著者
石垣 壽郎
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.128, pp.A19-A51, 2009-03
著者
新井 正 鈴木 啓助 深石 一夫 水越 允治
出版者
立正大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

日本の冬の気候は,アジア大陸東部の影響を強く受けていることはいうまでもない。ところが,アジア大陸の地表面,水面などに関する情報は非常に不足しており,日本と大陸との水文気候の比較は充分にできない状況にある。これは,事情を異にする5か国が接するこの地域の特殊性を反影している。そこで,第一に日本・中国・韓国・ソ連の気候図より,最大積雪深,積雪期間の分布図を作成した。積雪時間は緯度と高度に支配されているが,最大積雪深は収束線の位置も関係するために、必ずしも緯度的な分布になるわけではない。隆雪域は「ひまわり」の赤外・可視画像の分析により推定し,上記の編集図の裏付けを行なった。河川の結氷は水面の熱収支より推定したほか,日平均最低最気温と実際の結氷分布とを対応させ、ともによい結果を得た。第二に水文気候の重要課題である融雪出水について,雪と河川水の水質分析により特性を把握した。融雪出水には直接融雪水が流出するのではなく,地中あるいは雪層中の古い水を押し出す,いわゆる押し出し型であることが分った。しかし,雪の化学成分から大陸諸国の工業活動などを推定する迄には至らなかった。水文気候の比較で特に注目されるのは、過去の記録である。日本,中国ともに古い記録があり,気候の復元が試みられている。本研究では19世紀を中心として気候の復元を行なった。その結果,小氷期においても温暖な期間を狭んでいたことが分った。しかし,中国との対応はまだ完全ではない。
著者
江川 義忠
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.5-10, 1985-03-20
著者
片山 由美
出版者
立正大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-26

本年度は申請にあたって目標に掲げた課題に取り組むにあたり、インド仏教における『法華経』の受容と展開に注目し、昨年度の研究成果を整理しなおして国際学会で発表を行った。『維摩経』と『法華経』の両経典には共通した構造を持つ物語(「法供養」)が見られる。『法華経』「普門品」と『維摩経』「菩薩品」の梵文写本、蔵訳、漢訳に着目し、そこに見られる「法施」の概念が両経典で異なることを指摘した。また神変表現に着目し、両経典が共通のソースを基盤としている可能性を指摘した。『法華経』第14章「安楽行品」の冒頭散文部分、ya khalv esu dharmesv avicarana avikalpanaの解釈について取り上げ、梵文諸写本、蔵訳、漢文と比較しながら検討をした。梵語写本の解釈可能性は一通りではなく、様々な解釈可能性があるが、文脈を考慮すると「avicaraとavikalapana」と解釈するのが適切であると考えられる。また中国の注釈書の解釈も二通りに分かれる。「不分別を行ぜず」と「行ぜず分別せず」という解釈である。前者は慧思の『法華経安楽行義』や天台大師の『妙法蓮華経文句』に見られる。天台大師は慧思の解釈を踏襲し、中道を中心とした理論に当てはめ、「不分別」を「無相」「中道」と置き換え、それにさえも執着しないと解する。後者は吉蔵の『法華義疏』、法雲の『法華経義記』、基の『妙法蓮華経玄賛』にみられる。吉蔵は、「分別せず」の対象として「亦行」と「不行」と分けて解釈する。基は、「行ぜず」「分別せず」に分けて解釈し、その根拠を『般若経』の「無所住に住する=無諸行を行ずる」に求めている。「行ぜしところなし、分別せずところなし」というように、その目的語がないことを、「真際」であらわす。法雲は、両者を2つにわけ、その根拠を「空」に求め、法空を得た時、無分別であるが故に、行ぜざると解釈する。
著者
溝口 元
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

江戸末期までの本草書および明治期以降の学術書、専門雑誌に掲載された棘皮動物、甲殻類、両生類、げっ歯類の種の量的変化、図譜の記載の特徴を文献的に調べ、近代西洋動物学が我が国導入されることにより、どのように動物「種」の認識が変化したかを探究した。明治期以降の教育制度の整備と標準和名の普及は対応していた。また、20世紀初頭、来日し日本産両生類を採集し新種として記載して、アメリカへ持ち帰ったスミソニアン博物館学芸員スタイネガーの日本産動物の液浸標本を調査し、採集時期と種を確定した。さらに、旧台北帝国大学理農学の動物分類学者、青木文一郎が採集したげっ歯類の種と採集数を計数しデータベース化を試みた。
著者
池田 宗彰
出版者
立正大学
雑誌
経済学季報 (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-114, 2005-09-30

力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である.物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表わされる:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される.これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である.しかしこの確率化は不完全である.この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである.これが再度変化曲線を形成して再度粗視化され,跳び跳びの観測を受け確率化する.これが繰返されるプロセスで確率は純化されてゆく.これは,一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら,階層を上ってゆくプロセスであり,シュレーディンガー方程式の階層上げである.それが,物理現象→生命現象→心理現象,と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する.何となれば,粒子の因果性が確率に変換されることで,粒子に自発性・任意性が出てくる.分子が"自発的"だということは,分子が"確率的"だということと等価である.因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来,ここが生命の発生点となる.これはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する.それが更に確率化されると任意性が出てくる.ここが心理の発生点である.これはヒトの大脳新皮質の発生点に対応する.以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである.(加えて,生命現象を表現する連立差分方程式系が,粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される.また,シュレーディンガー方程式は階層上げに従い,マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である.さらにまた,上記生命モデルが,進化学の難問であるダーウィンの自然淘汰説と木村資生の分子進化の中立性との同時説明を可能にすることが示される.)
著者
白井 忠功
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.24-43, 1971-03-25
著者
平山 観月
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.27-57, 1973-09-10
著者
篠田 晴男 中田 洋二郎 軍司 敦子 井上 祐紀 北 道子
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、思春期〜青年・成人期を中心に発達障害者の支援の課題として重要視される自己理解の深度化と、その実現に欠かせない自己制御力を左右する実行機能の成熟について、臨床応用が期待されるNIRSの長所を活かした評価手法の確立を試みた。主な内容は、1.自己理解について:(1)自己理解の成熟にかかわる健常舎及び発達障害舎の評価に関する文献研究(2)試行版評価尺度の臨床事例への適用(3)評価手法の試行と臨床事例への適用上の課題を整理し、体系的・多元的な面接手法と介入効果を検討した。2.実行機能の評価について:(1)CPTを用いた注意集中・抑制制御能力を客観的に評価しうる認知神経科学的指標を見出した。特に前頭前野の脳血流動態は、思春期〜成人期おいて一定の活性水準に到り、課題の達成水準を反映しうるものであった。また、発達障害特性に関連したスペクトラム性によって個人差が生じうることも示唆された(2)ERPを用いた衝動特性の検討:認知葛藤課題事態において、エラー関連電位の出現様相から前頭-頭頂間での抑制性の機能を併せて評価しうる可能性が示唆された。3.実行機能評価にかかわる自己制御能力と自己理解:(1)これら情報を当事者にフィードバックし、自己の特性に基づいて援助希求を求めるチーム支援を実施した(2)就労支援につながるSST的な援助技法を試行し、自己の特性についての理解と対処スキルの向上に取り組んだ。臨床的には、感情制御の難しさも評価に組み込み、自己理解を深めつつ就労を目指す中で自己理解の深度化の厳しさとそれを支える人的・物的支援の枠組みの重要性が確認された。4.思春期に到るまでの幼児期段階からの準備的な評価と介入も生涯発達の視点から重要なことが確認された。
著者
山本 仁志
出版者
立正大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

今回の研究費交付期間内に明らかになった知見は、「近年の情報チャネル、すなわち双方向的情報ネットワークの発展が、Winner-Take-All(WTA)現象を強化する効果の存在を示し、情報チャネル効果理論を構築したこと」である。ネットワーク社会における消費行動を理解する上でも、供給者の立場から戦略を設計する際にも、情報チャネル効果を理解することは重要な意味を持つといえる。我々の調査で、ネットワーク外部性では説明できない音楽ソフト市場や映画ソフト市場でも、WTA現象が進行していると観察できた。この現象のメカニズムを解明するため、情報チャネルの性質に着目し、消費行動に関するマルチエージェントモデルを構築し、シミュレーション実験を行った。シミュレーションにより、近年の情報チャネル、すなわち双方向的情報ネットワークの発展が、WTA現象を強化する効果の存在を示した。また、情報チャネルと消費者の構成比率の相互作用により、多様化社会と集中化社会に分岐するシナリオが提示できた。本研究で実施したシミュレーションを用いることで、財の供給者は、財の特性を理解する、消費者の構成を調べる、情報チャネルの現状を調べる、といった基本的な双方向情報チャネルの利用戦略を立案することが可能となった。このように、マーケティング領域における情報チャネル効果理論の有効性の端緒を示せた。また、双方向情報ネットワークの発展は、WTAをもたらす一方で消費者の選択の多様化を生んでいると考えられる。その代表例がC2C市場である。C2C市場を成功に導いた要因である評判システムのメカニズムを探り、オンライン市場では良い参加者の情報を流通させるポジティブ評判システムが有効であることを示した。
著者
今村 泰子
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.163-185, 2001-03-20
著者
白木 洋平
出版者
立正大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では東京都周辺域を研究対象地域,1997年から2006年までの夏季12時から18時までを研究対象期間とし,東京都周辺域における熱環境の違いが対流性降雨の頻度に与える影響について相関分析による統計的評価を行った.次に,研究対象地域内にて最も都市が発展している東京都に着目し,熱環境の他に建物パラメータを加えて再度相関分析を行った.
著者
内藤 莞爾
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.15-47, 1986-09-20
著者
黒田 日出男 藤井 貞和 坂輪 宣敬 米倉 迪夫 玉井 哲雄 久留島 浩 宮崎 勝美 小島 道裕 杉森 哲也 藤川 昌樹 山口 和夫 藤原 重雄 佐多 芳彦
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

中近世風俗画の高精細デジタルコンテンツの蓄積、画像史料研究用プラットフォームの開発、合戦図屏風研究用の語彙集積とデータベース化、研究成果公開の一端として博物館・美術館の展覧会での展示、絵画史料学的研究の飛躍的向上など。