著者
篠原 隆介
雑誌
科学研究費助成事業 研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2015-05

研究成果の概要 (和文) : オープン・ソース・ソフトウェア(OSS)は、公共財であるにも関わらず、その開発には、多くの技術者が自発的に参加し、高い品質で供給が行われている。本研究の目的は、公共財であるOSSの供給に、なぜ、多くの技術者が自発的に参加するのかを、公共財供給モデルを用いて明らかにすることである。多くのOSSに共通する性質として、(1)コンピューター(私的財)とOSS(公共財)の間の機能面での補完性、(2)OSSに付加可能な機能の多様性、の二点に注目して、これらの性質がただ乗りインセンティブを打ち消す程に十分な自発的な公共財供給インセンティブを与える可能性について検証した。
著者
古屋 英治 名雪 貴峰 八亀 真由美 古海 博子 篠原 隆三 二村 隆一 金子 泰久 坂本 歩
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.553-561, 2002-11-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
14
被引用文献数
8 7

【目的】肩こりに及ぼす円皮鍼 (PTN) の効果をプラセボ円皮鍼 (P) を対照とした臨床試験 (CCT) で検討した。【対象及び方法】肩こりを有するボランティア男女合計53名を対象にした。PTNもしくはPの施術部位は後頚部、肩上部、肩甲間部の圧痛点で、3日間継続留置した。評価は3日後の肩こりの自覚及び施術前、施術直後、3日後の肩こり程度のVAS値とした。【結果】「肩こりがある」はP群25名中23例に対しPTN群は28名中12例に減少 (p<0.01) した。肩こりのVAS値はP群の施術前55.2±17.5、直後46.5±19.7、3日後45.9±21.7に対しPTN群の施術前52.5±20.7、直後40.5±22.4、3日後34.2±19.7となり、PTN群の直後 (P<0.05) 、3日後 (P<0.01) で減少した。【結論】円皮鍼の継続留置は肩こりを改善することが示唆された。
著者
三木 健夫 篠原 隆
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.12, pp.954-958, 2008-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

本研究では、1998-2006年に試験醸造された甲州ワインおよびシャルドネワインのアミノ酸濃度を調査し、両ワインのアミノ酸組成の違いについて比較した。その結果、甲州ワインにはグルタミンが、シャルドネワインにはアラニンが特徴的に含まれている点で異なった。また、甲州ワインはシャルドネワインに比べ約2倍のプロリンを含んでいた。
著者
篠原 隆一郎 古里 栄一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.159-170, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
56
被引用文献数
6

Phosphorus (P) is one of the most important nutrients for all living organisms. Recently, not only inorganic P but also organic P has been focused because of the development of an analytical technique— 31P nuclear magnetic resonance (NMR) spectroscopy. In the current paper, we reviewed historical backgrounds of the P analysis with the reason for using NMR and the limitation. Furthermore, we discussed the processes of sediment and suspended particles in lakes in the recent studies. The processes are complex, including physical, chemical, and biological aspects (i.e. diffusion, resuspension, adsorption/desorption, and enzymatic hydrolysis). Because P is present majorly as particulate forms, it is affected by physical processes compared with carbon and nitrogen. We shed light on how the processes of physical, chemical, and biological aspects affect P behavior in sediment and suspended particles in shallow and deep lakes.
著者
菅野 一輝 篠原 隆佑 中島 颯大 村岡 敬子 崎谷 和貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.233-238, 2023 (Released:2023-10-31)
参考文献数
20

汽水域における環境DNA 調査では,捕獲調査との一致率が河川淡水域と比べて低いことが知られており,潮汐の影響や多様な岸際環境から地区を代表する採水箇所・採水タイミングの設定が課題である.本研究では,汽水域における調査精度を向上に資する情報を得るため,汽水域における時空間的な環境DNA の検出特性を把握することを目的とした.那珂川河口域の2km 区間内に9 地点を設定し,潮汐の異なる4 回(下げ潮,干潮,上げ潮,満潮)の採水を行い,MiFish法による環境DNA メタバーコーディングを実施した.検出された魚類相の類似性をNMDS により可視化した結果,下げ潮・干潮では地点間の魚類相が類似し,上げ潮・満潮では地点ばらつきが大きくなり,採水場所の空間的な違いより,潮汐タイミングによる時間的な違いが,環境DNA の検出種に大きな影響を与えることが分かった.また,検出種数は,干潮が満潮よりも有意に多く(P < 0.01),干潮と上げ潮・下げ潮の間には差がなかったことから,汽水域における採水は,満潮時を避け,干潮時を中心とした採水を行うことで,多くの魚種が検出しやすいと考えられた.
著者
篠原 隆一郎
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.19-31, 2020-02-25 (Released:2021-05-26)
参考文献数
86

富栄養化及び,藍藻類のブルーミングは依然として世界中で重要な問題となっている。近年,Geo-engineeringな手法を用いることで,湖沼保全方法の知見が増え,また,新しい分析手法が開発されたことで,細かいプロセスが明らかになってきた。本総説では最初に富栄養化対策について俯瞰的に議論し細かいプロセス研究の重要性を示したい。その後,無機態・有機態リンの循環について議論する。最後に,筆者自身が行っている今後の研究について議論したい。
著者
篠原 隆 柳田 藤寿
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.593-603, 1999-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23

1.ワイン酵母 (S.cerevisiae) 48菌株の尿素およびアンモニアの利用性について, ブドウ果汁および窒素源添加ブドウ果汁を用いたアルコール発酵試験により検討した。供試酵母株の尿素およびアンモニアの消費量は, 初発濃度の40%から98%の範囲であった。供試菌株を尿素消費量に基づいて4グループに分けたところ, 多くの菌株が尿素高利用性 (消費量: 9.1~12.9mg/l) であり, 尿素低利用性 (消費量: 5.3~9.0mg/2) は少数であった。窒素源添加は一部の供試菌株の尿素消費を低下させた。アンモニアはいずれの供試菌株でも高利用性 (消費最: 16.1~19.6mg/l) であった。2.発酵における高温条件 (25, 30℃) は, 供試菌株の尿素消費を促進する傾向であり, 嫌気的条件は尿素消費を低下させる傾向であった。アンモニア消費は, これらの発酵条件下で良好であった。3.窒素源 (カザミノ酸, リン酸二アンモニウム, レアルギニン, 尿素) の添加による影響を, 発酵90日まで試験した。供試3株がリン酸ニアンモニウム, L-アルギニンおよび尿素の添加に影響された。とくに尿素低利用性の1株 (RIFY1062) は, 発酵中に尿素およびアンモニア濃度を増加させた。しかし, 他の供試2株においては, 窒素源添加の影響がみられなかった。4.甲州およびマスカット・ベリーAブドウを用いた小規模試験醸造において, 発酵もろみ中の尿素およびアンモニアは速やかに消費されて, 発酵以後も低レベルで推移した。本試験結果より, ワイン酵母による尿素利用性が明確となり, 尿素濃度を低レベル (5mg/l以下) とするための発酵条件が提示された。終わりに, 本研究にご協力下さいました成田真由美さん, 藤原真志さんに感謝いたします。
著者
篠原 隆 川本 康裕 柳田 藤寿
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.215-223, 1998-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22

1.ワイン酵母(S.cerevisiae)の有する三種のグリコシダーゼ活性をYM培地,ブドウ果汁培地および栄養源補添ブドウ果汁培地により培養して測定した。供試酵母は25℃で2日間培養した後,あるいは対数増殖期と定常期に集菌し,pH5,0およびpH3.5にて合成基質と反応させて活性を求めた。2.YM培地による培養の場合,供試105株のβ-グルコシダーゼ活性は,pH5.0において159-1539nmolであったが,pH3.5の場合に70-817nmolであり,本酵素活性の低下が示された。供試20株におけるα-アラビノシダーゼおよびα-ラムノシダーゼ活性は,それぞれユ2-53(pH5.0), 9-80(pH3.5)nmolおよび2-24(pH5.0), 1-29(pH3.5)nmolであった。これらのグリコシダーゼ活性は菌株およびpHにより変動が認められたが,いずれも低活性であった。3.ブドウ果汁で培養した場合,βブルコシダーゼ活性は,対数増殖期の菌体が定常期の場合より高活性の傾向であった。しかし,その対数増殖期の活性は, 66-318nmol,pH5.0および19-307nmol,pH3.5であり,低活性であった。また,培養上清液のβ-グルコシダーゼ活性について,対数増殖期および定常期において4-35μU/mlおよび1-10μU/mlと極めて低活性であった。4.ブドウ果汁培地への栄養源補添の効果が,一部の菌株について示されたが,そのグリコシダーゼ活性は低いレベルにとどまった。5.ネオマスカットブドウを用いた試験醸造を1995年度および1996年度に実施した。酵母区について,そのワイン中のテルペノール濃度は果汁より0.2-0.4mg/l増加したが,菌株間の差異が0.1mg/l以下であり,供試ワイン酵母のグリコシダーゼがテルペノール生成に及ぼす効果は小さいと推定した。一方,酵素区ではテルペノールが明確に増加しており,その増加量が0.7-1.6mg/lであった。また,供試ブドウ果汁中には有意のテルペノール配糖体の存在することが示された。最後に,本研究遂行に当たりご助言を賜りました本研究施設高柳勉博士に感謝いたします。また,酵素標品をご提供下さいました明治製菓(株)生物科学研究所高野敏明氏に感謝いたします。
著者
豊田 新 高原 周一 宮川 和也 守田 益宗 青木 一勝 佐藤 幸子 坂根 弦太 青木 宏之 蜂谷 和明 矢城 陽一朗 重松 利信 那須 浩郎 篠原 隆 宮宅 康郎 渡邉 誠 今井 剛樹 今山 武志 兵藤 博信 片山 敏和 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構学習支援センター 岡山理科大学教育支援機構学習支援センター 岡山理科大学理学部応用物理学科 岡山理科大学理学部応用物理学科 岡山理科大学自然科学研究所 岡山理科大学自然科学研究所 岡山理科大学非常勤講師
雑誌
岡山理科大学教育実践研究 = Okayama University of Science Educational Practice Research (ISSN:24339946)
巻号頁・発行日
no.1, 2017
著者
木下 謙治 山下 祐介 吉良 伸一 坂本 喜久雄 米澤 和彦 篠原 隆弘 岩元 泉
出版者
福岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

1. 九州の農業は、国内での農業生産のシェアを伸ばし、生産額も全国平均をかなり上回る数値をあげてきた。しかし、農外所得が低いために、農家所得は都府県平均の8割程度にとどまっている。2. 九州の各地で、佐賀県の代表的な水田地帯のようなところまで含めて、有力な専業農家は稲作への依存度を低めている。土地利用型農業の衰退化といえるが、それとともに、水田を如何に維持してゆくかが大きな問題となってきている。集落営農、機械共同利用組合、農作業センターなど様々な共同が必要となってきている。3. 南九州を中心とする畑作地帯では、茶、疏采園芸、花卉、畜産など多様な生産活動が展開しており、水田地帯よりも見通しは明るい。畑作地帯が有望となってきた背景には畑地潅漑が進展してきたことが大きい。いっそうの潅漑施設の整備が望まれる。゛4. 中山間地の農林業については、大分県上津江村でみたように、複雑な山間立地にみあった複合経営が必須である。そして、それを補うものとして、地場産業起こしが必要である。いわゆる、官民一体の地域づくりの運動の中に農林業を位置づけねばならない。5. 九州の農業を担っている中核的農家は、直系的家族である。家的な構成は、やはり、農家では今後とも維持されてゆくであろう。家=家父長制と考える必要はない。21世紀においても、農業の中心的な担い手は農家であると思われる。6. グローバルにみれば、九州農業は、日本農業と同じく零細な小農経営にとどまっている。むらに関わる共同は、なお、必要である。しかし、自治組織と生産組織との乖離は進んでいる。新しい農村コミュニティの形成も視野にいれなければならない。