこで本研究では、動物の行動時系列データの背後にある行動戦略を価値関数として推定する逆強化学習法を考案した。そして、線虫の温度走性行動へと適用することで、線虫が持つ行動戦略を明らかにすることに成功した。本手法は神経活動とその表現形である行動戦略をつなぐ基盤技術を提供するもので、今後、動物の行動戦略を司る神経メカニズムの解明に大きく貢献することが期待される。
著者
小野 正博
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

近年,筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis; ALS)患者脳においてTDP-43タンパク質(細胞核に局在するRNA結合タンパク質)が細胞質へ漏出し,異常に凝集・蓄積することが報告されている.したがって,ALSにおけるTDP-43タンパク質の異常蓄積は,ALSの病態解明および治療のための重要な標的分子と考えられる.本研究では,ALS患者脳内に発現するTDP-43凝集体を標的とした新規PET/SPECT用核医学イメージングプローブを開発し,その生体内での可視化を目的とする.
著者
塩川 雅広 桑田 威
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

申請者らは、IgG4関連疾患の膵病変である自己免疫性膵炎AIPにおいて、その病因自己抗原がラミニン511であることを世界に先駆けて発見した(Sci Transl Med. 2018;10:453)。しかし、ラミニン511自己抗体は自己免疫性膵炎患者の約半数でしか陽性にならず、残りの自己抗体の同定が課題である。本研究の目的は、ラミニン511以外のAIPの自己抗原を同定することである。
著者
庭山 英雄
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1979

博士論文