著者
櫻川 幸恵
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.109-128, 2005-03-15

全要素生産性(TFP)の計測の方法として、Solow(1957)によるソロー残差がある。本稿では、Solowの研究と、その後のHall(1988、1990)やBasu and Fernald(1995)による、ソロー残差を用いたTFPの計測方法の修正を理論的に整理する。さまざまな規模に関する収穫の程度や市場の競争状態であるときには、生産額に対して粗生産額を用い、分配率に関しては費用ベースシェアを利用する方法が望ましいことが示される。
著者
石田 信一
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-18, 2009-03-15

本稿では、複数政党制に移行した一九九〇年から二〇〇七年までのクロアチア議会選挙を中心に、クロアチアにおける選挙制度の変遷および選挙結果に着目し、まずは基礎データの整理を行いつつ、論点を提示した。 クロアチアでは議会選挙のたびに与党を利する形で選挙制度が大きく変わってきた。一九九〇年には完全な小選挙区制だったものが、一九九二年には全国区(比例代表方式)と小選挙区の二票制となり、二〇〇〇年には全国を一〇選挙区に分けた比例代表制に移行した。二票制の時期を通じて、全国区と小選挙区の定数も大きく変化している。どの選挙制度においても、一票の格差や選挙区の区割りなどが完全には解決されない問題として残された。 さらに、クロアチアでは、やや流動的な少数民族枠と在外同胞(ディアスポラ)枠の存在がつねに議論を呼んできた。一九九〇年代のクロアチアを内戦状態に陥れたセルビア人問題の解決策として少数民族枠は重要な意味を持ったし、同じく隣国ボスニアとの関係から在外同胞枠は必須とされたが、選挙制度上の取り扱いはきわめて不安定で合理性を欠く場合も多かったからである。 かつての大統領による権威主義体制から議会制民主主義へと移行したかに見えるクロアチアであるが、なおも選挙制度は固定的なものではなく、さらに変化していくように思われる。
著者
村田 宏
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.19-40, 2009-09-15

本稿は、前稿にひきつづき、一九二〇年代のパリで「画家」となったアメリカ人ジェラルド・マーフィー(一八八八│一九六四)に焦点を合わせ、二〇世紀に著しい「移動」の問題を「パリのアメリカニスム」との関連から再検討するものである。 前号の内容を含めて、概要を示せば、以下のようになるだろう。 「一、マーフィーとナターリア・ゴンチャローヴァ」では、「モンパルナスの仮装舞踏会」や「バレエの初演」を検討する過程で、ロシアの画家ゴンチャローヴァの芸術的薫陶を受けた絵画の初心者マーフィーの姿が覗見された。「二、マーフィーとパブロ・ピカソ」では、「アメリカ的なもの」に関心を寄せるピカソとアメリカ人マーフィーがいかに親密な交際を続けたかが確認された。「三、マーフィーとフェルナン・レジェ」では、レジェ独自の美学に寄り添いながら、しかし自己固有の「アメリカ的」絵画を制作するマーフィーの姿が浮き彫りになった。 以上の考察から得られた結論を再説するならば、つぎのごとくである。絵画の門外漢マーフィーは、アメリカを離れてフランスに渡ったのち、無数の偶然にして実り豊かな出会いを通じて画家としての成熟を遂げ、一九二〇年代のパリの美的動向、すなわち摩天楼とジャズへの憧憬に彩られた「アメリカニスム」に大きな意義と役割を担う芸術家に変貌していった。ジェラルド・マーフィーが「移動」あるいは「移動の美術史」の問題系列に重要な位置を占めていることはだれしも否定できない。マーフィーこそは「移動」のもたらす恩恵を自己の必須の養分に転化しえた幸福な画家の典型のひとりということができるのである。
著者
曽田 修司
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.51-62, 2005-03-15

日本の公立文化施設は、これまで「貸し館」といわれる運営方式が中心であったが、近年、芸術監督やプロデューサーを選定し、質の高いオリジナルな舞台作品の創造・提供を志向する劇場・ホールが次第に増えてきている。これまでは、専門家による劇場運営は地域の文化力向上につながらないという考え方が一般的であったが、筆者は、むしろ専門家が文化施設の運営にもっと深く関わることによって、市民が創造力を身につけ、文化の発信力を高めていくことが可能になると考える。そのためには、行政機関が民間と協働し、民間のイニシアティブを活かすような取り組みが必要である。既にいくつかの地域の公立文化施設では、民間のアートNPOとの協働による個性的な運営のしくみづくりによって地域の文化活動に関する「新しい公共性」の形成に貢献している。今後、それらの取り組みが地域の文化的なオリジナリティの涵養、文化を活かした産業育成につながることが期待される。
著者
藤崎 康彦
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.43, pp.1-18, 2009-09

これまでのベルダーシュ研究は、「ベルダーシュとされる諸個人」の(セクシュアリティに関わる)特性や︑それらの諸個人の処遇に関わるベルダーシュという制度の「社会的機能」の考察に比重がかかっていたと思われる。しかし、それらによってはベルダーシュの本質は明らかにされてこなかった。本稿では、性の本質は生殖にあるとする根本的な認識から、生殖に関与しない、あるいはそれから疎外された存在であるベルダーシュによって社会全体の豊饒性がむしろ増大すると期待されていること、すなわち生殖力に関する一種の象徴的逆転こそが「ベルダーシュという制度」の本質であることを論ずる。
著者
福田 博同
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.A95-A110, 2010-03 (Released:2010-03-15)

図書館は「読む自由」を保証するため、すべての人に電子資料を含む図書館資料を提供する義務がある。図書館は今や、その電子資料を作る主体でもある。ICT の発達により「読書権」を保証する機会は拡大したが、その利用方法もアクセシビリティに配慮する必要がある。公立図書館の利用教育において、児童や障害者へのサービスは古くから取り組まれているが、重複障害者や高齢者への取り組みは緒に就いたばかりである。そのような現状において、公立図書館での利用教育の課題を分析し、インターネットによる図書館利用教育を中心として、あるべき方向を論ずる。
著者
町田 榮
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.13-36, 2001-03-15

本稿は、直接には、青山、志賀家墓所の空想と夢想 (三)-『城の崎にて』と『佐々木の場合』(一)-『跡見学園女子大学紀要』第三十三号 (二〇〇〇年三月十五日発行) 青山、志賀家墓所の空想と夢想 (三)-『城の崎にて』と『佐々木の場合』(二)-『跡見学園女子大学国文学科報』第二十八号 (平成十二年三月十八日発行) に掲載に続く。なお、一連の志賀文学の考察に、青山、志賀家墓所の空想と夢想 (一)-墓参史の意味-『跡見学園女子大学紀要』第三十二号 (一九九九年三月十五日発行) に掲載青山、志賀家墓所の空想と夢想 (二)-慧子の誕生、死、その埋葬-『跡見学園女子大学国文学科報』第二十七号 (平成十一年三月十八日発行) に掲載がある。
著者
宮崎正浩・籾井まり 籾井 まり
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.147-163, 2009-09-15

人類の存続の基盤である生物多様性の損失が加速化している.このため,生物多様性条約(1992年)が採択されるなど,世界的に政府や市民社会の主導によりその保全への取り組みが行われているが,十分な効果は上げられていない.このため,最近では,生物多様性に依存するとともに大きな影響も与えている企業がその社会的責任(CSR)として自主的に保全活動を行うことが期待されている. 本研究の目的は,環境の持続可能性の視点から,CSRとしての企業の活動が生物多様性の保全にどの程度貢献するかについて分析し,それをより有効なものとするためのNGOや政府の役割について明らかすることである. 本研究の結果,環境の持続可能性の視点からは,生物種の絶滅リスクを高めることを防止する必要があるが,これを達成するためには,現状のような企業のCSRとしての自主的取り組みでは不十分であり,企業が生物多様性に与えている影響を定量的に評価し,その公表を法的に義務化するとともに,生物多様性のネットでの損失をゼロすること(ノーネットロス)を目標とした政府の規制や,生物多様性へ影響を与える原材料の国際取引において生物多様性に配慮し持続的な管理がされた原材料のみを適法とする法的拘束力のある国際条約の検討が必要であると結論付けた.
著者
藤田 経世
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.五九-六三, 1976-03-15
著者
岩本 憲司
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.61-113, 1990-03-20

本稿は、何休『春秋公羊經傳解詁』の日本語譯である。譯出作業はかなり進んでいるが、紙面の都合で、今囘はとりあえず、隠公の部分〔全體の約十二分の一〕を掲載する。以後、數年にわたって連載する豫定である。なお、本稿は、一九八九年度跡見學園特別研究助成費による研究成果の一部である。
著者
石田 信一
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-12, 2002-03-15

オーストリア支配下のダルマチア地方は一八六〇年代に「民族再生」と呼ばれるナショナリズムの時代を迎え、それまで明確な国民意識を持たず、しばしばコスモポリタン的態度を示していた住民の間でも、さまざまなタイプの国民形成の試みが見られるようになった。クロアチアおよびセルビアという「本国」の影響を受けつつ、同じスラヴ系住民の分化、すなわちカトリック教徒の「クロアチア人」化と正教徒の「セルビア人」化がほぼ同時に進行した。本稿では、このような時期に勃発したボスニア=ヘルツェゴヴィナ蜂起 (一八七五〜一八七八年) を取り上げ、同時代の新聞・雑誌記事および政治的指導層の書簡集等の分析を通じて、この事件がダルマチアにおける国民形成過程に及ぼした影響について再検討した。ボスニア=ヘルツェゴヴィナ蜂起はオスマン帝国からの解放を目標とするものであったが、もとより多民族・多宗教が混在する同地の帰属問題をめぐっては、クロアチアとセルビアが自国への併合を求めて争っていた。それまでクロアチアやセルビアほどに住民の国民的帰属意識が明確でなく、共通の「民族派」を組織していたダルマチアのスラヴ系住民も、「本国」のプロパガンダやメディアを通じた論争によって、クロアチア志向の人々とセルビア志向の人々に二分されるようになった。そして、蜂起終結後にセルビアへの併合を支持する正教徒指導者が「民族派」を正式に離脱して「セルビア民族党」を結成したことにより、両者の政治的分裂は決定的なものとなった。それと同時に、ダルマチアのスラヴ系住民は「クロアチア国民」あるいは「セルビア国民」という二つの異なる国民理念の下で、国民形成の新段階に入ったと考えられるのである。
著者
石田 信一
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-16, 2003-03-15

クロアチアにおける地方制度の歴史と現状を概観するとともに,とくにユーゴスラヴィア建国以降,地方制度がマイノリティ問題とどのような関わりを持ったかについて検討した。クロアチアにおける地方自治は,一九九二年に現行制度が発足した当初には多くの制約を受けており,自立性に乏しいものであったが,二〇〇一年の諸改革を経て,少なくとも制度的には自治権の拡大という方向で大いに改善された。それはクロアチアにおける伝統的な地方制度を継承しつつ,ヨーロッパ連合の基準への適合を意識した全く新しい地方制度となっている。また,マイノリティ問題についても,かつての差別的な政策が撤回され,言語・教育などの同権に向けた法的整備が進み,とくに地方レベルではそれらが着実に成果をあげている。セルビア人間題はなお未解決であるが,今後はヨーロッパ連合加盟との関わりにおいて解決がはかられると思われる。国家の統一を損なわない範囲で,いかに効果的に分権化を推進するかが,当面の課題となるであろう。
著者
内藤 歓修
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.A63-A78, 2010-03-15

自伝的小説Sons and Lovers で自らの青春時代の苦悩を描ききったD. H. ロレンスは、以後、直面している生活上の問題をテーマにして、作品を書くようになる。Sons and Lovers 後に取りかかったThe Rainbow は当時の作者の生活で解決が不可欠な重要問題である、「愛」というテーマを真正面から取り上げている。 心の底から愛し合える女性と出会うことができたら、その女性は恩師の妻であったという困難を乗り越え、結婚する。許されざる行動を正当化しようと、愛の勝利と賛歌を歌い上げるために書いた小説が本作品である。 これは親子3代に亘る、愛の姿を描いている。いずれの代も未知の世界に憧れ、それを手に入れようと努力している。最初の代の愛と結婚は、未だ自我が充分に目覚めきっていない、古き良き時代の牧歌的環境の中で描かれ、男女間で深刻な自我の闘争は生じていない。しかし、2代目の愛は壮絶な自我の闘争を引き起こす。互いに自我を主張し合い、譲ることが少ない。妻が子供を身籠もり、女性の根源的な力を誇示することによって、夫を服従させて行く。この2つの愛と結婚は一般にありがちな姿であり、さして珍しいものとは言えない。 しかし、3代目の愛の闘争になると様相は一変する。主人公Ursula は理想の男女の愛を恋人Skrebensky に求める。強烈な自我を持つ彼女は、従来の因習的な結婚を否定し、自立した自我の均衡の上に築かれた愛を求めて、彼と激しい闘争を繰り返す。どんな逆境にあっても妥協しない。最後には、心身共に傷付いた上に、求める愛を得られなかったが、再生した彼女が明日への希望を虹に見て、新たに前進して行くことが示される。 本稿では、3代の夫婦における理想の愛の探求の形を分析し、現実と理想の愛の落差に対する彼らの対応の姿を明らかにしたい。
著者
山口 豊一 吉田 香衣 石川 章子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.A61-A73, 2009-03-15

本研究の目的は、中学校教師へのインタビューを題材として、「中学校教師のチーム援助モチベーションを促進する要因は何か」を実践現場からのデータに基づいて明らかにすることである。データ収集においては、研究対象校の校長の許可を得て、第一筆者が教育相談主任、養護教諭、学級担任との半構造化面接を実施し、面接から逐語記録を作成した。データ分析においては、質的研究法の1 つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、分析は学校心理学研究者および臨床心理学専攻の大学院生2 名(第二、第三筆者)により実施された。分析の結果、15 の概念が見出され、それはさらに【Iリーダーシップ】【II組織】【III雰囲気】【IV意識】の4 つのカテゴリーにまとめられた。 結果からみると、チーム援助モチベーションの促進要因は、ハード面の《組織》およびソフト面の《リーダーシップ》《雰囲気》《意識》であることが明らかになった。そして、《リーダーシップ》が《組織》の【柔軟なチーム援助】【システムの構築】および《雰囲気》に直接的に影響を与えていた。さらに、《雰囲気》は《組織》の【役割分担によるチーム援助】に影響を与え、《意識》とは相互に影響を与えあっていた。 チーム援助モチベーションが促進されるためには、組織が整えられることは大切であるが、その組織がより効果的に機能するためには、それを動かす教師集団の雰囲気や意識が大切であることが確認された。実践現場から導かれた本研究の結果は、理論的な先行研究では十分扱われてこなかったチーム援助モチベーションの促進要因が学校組織の視点から明らかになり、現在の教育界に対応するチーム援助の特徴を示唆している。
著者
小川 功
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-18, 2009-09-15

平成22年4月本学マネジメント学部に観光マネジメント学科が新設されるのを機に,「観光マネジメント」という学科の領域全体での検討すべき新たな課題・問題意識を取り上げてみたい。地域の観光にかかわる個別企業や人物が各々どのような役割を果すことで,著名な観光資源がいかにして一流の観光地へと形成されていったのか,その際に地域全体で「観光マネジメント」がいかに推進されていったのかを,明治末期から大正前期にかけて観光資源として売り出すことに成功した奈良県・長谷寺の牡丹を素材に第一段階の試論として検討したい。同寺は一見遠く離れた寺院のようであるが,信者の分布状態を反映し東国の末寺住職が本山役僧に累進する例が多く,同寺を総本山とする豊山派本部は文京区の名刹・護国寺境内に位置し,本学文京キャンパスとも至近距離にあるという浅からぬ地縁もあり,興味深いことに旧初瀬町(現桜井市)には跡見なる由緒ある地名もあることからここに取り上げた。本稿は門前町の関係者が協議して長谷寺参詣客を飛躍的に増大させるべく,夜間点灯など一連の観光振興策を門前町が一丸となって打ち出した"観光まちづくり"の諸活動に直接・間接に関わったと思われる初瀬鉄道,鉄道院,初瀬水力電気などの関係法人と,地元旅館主をはじめとする門前町・初瀬の地域社会の指導者達という長谷寺の牡丹に貢献した人物群を順次取り上げ,かれら相互の関係を管見の限りの文献から可能な限り解明しようと試みたものである。とりわけ鉄道院旅客係に勤務していた異才の鉄道員・森永規六(後の運輸公論社主幹,多くの観光案内書や旅行趣味鼓吹雑誌を刊行)が外部から観光客誘致に尽力したという今日の「観光カリスマ」にも相当する先駆的な功績にも注目した。今後は更に必要な現地調査・資料探索を重ねて未解明部分に迫っていくとともに,来春には観光マネジメント学科に集結する各観光分野の専門家各位からお知恵とご示唆を頂いて,当該分野の研究をさらに深化させていきたい。