著者
柴崎 稔久 ラハマン A. F. M. ムスタフィズール 村藤 俊宏 杉原 美一
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.157-157, 2007

近年、当研究室では、アズレニルリチウム、グリニャールの発生に初めて成功し、これによりアズレニル基を有する15族元素化合物の合成を達成している。本研究では、同族元素のリンに着目し、種々のアズレニルリチウムとクロロジフェニルホスフィンの反応によりアズレニルホスフィン類を合成し、構造と性質について検討した。 1,3-ジブロモ-2-アズレニルジフェニルホスフィンのTHF溶液を室温で静置しておくと、溶液の色が緑から青へ変化し、3位が脱ブロモ化された1-ブロモ-2-アズレニルホスフィンオキシドが得られた。リン原子がこの脱臭素化に関与していると考え、トリアルキルホスフィンによるブロモアズレン類の脱臭素化反応についても検討したので併せて報告する。
著者
飯島 澄男
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.2, 2002

Single-walled carbon nanotubes have inherently large surface areas. The surfaces are real surfaces not like apparent ones of activated carbon. Use of the surfaces is my interest. Starting with a brief introduction of earlier studies of carbon nanotube structures, I will present hybrid structures of fullerene and single-wall carbon nanotubes (SWNTs), and synthesis and structures of double-wall carbon nanotubes (DWNTs). Lastly single-wall carbon "nanohorns" (SWNHs), generated by CO<SUB>2</SUB> laser ablation of a carbon rod, will be introduced in terms of showing gas adsorption properties, their molecular selectivity including protein molecules, and an application to hydrogen fuel cell.
著者
秋葉 欣哉 大越 昌樹 菊池 那明 渥美 照夫 中井 浩巳
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第20回基礎有機化学討論会(第39回構造有機化学討論会・第59回有機反応化学討論会)
巻号頁・発行日
pp.30, 2009 (Released:2009-11-20)

秋葉らは3中心4電子超原子価結合の概念に基づき、オクテットを超え、中心炭素原子が形式的に10個の価電子を収容する安定な5配位超原子価炭素化合物(10-C-5)を合成した。 本研究では、同様の概念に基づき12個の価電子を収容する、6配位超原子価炭素化合物(12-C-6)の安定構造が存在することを量子化学計算により示し、またその誘導体における置換基の影響を解析し、より安定な超原子価結合を有する12-C-6化合物を提案する。
著者
本間 茂継 福田 貴光 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第17回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.105, 2004 (Released:2005-03-31)

フタロシアニン(Pc)は高い平面性を有した巨大π共役系分子で、650_から_700nmにかけてQ帯と呼ばれる大きな吸収を持ち、主に感光体・光記録媒体などの機能性色素材料として利用されている。近年我々はPcの周辺にフェニル基のような嵩高い置換基を導入することによって骨格に大きな歪みを有したPcを合成したが、その構造および物性に関する知見は十分ではなかった。そこで本研究ではPcの性質的変化を見積もるために、Pcのα位に段階的にフェニル基を導入した6種類のZnPcシリーズを合成し、結晶構造解析からシリーズの歪み具合を定量化し、最終的に吸収スペクトル等の測定から電子状態の変化について検討を行った。
著者
土屋 春乃 森口 哲次 柘植 顕彦
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第17回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.348, 2004 (Released:2005-03-31)

複数の芳香族から構成されているシクロファン類は、NH-π、CH-π、π-πなどの空間を介した特異な相互作用を検討するうえで有用なモデル化合物である。そこで本研究では、豊富にπ電子を有するナフタレンを環成分とするシクロファン類の合成を行いナフタレン環と種々の官能基との分子内相互作用及び構造解析を検討することを目的としている。 まず2,6-置換ナフタレノファンの合成を行い、二量体及び四量体のナフタレノファンを合成した。1,4-置換ナフタレノファンにおいては、syn型とanti型のナフタレノファンの合成に成功した。 2,6-置換及び1,4-置換ナフタレノファンの構造解析を、1H-NMR、UVスペクトル、蛍光スペクトル及びX線構造回析により構造を決定した。
著者
竹内 正之 池田 朋宏 新海 征治 田中 裕行 川合 知二
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63, 2007

走査型プローブ顕微鏡を用いた実空間可視化・分光手法は、ナノテクノロジーやナノバイオロジーなど様々な研究分野において重要である。我々は、加熱蒸着できない分子の蒸着手法としてパルス噴霧法を開発することにより、DNAやポルフィリンなどの巨大分子の高分解能可視化および1分子分光を行ってきた。今回、界面に2次元結晶を形成することで知られているダブルデッカーポルフィリン錯体およびトリプルデッカーポルフィリン錯体のSTMによる高分解能STM可視化および分光を行ったので報告する。
著者
長尾 修身 松下 未知雄 菅原 正 石川 譲二 川田 勇三
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.206-206, 2004

金微粒子は、バルクとは異なる電子構造を持つことから注目が集まっている。我々は既に、交差共役型のラジカルであるニトロニルニトロキシドをアリールチオールを介して金微粒子に吸着させることにに成功している。そこで、よりスピン密度の広がりの大きいニトロキシド型ラジカルを用いることによって、金微粒子との間に働く相互作用を大きくすることを目的に新規分子の合成を行った。対称なジスルフィド骨格を持つビラジカルの合成を試みたが不安定であった為、ヘテロジスルフィドにした。その結果、金吸着可能なヘテロジスルフィド型ニトロキシドラジカルの合成に成功した。
著者
佐藤 真 山高 博 古明地 勇人 望月 祐志 中野 達也
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.2P10-2P10, 2011

水性溶媒中での<I>t</I>-BuClの加水分解反応は、求核的溶媒関与(NSA)と求電子的溶媒関与(ESA)の反応に与える影響が長年の間議論の対象となっている。本研究ではフラグメント分子軌道法と分子動力学法を組み合わせたFMO-MDを利用して、溶媒分子をあらわに含んだ液滴モデルにおける、<I>t</I>-BuClの加水分解シミュレーションを行い、反応プロファイルの作成およびNSAとESAの定量的な評価を行った。
著者
入波平 治 岡本 純子 長谷川 登志夫 町口 孝久 山辺 信一 湊 敏
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第17回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.269, 2004 (Released:2005-03-31)

従来,ケテン-オレフィン反応におけるシクロブタノン生成は双性イオン中間体を経る2段階機構で進行すると考えられてきた。また、双性イオン中間体の実験的根拠は無く単なる「概念種」であった。我々はシクロブタノン生成がα-メチレンオキセタン(初期中間体)、双性イオン(第2中間体)を経る新規3段階機構で進行する反応を見出した。この双性イオン中間体は理論的検討により極めて不安定であるとされ、スペクトル的検出は不可能と考えられていた。しかし、本研究で双性イオン中間体のスペクトル的検出に初めて成功した。この双性イオンの濃度を保証する別の隠れた中間体の存在が考えられた。これを追跡したところ,このイオンの貯蔵、放出を担う新規中間体として双性イオン二量体を見出した。
著者
前川 曜子 佐野 みなみ 森 寛敏 三好 永作 小島 憲道 中筋 一弘 田所 誠
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第18回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.186, 2006 (Released:2008-10-05)

オルトキノイド骨格をもつ配位子は光や熱の相互作用によって金属イオンと有機ラジカルとの価数互変異性を起こすことが知られている。私どもはこのような価数互変異性によって移動可能な水素結合のプロトンを制御できないかどうか試みようとしている。そこでビイミダゾール型水素結合をもつルテニウム錯体を合成し、その光反応によって水素結合状態の変化を観測できないか実験を行っている最中である。
著者
岡本 健 徳田 佳弘 Gros Claude Guilard Roger 福住 俊一
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.275-275, 2004

ベンゾニトリル中過塩素酸存在下、パックマン型コバルトポルフィリン2量体を触媒としてNADH類縁体である9-アルキル-10-メチル-9,10-ジヒドロアクリジンの酸素による酸化反応を行なうと、アルキル基の種類によりC-C結合あるいはC-H結合の開裂が起こることが分かった。特にtBu基の場合、2電子酸化されたtBuOOHあるいは4電子酸化されたtBuOHが生成することが分かった。その多電子酸化された生成量に対する2量体のスペーサー間距離による影響、そしてC-C結合開裂速度と全体の酸素化反応速度との関係について明らかにする
著者
大久 真幸 相田 美砂子 山高 博
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.47-47, 2003

ハロゲン化アルキルの置換反応にはアルキル基の種類によってS<SUB>N</SUB>2反応とS<SUB>N</SUB>1反応の異なる二つの反応機構がある。本研究ではこの反応機構の違いの要因を量子化学的観点から明らかにする。計算対象はCl-CR<SUB>3</SUB>(R=H or CH<SUB>3</SUB>)のハロゲン交換反応である。 まず気相中での非経験的分子軌道法計算を行い、反応の進行に伴うオービタルの変化がメチル置換基数の違いによって異なることを見出した。次にQM/MM法を用いて水溶液中における自由エネルギー変化の計算を行った。塩化メチルのハロゲン交換反応は水溶液中においてもS<SUB>N</SUB>2型で進行し、活性化エネルギーは気相中に比べて高いという計算結果が得られた。
著者
宮西 宏樹 田中 耕一
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.279-279, 2011

光学活性シクロヘキサン-1,2-ジアミンと4,4'-ジホルミルアゾベンゼンまたは4,4'-ジホルミルスチルベンを[3+3]環化縮合させることにより、光学活性な環状イミンホストおよびアミンホストを合成し、溶液中でのフォトクロミック特性やキラル認識能について評価及び検討を行ったので報告する。
著者
村瀬 隆史 西島 悠輝 藤田 誠
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.41-41, 2011

本研究では、カチオン性の自己組織化中空錯体を用いて、ナフトアルデヒドとメルドラム酸のKnoevenagel縮合を行った。アルデヒドを包接したカチオン性錯体は、錯体外部からのメルドラム酸の求核攻撃を促進し、アニオン中間体を安定化した。縮合生成物は錯体に包接されず、原料のアルデヒドとのゲスト交換が起きる。そのため、縮合は触媒量の錯体で進行した。
著者
片山 美佳 山高 博
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第18回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.245, 2006 (Released:2008-10-05)

α炭素原子がカルボニル基を持つ化合物のSN2反応は、一般的なアルキル基の反応と比べると極端に反応が加速されることが報告されています。この加速の原因を実験的に明らかにするために、原料にフェナシルクロリド、求核剤に水酸化ナトリウムを使って研究を進めています。この2つの物質を常温で反応させるとαヒドロキシアセトフェノンが生成し、さらに反応して安息香酸が得られることがこれまでの実験で明らかになっています。この安息香酸生成について報告します。
著者
笹川 慶太 山高 博
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第20回基礎有機化学討論会(第39回構造有機化学討論会・第59回有機反応化学討論会)
巻号頁・発行日
pp.187, 2009 (Released:2009-11-20)

無水メタノール中でのフェナシルクロリドとアルコキシドイオンとの反応においてアセタール誘導体が得られるということを報告した。このことはエポキシ中間体を経由していることを示唆した。また同時にエーテル誘導体も確認され、この2つの生成比が置換基を変えることで変化するということを見出した。種々の置換基においてのその生成比の時間変化を求め、今回の発表では更なる反応機構の詳細について議論する。
著者
峯岸 信也 Loos Robert 小林 進二郎 Mayr Herbert
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第17回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.36, 2004 (Released:2005-03-31)

ジアリールメチル系のSN1反応における3つのステップ(イオン化、イオンリターン、カルボカチオンと溶媒との反応)の反応速度をレーザーフラッシュフォトリシス法、ストップトフロー法などを用いてそれぞれ決定した。これらを基に、一般的によく知られている「遅いイオン化+速い溶媒との反応」から中間体が長寿命を持つ「速いイオン化+遅い溶媒との反応」までに至るSN1反応の完全な自由エネルギープロファイルを示した。またこのエネルギープロファイルに基づいたSN1反応における中間体カルボカチオンの観測の可能性とその実例も報告する。
著者
永松 健太郎 藤井 寛之 阿部 憲孝
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.282-282, 2004

3-フェニル-8-トリフェニルホスホイミノ-1-アザアズレン(1)とイソシアナート類との反応を検討した。1とアリールイソシアナートとの反応では2-アリールイミノジアザシクロペンタ[cd]アズレン誘導体と1,8-ジヒドロ-8-アリールイミノ-1-アザアズレン誘導体が得られた。1とトシルイソシアナートとの反応では、イオウが脱離し、トリル基が転位した環化生成物が得られた。生成物の構造はX線結晶解析により決定した。得られる8-アミノ-1-アザアズレン誘導体の互変異性について、X線結晶解析と分子軌道計算により検討したので、これについても述べる。