著者
安田 正昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.912-915, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
88
被引用文献数
1 2
著者
久寿米木 一裕
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.33-42, 2001-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
33
被引用文献数
1 3

醤油および味噌醸造にとって耐塩性酵母の関与は重要である。また乳酸菌と酵母との拮抗作用によっても成分バランスが崩れ製品の品質を微妙に左右する。筆者はこれまでの一連の研究で酵母を改変し, 幾つかの優良変異株を取得した。ここでは, 酵母の育種方法と取得した変異株の諸性質及び利用について解説していただいた。
著者
東 和男 山本 泰 好井 久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.121-124, 1987-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

電子顕微鏡により耐塩性酵母Zygosacch. rouxiiの微細構造を観察し, 次の結果を得た。1) 2%過マンガン酸カリウムで24時間固定した無塩及び含塩下培養の対照酵母Sacch. sakeは完全に過固定になったが, 同固定条件では耐塩性酵母はやや過固定にとどまった。一方, 両酵母のプロトプラストは過マンガン酸カリウムより固定能の弱い2%四酸化オスミウムによって適切に固定された。上記のことは, 耐塩性酵母の細胞壁が細胞内への固定液の透過を抑制していることを示しており, 細胞壁は食塩の細胞内への透過に対する防壁となることが推定される。2)細胞壁の厚さは,対照酵母では含塩下培養で薄くなる傾向が認められたが, 耐塩性酵母では無塩と含塩下培養の間に差異が認められなかった。3)耐塩性酵母において無塩培養でミトコンドリアが良好に発達したほかは, 耐塩性酵母対照酵母のいずれにおいても食塩は細胞質構造に影響を及ぼさないことが観察された。
著者
吉田 清 稲橋 正明 野呂 二三 村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.471-475, 1985-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10

1. 柿渋の原料である天王柿より, それぞれ性質の異る酵母を8株分離し, その特性を調らべた結果レモン型の両極性出芽酵母でCellobioseを良く発酵するKloeckera javanicaと思われる4株と, 胞子を良く形成し柿果汁, 合成培地においても比較的芳香を出す酵母4株を分離し, これらをSaccharomyces bayanusであると同定した。2. 分離した酵母の多くはアルコール耐性があり, またpH2.0の酸性下でも良く生育するタンニン酸耐性の強い酵母であった。3. 原料渋柿搾汁液を熱処理し, 分離酵母F菌を添加して発酵させた柿渋液はアルコールやエステル様の芳香が幾分あり, 柿渋特有の腐敗臭などの異臭が少なく清澄効果も従来の柿渋と変らず, 所期の目的にそった柿渋液を製造することができた。
著者
後藤(山本) 奈美 DANG Hong Anh
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.949-956, 2006-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19

実験室酵母を用いた実験で, ALD2, ALD3, 及びACH1の遺伝子破壊は, 発酵条件での酢酸生成に影響しないことが示された。また, ACS2の高発現は酢酸生成を抑制したが, アルコール発酵も阻害した。既報のとおり, ALD6の破壊は酢酸生成を減少させたが, ピルビン酸を高生産しており, これは還元力の不足が原因と考えられた。以上のことから, 酢酸の生成には代謝系の酵素活性の他, 酸化還元バランスの維持が強く関わっていることが推察された。
著者
松崎 晴雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.8, pp.567-572, 2002-08-15 (Released:2011-09-20)

筆者は, 香港への日本酒の輸出に係わりながら, 香港の人々の間にも日本酒への関心が高まり, 確実に定着してきている様子を長年にわたって眺めてきた。ここでは, その経緯と最近の香港の日本酒事情について紹介していただいた。
著者
荒川 龍雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.323-327, 1983

タバコは銘柄によって味.香リが異なリ特徴がある。タバコは一種類の葉ではなく.品種.収穫年度.産地などによって区分けされた2,000余の原料葉たばこの品質特性を官能的に熟知し.調合することによりでき上るという。この調合を行う人がブレンダーであり.ブレンダーはタバコの味について全責任を負う。ブレンダーの養成課程を解説して戴いたが.嗜好品ということでは立場を同じくする醸造業界にとっても大いに参考になることと思う。
著者
田中 潔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.374-377, 1981-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

過量の飲酒が健康を害することはいうまでもないが, 少量の飲酒は健康にプラスすることがある。本稿では少量飲酒有益論の医学的根拠について述べていただいた。本文中で解説されているように, 近年発見された血清リポたんぱくのHDL成分を増加させて動脈硬化を防ぐことと, 脳の新しい皮質の抑制で古い皮質系を解放し文明病を予防することは, 確実視されている。これは飲酒長寿論につながるもので, プロカイン長寿法とも関連があって, 寿命統計とも決して矛盾しない。問題は過量にならない飲み方にあり, その一法として家庭での晩酌が勧められる。
著者
斎藤 孔男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.774-780, 1984-11-15 (Released:2011-11-04)

味噌の用途は90%程度が味噌汁の主原料というのがこれまでのパターンであり, 世界的にみてもユニーケな食品としての位置を保ってきた。しかしながら, 味噌には物理化学的, 食品化学的, および広義の栄養化学的見地から極めて興味あり, 食生活向上の面から有意義な特性のあることが, 次第に明らかにされつつある。このような個性豊かな伝統食品の用途を拡大するため, 考え得るあらゆる分野での可能性を具体的に沢山の事例を挙げて解説願った。
著者
薄井 隆 中野 敏夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.468-472, 1990-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
1

新製品の開発が単にファッションとしての発想に基づくものであれば, 製品のライフサイクルはきわめて短いものとなる。本文から, 洋酒が製菓用として今日の地位を確保するにいたった背景を読みとることができよう。
著者
門倉 利守 今村 浩美 中里 厚実
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.315-317, 1992-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

竹田らが開発したライスワインをアルコール4.0%前後, 酸度2.8前後, 糖8.0%前後に調製した。これに器底に付着性の強いSaccharomyces cerevisiae IFO2019を接種密栓して25℃ で繁殖させ, ガス圧2.5kg/cm2前後に達した時点で熱殺菌 (50~55℃, 1時間) して発酵を停止させ, 発泡性の低アルコール飲料の開発, 製造を行った。その結果, 低アルコール酒を感じさせない果実酒様の発泡性ライスワインを開発することができた。また, 密栓したビン内で繁殖した酵母細胞は器底に強く付着しているので, 開栓してグラスに注ぐ時も菌体が浮遊して白濁するようなことはなかった。'
著者
今井 誠一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.551-556, 1997-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
25

日本人が古く中国大陸あるいは朝鮮半島から学んだ味噌造りの基本は餅麹型と散麹型とに別けられる。これらが各地に伝えられるとそれぞれの地方に適した独自の味噌造りに改良され, 代々伝えられてきたものが各地の自家醸造味噌として残っている。それらの中で代表的なものにつき解説していただいた。
著者
野田 文雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.531-536, 1993-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

いま, 醤油業界はじめ多くの食品業界では, 魚醤の製造が注目されている。著者は, キッコーマン社のシンガポール工場建設のため, 約6年間にわたる現地の生活の中で, 本場の魚醤と接して来られた。従って通り一遍の現地調査とは趣きの異なった, 深みのある解説をしていただいた。