著者
加々美 久
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.1159-1162, 1968-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
29

近代的酒造リで醸造場, 容器, 器具等の清浄殺菌は重要な要因である。特にブドウ酒醸造では樽 (桶) の処理が大事なことになっている。本稿ではこれらの点について実際的な解説がなされている。
著者
古賀 邦正
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.514-518, 1985-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
19

醸造技術の開発はどのような軌跡をたどってなしとげられたのであろうか。そして, 近年ちまたでいわれる遺伝子組換え, 細胞融合, あるいはバイオリアクターなどのバイオテクノロジーは醸造分野にどんな影響を与えているのであろうか。醸造技術の進歩発展を, 酒類, アルコール生産における連続発酵とそれに適した酵母の育種の問題に焦点をあてて解説していただいた。
著者
戸塚 昭 難波 康之祐 小武山 温之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.1116-1119, 1970-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
19

昭和45年4月醸造試験所春の鑑評会に出品された吟醸酒のうち上位29点および下位20点, 43BYおよび44BYに醸造された原酒41点, 市販酒特級11点, 1級21点および2級19点中の鉄, マンガン, 亜鉛, 銅の含量を原子吸光法によって測定した。吟醸酒上位と下位の平均価は, それぞれ鉄0.055, 0.064ppm, マンガン1.551, 1.727ppm, 亜鉛0.573, 0.570ppm, 銅0.039, 0.062ppmであり, 上位と下位の間の差の有無について検定を行なったところ, いづれの金属も分散および平均値に差が認められない。但し銅の場合上位と下位の分散に差が認められるが, 下位の清酒のうち0.308ppmは異状値と考えられるので, この値を除外すると差が認められなくなる。特級, 1級, 2級で製造場の同一のもの10場を選び出し, 分散分析を行なうと, 鉄は, 級別により差を認め, 平均に対する95%信頼限界は, 特級0.084±0.044ppm, 1級0.117±0.044ppm, 2級0.132±0.044ppmであった。マンガンは, 製造場間, 級別間に高度に有意差があり, 95%信頼限界はそれぞれ1.752±0.139ppm, 1.635±0.139ppm, 1.469±0.139ppm, 亜鉛は製造場・級別に差があり, 95%信頼限界は, 1.375±0.184ppm, 1.458±0.184ppm, 1.718±0.184ppm, 銅は製造場間に有意差があり, 級別に有意差が認められない。95%信頼限界1よ0.134±0.058ppm, 0.139±0.058ppm, 0.153±0.058ppmであった。
著者
松本 武一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.493-498, 1973-07-15 (Released:2011-11-04)

大隅風土記にあらわれた口がみ酒, 播磨風土記にあらわれた徽酒, 丹後風土記における天女の酒造りを中心に諸家の説を紹介しながら, わが国古代の民衆のなかに生れた酒の姿を追求する。
著者
尚道 忠夫 月岡 本
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.798-803, 1987-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
13

酒造従業員, とりわけ酒造技能者の確保は清酒製造業界全体に共通した悩みのひとつである。酒造工程が機械化され力仕事が減少した今日, 酒造りは女性でも勤務可能な職場環境となっており, 徐々に女性の進出も広がりつつある。そこで本稿では, 女性を酒造従業員として採用し, さらに酒造技能士にまで育てた成功例を紹介いただくとともに, 女性従業員の長所と欠点, 将来の問題点にまで触れて解説していただいた。労務問題に悩む方々に, 是非ご一読をおすすめしたい。
著者
東 正二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.857-859, 1984-12-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

早くから酒造従業員の技能向上訓練に取り組んでいる能登杜氏組合の実態について詳細に報告いただいた。後継者育成の手立てとなれば幸いである。
著者
嶋 悌司
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.335-340, 1991-05-15 (Released:2011-09-20)
被引用文献数
1

今, 新潟清酒学校が注目されている。清酒業界は杜氏等酒造従業員の高齢化が極限に近く, また, 要員の確保や要員養成においても様々な問題を抱えて極めて厳しい。そこで, 実績を重ねる清酒学校の詳細について報告いただいた。中央・地方での従業員の養成・指導に益するところ多大である。
著者
編集部
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.680-684, 1969

出稼人口の絶対数の減少と一般的な求人難にともなう出稼人口の他産業への流出とによって酒造労務者の雇用は将来次第に困難となってくるものと予想される。これの解決策として機械導入による省力化とともに受入体制のあり方が当然問題になると思われる。アンケートにあらわれた杜氏諸氏の意見は今後の求人の際考慮すべきいくつかの問題点を指摘している。
著者
折原 佑輔 和気 洋子 宇都宮 仁 青島 均
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.5, pp.349-356, 2006-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

1) 赤味樽および甲付樽に清酒を, 0, 2, 7, 14日間貯蔵し, グルコース, 着色度, 低沸点香気成分及び杉樽由来成分セスキテルペン類香気成分量を測定した。2) グルコース, 低沸点香気成分は, 樽貯蔵しても増加しなかった。着色度とセスキテルペン類は貯蔵日数と共に増加した。セスキテルペン類は甲付樽の方が早く抽出され, カディネン, オイデスモールは甲付樽に保存した方が赤味樽に保存したものに比べて含有量が大きかった。3) アフリカツメガエル卵母細胞にGABAA受容体を発現させて, 清酒の効果を検討した。清酒は応答を引き起こしGABA様活性を示した。また, この応答は清酒中のGABA含有量に対して大きかった。しかし, この応答は樽貯蔵しても増加しかった。4) 樽酒をペンタン抽出して芳香成分のGABAA受容体応答への影響を測定したが, 有意な効果は見られなかった。5) 樽貯蔵により, 総ポリフェノール量及びDPPHラジカル捕捉活性は相関して増加した。しかし, 過酸化水素の有意な増加は見られなかった。

1 0 0 0 OA 発酵と貯酒

著者
宮島 豊
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.12, pp.856-866, 2000-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15

従来, 日本のビールの大部分が含まれる下面発酵ビ地ルでは, 通気した冷麦汁ヘビール酵母を添加してアルコール発酵を起こさせ, 麦汁中の発酵性糖の大部分をエタノールに変える “発酵” と, 発酵の終わった発酵液を熟成し嗜好性のある飲料に仕上げる “貯酒” の2つに分かれていた。しかしながら近年, 香味の熟成に関する研究成果と, 技術革新による発酵・貯酒タンクの大型化・自動化により2つの役割を従来通りには考えない醸造方法が一般化してきている。
著者
松山 治雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.588-591, 1997-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

1994年酒税法の改正により小口醸造ビール (いわゆる地ビール) の製造が可能になり約3年後の現在では百社を超えるメーカーでエールやヴァイツェン等の様々なビールが造られるようになった。本場ドイツ仕込みのビール醸造技術者で, 永年にわたりビール醸造に携わってきた筆者が, 欧米の小口醸造ビールの成り立ちに触れるとともに, これからの地ビールのあり方について述べており, 清酒, ワイン, 本格しょうちゅう等の地酒メーカーにとっても, 大いに参考になると思われる。