- 著者
-
佐々木 郁子
- 出版者
- 龍谷大学
- 雑誌
- 若手研究
- 巻号頁・発行日
- 2019-04-01
Wordsworthの自然観がエコロジーの先駆であることは、1990年代以降多くのエコクリティックにより論じられてきたが、そうした議論で農業や農地の描写はほとんど取り上げられることはない。産業革命下で環境悪化を経験したイギリス・ロマン主義の時代には、農業革命も推進されていたが、その農業は自然の喪失に拍車をかけるものでしかなかったのか、それとも持続可能な農業を予感させるものでもあったのか。本研究では、Wordsworthらロマン派の作品からそれを読み解き、農地といった人工的環境を研究対象とするための理論的枠組みを構築する。文学と農学をエコクリティシズムを用いて接続する、文理融合型研究を目指す。