1 0 0 0 OA 魚貝類の味

著者
鴻巣 章二
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.432-439, 1973-09-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
36
被引用文献数
25 34
著者
Mahmuda KHATUN Satomi EGUCHI Tomoko YAMAGUCHI Hitoshi TAKAMURA Teruyoshi MATOBA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.178-185, 2006 (Released:2007-08-25)
参考文献数
37
被引用文献数
29 39

Changes in the radical-scavenging activities and the total phenol content of sixteen spices (clove, allspice, cinnamon, nutmeg, mustard, cumin, ginger, fennel, fenugreek, black pepper, red pepper, mace, coriander, turmeric, cardamom and white pepper) were determined for different heating times (1, 3 and 6h) at 100°C. Most of the spices showed high 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl (DPPH) radical-scavenging activity (4-1353μmol Trolox eq./g), peroxy radical-scavenging activity (31-1019μmol Trolox eq./g), and total phenol content (5-1267μmol gallic acid eq./g). Clove was found to have the highest radical-scavenging activity followed by allspice and cinnamon. After heating, both DPPH and peroxy radical-scavenging activities as well as the total phenol content increased in most of the spices. A distinct increase in the activities was found in some spices such as black pepper, red pepper and turmeric. A high correlation coefficient was found between the total phenol content and peroxy radical-scavenging activity.
著者
伊藤 三郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.311-322, 1980-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1
著者
佐々木 弘子 酒井 登美子 青柳 康夫 菅原 竜幸
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.107-112, 1993-02-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3

干し椎茸の水もどしおよび加熱加工におけるγ-GT活性,香り物質であるレンチオニン量の変化について検討を加えた. (1) 干し椎茸の水もどし後のγ-GT活性の変化は,温度が高温であるほど,減少が著しく,加熱過程中においては,加熱5分後にほぼ完全に失活していた. (2) 干し椎茸のレンチオニン量は,水もどし直後では浸漬温度が高いもの程多く,低温のもの程少なかった.また10分加熱後のレンチオニンの増加の割合は水もどし温度が高いもの程小さく,低温のもの程大きかった.20分加熱時ではレンチオニンは急激に減少したが,5℃で水もどしをしたものには比較的残存していた.40分加熱時ではレンチオニンはほとんど残存していなかった.
著者
Norihito Kishimoto Ayako Kashiwagi
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.1017-1020, 2018 (Released:2019-01-16)
参考文献数
15
被引用文献数
3 10

Vegetable oils have long been used in cooking. However, repeated heating at a high temperature results in the gradual deterioration of the vegetable oils through oxidative degradation of fatty acids, leading to the formation of undesirable and irritating odors (e.g., acrolein). Linolenic acid is the main source of the acrolein formed during the heating of vegetable oils. The present study has developed a method to reduce the formation of acrolein during repeated frying with vegetable oils. Electronic nose analysis showed that the formation of acrolein from low-linolenic oil such as extra virgin olive oil (EVOO) was much lower than from a linolenic-rich oil, salad oil, when frying French fries. Blending EVOO with salad oil effectively reduced the amount of acrolein formed during repeated frying. These results suggest that EVOO can be used to reduce the formation of acrolein when repeatedly heating foods in thermosensitive vegetable oils.
著者
蟹沢 恒好 伊藤 秀一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.477-482, 1984-08-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

(1) 培養液にエタノールを添加,蒸留し,留液をガスクロマトグラフにかけることよりなるメチルケトン類の簡便な分析定量法を確立した。(2) 市販ブルーチーズよりPenicilliumに属する菌株を分離し,C. Cylindracea lipase処理した乳脂肪に作用させたところ,一様にメチルケトン様フレーバーを生成した。これら菌株の中より,有用株TK-2068を選定した。生成主要メチルケトンはC3, C5, C7, C9, C11, C13のn-2-アルカノンであった。(3) 効率よくメチルケトン類を生成させるための,基質とTK-2068株の接触方法は,まず麦芽エキス,ホエーパウダーなどを主原料とする培地に菌糸,胞子をよく形成させたのち基質を添加接触させる方法であった。(4) 天然の基質として,リパーゼ処理全乳粉末,クリーム,バターについて検討し,いずれからもメチルケトン類がよく生成されることが認められた。フレーバープロフィルは全乳からのものがよりブルーチーズ的であり,バターからのものはより純粋なメチルケトン混成物に近いフレーバーを与えていた。(5) 極端に遊離脂肪酸プロフィルの異なるCalf pregastric esterase処理全乳粉末からも,C. cylindracea lipase処理品からのものとほとんど変らないメチルケトンプロフィルが生成された。ただし全体の生成量は小さかった。(6) 合成脂肪酸混成物からもメチルケトン類は生成されたが,乳脂肪のリパーゼ処理物を基質とした場合に比べ,生成量は少なく,かつそのプロフィルにもかなりの差が見られた。
著者
真鍋 勝 松浦 愼治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.275-279, 1972-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1 7

みそ仕込みの時点にアフラトキシンが混入していた場合,みそ醸造中にはたしてアフラトキシンが分解されるか否かについて検討を加えた。(1) みそ醸造中のアフラトキシンの分解を調べる場合の基礎的実験として,水素イオン濃度の違いによるアフラトキシンの分解を調べた結果,アフラトキシンB1, G1ともにpH 4~5の範囲で安定であり,pH 1とpH 9~10でよく分解していた。pH 1~3においては,アフラトキシンB1とG1はそれぞれアフラトキシンB2aとG2aに変わることがわかった。(2) 全国各地より集めた種々のタイプのみそ95点についてpHを調べた結果,大部分がpH 4.6~5.4の間に入っており,水素イオン濃度によるアフラトキシンの分解は考えられないことがわかった。(3) みそ醸造中の添加したアフラトキシンの分解試験結果では,アフラトキシンB1とG1は醸造の初期に分解が認められるが,その後の分解は少なかった。またアフラトキシンB2とG2については,ほとんど分解が認められなかった。以上のことより,みその仕込み段階にアフラトキシンが混入した場合,みその醸造中には完全に分解されることはないことがわかった。
著者
石井 智恵美 鈴木 敦子 倉田 元子 表 美守
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.984-987, 1990-12-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
22
被引用文献数
2

アントシアニン色素の熱安定性を明らかにするため,ナス果皮の凍結真空乾燥粉末およびこの粉末より0.1%塩酸-メタノールで抽出した粗色素液を用いて検討した.色素抽出液のアントシアニンの熱分解は50℃と60℃で,また凍結乾燥粉末のそれは100℃, 120℃で行い,経時的なアントシアニンの残存率を測定した.得られた結果はアントシアニンの分解の速度論的データ(k, 4△G≠, Ea, △艾H≠, △S≠)を用いて示した.1) 0.1%塩酸-メタノール液中の総アントシアニンの褪色は,熱安定性を検討する上で変化が明確であり再現性も良い.特にナスニンは光の影響を受けにくかった.2) 凍結真空乾燥粉末を用いた場合は, 100℃, 120℃加熱とも60分までは総アントシアニン残存率,反応速度とも大きな変化が見られなかった.加熱時間が120分になると, 120℃加熱において速やかなナスニンの分解が観察された.
著者
五十嵐 喜治 吉田 哲哉 鈴木 恵津子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.138-143, 1993-02-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
29 40

長者ナス(小ナス)から単離したナスニン,および他の2~3のアントシアニン色素が,リノール酸-リポキシダーゼによるβ-カロチンの退色,およびリノール酸の自動酸化に及ぼす影響について,それぞれ,カロチン退色法,ロダン鉄法を用いて検討した.pH 7においてカロチン退色法で測定した抗酸化効果はナスニンで最も強く,次いで,マルビン,ルブロブラッシンの順であった.pH 2.8においてロダン鉄法で測定した抗酸化効果も同じ傾向を示した.また,抗酸化効果はアグリコンのディルフィニジン,マルビジンおよびシアニジンにも認められたが,後2者の活性はそれらの配糖体と大差がなかった.ナスニンはディルフィニジンに比べて高い活性を示した.この結果はリノール酸の自動酸化系におけるナスニンの強い活性にそのp-クマール酸部分が関わっている可能性を示した.
著者
香西 みどり 島田 淳子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.360-364, 1985-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
14 10

ジャガイモ煮熟時の最適加熱時間を予測する方法を開発することを目的とした。(1) 軟化の官能評価に良く対応するテクスチュロメーターの硬さを軟化のパラメーターとした。軟化率xは以下のように表わした。y0:硬さの初期値;ye:硬さの平衡値;y:硬さの測定値(2) 軟化は1次の速度式に従い,速度定数kは次式によって示された。k=7.49×1019exp(-1.74×104/T) [min-1]T:絶対温度(°K)(3) 試料の中心から表面までの距離の0.55倍の位置を全体の代表点とし,その位置で軟化率が0.9となる時間を最適加熱時間としたところ,官能評価と良く一致した。更に,0.2~5cm立方のジャガイモ試料を仮定し最適加熱時間と大きさの相関を調べると次式が得られた。Θ=0.98LL2+0.67L+6.15Θ:最適加熱時間(min);L:立方体の1辺の長さ(cm)である。この式で求めたθはL=1~4.6cmの範囲で官能評価と良く一致した。
著者
瓜谷 郁三 バイロン グレイシア L サモンテ ジョセフ L アルバレ アンへリーナ M アルマリオ メリーアン R フローレス ドゥルセ M メンドーサ エヴェリンメイ T ガルシア バーヒリオ V
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.730-736, 1990

バナナつぼみ中のポリフェノール成分は主要成分としてフラバナンタンニン(縮合型タンニン),副次成分としてカテキン,そのオリゴマー,ドパミン及びドパから成っていた.数品種のつぼみのうち,調理用バナナである'サバ'品種のつぼみにおいて,フェノール全量やバニリン陽性フェノール量は最も少なかった.ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)活性の品種間差異は著しくはないが,つぼみ中の部位による差は顕著であり,又その活性は果実の場合よりもかなり大きかった.つぼみのPPO活性は, 0.13M食塩で約20%抑制された.なおフィリピンにおいて,'サバ'品種つぼみを加熱・調理する際に,その薄片に約10%(1kg当り約1.71M)の食塩を加え,汁液をしぼりとるが,これは食塩によりPPO活性を抑制して加熱後の色を鮮やかな淡赤色にするためであり,他には食塩添加により膨圧を失わせ,渋味・苦味の原因となるポリフェノ―ルを除くためであることが分かった.他の品種の場合には,食塩添加,搾汁,加熱によっても渋味・苦味は十分に除去されなかった.
著者
山中 美穂 大田 忠親 福田 哲生 西山 一朗
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.491-494, 2004-09-15
被引用文献数
1 8

マタタビ属果実の品種/系統特性ならびに有効な利用法を検討するため,果汁中に含まれるアクチニジン濃度およびプロテアーゼ活性について調査を行った.用いた12品種/系統のうち,'さぬきゴールド'および'Ananasnaya'では,主要な経済栽培品種である'ヘイワード'と比較して,アクチニジン濃度やプロテアーゼ活性が有意に高値を示した.一方,'ファーストエンペラー','ティアドロップ'および'紅鮮'の果汁では,アクチニジン濃度やプロテアーゼ活性が有意に低値を示した.特に'紅鮮'果汁のプロテアーゼ活性は,'ヘイワード'のわずかに13%であった.
著者
Khwanjai KLINCHONGKON Bussaraporn INTIM Neeranuch MILASING Pramote KHUWIJITJARU
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
pp.FSTR-D-21-00191, (Released:2021-12-09)

Fructose is widely used in food and beverage industries as a sweetener. In this study, solubility data of fructose in aqueous ethanol (50, 60, 70, 80, and 90 % w/w) at 25, 35, and 45 C were experimentally investigated. With the increase in the ethanol concentration the solubility decreased while with the increase in temperature the solubility increased. Dissolution enthalpy was determined according to the van’t Hoff plot. It was found that the enthalpy linearly increased with the ethanol concentration. Additionally, an empirical solubility model was developed to estimate fructose solubility and validated with literature data. The model gave different root mean square errors (RMSE) for different sets of literature data, but overall, the model can estimate the solubility of fructose (mass fraction) with relatively high accuracy with RMSE of 0.056.
著者
金沢 和樹
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, 2008-04-15

フコキサンチンは,炭素数40のイソプレノイド構造を骨格とするテトラテルペン類で,自然界に600種類余り存在するカロテノイドの一つである.カロテノイドのうち,化学構造に酸素を含むものをキサントフィルと細分類するが,フコキサンチンは褐藻が特異的に生産するキサントフィルで,1914年に発見,1969年に化学構造が決定された(図1).よく知られているキサントフィルに鮭のアスタキサンチン,マリーゴールド色素のルテイン,柑橘のβ-クリプトキサンチンなどがあり,いずれも鮮やかな黄色から橙色なので,古くから食品の着色料として利用されているが,フコキサンチンも鮮橙色である.<BR>褐藻は日本人が好んで食する海藻である.フコキサンチン含量は,生褐藻の場合,新鮮重100gあたりおおよそ,コンブ19mg,ワカメ11mg,アラメ7.5mg,ホンダワラ6.5mg,ヒジキ2.2mgである.日本人は干し海藻にすることが多いが,乾物にするとコンブ2.2mg,ワカメ8.4mg,他は検出限界以下となる.つまり酸化に不安定であるが,これは化学構造にアレン結合があるためと考えられている.褐藻を餌とする貝類のカキやホヤもフコキサンチンを多く含み,さらにアレンが安定なアセチレンとなったハロシンチアキサンチンを含んでいる.<BR>注目を浴びているフコキサンチンの生理機能の一つは発がん予防作用<SUP>1)2)</SUP>である.フコキサンチンがヒト前立腺がん細胞にアポトシースを誘導する作用は,カロテノイド類の中ではもっとも強い.また,結腸がんモデル動物に経口投与すると,前がん病変形成を有意に抑えた.作用機序は,p21<SUP>WAF/Cip1</SUP>というタンパク質の発現を促すことで,その下流のレチノブラストーマタンパク質をリン酸化するサイクリンDとキナーゼ複合体の活性を阻害し,レチノブラストーマタンパク質からの転写因子E2Fの遊離を抑えることであった.結果として,腫瘍細胞の細胞周期をG<SUB>0</SUB>/G<SUB>1</SUB>期で停止させ,腫瘍の増殖を抑えた.<BR>もう一つは宮下和夫らによる興味深い発見,肥満予防効果<SUP>3)</SUP>である.食餌フコキサンチンは,白色脂肪細胞に,ミトコンドリア脱共役タンパク質1の発現を促す.このタンパク質は,本来はATP生産に用いられるミトコンドリアの電気化学ポテンシャルを体熱として放出させる.結果としてフコキサンチンは,脂肪細胞の脂肪を体熱として消費させることで肥満を防ぐ.<BR>フコキサンチンは栄養素ではなく非栄養素である.栄養素は体内に加水分解吸収されて肝臓でエネルギー代謝されるが,非栄養素は加水分解吸収後,まず小腸細胞内で代謝を受ける.小腸細胞内代謝で官能基がグルクロン酸や硫酸抱合を受け,生理活性を示さない化学形態となり,多くは管腔側に排泄さる.したがって,非栄養素がヒト体内で機能性を発揮するか否かは,小腸細胞内でどのような代謝を受けるかによる.フコキサンチンの体内吸収率は数%であるが,小腸細胞吸収時に図1の右環のアセチル基がアルコールのフコキサンチノールに加水分解されるだけで体内吸収される.体内では一時的に脂肪細胞にとどまり,数十日ほどの体内半減期で尿に排泄される.また一部は肝臓で,左環がアマロシアザンチンAに代謝される.長尾昭彦らによると,この2つの代謝物が生理活性の本体である.フコキサンチンを生昆布量に換算して日に100kgを4週間与えても,その動物に異常は認められていない.他のキサントフィルにも過剰摂取毒性は今のところ報告されていない.フコキサンチンなどのキサントフィル類による,ヒトの生活習慣病予防に大きな期待が寄せられている.
著者
佐伯 明比古
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.191-198, 1990-03-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2 11

固定化酢酸菌の食酢製造の工程に利用し,製造期間の短縮および生産効率の向上を図ることを目的として,アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の固定化条件および流動層型カラムリアクターを用いた連続酢酸発酵条件について検討し,次のような結果を得た. (1) アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の最適固定化条件は,最終アルギン酸ナトリウム濃度1.0~1.5%,塩化カルシウム濃度2~3%,ゲル直径1.1~1.5mmであった, (2) 固定化酢酸菌による連続発酵では,希釈率0.32h-1の時,酢酸生産速度は最大となり7.2g/(l・h)であり,従来法と比較すると生成酸度と生産速度はともに2倍となった. (3) 固定化酢酸菌による連続発酵では,リアクターを二槽式とすることにより,単槽式よりも効率的に食酢を生産することができた.