著者
間中 信也
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.771-778, 2012 (Released:2012-11-09)
参考文献数
16

頭痛の診療は, 国際頭痛分類第2版と, 慢性頭痛の診療ガイドラインを活用して行う. 片頭痛には多くの急性期治療と予防療法が存在する. トリプタン (セロトニン1B/1D受容体作動薬) は片頭痛の特異的治療薬であり, 現在 (2011年9月), スマトリプタン, ゾルミトリプタン, エレトリプタン, リザトリプタン, ナラトリプタンの5種類, 錠剤, 口腔錠, 点鼻液, 皮下注射液ののべ10製剤が使用可能である. 満足するトリプタンの効果を得るには, 的確な診断と, アロディニア出現前の早期服用が求められる. 頻回使用 (月10日以上) により薬物乱用頭痛を招くので, そのおそれがある場合は片頭痛予防療法を併用する.
著者
端 和夫
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.592-595, 2001
参考文献数
8
被引用文献数
3 2

UCAS JAPANについて研究プランとバックグラウンドを紹介し, その必要性と妥当性を考察した.UCAS JAPANはすべての未破裂脳動脈瘤の登録事業で, 大規模な前向きコホート研究といえる.この研究は, 未破裂脳動脈瘤の破裂率, 治療結果に関して, 個々の患者の治療方針の決定に役立つ知見を欠く現在, 必要かつ最適の研究である.構築される大きなデータバンクは, 未破裂脳動脈瘤の多様な属性に対応した多くの未知の臨床病態を明らかにすることが期待される.
著者
豊田 長康
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.446-451, 2012-06-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
2

わが国の医学論文数の動向を知るためにトムソン・ロイター社学術文献情報データベースおよびU. S. National Library of MedicineのPubMedを用いて分析した.わが国の臨床医学および基礎的医学の論文数は,主要国の増加に対し2000年頃から停滞あるいは低下して国際シェアが急激に低下し,相対被引用度も停滞していた.臨床医学および基礎的医学とも地方国立大学での低下が著しく,両者は正の相関を示した.国立大学法人化,大学予算削減,新医師臨床研修に起因する若手医師の流動化等の外的負荷に対応困難な地方国立大学の人的研究インフラ(研究者数や研究時間)が弱体化したことが主因と推測する.
著者
相原 徳孝 山田 和雄 小出 和雄 梅村 淳 金井 秀樹 羽柴 基之
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.157-160, 1996
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

最近経験した最大径4cm以上のpetroclival meningioma2例に対して,術中にS状静脈洞内圧の変化をモニターした.2例ともS状静脈洞の試験閉塞前後で圧の上昇をみなかったが,気道内圧負荷により1例は圧の上昇をみた.気道内圧上昇負荷によっても圧の上昇をみなかった症例で,S状静脈洞を切断して腫瘍を摘出したが,術後S状静脈洞閉塞による合併症をみなかった.他の1例ではS状静脈洞の内圧が試験閉塞前後でほとんど上昇を示さなかったが,気道内圧上昇負荷がかかると圧の上昇を示し,静脈還流予備能に違いがあることが示唆された.
著者
原 政人 赤堀 翔 深谷 宜央 山本 優
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.300-306, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
13

上下肢のしびれや痛みを主訴に来院する患者は多い. 鑑別診断を行うにあたり最も重要なのは, 神経診断を確実に行うことである. 症候と神経診断である程度の診断を固めた後に, 画像所見, 電気生理学的所見を総括し, 診断を確定する. 神経高位として, 脳・脊髄・神経根以外に上肢では, 胸郭出口症候群, 手根管症候群, 肘部管症候群, ギオン管症候群などを, 下肢では, 腓骨神経絞扼障害, 足根管症候群, 梨状筋症候群などを考慮する必要がある. 末梢神経絞扼障害においては, しびれ・痛みの神経支配領域を考えるのが診断にたどり着く近道である. Tinel徴候, 肢位による症状誘発テストは末梢神経疾患の診断においては今なお非常に有用である. 最近では, MRIや超音波検査などの画像診断が発達してきているが, 電気生理学的検査が今も重視されている. 末梢神経絞扼障害においては, 初期の症状においては局所安静が非常に有用で, その他, 理学療法, 薬物療法などの保存的治療が中心になる. 症状が強く日常生活に支障をきたしているもの, 筋力低下をきたしているもの, 症状が進行するものに対しては手術を考慮する. 日本は, 諸外国とは異なり, 神経診断と外科治療が分担されておらず, このためむしろフィードバックが確実に得られ, 診断能力の向上, ひいては手術手技の向上に寄与している可能性がある. 診断においては神経内科医, 治療に関しては整形外科医も関与しているが, 末梢神経疾患は神経全体を扱うことのできる脳神経外科医が取り組むべき疾患である.
著者
工藤 純夫 和智 明彦 佐藤 潔
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.370-375, 1995-07-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

MRIを用いて髄液の拍動速度を測定することで,脊髄くも膜下腔内をゆっくり移動する髄液を捉える方法を開発した.本方法により髄液循環における拍動とは異なった髄液のゆっくりした移動が測定可能と考えられた.各年齢層の正常例において,頸髄周囲4箇所の髄液拍動と移動の測定を試みたところ,髄液のゆっくりした移動は脊髄腹側が背側,側面のものに比較して有意に遠かった.また脊髄腹側の髄液移動と髄液拍動速良には正の相関がみられた.髄液のゆっくりした移動速度の年齢分布は乳児期から加齢とともに増加する傾向を有し,10歳前後で100〜200mm/minとpeakに達した.また,頭蓋骨縫合の癒合を認めない新生児,乳児では,1心拍間の髄液移動距離は少ないものの心拍数は多く,1分間の移動距離(速度)は成人に匹敵するかそれを上まわる特徴があった.
著者
里見 淳一郎 永廣 信治
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.42-51, 2016 (Released:2016-01-25)
参考文献数
42
被引用文献数
2 3

硬膜動静脈瘻 (以下DAVF) は後天性疾患であり, 多くの症例が血管内治療の対象となる疾患である. 本疾患の病態把握と治療適応, 適切な治療方法についてレビューする.  DAVFの自然歴は, これまで静脈還流異常 (静脈洞閉塞, 皮質静脈逆流, 静脈うっ滞) が悪化に関与する因子として長く認識されてきたが, 近年, DAVFの発症形式が自然歴に大きく影響するとした報告が相次いでいる. また, 自然消失に関して, DAVFは静脈還流路の閉塞性変化を伴いつつ消失に向かう症例も多い.  治療適応に関して, 治療によるメリットが自然経過, 周術期合併症によるデメリットを上回るためには, 発症形式, 血管撮影所見, 罹患部位等, さまざまな因子を総合的に判断することが重要である.  治療方法に関して, 血管内治療は, 短絡部位より近位の動脈側の塞栓はシャント量減弱に一定の効果を有するが, 根治に至らないことが多い. 一方で, 経静脈的塞栓は, 短絡部位の流出側を閉塞する手技であり, 根治の率が高いものの, 治療遂行にあたっては, 皮質静脈逆流を残さないよう努める必要があり, また, 正常静脈還流に関与する部位の塞栓は避けなければならない. 前頭蓋窩, 頭蓋頚椎移行部など, 外科的治療が血管内治療より容易で適切と考えられる部位もあるが, 今後, 液体塞栓物質 (NBCA, Onyx) を用い経動脈的シャント閉塞を目指した根治療法の発展が期待されている.
著者
菱川 朋人 平松 匡文 杉生 憲志 伊達 勲
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.120-126, 2019 (Released:2019-03-25)
参考文献数
19

未破裂脳動脈瘤における自然歴, リスクスコア, 治療成績, 高齢者未破裂脳動脈瘤に関する最新の知見を紹介する. 本邦の自然歴の理解はUCAS Japanが基本となる. UCAS Japanのデータから構築された3年間の破裂リスク予測スコアは信頼性が高く有用である. 本邦の未破裂脳動脈瘤の治療成績はクリッピング術, コイル塞栓術ともに良好である. 本邦での高齢者未破裂脳動脈瘤は年間破裂率1.6%で年齢, サイズ, 部位が破裂に関与する. 当科の治療成績はクリッピング術とコイル塞栓術でほぼ同等であったが, 海外からの報告ではコイル塞栓術がより良好とするものが多い. 本邦独自の治療リスクスコアの確立や高齢者未破裂脳動脈瘤に対するガイドライン策定が望ましい.
著者
藤村 幹 冨永 悌二
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.844-850, 2016 (Released:2016-10-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

頭蓋外内血行再建術は脳虚血症状を有するもやもや病に対する有効な治療法である. 直接血行再建術による術直後から脳血流改善に加え, 間接血行再建術により慢性期血管新生誘導が期待できる. 鈴木分類で示される本疾患の基礎病態, すなわち内頚動脈系から外頚動脈系への緩やかな血流依存の変換 (IC-EC conversion) といった本疾患に内蔵された生理的代償機構を達成・促進するうえでも, 頭蓋外内血行再建術は完成されたコンセプトを持つ治療法である. Japan Adult Moyamoya Trialの結果を受け, 本術式の適応は出血発症例にも拡大傾向にある. 周術期においては脳虚血や過灌流症候群などの合併症回避が重要である.
著者
宮武 伸一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.605-612, 2013 (Released:2013-08-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1

悪性腫瘍に対する新規放射線 (粒子線) 治療法として, ホウ素中性子捕捉療法 (boron neutron capture therapy : BNCT) が提唱されている. われわれは2002年より本治療法をのべ133例に及ぶ悪性神経膠腫と悪性髄膜腫に適応してきた. また最近, 症候性脳放射線壊死に対する抗血管新生療法を積極的に展開している. 本論文では, 第32回日本脳神経外科コングレス総会「グリオーマ 新しい時代の到来」において発表した上記内容に若干の加筆を行い, ここに発表した.
著者
林 基弘 堀場 綾子 田村 徳子 川俣 貴一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.431-440, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

聴神経腫瘍に対する定位的放射線治療, その中でも歴史的に古くかつ最高精度のガンマナイフによる臨床成績に関して多くの報告がすでになされている. 10年を超える比較的長期のフォローにおいて, 腫瘍成長制御は91~97%, 聴力温存は49~55%, そして顔面神経温存は93~100%と報告され現状でのコンセンサスとほぼなっており, 外科手術のそれと比較しても決して劣らない数字となっている. しかし, 現存線量設定に至ってまだ25年程度の歴史であるため, 40歳代以下の若い患者に対する治療コンセンサスは十分に得られておらず, まだ治療医ごとの個別の裁量に任されているのが現状である. 最近ではMRI画像の革新的進歩と, そのうえでの微小解剖学に根差した治療計画も実践されるようになり, 顔面神経は当然, 蝸牛神経の走行までを考慮して過照射せぬよう意識して照射治療が行えるようになった. このような技術革新を背景に, 現状における聴神経腫瘍に対する治療指針を定位照射治療医の側面から以下のように提案している. 大型腫瘍 (Koos stage 4) においては基本外科的摘出. 一方で, 小中型腫瘍 (Koos stage 1~3) においては, たとえ内耳道内腫瘍であっても経過観察は基本否定的であり, 有効聴力かつ若い患者 (40歳代以下) であれば外科的摘出を, 手術拒否もしくはそれ以上の年代の有効聴力患者 (50歳以上) に対しては定位的放射線治療を勧めるべきである. さらに神経線維腫症2型において, 聴力温存必至であるため定位的放射線治療による早期介入を積極的に行うべきと考えている.
著者
野中 洋一 角 真佐武 佐々木 裕亮 田中 将大 大橋 元一郎
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.597-609, 2017

<p> 囊胞性聴神経鞘腫 (cystic vestibular schwannoma) は, 充実性聴神経鞘腫と比較して臨床像や腫瘍特性が異なり, そのため手術においては特有の難しさが存在するといわれている. それゆえ最大径が40mmを超えるような巨大囊胞性腫瘍の手術においては, 標準的なアプローチのみで切除することが困難な場合もある. Transmastoid approachは側頭骨錐体部を立体的に切削することで, 小脳の圧排なしに小脳橋角部へアクセスすることができる確立されたアプローチではあるものの, 解剖学的な制限のため術野としては決して広くはない. しかし側頭開頭や外側後頭下開頭などと組み合わせることで, 広範囲かつ多方向的な術野展開 (multidirectional approach) が可能となるため, 視認性や操作性の向上につながる. 本稿では巨大囊胞性聴神経鞘腫に対して用いたcombined transmastoid approachの有用性, 手術成績, 合併症などについて概説する.</p>
著者
田中 一寛 阪上 義雄 齋藤 実 朝田 雅博 寺村 一裕 佐々木 真人 甲村 英二
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.395-400, 2004-05-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
23

症例は77歳,女性で,頭痛,嘔気,めまいを主訴に当院を受診した.頭部MRIにおいて左小脳半球より小脳テントに沿って,一部境界不明瞭な腫瘍性病変が認められた.脳血管造影では,主に左副硬膜動脈より腫瘍濃染が認められた.後頭下開頭による腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は左小脳半球から発生し,クモ膜下腔を硬膜,小脳テントに沿って進展し,左錐体骨にて腫瘍と接する硬膜から細い多数の栄養血管が認められた.組織学的には悪性星状細胞腫であった.術前には髄膜腫,転移性脳腫瘍などとの鑑別診断に苦慮した1例であった.
著者
水野 正明 吉田 純
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.10, pp.700-704, 2006-10-20

バイオテクノロジー,ナノテクノロジーやコンピュータテクノロジーは,遺伝子治療をはじめとする新しい先端医療を生み出してきた.われわれはその時代の中で,2000年に純国産技術で作り上げた最初の遺伝子治療を悪性クリオーマを対象に行い,その安全性および有効性を確認した.その成果は,名古屋大学医学部附属病院内に設置された先端医療開発施設,遺伝子・再生医療センターに引き継がれた.同センターでは,2006年,そこで作られる先端医療マテリアルの品質を保証するため,ISO9001(2000)および13485(2003)を取得した.この取得は,大学関連施設ではわが国初である.この施設での活動を通して,患者に役立つ新しい先端医療開発を進めていくことになっている.本稿では,われわれが行っている悪性クリオーマに対する遺伝子治療と,それに関連したわれわれの活動を紹介し,これからの先端医療のあり方について展望した.
著者
渡邉 督 岩味 健一郎 岸田 悠吾 永谷 哲也
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.642-651, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
12

神経内視鏡手術の利点は, 最小限の手術外傷で, 最大限の視野が得られる点である. この特徴を生かし, 良性脳腫瘍に対する内視鏡下小開頭アプローチに取り組んでいる. 画質の向上, 3D外視鏡の登場により視点の選択肢が増え, 内視鏡と外視鏡の適宜切り替えが可能となった. また, 経鼻開頭同時手術のような多視点手術にも内視鏡の利点を生かせる. 低侵襲性に加え, 広い視野角や多視点による根治性が重要である. 一方, 高齢化社会において症状を緩和する腫瘍外科治療が求められる. 栄養血管の処理, 減圧術など, 内視鏡手術の利点を生かし活用できる. 根治性, 緩和治療としての低侵襲性, いずれにおいても神経内視鏡が果たすべき役割は大きい.
著者
伊藤 圭介 花北 順哉 高橋 敏行 南 学 本多 文昭 森 正如
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.11, pp.833-838, 2009-11-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

仙腸関節ブロックを施行した症例の臨床的検討を行った.【対象】2008年3〜10月に仙腸関節ブロックを施行した72例.【方法】保存的治療に抵抗性の腰痛を自覚し,理学的所見により仙腸関節由来の疼痛が疑われた症例に仙腸関節ブロックを施行した.【結果】仙腸関節ブロックは46例(63.9%)にて有効で,VAS平均改善率は52.4%であった.仙腸関節部痛は外来全腰痛患者の14.1%を占めていた.ブロック有効例の46例のうち36例(78.3%)に他の腰椎疾患を合併していた.【結語】仙腸関節部痛は日常診療で多数の患者が存在すると思われた.仙腸関節ブロックは仙腸関節由来の疼痛の診断,治療に効果があった.