- 著者
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池添 冬芽
市橋 則明
森永 敏博
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.1, pp.8-13, 2003-02-20 (Released:2018-09-25)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
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6
本研究の目的は,スクワット肢位における前後方向の足圧中心位置の違いが下肢筋の筋活動量に及ぼす影響について明らかにすることである。対象は健常成人12名であった。筋電図の測定筋は大腿直筋,内側広筋,外側広筋,半膜様筋,大腿四頭筋,腓腹筋(内側頭),前脛骨筋の7筋とした。3種類の膝屈曲角度(漆屈曲30,60,90度位)での両脚スクワット肢位について,それぞれ足圧中心を前方位,中間位,後方位で3秒間保持させたときの筋活動を測定した。大腿直筋,内側広筋,外側広筋,および前脛骨筋の筋活動ではすべての角度で足圧中心位置の違いによる主効果が認められ,いずれも後方位で最も高い値を示した。半膜様筋と大腿四頭筋では膝屈曲30度位においてのみ,腓腹筋ではすべての角度で足圧中心位置の違いによる主効果が認められ,いずれも前方位で高くなる傾向を示したが,これらの筋の筋活動量は20%と低い値を示した。本研究の結果,大腿四頭筋や前脛骨筋においては,足圧中心位置を後方位にして大きい屈曲角度でスクワット肢位を保持することによって高い筋活動量が得られることが示唆された。