著者
鈴木 淳
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.122-125, 2020-09-30 (Released:2020-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
國武 広一郎 村上 拡 佃 一訓 小崎 俊司 安木 真世
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.93-97, 2021-06-30 (Released:2021-07-08)
参考文献数
17

We found the effect of ethanol, even at low concentrations, on inactivation of SARS-CoV-2 in combination with surfactants. Less than 20% ethanol did not inactivate SARS-CoV-2, whereas high virucidal effects were observed by using 10% ethanol mixed with several surfactants. The present results indicate that the combination of low concentration ethanol and multiple surfactants shows a high virucidal effect as well as a bactericidal effect. The results also provide useful information to prevent the spread of SARS-CoV-2 contamination in the food industry, especially in the food service industry.
著者
内藤 茂三 関 啓数 水野 龍二
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 = Japanese journal of food microbiology (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.181-187, 2000-09-30
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

1. 食パン由来のオレンジ色カビを同定した結果, <I>M.suaverolens</I>であった.本菌はエタノール濃度0.5~2.0%では無添加より良好に生育し, 最高エタノール濃度10%まで生育した.<BR>2. 食パン工場の空中浮遊カビを測定した結果, <I>M.suaverolens</I>はすべての工程より検出され, 原料混合, 中種混合, 焙炉, 冷却工程に多く検出された.最も多い空中浮遊カビは<I>Cladosporium</I>であり, ついで<I>M.fuaverolens, Aspergillus, Penicillium, Aureobacidium</I>であった.<BR>3. 製造工程の半製品と製品のカビの汚染状況を検討した結果, <I>M.suvaverolens</I>はスライス, 包装後の製品より3.5~3.7×10<SUP>2</SUP>cfu/g検出され, その他のカビは中種発酵以降から焙炉工程後の生地に3.5~8.3×10<SUP>2</SUP>cfu/g検出された.<BR>4. 食パン由来の肱<I>M.suvaverolens</I>のオゾン水殺菌を行った結果, 初発菌数2.7×10<SUP>5</SUP>cfu/gは, 15ppmオゾン水濃度で5分間処理において完全に死滅した.
著者
駒木 勝 大久保 良子 荻野目 望 出雲 耕二 故 松田 典彦
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.118-125, 2017-06-30 (Released:2017-07-13)
参考文献数
5

“つゆ”製品のボツリヌス菌に対する安全性を評価するために,“つゆ”中におけるボツリヌス菌の発育限界pH値およびAw値を調べた.供試菌株の混合芽胞は,“つゆ”中ではAwが0.97(NaCl 1%含有)ではpH 5.1以上で,Awが0.96(NaCl 1.9~3.9%含有)ではpH 5.3以上で,Awが0.95(NaCl 5.1~6.1%含有)ではpH 6.4以上で発育および毒素産生が認められた.Awが0.94(NaCl 7.0%含有)未満では発育pHを示すことはできなかった.
著者
原 やす子 和泉澤 真紀 石井 久美子 阿部 晃久 大橋 英治 丸山 務
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 = Japanese journal of food microbiology (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.63-67, 2003-07-31
被引用文献数
7 4

国内で市販されている鮮魚介類およびそのまま食されるいわゆるready-to-eat水産食品における<I>Listeria</I>属菌および<I>L.monocytogenes</I>の汚染実態調査を行い, 以下の結論を得た.<BR>1.調査した35品目394検体中, <I>Listeria</I>属菌は7品目40検体, <I>L.monocytogenes</I>は6品目23検体から検出され, ready-to-eat水産食品からの検出率が高率だった.<I>L.monocytogenes</I>が検出されたready-to-eat水産食品はネギトロ, スモークサーモン, スジコ, 明太子, 加熱済みタコであった.<BR>2.<I>L.monocytogenes</I>の汚染菌量はスモークサーモン (1検体) の4.3cfu/gと加熱済みタコの1.5cfu/g以外はすベて1.0cfu/g以下であった.<BR>3.分離された<I>L.monocytogenes</I>は6血清型に分類され, そのうち最も多かったのは1/2aであった.
著者
大池 秀明
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.36-39, 2019-03-31 (Released:2019-04-03)
参考文献数
11
著者
川上 優太 原 彩香 川瀬 遵 黒崎 守人 角森 ヨシエ 林 芙海 村上 佳子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.160-165, 2016-09-30 (Released:2017-01-20)
参考文献数
17

2010年に発生したサルモネラO4群による集団食中毒2事例の患者および元施設従事者由来株について,詳細な解析をしたところ,STのmonophasic variantであるSalmonella serovar 4,[5],12 : i : – であることが判明した.2事例の疫学調査からウズラ卵が原因食品と推定されたため,県内に流通するウズラ卵のサルモネラによる汚染実態を調査した.その結果,ウズラ卵からSalmonella serovar 4,[5],12 : i : – は分離されなかったが,ウズラ卵のサルモネラによる汚染が確認されたことから,ウズラ卵の取扱いは注意する必要がある.
著者
千葉 隆司 高橋 由美 上原 さとみ 貞升 健志
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.69-75, 2016
被引用文献数
1

<p>食品等から分離した酵母について,塩基配列解析法と市販同定キット(API 20C AUX)の同定結果を比較した比較した.1)酵母84株の酵母についてrDNA2領域の塩基配列解析法による同定を行った結果,基準株との塩基配列比較により,全ての株について同定が可能であった.2)API 20C AUX と塩基配列解析法の結果一致率は,種レベルでは57.1%,属レベルでは82.1%であった.3)API 20C AUXと塩基配列解析法の一致率について,キットが示す同定確率を基に比較したところ,同定確率が80%以上では属レベル,90%以上では種レベルで一致する確率が高くなる傾向が見られた. また,塩基配列解析で<i>Candida intermedia</i>/<i>C. pseudointermedia</i> を示した株の一部は,API 20C AUX 上では同定確率90%以上で<i>T. mucoides</i> を示した.以上の結果から,食品由来の酵母の同定にAPI 20C AUXを利用するには,キットが示す同定確率などを指標にするとともに,rDNA2領域の塩基配列解析法を併用することが望ましいと考えられた.</p>
著者
田坂 寛之 國武 広一郎 西谷 巧太 盛田 隆行 勢戸 祥介
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.100-104, 2019-06-30 (Released:2019-07-01)
参考文献数
8

Total of 52 food additives and food materials were screened using norovirus surrogate feline calicivirus (FCV) to assess the effect of reduction against norovirus. Over 0.01% GSE (Grape Seed Extract) ethanol solution and FCV solution mixed by 1 : 1 for 1 min at room temperature, the virus infectivity were reduced <1/1,000. We had found out the effective antiviral activity in GSE containing Proanthocyanidin.
著者
竹下 朱美
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.115-121, 2007-10-15 (Released:2008-05-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
左近 直美
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.135-139, 2017-06-30 (Released:2017-07-13)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

Food borne outbreaks by norovirus caused more than 10,000 acute gastroenteritis patients every year in Japan. Food handler with norovirus infection often contaminates food with the virus. Monitoring norovirus infection in food handlers is thus critical. A small number of norovirus particles are sufficient to establish infection in humans. If a food handler is infected with norovirus, co-workers are at high risk of norovirus infection. Norovirus establishes asymptomatic infection. It is recommended to implement a highly sensitive norovirus testing to every food handlers regardless of gastrointestinal symptoms to reduce the risk of norovirus contamination in food. To do this, the cost and the rapidness of the laboratory test are concerned. In this study, we evaluated a novel nucleic acid-based diagnostic kit for norovirus infection free from standard nucleic acid purification. This was shown to have sensitivity and specificity comparable to the conventional diagnostic procedures employing two-step real-time PCR, suggesting that the new kit offers a rapid and inexpensive laboratory test of norovirus infection. This kit should be able to contribute to the periodic norovirus monitoring of food handlers, leading to the prevention of food poisoning by norovirus.
著者
髙木 陽光
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.23-27, 2019-03-31 (Released:2019-04-03)
参考文献数
32
著者
沼間 雅之 宮崎 雅雄 梅原 健治 倉田 浩
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.173-177, 1997

食品製造工程上の汚れ (主に残留蛋白質) を検出する洗浄度判定キットを用い, 各種食品の検出感度, 牛乳濃度と大腸菌数の増殖経時変化を調べた.フキトリマスターを用いると牛乳ではおよそ80mg/m<SUP>2</SUP>, 脱脂粉乳では2mg/m<SUP>2</SUP>, 固形チキンコンソメでは20mg/m<SUP>2</SUP>, 卵白においては4.2mg/m<SUP>2</SUP>の汚れ量の検出が可能であった.これは目視観察できる汚れ量のおよそ1/3から1/400であった.分光光度計を併用すればさらに検出感度は向上することがわかった.一方, 大腸菌はわずかな栄養源の存在下でも増殖する可能性が示唆された.すなわち菌が増殖するレベルまで汚れの残存 (清浄度) を管理するためには, 目視観察による判定では管理不十分と考えられた.<BR>以上の成績から, 製造工程の自主衛生管理のための洗浄度モニタリグの極めて有効な手法の一つとして市販の洗浄度判定キット (フキトリマスター: コニカ) の使用を提案する.
著者
神吉 政史 勢戸 和子 原田 哲也 久米田 裕子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.133-138, 2011

EHEC O157, O26, O111, O103をヤギ乳チーズおよびゴルゴンゾラチーズに添加して,mEC+n, mTSB+n, UPB, mECで培養し,LAMP法,直接法,IMS法による検出率で4種の増菌培養法を比較した.各菌株を少量添加したヤギ乳チーズの非保存検体および冷蔵保存検体では,UPBと比較してそれぞれmEC+nおよびmECで検出能の低下が見られた(<i>p</i><0.0016).少量添加したゴルゴンゾラチーズでは,非保存検体でmEC+nと比較して,冷蔵保存検体ではmTSB+nおよびUPBと比較してmECによる培養での検出能の低下が見られた(<i>p</i><0.0011).また,大量添加したゴルゴンゾラチーズでもUPBと比較してmEC+nおよびmECで冷蔵保存による検出能の低下が見られた(<i>p</i><0.0063).このようにmECでは冷蔵保存による損傷菌に対する大きな検出能の低下が見られ,チーズの検査においては汚染菌の損傷や菌量の少なさを考慮すると,mECの選択には疑問が残る.UPBでは損傷菌に対する検出能の低下は全く見られず,汚染菌が損傷している可能性が高いチーズでは,非選択培地であるUPBは重要な選択肢の一つとなると考えられた.
著者
伊藤 均
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.149-156, 2011-09-30 (Released:2011-10-18)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
川崎 友美 村田 容常 冨永 典子 川本 伸一
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.171-177, 2007-12-15 (Released:2008-05-23)
参考文献数
14

接種鶏卵からのサルモネラの回収に関してふき取り法とクラッシュ法との比較検討を行った. 37℃のリン酸緩衝液を用いたクラッシュ法が最も菌の回収率が高く, ふき取り法と比べて10倍高い菌数値を得た. 107 CFU/eggのサルモネラ汚染卵を, 50℃, 200 ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液で殺菌処理した場合, ふき取り法は2分間処理で菌数が検出限界以下となったが, クラッシュ法は10分間処理においても最大5オーダーの菌数の減少しか観察できなかった. 洗浄中における有機物の混入を想定して, 次亜塩素酸ナトリウム水溶液200 ppmへの液卵の添加実験 (0~1.0%) を行った. 液卵が0.5%以上混入したときでは有効塩素濃度が直ちに低下した. 液卵を0.5%添加して50℃, 10分間処理を行った場合, ふき取り法による検出では101~102 CFU/eggのサルモネラ菌数が検出された. 一方, クラッシュ法による計測では105~106 CFU/eggのサルモネラ菌数が検出され, ふき取り法での検出結果から期待されるような顕著な殺菌効果は観察されなかった. さらに4,000個の市販鶏卵を購入し, 両方法で微生物汚染レベルを調べたところ, 接種実験と同様にクラッシュ法はふき取り法と比べて10倍高い一般生菌数値を示した. クラッシュ法は卵殻からの菌回収法としてより優れており, 従来のふき取り法では殺菌効果の過大評価や汚染レベルを過小評価している可能性がある.