著者
米元 俊一
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.2, pp.96-107, 2017 (Released:2017-06-05)
著者
神渡 巧 瀬戸口 智子 上田 次郎 吉永 優 緒方 新一郎 瀬戸口 眞治 高峯 和則 鮫島 吉廣
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.49-56, 2009-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

原料サツマイモの成分と芋焼酎の特徴香成分の関連性を検討し,以下のような知見を得た。<br>1. 原料サツマイモのデンプン価は,南九州でもっとも多く栽培されているコガネセンガンの27.9に対し,ダイチノユメ,ジョイホワイト,アケムラサキは30を超え,高デンプンの性質を持っていた。しかし,橙系のデンプン価は最大でも22.4と総じて低いものであった。<br>2. サツマイモの&beta;&ndash;カロテン含量と製品の&beta;&ndash;イオノン濃度には,高い正の相関があり良好な直線関係が認められた。しかし,&beta;&ndash;カロテン含量と製品の&beta;&ndash;ダマセノン濃度には明確な関係を確認できなかった。<br>3. サツマイモのアントシアニン含量と製品のジアセチル濃度には,高い正の相関があり,良好な直線関係を確認できた。<br>4. リナロールを特徴香成分としさわやかな柑橘香を持つ製品が得られるジョイホワイト以外のサツマイモとして,ダイチノユメを見出すことができた。<br>5. ハマコマチ製品は,今回試醸した製品の中で&beta;&ndash;ダマセノン,リナロールおよび&beta;&ndash;イオノンなどの特徴香成分の濃度が最も高く,また官能評価においても,従来の芋焼酎にない魅力的な香気を持つ製品であることがわかった。
著者
寺本 祐司
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.8, pp.583-590, 2013-08-15
参考文献数
3

ベトナムの面積は約33万平方キロメートル。南北に,ほぼ北海道から本州の距離に相当する細長い国土を有している。1995年にASEAN加盟後の経済発展が著しく,日本から多くの企業が進出している。一方,南部や北部の平野には水田が多く水牛が草を食んでおり,かつての日本の農村に似た風景が広がっている。これらの農村では必ず米を原料とする蒸留酒が作られている。大都市の店頭でみかける酒類は,ビールと政府系企業が連続式蒸留機を用いて生産する米製ウオッカだが,農家で自家醸造される蒸留酒の生産量はこの米製ウオッカの10倍以上あるといわれている。本稿では,ベトナム南部メコンデルタの伝統酒について解説していただいた。
著者
井部 明広
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.5, pp.248-257, 2019 (Released:2019-10-11)
著者
上田 護國
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.115, no.2, pp.70-74, 2020 (Released:2020-09-04)
著者
蛸井 潔
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.874-881, 2014 (Released:2015-03-30)
著者
早川 雅巳
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.640-646, 2009 (Released:2011-03-05)
著者
黄金井 康巳
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.11-18, 2012-01-15
参考文献数
9

平成6年の規制緩和により製造開始された地ビールは,当初のブーム後の品質淘汰を経て現在では品質も安定し,一定の市場を獲得し,我が国に「地ビール文化」を創造した。本稿では,地ビール誕生から変遷を概観し,地ビール製造業の実態,地ビールの商品特性と社会的役割,将来展望等について解説した。
著者
三木 健夫 篠原 隆
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.12, pp.954-958, 2008-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

本研究では、1998-2006年に試験醸造された甲州ワインおよびシャルドネワインのアミノ酸濃度を調査し、両ワインのアミノ酸組成の違いについて比較した。その結果、甲州ワインにはグルタミンが、シャルドネワインにはアラニンが特徴的に含まれている点で異なった。また、甲州ワインはシャルドネワインに比べ約2倍のプロリンを含んでいた。
著者
松浦 一雄
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.310-317, 2013-05-15

超音波霧化分離法を利用した高濃度・純米清酒が初めて発売されて,13年が経過した。その間,NEDO事業などによってバイオエタノールの精製装置として開発を継続し,その分離効率は飛躍的に高まってきた。平成18年の酒税法改正によって,清酒のアルコール濃度は22容量%を超えてはならないとされたため,上述の清酒は販売が中断されたものの,酒類以外の実用化例が実現し論文数も世界的に増加し普及の速度が高まっている。本項では,酒類を起点として開発が開始され,あたらしい溶液分離方法として確立しつつある超音波霧化分離法について,その実用面に力点を置き概説した。
著者
数岡 孝幸
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.298-305, 2015-05

日本で古くから造られている清酒は,現在では冠婚葬祭などに欠かせないほど生活に密着している。しかし,その消費量は1975年頃のピークを境に現在にいたるまで減少し続けている。その要因として,消費者が選択することができる酒類の増加,若者の酒離れ,主な清酒消費者の高齢化,さらには景気の低迷,娯楽の多様化にともなう酒類購入に企てられる費用の減少など様々な要因が考えられるが,消費者の嗜好の多様化もその一因であると考えられる。米,米麹,水を原料とし,総米に対する汲水歩合135%前後で仕込む清酒は,並行複発酵,高濃度仕込み,低温発酵,低カリウム濃度,乳酸酸性およびもろみ中での固形物の溶解といった他の酒類とは異なる清酒製造特有の発酵環境を形成している。清酒酵母は,そのような清酒製造条件下の酒母およびもろみで発酵力が強く良質の清酒を造る適性を持つ一群の酵母である。かつて日本には現存する数を大きく上回る清酒製造蔵が存在し,それぞれの立地条件(環境要因)や製造法,蔵付き酵母の性質で特色ある清酒が製造されてきたが,それは同時に造られる清酒の品質の不安定さを招いていた。近代的な清酒醸造では野生酵母に汚染されず良質な製品を安定して生産することを目的に,酒母製造工程において純粋培養した優良清酒酵母が多量に添加される。清酒の酒質は原料や製造工程における様々な要因によって変化するが,その中で清酒製造に使用する清酒酵母の種類は,清酒の酒質形成における重要な要素の一つである。
著者
鈴木 由佳 金内 神谷 博子 金内 誠 石堂 智子 森田 明 坪田 康信
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.9, pp.699-705, 2012-09-15
被引用文献数
1

本研究では,消費者の購買意欲と消費者の潜在的な嗜好を検討するため,官能評価およびグループインタビューを行った。(1)成分値的に標準的な市販清酒(大吟醸・吟醸酒,特別純米・純米酒,本醸造酒,生もと・山廃酒,低アルコール清酒)を用いて20~30代,22人による官能評価を行った。(2)「呈昧の嗜好/バランス」,「購買意欲」,「苦味」は,高い相関が見られ,消費者にとって苦味が購買意欲に関与する因子の一つであった。(3)清酒をよく喫飲するグループ(グループI)の「清酒のイメージ」は,「伝統」,「アルコール」,「年配」というイメージであった。あまり清酒を喫飲しないグループ(グループII)の「清酒のイメージ」は,グループIと同様「年配」,「アルコール」,「伝統」のほかに,「高級」であり,吟醸酒などの特定名称酒のイメージが強いことが推察された。(4)グループIの清酒の味のイメージは「甘味」と答える回答が多く,ついで,「アルコール」,「苦味」であった。グループIIの清酒の味のイメージは,「苦味」と答える回答が多く,ついで,「酸味」,「アルコール」で,グループ間に相違があった。また,両グループとも喫飲したくない清酒の味は「苦味」であった。(5)消費者の清酒の価値は,官能的にも,イメージ的にも苦味が関与していることが明らかとなった。つまり,苦味は「呈味の嗜好/バランス」を下げ,結果的に「購買意欲」を低下させる因子の一つであると推察された。
著者
岸田 恵津 富永 しのぶ
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.9, pp.647-651, 2012-09-15

いり酒は,かつお節と梅干しを古酒で煎じた調味料であり,室町時代から江戸時代中期まで主に刺身や膾などに使用されていた。いり酒は,その原料より,かつおだし由来のうま味や梅干しの酸味などの呈味成分を豊富に含み,減塩効果も期待できる調味料と考えられる。しかし,いり酒の成分など調理科学的な特性は明らかではない。そこで現代の食生活への利用可能性を検討するために,江戸期の料理本の記載に基づいていり酒を再現し,嗜好特性を明らかにすることを目的として研究に取り組んだ。また,女子大学生を対象に官能評価を行った。
著者
寺本 祐司
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.341-345, 2009-05-15
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

本誌では,これまでにも中国,台湾,フィリピン,タイ,ラオス,カンボジアなどにおける酒類や発酵食品に関する記事や研究報告が掲載されている。海南島は,中国南部に浮ぶ島であり,大陸やフィリピンなどと深い関係がありながらも異なった伝統酒があることが予想される。1995年には「いも焼酎の源流を探る」調査団(南日本新聞社主催)が海南島におけるサツマイモ焼酎の製造を確認している。本稿では最近著者が行った調査結果を紹介していただいた。
著者
熊沢 賢二
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.388-393, 2016
被引用文献数
1

味噌は,「手前味噌」とも言われるように,醸造物の中でも異なる品質の多くの区分が存在して,多種多様であることが特徴である。味噌は,同じ区分に属する製品であっても香気に特徴があり,これらの品質評価には香気成分の同定や成分間バランスについての研究が必要であることがわかってきた。本解説では,味噌の香気成分の分析方法としてガスクロマトグラフィ-オルファクトメトリ(GC-O)を用いた生味噌の微量香気成分の分析と加熱による味噌香気成分の変動について最新の研究成果をわかりやすく説明していただいた。
著者
上田 護國
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.115, no.2, pp.70-74, 2020-02

近年,清酒の売上に占める特定名称酒の割合が増加傾向にあり,その結果蔵では多品種少量生産が常態化してきている。一方,近年,杜氏集団の後継者不足,酒造メーカーの零細化等により,酒造経験の比較的浅い社員杜氏やオーナー杜氏が増加している。ベテラン杜氏達は長い経験と卓越した技術を取得し,素晴らしい吟醸酒を醸出しているが,彼らと同じように習熟した技術を得るのは並大抵ではない。一般の吟醸麹造りは,揉み上げ時の水分が固定されず,麹の状貌を見て状況を判断し,手入れと積替え,掛け布等により品温と状貌をコントロールしながら製麹する。これは経験に裏付けられた高度な官能検査能力と技術を必要とすることを意味する。そこで,「誰にでも,簡単に,再現性よく造れる」をテーマに試行錯誤の結果,蒸米の吸水率を制御指針とする製麹(通称タライ麹,以下「上田流製麹」)技術の開発に至った。喜ばしいことに本製麹技術は,近年多くの蔵で検討していただいているが,中には基本的な考え方を誤解している例も散見されるようになってきた。ここでは上田流製麹を改めて解説すると共に,その効果を例示して技術の正しい普及を図ることとした。
著者
佐藤 幸徳
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.5, pp.315-319, 2016

高島屋新宿店で2015年5月28日から6月2日までの6日間,「研究心と豊かな発想で生まれた,大学のおいしい成果を一堂に」と謳われた第8回「大学は美味しい!!」フェアが,NPO法人「プロジェクト88」(代表理事高橋菜里氏)主催のもとに開催され,全国大学34校が参加した。秋田県立大学も純米吟醸「究(きわむ)」を出展した。林農水大臣,石破地方創生大臣,安倍昭恵首相夫人他も臨席され好評であった。これまで大学発ブランドの日本酒を比較した報告は無かったので調査し読者の参考に資する。
著者
岸本 宗和 山本 哲楠
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.758-764, 2017 (Released:2018-03-23)

Cabernet SauvignonおよびMerlotの新梢伸長期に摘心と花穂の切除を行って得られる副梢果房について,果実品質および副梢果房を用いた赤ワインの成分組成について検討した。Cabernet SauvignonおよびMerlotの摘心摘房処理区の開花,着色開始,収穫の時期は対照区と比較して1ヶ月以上遅くなった。摘心摘房処理区の着色開始から収穫までの最高および最低気温の平均は対照区と比較して5.2-8.0℃低くなり,冷涼な秋にブドウの成熟を移行できることが示された。摘心摘房処理区の副梢果房は,対照区と比較して果皮アントシアニン含有量が2倍以上多く含まれ,醸造されたワインの色調が濃かった。副梢果房を用いる本栽培方法は,温暖化が進む我が国のブドウ栽培にとって温暖化対応技術の一つとして期待される。