著者
小林 晃
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.71-78, 2019 (Released:2019-06-21)
著者
都築 毅
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.9, pp.598-607, 2017 (Released:2018-01-15)
著者
藤井 建夫
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.174-182, 2011-04-15
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

わが国の発酵食品には酒類・味噌・醤油・食酢・納豆・漬物・かつお節・くさや・塩辛・ふなずし・チーズ・ヨーグルト・パンなど,さまざまな食品がある。これらの食品は,その土地の産物や気候風土を上手に生かし,さらには長い時間をかけて培われてきた先人達の知恵の結晶である。本解説では,水産物の発酵食品を長年に亘って研究を重ねてこられた筆者に,香の強いくさや・塩辛・ふなずしについて,その歴史・製法・微生物の働きについて解説して頂いた。
著者
髙橋 梯二
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1, pp.29-35, 2014

わが国の酒類の「地理的表示」としては,これまでに清酒の白山,単式蒸留しょうちゅうの薩摩,琉球,球磨,壱岐が指定されていたが,新たに果実酒(ワイン)の山梨が指定された。わが国では,酒類だけでなく,様々な飲食物で産地の名称を使用したものが多くあるが,法律に基づく地理的表示の整備はまだこれからである。今回は,地理的表示の持つ意義や今後の課題について,詳しく解説していただいた。
著者
楠見 晴重
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1, pp.36-43, 2014
被引用文献数
1

京都盆地の地下には約211億トンという,琵琶湖に匹敵する豊富な水量の水瓶(京都水盆)がある。この京都水盆へは,京都府から滋賀県,三重県にまたがる7,050km2の地域に降った雨から毎年45億トンが供給される。<br>平安京の昔から1200年間,京都の文化や伝統産業,たとえば茶道,京友禅,京豆腐や湯葉,伏見や京都の酒造りをこの良質で豊富な地下水が育んできた。<br>この大切な地下水資源を将来にわたって守り抜くために,著者は3次元地質構造モデルを作成され,地下水汚染対策に利用されています。<br>地球上では水不足が進行しており,2025年には48カ国17億人が深刻な水不足になると予想されている。この大切な水を守るために京都や日本から発信する必要があると述べられています。
著者
髙山 卓美 斉藤 敦子 THU Pham Thi VAN Nguyen Thu ANH Dan Hong
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.394-409, 2015

東南アジアそれぞれの国の伝統的な醸造酒は,主に固体発酵法で製造されるが,ストロー様の"吸管"を用いることで,壺中の発酵醪から固形物を濾過しつつ,飲酒を楽しむユニークな飲み方が現代にも受け継がれている。近年,そのような方法は,次第に消滅したり,観光化されて伝統的な作り方から外れたものになる恐れがあり,本レポートは貴重な資料である。ご一読を!!
著者
岩本 將稔
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.318-325, 2013-05-15
参考文献数
21

カキは,中国が原生地であるとされているが,日本の風土に溶け込んだ極めて日本的な果樹で,学名をDiospyros kakiといい,海外でもkakiで通用している。7世紀末の藤原宮跡からは,モモ,クリなどとともに,多数のカキの種子が発掘されている。このように古い歴史を有するカキを原材料にして柿渋は製造されるが,その起源については十分わかっていない。ただ,長い歴史の中でこの柿渋を見事なまでに活用してきたのは日本人であろう。柿渋は柿タンニンを多く含むことから防水,防腐効果を有するため,古くから木製品・和紙への塗布や麻・木綿などの染色に利用されてきた。特に,農山漁村の自給自足の生活では日常的に用いられた。考古学の分野では,11世紀中葉には漆器の下地に柿渋が使用されていたという知見がある。戦国時代には,上杉謙信(1530~1578)が渋紙製の紙衣陣羽織(山形県上杉神社に現存)を鎧の上からまとい,戦障の指揮を執ったとされる。江戸時代になると庶民にも広まり,松尾芭蕉(1644~1694)は「奥の細道」の旅に出る際,防水,保温性に富んだ紙衣(紙子)を必需品として持って出かけたという。また,江戸時代には,庶民の生活必需品の枠を超え,各種産業へも利用が広がった。酒袋などの醸造用の搾り袋,漁網,渋紙,紙子,和傘,団扇等の生産や建材塗装には欠かせないものであった。このような柿渋も,現在では酒類清澄剤をはじめとして柿渋染めや建材への塗布などの利用はあるが,多用途に利用されていた時代と比較するとその利用は限られたものとなっている。本稿では,醸造分野における柿渋の利用の歴史の概要,さらに柿渋の主成分である高分子柿タンニンの分離法等,当社のこれまでの取り組みを紹介したい。
著者
林 京子 田中 昭弘
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.401-412, 2013-06-15
参考文献数
14

マイタケはサルノコシカケ目サルノコシカケ科のキノコであるが,所謂,サルノコシカケとは異なり,食用としても,香り,味および歯応えが良好で,現在は広く食卓に供されている。元来は深山幽谷に発生する希少なキノコであったが,1980年初め頃より栽培技術の開発および量産化に成功して生産販売が開始され,食品としての市場を確立して現在に至っている。量産技術により生み出されるマイタケは,季節を問わずに入手可能かつ品質に差が少ないという利点もあり,1980年後半より,抽出物あるいはその画分の研究が精力的になされた。その結果,抗腫湯化学療法剤による骨髄抑制の回復樹状細胞の成熟化などの免疫に関する薬理効果,あるいは,降圧血糖値低下血中脂質低下等,主に食物繊維が関与する機能と考えられる薬理効果が報告されている。(株)雪国まいたけ(以後当社と表記)は熱風乾燥マイタケ抽出物を健康食品MDフラクション(R)(以下MDと省略)として1997年に日本で,また,2000年に米国で発売を開始しており,この抽出物については,米国スローンーケタリング記念がんセンター(以下,MSKCCと省略)が,2001年から薬理研究を開始し,その後2004年には,手術および化学療法を施して既に治癒している元乳癌患者(治験時点では健常者の範疇)を対象として臨床試験(第一相:P-I/II;乳癌罹患歴があるためP-Iではない)を実施したへその結果,MDは一方的に免疫を尤進するのではなく免疫を制御する可能性が示され,その結果を2008年6月に第44回米国腫蕩学会(ASCO)で発表した。そこで,当社はこの免疫制御作用に着目して2008年に,(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)の平成20年度民間実用化研究促進事業に「まいたけ免疫制御成分の特定と機能性食品としての開発研究」をテーマとして応募し,採択され,3年間を事業期間として研究開発に着手した。研究開発の基本的なコンセプトを,マイタケに含有され,従来から免疫を允進する作用が明らかになっているB-グルカン以外の免疫制御成分を同定することに置いた。その結果,マイタケの貯蔵多糖と考えられるa-(1→6)分岐-a-(1→4)グルカンが意外にもインフルエンザ治療効果を有することを見出した(インフルエンザ治療効果評価は富山大学医学薬学研究部薬用生物資源学研究室が遂行)ので紹介する。しかしながら,マイタケの仕グルカンは生育,保存,抽出等の様々な条件で大きく含有量,分岐構造あるいは分子量が大きく変化し,その変化がインフルエンザ治療効果と密接に関係することが判明したため,先ずは,マイタケに含有されるa-グルカンについて説明する。
著者
田中 和
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会雑誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, 1962-04
著者
工藤 デヴィッド
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.524-530, 2009-07-15
被引用文献数
1

1970年代より、ロサンゼルスやニューヨークなど、日本人・日系人が多く集まる都市を中心に到来した「寿司ブーム」は、カリフォルニア・ロールなど日本食でありながら日本人としては少々違和感を覚える「スシ」や「ロール(マキモノ)」を生み出し、今や「ブーム」から一般アメリカ人の食生活に溶け込んでいく様子すら見受けられる。生魚を食べる習慣がなかったアメリカ人に、海苔などを始めとする未知の日本食材への抵抗を減らすために裏巻きにし、アボカドやカニカマなど本来寿司には用いられなかった食材を用い、わかりやすいマヨネーズやホットソースのはっきりした味で和えることによって、ロール寿司は進化していった。「寿司ブーム」はその後、本格的江戸前すしに的が当たり、流行に敏感な大都市のメディアや富裕層に支持され、「マキモノ=スシ初心者、江戸前スシ=日本食通のための寿司」という構図が出来上がるが、今現在、広く全米の大衆に浸透しつつある「スシ」はロール類に他ならない。そして「寿司ブーム」はスシだけでなく、全米での日本食レストラン数の飛躍的な増加、日本酒・焼酎の到来、わさびや柚などの日本の調味料や薬味の提供など、多くの日本食文化を米国にもたらす結果となった。本稿では、日本食レストラン発展とそれに伴う日本酒の消費拡大と、今後の日本食業界と日本酒、焼酎の可能性について、北米で唯一のバイリンガルの日本食業界誌を発行する立場で、模索してみようと思う。
著者
Du DongDong 海老澤 香里 宮本 悠紀 吉永 真理子 上原 誉志夫
出版者
日本醸造協会
雑誌
醸協 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.126-136, 2014
被引用文献数
1

わが国の伝統的発酵調味料として「和食」の味を支えている味噌は,多くの生理機能成分を含むと考えられているが,同時に食塩を含むことから高血圧症の原因となるとして,消費者から敬遠され,消費量が年々漸減する傾向にある。しかし,最近の研究から,味噌汁として摂取する量では高血圧症の原因とはなりにくいことが解りつつある。味噌の食塩を敬遠するよりも味噌の成分がもつ機能性をより有用と考えて,おいしく食事をいただく方が,より健康によいことがわかり始めている。本解説では,味噌汁を摂取することが食塩による血圧上昇には直接つながらないことを動物実験により示し,むしろ味噌にふくまれる成分の複合的作用による血圧上昇抑制について解説していただいた。味噌には多くの成分が含まれ,それらの複合的作用について今後の研究へ期待が大いにもたれる。
著者
土田 靖久 大江 孝明 岡室 美絵子
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.489-495, 2015-07

機能性成分については,疲労回復効果や血流の改善効果を有するクエン酸などの有機酸,糖アルコールの一種で整腸作用を有するソルビトールおよび抗疲労作用や血圧上昇抑制作用を有するポリフェノール類といった梅酒に豊富な成分やフリーラジカル消去活性で示した抗酸化能を対象としてきた。香気成分については,'甲州小梅'でγ-デカラクトン,δ-デカラクトンが甘い香りに大きく寄与することが報告されていたが,全国の60%以上を生産する和歌山県での主力品種'南高'に関する報告はほとんどなかった。'南高'果実は,完熟期が近づくとフルーティーな香りを放ち,このような果実を梅酒原料として用いると,モモ様のフルーティーな香りをもつ梅酒に仕上がることが知られている。よって,我々は'南高'を原料とした梅酒の香気成分を調査し,特徴的な芳香成分の一部が,γ-デカラクトン(モモ様),δ-デカラクトン(モモ様),酪酸エチル(パイナップル様)および酢酸ブチル(リンゴ様)であり,青っぽい香りが安息香酸エチル(シバ様)であることを明らかにした。その上で,これら香気成分や梅酒の苦味成分として報告されているプルナシンおよびシュウ酸を対象として栽培方法との関係を調査してきた。これらの調査の中で,原料果実の収穫時期や追熟処理が機能性成分,香気成分および苦味成分含量に大きく影響することを明らかにしてきた。一方で,果実品質は栽培環境にも影響を受けることが知られており,リンゴ果実では芳香成分量に影響することが報告されている。よって,梅酒についても園地条件などの栽培環境により香気成分量等に違いが生じることが予想される。そこで,我々は現在,栽培環境と梅酒品質との関係を調査しており,ここでは,光条件や土壌条件といった栽培要因が梅酒の品質に及ぼす影響について紹介する。
著者
山田 康枝 江口 将也 伊豆 英恵 後藤 邦康 須藤 茂俊
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.609-614, 2010-09-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では、中枢神経系においてリラックス効果に主要な働きをしているGABAA受容体に対する日本酒成分の効果を明らかにするため、アフリカツメガエル卵母細胞に発現したGABAA受容体のチャンネル活性への日本酒成分の影響を検討した。受容体へ効果のある物質を特定しやすくするため、イオン交換クロマトグラフィーで日本酒を分画し、揮発性成分を除き濃縮するために凍結乾燥を行い、塩基性アミノ酸画分、中・酸性アミノ酸画分、有機酸画分、糖画分を得た。これらの日本酒画分存在下で測定を行った結果、得られた全ての画分にGABAA受容体を活性化する成分が存在することが示された。特に、有機酸を主に含む画分において、GABAが含まれないのにも関わらず、GABA活性が存在し、さらに高い活性化率を示すことがわかった。以上のことから、日本酒にエタノールやGABA以外のGABAA受容体活性化成分が存在することが示唆された。
著者
国税庁
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.12, pp.790-800, 2016-12
著者
田村 隆幸
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.139-147, 2010-03-15
参考文献数
28
被引用文献数
2

酒と料理との関係は,お互いに引き立て合うことが肝要だが,ワインによっては魚介類の生臭味を強調させてしまうことがある。著者らの研究によって,その一因がワインの鉄含量によることが確かめられた。本記事をワインと魚介料理を楽しむための参考にしていただければ幸いである。一読をお薦めしたい。
著者
川戸 章嗣
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.846-851, 2014-12

「和食:日本人の伝統的な食文化」が無形文化遺産に登録されるまでもなく,国内には創業900年になろうとする日本酒の蔵元で製造が続いており,世界に例を見ない。大手日本酒メーカーの歴史を通して世界へのアピールを纏めていただきましたので,日本人の遠慮深さを少し返上するべくご一読を!!日本各地には数百年の歴史ある蔵元があり,立派な土蔵の中に保存されている古文書の整理は手つかずとの話をよく聞く。そういった中から歴史の隙間を埋める資料が発見される事を待ちたい。
著者
工藤 デヴィッド
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.524-530, 2009 (Released:2011-03-05)
著者
山岡 千鶴 栗田 修
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.462-469, 2015 (Released:2016-01-20)