著者
久保田 善明
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2008-11-25

新制・課程博士
著者
小林 信彦
出版者
京都大学
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.21_a-1_a, 1988-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
横山 俊夫 濱田 正美 平田 由美 麥谷 邦夫
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1984

1)節用集は、15世紀の日本に生まれた和漢対照辞書であるが、このジャンルは、17世紀末の出版文化の興隆を経て、日用百科事典にまで拡充発展する。この種の大冊の節用集を「大全型節用集」として一括し、その体制安定化・文明化機能について初の学際研究が試みられた。2)大全型節用集の記述内容は、漢語指南、天文・歴史・地理指南、各種人占、命名法、方位・日柄禁忌指南など多岐にわたるが、いずれも文明化の基本としての礼法の構成要素であることを分析し、前近代日本社会の理解には、未開拓ながら必須の研究分野であることが発見された。3)その文明化機能の実態を明らかにするため、畿内を中心に所蔵家訪問調査を行ない、その結果、【○!1】この出版物が各戸で準聖典扱いをうけていたこと、【○!2】その影響力の分析には、各冊の地(けした)の奥より部分に出る条痕のパターンに注目すべきことが発見された。4)この地奥条痕の計量化分析法として、ドラムスキャナとコンピューターを駆使する技術が開発されるに至った。5)大全型節用集の使用態様データの分析は、まだ緒についたばかりであるが、18、19世紀の日本社会の都市部、農村部、街道筋に存在した、陰陽道とのかかわりの深い幾種類かの生活形態が明らかにされようとしている。6)本研究が開発した方法論は、他国の同種出版物の研究にも汎用可能であることが、各種学会発表を通じて明らかにされた。
著者
前川 貞次郎
出版者
京都大学
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.619-649, 1956-11-20

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。There have been significant discussions by Aulard and many other historians on the characteristics of the differences and conflicts between Girondins and Montagnards in the course of the French Revolution. This article is also an interpretation of that subject. Uprisings occurred on the question of the taxation (maximum) on the prices of staples in the region of Beauce - a granary for Paris, southwest of the capital - in autumn, 1792. These lasted for a fortnight, and a number of towns and villages were raided on the fair days. In parallel with these movements, debates on the prices of staples were going on in the Convention, the Girondins demanding the freedom of the grain trade, and Robespierre, Levasseur and some other Montagnards demanding its regulation. In the end, the Girondins won, and the absolute freedom of the grain trade was established. It seems that there had not been any fundamental difference or conflict between these two parties concerning the problem of staples up to this stage of the Revolution: in other words, they has been occupied with conflicts over the trial of Louis XVI. Furthermore, since these riots were systematic, uniform and socialistic, somesomhst such as Taboureau de Montigny may have led them, although theirorganizer is as yet unknown.
著者
出口 康夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、現代哲学の新分野である「分析アジア哲学」研究の一環として、大乗仏教の「空」の思想の論理的・概念的な内実、即ち「空の論理」を、現代の非古典論理を用いて再解釈することで、空の思想そのものを、現代的水準に照らしても十分に合理的・論理的な哲学的立場として再生させることを目指した。具体的には、中国三論思想の「中」「仮」概念と、後期西田哲学の「絶対矛盾的自己同一」概念に着目し、それらが三値のパラコンシスタント論理の枠内で再構築できることを示した。また分析アジア哲学研究の国際ネットワークの構築にも取り組んだ。
著者
松沢 哲郎 杉山 幸丸 藤田 和生 友永 雅己
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、アイ・アキラと名づけられた「言語」習得訓練を受けてきた2頭のチンパンジーと、未経験の若いチンパンジー4頭の計6頭のチンパンジーを主たる対象として、チンパンジーのもつ認知機能を「シンボル操作」の階層構造という視点から捉え、ヒトとの比較において理解することを目的とした。シンボルの操作は、まさにヒトをヒトたらしめているきわめてヒトに特異な能力だからである。シンボル操作のトピックスとしては、ストループ効果(視覚シンボルのもつ言語的意味と知覚的見えのあいだの相互作用)について検討した。人工言語習得の研究を継続してきたアイ17歳、アキラ17歳と、さまざまな見本合わせ課題の経験をもつ4頭のチンパンジー(ペンデ-サ16歳、クロエ13歳、ポポ11歳、パン10歳)を主たる対象として、ヒト幼児からおとなまでを対象とした比較研究により、以下に述べるシンボル操作の階層性を実験的に分析した。シンボル操作を検討する汎用の実験装置は、コンピューター本体に、ハイパータッチとよばれる新しいタッチパネルシステムと画像処理装置を組みあわせた刺激提示・反応記録装置をもちいた。そのために必要なインターフェスについては自作した。シンボル操作と概括する上述の高次認知機能をひきだす場面は、具体的には見本合わせ場面(同一見本合わせ、象徴見本合わせ、構成見本合わせ、遅延見本合わせなど、およびそれらの複合課題)である。10色を色名図形文字と色名漢字の両方で表現できるようにチンパンジーを訓練し、ストループ干渉の予備実験をおこなった。
著者
牧野 晶子 朝長 啓造
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ヒトに致死性脳炎を引き起こすリス由来新型ボルナウイルス(カワリリスボルナウイルス;VSBV)は、新しい脅威となる人獣共通感染症の病原体である。本研究では、同ウイルスの病原性発現機構の解明を目的とした。VSBVと遺伝的に近縁であり、ヒトに低病原性と考えられるボルナ病ウイルス(BoDV)の組換え技術を応用し、高病原性のVSBVとのキメラウイ ルスを人工合成して、ラットにおける病原性を評価した。VSBVのX/P遺伝子を持つキメラBoDVは、野生型のBoDVと比較した高い致死率を示し、脳内ではサイトカ インの発現上昇が観察された。VSBVはBoDVよりも高い病原性を持つ可能性が示された。
著者
新林 力哉 (2023) 新林 力哉 (2022)
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2023-03-08

古代社会では祈雨など政治的・社会的に意味のある祭祀を為政者が行うことが重要である。本研究は、日本古代における天皇がどのような構造で地方の神々を祭っていたかを検討し、古代天皇が持つ祭祀執行者としての性格を明らかにするものである。特に地方神祭祀の究明を重視するのは、各地域の共同体を支配下に置く天皇がその神をどのように祭るかが国家としての特性を表すという考えからである。また地方神祭祀を研究するため国司や地方豪族の祭祀のあり方をも対象とし、天皇祭祀との関係を検討することで、古代国家の地方神祭祀の構造を明らかにする。そして奈良時代から平安時代後期にわたる変化を追い、古代国家の中世への変化を明らかにする。
著者
井上 英治
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、野生ゴリラの糞から抽出したDNAを分析し、おもに単雄集団を形成するゴリラで、複数の集団を含む地域集団(コミュニティ)のオスの遺伝構造を明らかにした。ニシローランドゴリラとヒガシローランドゴリラの分析の結果、未成熟個体の移籍の様式はそれそれで異なるが、両亜種とも地域集団のオスは遺伝的に多様であることがわかった。この結果は、ゴリラのコミュニティが父系的でないことを示唆している。チンパンジーはオスが集団に残る父系的な社会であり、ゴリラとチンパンジーの地域集団のオスの遺伝構造は異なると考えられる。
著者
榎戸 輝揚
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ブラックホールや中性子星の連星合体で発生する重力波の直接検出により、重力波天文学の時代が幕を開けた。本研究では、今後期待される、高速自転する中性子星からの定常重力波の検出に向け、さそり座X-1など、明るいX線源を定常モニタリングできる超小型衛星の開発を進めてきた。暗い天体に関する測定感度を優先する大型衛星では明るい天体の測定は難しく、観測時間の専有も難しいことから、超小型衛星による挑戦が期待できる分野といえる。提案時には、国際宇宙ステーションに搭載された大面積X線望遠鏡 NICER のX線集光系と、シリコン検出器を組み合わせた観測装置を想定していた。しかし、NICER による、さそり座X-1の観測データや過去の RXTE 衛星による観測などを踏まえ、準周期振動の検出には、よりエネルギーが高い領域において大きな有効面積をもつ検出器の方が適しているという結論にいたった。そこで、理化学研究所のガス電子増幅フォイル(GEM)を用いたガス検出器に、日本の「ぎんが」衛星などでも実績のあるX線コリメータを組み合わせた観測装置を採用することにした。そこで、理化学研究所の榎戸極限自然現象理研白眉研究チーム(2020年1月発足)と GEM を開発してきた玉川高エネルギー宇宙物理学研究室を中心に、衛星プロジェクト名を NinjaSat と定めてチーム編成を強化し、衛星バスは NanoAvionics 社とプロジェクトを進めることになった。開発においては、データ取得系のプロトタイプ基板を進め、X線コリメータの基礎開発を進めた。今後、本新学術公募研究での成果をもとに、実際に宇宙に打ち上げるサイエンスペイロードの開発と、打ち上げ後の観測運用の準備を進めていく予定である。
著者
鴨 浩靖
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2006

授与名簿の並列タイトル: 関数解析学および一般位相空間論のいくつかの基本定理における計算可能性
著者
今田 弓女 森本 元 松井 健二 井上 侑哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

森林生態系におけるコケの役割はほとんど未知である。だが長年の研究から、コケはかつて信じられていたよりも多様な節足動物や鳥類と深く関わり、足元に"未知生態系"を形成していることが分かってきた。本研究は、コケが多様な動物といかに相互作用しつつ適応進化してきたかにせまる。さまざまな空間スケールと栄養段階を横断し、地表付近でおこなわれる胞子の形成や樹幹に着生する種の受精といった、コケの繁殖や分散などの重要な側面における動物との関係を突き止める。さらに、色や匂いによるコミュニケーションといったコケと動物との相互作用を仲立ちする機構を解き明かす。
著者
森本 直記 中務 真人 森田 航
出版者
京都大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

ホモ・サピエンス(現生人類)に至った系統進化において、類人猿・人類段階の主要イベントは常にアフリカで起こったと主流仮説では考えられている。その一方、過去1600万年にわたり、様々な類人猿・人類がアフリカからの拡散を繰り返したことが、古生物地理から示唆されている。この拡散過程を明らかにするには、アフリカとユーラシアをつなぐ回廊地帯の化石資料が鍵となる。本研究では、回廊地帯の中でも有望な化石産地のひとつであるアナトリア半島(トルコ共和国)において、人類・類人猿化石の発掘調査行う。トルコ側研究者との交流を活性化させ、国際共同研究により新規化石サイトを開拓する。
著者
坂本 龍太 Dendup Ngawang 安藤 和雄 坂本 陽子 赤松 芳郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、日本、ブータン両国の関係者が互いに現場を行き交い、課題を共有する双方向型の研究である。高齢者の健康を守るという目的を共有しながら、医学、経済学、農学、文化生態学の専門家がチームを組み、高齢者の健康評価、伝統医療の調査、村の保健を基本的に無報酬で担うVillage Health Worker (VHW)の潜在力や持続可能性の分析、紹介医療システムの検証、過疎・離農の現状分析、それらの高齢者の健康への影響分析等に、VHWへのバイタルチェックのトレーニングや高齢者を源とする文化継承活動などのアクション・リサーチを交えて、地域社会と協働で高齢者の健康を守る仕組みをつくる創造型地域研究である。
著者
山根 裕美
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究の目的は、保全生態学と社会学の異分野融合的な手法を用いて、野生動物であるヒョウと人との関係を解明し、共生の方策を追求していく。そのためには、ケニアのバリンゴ県において、1)GPS首輪を野生のヒョウに装着を試み、センサーカメラを設置。個体識別し、生息域の推定を行う。2)ヒョウの複数個体間の生息密度や家畜のいる集落との距離から、ヒョウの社会性や環境適応性を明らかにする。3)地域住民に対する参与観察や半構造的インタビューを通じて住民感情を把握し、その関係性からヒョウの生態調査結果との整合性を検証する。調査地は人々の生活が密集しておらず、野生動物の生息についてもデータが乏しい地域である。
著者
鈴木 俊貴
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,鳥類を対象とし,社会要因がコミュニケーションを複雑に進化させる要因となるかどうか検証にした。シジュウカラ科鳥類(以下,カラ類)は冬季に同種・他種とともに群れ(混群)を形成する。各個体の餌台への訪問の時系列データの記録や音声の録音を通して,複雑な群れ社会を形成する種や多くの鳥類種とともに群れをつくる種ほど,個体の発する音声が複雑になることが明らかになった。また,新たな展開として,他種との社会的結束が強い種においては,他種の音声とその意味の関連学習など,高度な認知能力も確認された。これらの結果は,社会性が認知能力の進化要因になるという社会脳仮説を支持している。
著者
祐野 恵
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究の目的は、日本の地方政治における議会内過程に焦点をあて、議会による地方官僚の統制において一般質問が果たす機能的な役割を明らかにすることである。そのために、中核市にある12議会を対象とし、一般質問議事録のコーディングにより構築したデータセットを用いて、先行研究から導出した理論枠組みによる仮説を検証する。本研究は、大統領制における議会の官僚統制を視角に置く研究の系譜に位置付けられるとともに、実証研究の枠組みから実務的に関心の高い地方議会の議会改革を捉える内容である。