著者
井尻 香代子 木村 榮一 吉田 夏也
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

アルゼンチンにおける日本の詩歌受容の経緯とスペイン語ハイクの制作状況を調査し、日本人移民の文学・芸術活動がアルゼンチン社会に浸透し、アルゼンチン・ハイクという新しい詩的ジャンルを生み出したプロセスを確認した。また、研究期間をとおして収集した文献資料や音声データを分析し、アルゼンチン・ハイクの異文化混淆的特徴を季語、トピック、韻律の側面から明らかにした。最後に、日本の伝統詩が内包する人間と自然に関する価値観の受容をとおしてアルゼンチンにもたらされた文学観や環境思想の変化を検証することができた。
著者
山田 昌孝
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では消費者の革新性とイノベーション採用行動の間に、「わっ、すごそう」などという採用行動の前に新しく「ポジティブな強い心の揺れ」という概念を導入し、「わくわく度」という尺度で測定する。採用に踏み切るためには、革新性がより高くさらに当該イノベーションにより強く心を動かされた消費者がより早く、高い確率で採用することを生存関数モデルを用いて実証し、理論的にも予測精度としても精緻化に成功している。
著者
新 恵里
出版者
京都産業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の二年目として、本年度は、法医学の分野において、被害者への支援、特に遺族ケアを行っている諸外国の取り組みについて文献の収集、調査、検討を行った。司法解剖における遺族ケアについては、グリーフ・カウンセリングが主流であり、医療機関での遺族対応の問題も含めて文献、資料収集を行った。また、下記の諸外国において、文献の収集およびインタビューによる調査を行った。1)外傷体験を持ちやすい専門職(警察、消防、検視官など)へのメンタルケアと同時に、遺族ケアも行っているアメリカ合衆国の行政機関からインタビューを行った。2)「犯罪被害者庁」をもち、捜査段階で国選弁護人を被害者につけ、また司法解剖においては遺族に説明義務を持たせているスウェーデンでの取り組みについて調査を行った。3)検死および検死法廷(Coroner's Court)の制度が整っているオーストラリアビクトリア州において、検死事務所所属のカウンセラー、検死法廷での民間支援機関であるCourt Networkの責任者およびスタッフ、ボランティア、長期的な支援を行っている民間支援機関Compassionate Friendsのスタッフからインタビューによる調査を行った。これらの研究結果は、第43日本犯罪学会で報告を行ったほか、第7回国際法医学シンポジウムにおいても、報告を行う予定である。また、日本における犯罪被害者支援政策は、犯罪被害者等基本法において整備されつつあるが、過渡期にある現在、これら研究成果をもとに、今後も本研究を発展的に継続する予定である。
著者
植松 茂男 里井 久輝
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では小学校英語活動の開始年齢が、中学校における英語学習や情意面での発達にどのような影響を与えるかを調査した。2007学年度から2009学年度に得られたデータの分析によると、小学校英語活動の開始年齢が下がり、履修時間が増加すると、中1の英語力テスト成績がリスニングを中心に全体的に向上し、さらに中2のみで実施したスピーキングテストスコアも毎年大幅に向上した。しかしながら、情意面への影響はほとんど検出できなかった。
著者
山内 太 長谷部 弘 高橋 基泰 佐藤 康行 村山 良之 岩間 剛城
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、近世村落社会における農民的土地所有の性格について、特に新潟県の割地制度を素材としながら、実証的に明らかにしようとしたものである。旧上塩尻村(長野県上田市)の事例研究をベースとして、旧中郷屋村等新潟県蒲原平野に位置する、かつて割地を行っていた村落の資料調査を行い(継続中)、共同体的な土地所有制度であると見なされてきた割地が、この地域の自然環境、並びに村落構造と密接な関連をもちながら行われていたという事実を明らかにしつつある。
著者
藤野 敦子
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

二つの分野における研究成果が挙げられる。一つは、非正規の働き方の家族形成に及ぼす影響に関しての日仏比較である。日本では、非正規の働き方が家族形成に負の影響をもたらしていることが明らかとなった。今一つは、歴史的な観点から、児童労働が生じる経済メカニズムを考察した。日本の場合には、労働需要サイドや労働供給サイドの原因だけではなく、雇用制度,ジェンダー問題などによっても児童労働が生じていたことが明らかとなった。

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著者
植村 進
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.91-132, 2007-03