著者
栗山 一秀
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.684-688, 1983-09-15 (Released:2011-11-04)

出世魚と言われるプリは成長するにつれ, ツバス (イナダ), ハマチ, メジロ, プリとその名を変えてゆく。 またイカは変じてスルメとなる。“名は体を表わす” というが実際はそう簡単なものではない。 情報氾らんのこの世に, 清酒にまつわるもろもろの名まえを正しく理解することはこの意味で大切である。
著者
蓮尾 徹夫 中野 浩 飯村 穣 斎藤 和夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.1082-1086, 1971-11-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11

1.清酒に銅が混入した場合, 著るしく着色したり, 濁るという現象が当局管内の2製造場でみられた。2.清酒への銅の混入経路につき, 醸造中, 清酒移動中, 製成火入工程中と, 原料から製品までの銅を調査し, その混入経路をある程度はあくできた。3.消毒, 殺荷剤による銅製器具からの銅の溶出効果について検討した。4.銅混入酒の矯正方法について, 活性炭素, 各種イオン交換樹脂を用いて, その除銅効果を検討した。
著者
丸山 新次
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.8-16, 1988-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

良い清酒を造るためには, 良い原料を上手に精米することが必要である。最近, 酒造原料の重量分布を調べ, 白米の品質チェックに役立てようとする試みがなされている。ここでは, その方法を紹介していただいた。
著者
河辺 達也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.422-431, 2007-06-15
参考文献数
18
被引用文献数
2

日本醸造協会が関係する醤油, 味噌, 清酒, みりん, 酢は, 和食の「うまみ」を支え合う仲間といえる。麹を使用しアミノ酸が多いことが, これらの相性の良さにつながっていると考えられている。<BR>さて, みりんや清酒を使うと, 料理がおいしくなることは経験的に知られていたが, 科学的解明が行われるようになったのは最近のことである。筆者らは, 本みりん・清酒の調理効果について, 客観的なデータを基に検証を進め, また, 新たな効果や機能を見いだしている。若い人たちや海外の日本食レストランの方々にも, これらの調理効果をより一層PRしたいものである。
著者
田村 嘉男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1107-1112, 1971-12-15 (Released:2011-11-04)

このほど国税庁酒税課から昭和45年度の清酒の製造状況が発表され続いて昭和46酒造年度以降の清酒の製造方法の承認基準が通達された。そこで清酒の製造状況の動向と, これらを背景とする「清酒の製造方法の承認基準」の考え方について解説していただいた。
著者
宮川 東一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.8-13, 1986

この報告書は清酒産業の基本問題を解決するため欧州ワイン産業の経営政策に解決の糸口を求めるべく視察研究を行ったものの一部である。
著者
田中 秀夫 千葉 秀雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.767-771, 1982
被引用文献数
2

しょう油の減塩の現状とその方法について沢山の資料データをもとに解説していただいた。減塩しょう油は業界にとって大きな問題である。塩分過多の責任はすべてしょう油と味噌にあるように人々から錯覚されない努力もまた大切であろう。

1 0 0 0 OA 大麦・麦芽 (1)

著者
福嶋 禎久
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.395-403, 2000-06-15 (Released:2011-09-20)

穀物を原料とする酒は世界に数多くあるが, ビールほど穀物の生命力を巧みに利用している例は他にみられない。大麦は単なるデンプン原料ではなく, その発芽に伴うメタボリズムがビール造りに余すところなく活用されている。製麦は大麦のもつ生物としての能力をビール造りに結び付けるビール製造工程の第一歩である。
著者
山本 精一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.100-105, 2004

味噌の機能性として, コレステロール制御, 抗腫瘍性, 抗変異原性, 抗酸化作用などが知られている。特に, 1981年に平山雄博士 (元国立がんセンター研究所疫学部長) が, 味噌汁の摂取頻度と胃がん死亡率について疫学的調査を行い,"味噌汁ががん予防に効果がある" という説を出されて以来, 味噌の機能性に関心が集まり, 種々の機能が次々に明らかにされてきた。筆者は, 1990年にスタートしたコホート研究に携わられ, 大豆, イソフラボンの摂取が乳がんリスクの減少と関係があることを示して注目された。(編集部)
著者
上田 誠之助
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.725-727, 1997-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23

前報では, 米粉を固めて造るしとぎが口嘴酒にされ御神酒として供される風習について解説されたが, 今回は筆者の古代から現代に亘る幅広い調査結果に基づき, しとぎや牙米 (発芽米) から造られる醴酒 (一夜酒) を通じた古代の酒の変遷が明らかにされている。
著者
田村 博康 平田 大 栗林 喬 久米 一規 五島 徹也 中村 諒 渡邊 健一 赤尾 健 下飯 仁 水沼 正樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.820-826, 2015
被引用文献数
2

今現在,大吟醸酒に代表される高級清酒の醸造には,広くカプロン酸エチルを高生産する酵母が使用されているが,様々な変異処理をほどこしているために,発酵が緩慢となり,さらには目的以外の変異がはいるというリスクもあった。筆者はそのリスクを取り除くための自然発生的な方法で目的株を分離することに成功し,遊離脂肪酸を測定することで迅速に識別する方法まで示した大変興味深い解説文である。ぜひご一読願いたい。
著者
安澤 義彦 勝又 和明 片岡 惇
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.886-892, 2006
被引用文献数
2

(1) テンシプレッサーを用いることで蒸米の硬度測定が可能であり, 25%圧縮の硬度測定から, 蒸米表面の硬さとさらし時間による硬化度の変化を, 90%圧縮の硬度測定から, 蒸米固有の硬さを測定できることを明らかにした。<BR>(2) 低圧縮及び高圧縮硬度の比を硬軟度と定義した。五百万石は表面硬化の速度が速く, 他の供試品種とは異なる挙動を示すことが確認された。また, 千秋楽の硬軟度は酒造好適米である越淡麗やたかね錦と近似の経過をし, さらし時問の経過に関係なくほぼ一定に推移したことから, 硬化しにくく溶けやすい品種であると考えられた。<BR>(3) プロラミンはさらし1時間の初期段階の蒸米固有の硬度と関係が深いことが確認され, 放冷機によって短時間に仕込む最近の酒造りにおいて興味深い結果であると考えられた。一方, 3, 6時間のさらしでは有意な結果が得られなかったことから, みかけの老化に影響を与える因子はプロラミンではなかった。
著者
包 啓安
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, pp.563-564, 1996-08-15 (Released:2011-09-20)

蘇東披は蘇転といい, 唐宗八大家として有名な詩人 (赤壁の賦など) 書家。北宗 (11世紀後半) の行政官と仕官したが, 時の高官とあわず, 江南 (杭州, 黄州) や華南 (広東, 海南島) に赴任させられた。広東での生活では自から酒を醸していた由で, 著書の中にこの酒経があるという。著者はこの風麹を検討してAsp oryzaeが主であることを明らかにしている。
著者
花井 四郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.53-59, 1994

長い伝統に根ざした中国の酒類製造技術は日本の醸造技術にも影響を与えたとされているが, 両者は異なる道を歩んできた。中国には日本とは比較にならないほどの多種多様な酒類があり, 特に蒸留酒の白酒は顕著な香味の個性を有している。中国に度々赴かれ現場の様子に精通しておられる筆著に香味の特性に基づいた白酒の分類とそれぞれの特徴, さらには香味成分の分析値と製法の特徴との関連性などについて詳細な解説をしていただいた。

1 0 0 0 紹興見聞記

著者
茂田井 円
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.690-693, 1993

本年度は, 中国のバラ麹の酒, 中国のピール (次号) と中国に関する話題がいくつか取り上げられたが, 今回は, 日本にとって最もなじみの深い酒類の一つである紹興酒の最新の状況をご紹介いただいた。