著者
古賀 邦正
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.311-324, 1979-07-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
88
被引用文献数
2 2
著者
田中 芳一 東 敬子 平田 孝
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.463-466, 1985-07-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18

市販の無菌調製豆乳を,5, 25, 37℃にて0~2ヵ月保存したときに生成される揮発性物質を,GC,およびGC-MSで分析した。その結果,アセトン,n-ペンタンを含む14種類の揮発性物質を検出し,同定した。このうち,アセトアルデヒド,アセトン,n-ペンタン,n-ヘキサナールは豆乳の保存温度,保存期間に高い相関性をもって増加していた。アセトンとn-ペンタンの増加は特に著しく,豆乳を37℃で2ヵ月保存するとアセトンは約15倍,n-ペンタンは約17倍に増加した。アセトンは揮発性物質中に占める量も多いので,この無菌豆乳の品質評価指標として有効であることを示唆していた。次に,アセトン,およびアンモニアを指標として無菌豆乳のシェルフライフについて検討した。
著者
堀内 久弥 柳瀬 肇 谷 達雄 桜井 純一 加藤 欽一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.206-212, 1972-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
14

国内産米の過剰対策の一つとして米の輸出がとり上げられ,東南アジア諸国民の嗜好に適合させるために,国内産玄米を原料として精麦工場でパーボイル加工することを試み,独自の製造法を設定した。工程の中心は容量1トンの精麦用圧扁機の予熱塔を利用する蒸熱段階で,続いて同型の予熱塔に下から圧搾空気を吹上げるように改修して,水分20%までの初期乾燥が効率よく遂行できた。仕上乾燥には効率のよい乾燥機の導入が必要であるが,とう精は一般の精麦用研削式とう精機と研磨・除糠用に噴風式精米機を加えれば充分である。パーボイル加工により粒質が硬化し,日本米の粒質をインド型米に近づけうることを,炊飯特性,アミログラフィーなどの品質測定から確認した。またパーボイルドライスに混在する心白状粒の生成が未熟粒に基くことを明らかにした。
著者
橋本 俊郎 木村 宏忠 高橋 清
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.255-259, 1985-04-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
11

大豆から熱水抽出して得られる豆乳に,清酒酵母,ワイン酵母およびパン酵母を作用させ,豆乳臭のない大豆蛋白カードを製造した。(1) 清酒酵母を接種し培養させることにより,2%グルコースを補糖した牛乳,脱脂乳は凝固しなかったが,同条件で,豆乳は凝固,カード化した。(2) 清酒酵母,ワイン酵母およびパン酵母によって,豆乳から得られたカードは,いずれも蛋白質の凝固率86~88%,粗脂肪の凝固率100%と,他の豆乳関連食品(豆腐など)に類似していたが,淡白な味と不快でない発酵臭を有していた。(3) 豆乳に接種した清酒酵母は,アルコールと共に酢酸,コハク酸,リンゴ酸を生成し,これらの有機酸が豆乳蛋白質の凝固に主要な役割を果していると推定した。
著者
黒河内 邦夫 大日方 洋 松橋 鉄治郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.254-256, 1980-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
2

そば粉対小麦粉配合比〔90:10〕および〔50:50〕の粉に,活性グルテンを5%または10%添加してそば切りの製造試験を行った。そば粉配合比率の低いほど,活性グルテン添加率の高いほど製めん加工性は良く,標準ゆで時間(ゆでそば切りの水分が72%になるゆで時間)が長くなり,標準ゆで時間におけるゆで溶出率は低下した。そば粉対小麦粉配合比〔90:10〕で活性グルテン無添加のものは,つながりが悪く,通常のそば切りの形態に加工できなかった。しかし,活性グルテン5%添加のものは,つながりがかなり良くなり,とくに,活性グルテン10%添加のものは,そば粉対小麦粉配合比〔50:50〕で活性グルテン無添加のものとほとんど同程度の製めん加工性を示した。
著者
円谷 悦造 柴田 邦彦 川村 吉也 正井 博之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.387-392, 1981-07-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
7

細菌類,11菌株,酵母類,4菌株,カビ類,4菌株を用いて食酢の試験管内での殺菌力に及ぼす,糖類,糖アルコール類,無機塩類の効果を調べ,更に,合せ酢(甘酢,二杯酢,三杯酢)の殺菌力を比較した。その結果以下の知見が得られた。(1) 細菌類,酵母類,カビ類各々に対して異った結果が得られた。すなわち,食酢の殺菌力は,細菌類に対しては,ブドウ糖により弱められ,塩化ナトリウムにより強められ,酵母類に対しては,ブドウ糖及び塩化ナトリウムにより弱められ,カビ類に対しては,ブドウ糖により強められ,塩化ナトリウムにより弱められる傾向があった。(2) 一部の例外を除き,試験した糖類,糖類アルコールはブドウ糖と同様に,また,無機塩類は塩化ナトリウムと同様に作用した。(3) 合せ酢の細菌類に対する殺菌力も(1)の結果と一致した傾向を示し,その殺菌力は二杯酢,三杯酢(食酢),甘酢の順で弱まった。一方,醤油を使用した合せ酢では,pHの上昇が一要因となり,その殺菌力は(食酢),甘酢,二杯酢,三杯酢の順で弱まった。
著者
松山 惇 平田 秀樹 山岸 努 林 恵一 平野 優子 桑田 紀代美 清澤 功 長澤 太郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.887-893, 1992-10-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
7 17

ビフィズス菌の単独培養,または乳酸菌との混合培養による発育性ならびに大豆オリゴ糖の資化性について観察した.(1) 豆乳中におけるビフィズス菌の発育性について,24時間培養後のpHは,いずれの菌も4.53~4.76まで低下し,酸度は, 0.67~0.90%まで上昇した.また,培養20時間後の菌数は,いずれの菌種も10 3個のオーダーで増加し,豆乳中におけるビフィズス菌の増殖性はきわめて良好であった.(2) B. breveおよびB. longum とL. acidophilusとの混合培養では,ビフィズス菌数,生酸性は単独培養時のそれらを上回ったが,L. acidophilusの菌数は単独培養時のそれよりも低い傾向を示した.(3) ビフィズス菌による豆乳中のガラクトオリゴ糖の資化性は,特にスタキオースに対して優れていた.また,生成したグルコースは発酵に利用されたが,フルクトースおよびガラクトースは蓄積される傾向がみられた.(4) スクロース,ラフィノースまたはスタキオースを添加したMGLP培地において, B. breveの発育性は,スタキオース添加培地で優れていた.さらに,これらの糖を2種類または3種類含有する培地では,後者の方が良好な発育性を示した.
著者
伊藤 均 佐藤 友太郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.401-407, 1975-08-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
11
被引用文献数
1

キノコ類の人工栽培には,鋸屑と米糠その他の栄養素を混合調製した培養基を用いている。これらの人工培養基はあらかじめ殺菌処理してから種菌を接種することが必要である。従来の加熱処理法は熱の伝導が不均一のため処理時間が長く,培養基が変質しやすいなどの欠点がある。そこで,本研究では加熱処理法に変わる電離放射線処理法を試みた。すなわち,非照射区のオガクズ培養基ではヒラタヶ菌糸の生育は完全に阻害されるか若干認められる程度だった。0.5, 1.0, 2.0 Mradと照射された培養基では各線量区とも菌糸の生育は活発であり,20℃,約20日の培養でキノコ菌糸は培養基全面をおおった。そして加熱処理したものより菌糸の生育は活発だつた。オガクズ培養基の主要変敗菌はCitrobacterとFusariumであり,両菌種とも0.5 Mrad照射で殺菌され,照射後の残存フローラを構成するBacillusや酵母菌類の増殖はキノコ菌糸の生育に対し阻害作用を示さなかつた。
著者
Yayoi Miyagawa Hiroyuki Fujita Shuji Adachi
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.111-118, 2020 (Released:2020-03-08)
参考文献数
14

Mayonnaises and dressings are preferred seasonings, and a variety of such products are available on the market. Six mayonnaises, three salad creamy dressings, one oil-in-water (O/W) type semisolid dressing, and one water-in-oil-in-water (W/O/W) type semisolid dressing, all of which are commercially available, were frozen at −20 °C, −23 °C, −25 °C, −28 °C, and −80 °C for specified time periods and then thawed at about 25 °C. The changes in temperature of the mayonnaises and dressings during freezing and thawing depended on their types. Oil-water separation was observed after thawing for all mayonnaises, except when rapidly frozen at −80 °C. Up to 60% of the oil phase contained in the dressings separated after thawing, suggesting that thickeners added to the aqueous phase partially suppressed the oil-water separation. The temperature changes and oil-water separation behaviors of the W/O/W type semisolid dressing were similar to those of the mayonnaises.
著者
Rocio Cancino-Vázquez Miguel Salvador-Figueroa Emilio Hernández-Ortiz Julieta Grajales-Conesa Alfredo Vázquez-Ovando
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.59-64, 2020 (Released:2020-03-08)
参考文献数
32
被引用文献数
4

Sensory descriptors of mango ‘Ataulfo’ treated with dose of γ-rad (Cobalt 60) of 0, 0.15, 0.30, and 0.45 kGys were evaluated. Eight trained panelists evaluated eleven sensory descriptors, three on taste, four on texture and four on odor. Judges found significant differences (P < 0.05) for sweetness, sourness, astringency, juiciness, firmness, mango odor and honey odor in at least one treatment. The principal component analysis revealed a positively association between juiciness, mango odor, and honey odor with the irradiation dose of 0.30 kGy, besides the positively association between creaminess and the irradiation dose of 0.15 kGy. Any descriptors were influenced clearly by the radiation with dose at 0.45 kGy. Dose of 0.15 kGy of radiation can be used as phytosanitary treatment without substantially affecting the sensory properties of mango ‘Ataulfo’.
著者
Jie CAO Wei CHEN Ying ZHANG Yuqiu ZHANG Xiujuan ZHAO
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.395-402, 2010 (Released:2010-11-17)
参考文献数
21
被引用文献数
22 55

The objective of this work was to quantify the potential anticancer flavonoids (quercetin, kaempferol, isorhamnetin, apigenin and luteolin) by a rapid, reliable and accurate reverse phase high performance liquid chromatography (RP-HPLC) among 100 edible vegetables and fruits commonly consumed in Harbin city, China. The predominant flavonoids found in the largest abundance in all of the analyzed foods were kaempferol, followed by luteolin and quercetin. The maximum content of quercetin, kaempferol, isorhamnetin, apigenin, luteolin and total flavonoids in foods amounted to 379.7±19.7mg kg-1, 482.0±21.0mg kg-1, 333.6±14.4mg kg-1, 139.3±5.2mg kg-1, 179.5±10.6mg kg-1 and 853.0mg kg-1 fresh weight (FW), respectively. Potherb mustard, lettuce (red), toona leaf, celery leaf, garlic, garlic stalk, apple, date, ginger (with peel) and radish leaf (red root, small) were major food sources of flavonols and flavones. This study contribute to the establishment of China's flavonoid database and provide a basis for the assessment of the daily flavonoid intake.
著者
田尻 尚士
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.596-604, 1982-10-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1 3

太もやし栽培の改良を目的として,ダイズ,リョクトウ,アズキを用いてエチレンガスの間欠的,短時間処理を行い,その効果を検討した。エチレン濃度は,10, 50, 100ppmに設定,発芽床投入後12時間より始めて栽培7日間,毎日60分間通気中に混入して処理を行なった。エチレン処理は,豆類もやしの生長,品質に大きな影響を与えた。100pmm区では各豆類もやしとも,はい軸部の伸長は抑制され,硬化して繊維質化する傾向があり,側根の発生,および,伸長が著しく,色調も黄色化が明白でかなり品質は劣化した。はい軸部の肥大は著しく増大し,ダイズもやしでは市場取引標準からみて過度となった。重量増加とビタミンC含有量の増加は最も促進された。一方,50ppm区では,はい軸部の伸長,肥大は適度に促進され,重量増加率も高く,ビタミンC含有量も相当増加し,黄色化や硬化は実際上問題とならない程度であった。側根の発生や伸長が促進されたが許容量範囲内であったが,10ppm区でもほぼ同様の効果がみられたが,その程度は50pmm区より劣った。収穫は,はい軸部の生長が市場取引標準に合致し,ビタミンC含有量がピークに近づく頃で,黄色化,硬化,側根生長が顕著になる前が最適であり,総合的には,ダイズ,リョクトウもやしではエチレン処理50ppm栽培で3~4日,アズキもやしは4~5日となり,通常栽培法より各豆類もやしとも2~3日栽培日数は短縮された。以上の結果から,豆類もやしの栽培にあたり,50ppmエチレンガスを間欠的に短時間処理すれば,物性度がすぐれ,ビタミンC含有量の豊富な太もやしの生産が可能であり,同時に栽培日数も短縮され,経済的に有利な方法になると思われる。
著者
重松 洋子 下田 満哉 筬島 豊
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.768-777, 1994 (Released:2009-04-21)
参考文献数
21
被引用文献数
8 10

エーテル:イソペンタン(6:4)を抽出溶媒とするポラパックQカラム濃縮法により,実際に我々が紅茶を入れるのとほぼ同じ条件で紅茶の香りを抽出・濃縮し得ること,このようにして得られたにおい濃縮物は減圧連続蒸留抽出(SDE)法で得られたムレ臭と強烈な渋いにおいを呈する濃縮物とは官能的にも化学的にも大きく異なることを明らかにした.1. hexanol, hexenol, linaloolおよびgeraniolは,カラム法に比べてSDE法で数倍検出された.一方,α-terpineolおよびnerolは, SDE濃縮物でその含量が顕著に低かった.2. SDE法では,リノール酸やリノレイン酸の酸化により生ずる各種の鎖状アルデヒドおよびbenz-aldehyde含量が顕しく高かった.3. 鎖状のケトン類はSDE濃縮物で高含量を示したが, 2, 5-pyrolidinone誘導体およびβ-ionone誘導体は逆にカラム法で高含量を示した.4. 7種類のラクトン化合物は,いずれもSDE操作中に激減あるいは消滅することが明かとなった.におい濃縮法の違いにより,フレーバーインデックスは2.63(カラム法)から1.22(SDE法)に減少し,濃縮物のにおい特性に決定的な影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
Yoshiaki MIYAKE Kanefumi YAMAMOTO Yasujiro MORIMITSU Toshihiko OSAWA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology International, Tokyo (ISSN:13417592)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.48-53, 1998-02-25 (Released:2009-08-14)
参考文献数
18
被引用文献数
25 31

We investigated the antioxidative flavonoid glycosides in the peel extract of lemon fruit (Citrus limon). Six flavanon glycosides: eriocitrin, neoeriocitrin, narirutin, naringin, hesperidin, and neohesperidin, and three flavone glycosides: diosmin, 6,8-di-C-β-glucosyldiosmin (DGD), and 6-C-β-glucosyldiosmin (GD) were identified by high-performance liquid chromatography (HPLC) analysis. Their antioxidative activity was examined using a linoleic acid autoxidation system. The antioxidative activity of eriocitrin, neoeriocitrin and DGD was stronger than that of the others. Flavonoid glycosides were present primarily in the peel of lemon fruit. There was only a small difference in the content of the flavonoid glycosides of the lemon fruit juice from various sources and varieties. Lemon fruit contained abundant amounts of eriocitrin and hesperidin and also contained narirutin, diosmin, and DGD, but GD, neoeriocitrin, naringin, and neohesperidin were present only in trace amounts. The content of DGD, GD, and eriocitrin was especially abundant in lemons and limes; however, they were scarcely found in other citrus fruits. The content of flavonoid compounds in lemon juice obtained by an in-line extractor at a juice factory was more abundant than that obtained by hand-squeezing. These compounds were found to be stable even under heat treatment conditions (121°C, 15 min) in acidic solution.
著者
児島 雅博 村瀬 誠 戸谷 精一 杉本 勝之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.471-476, 1992-06-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
19
被引用文献数
8 6

手延べ麺と機械麺のグルテンの組織構造の差異を走査型電子顕微鏡によって検討した.α-アミラーゼ処理によって,澱粉粒の一部を除去することで,乾麺のグルテン組織は容易に観察できた.(1) 手延べ麺表面では繊維状になったグルテン組織が延伸方向に配向し,澱粉粒の一部が,この繊維状のグルテンによって保持されていた.一方,縦断面では,グルテンの澱粉粒を覆っていたと思われる帯状の構造が認められた.(2) 機械麺表面では規則的な組織構造は認められなかった.縦断面では,グルテンは澱粉粒を包み込むような球面状の構造を呈していたが,延伸方向に対する配向性は認められなかった.(3) ゆで麺を同様に処理して観察した結果,ゆで処理によってグルテンは若干膨潤するものの,手延べ麺のグルテンの繊維性,配向性及び機械麺のグルテンの球面状構造が認められ,乾麺でのグルテンの組織構造はゆで後においても保持されていることが明らかになった.従って,麺の組織構造は乾麺をα-アミラーゼ処理して観察することが適当と考えられた.
著者
Norihiro Yamada Yasushi Kokean Kazunobu Tsumura
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.751-754, 2019 (Released:2019-10-24)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Ginger rhizome contains a number of proteases that possess milk clotting activity. It has been revealed that ginger rhizome juice acts as a coagulant to form milk gels. In this study, we investigated the gel forming conditions of soymilk using ginger rhizome juice. Soymilk gels were prepared by incubating a mixture of soymilk (prepared at different conditions) and a lyophilized powder suspension of ginger rhizome juice at 60 °C for 60 min. The strength of soymilk gels increased when the raw soymilk was heated above 90 °C prior to mixing with the ginger rhizome juice. At a high gel strength, decomposition of the glycinin fraction in soymilk was observed with SDS-PAGE analysis. These results suggest that decomposition of the glycinin fraction in soymilk plays an important role in gel formation.
著者
Susu Zhang Ling Zhang Shujie Wang Yajun Zhou
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.529-538, 2019 (Released:2019-09-26)
参考文献数
40
被引用文献数
7

The objective of this study was to compare the effect of papain, bromelain, kiwifruit protease, ficin and ginger extract with different concentration (0, 20, 40, 60, 80, 100 U/g) for improving the quality properties of beef rump steaks. The pH, cooking loss, Warner–Bratzler shear force, texture, colour, myofibrillar fragmentation index (MFI), collagen heat solubility, content of soluble protein (CSP), electrophoresis and sensory evaluation are invested. The result showed that all of plant-origin proteases and ginger extract can improve quality characteristics of rump steaks, and ginger extract was found to be the most effective at reducing cooking loss and contributing to the desirable red color and sensory properties, while papain and bromelain were found to be the most effective at decreasing Warner–Bratzler shear force. Ginger extract can be applied in the industrial scale and household level as a convenient and effective method to improve meat qualities. Furthermore, high-quality rump beef steaks at a keen price would be more available for Chinese consumers.
著者
Tetsuo TAKENAKA Takashi MURAYAMA Tadasu FURUSHO Yoko TAKENAKA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.541-546, 2009 (Released:2009-12-22)
参考文献数
16
被引用文献数
4 5

The effect of the ACE inhibitor nicotianamine (NA), from soybean broth (SB), on blood pressure was investigated in spontaneously hypertensive rats (SHR) upon single and long-term administration. The IC50 value of NA from SB was 0.69 μmol/L. Single oral dose of NA (0.9 mg, 4.5 mg and 9.0 mg/kg body weight) decreased blood pressure 1 h after administration, and blood pressure returned to the control level 3 h after administration. Long-term oral dose of NA (0.9 mg and 4.5 mg/kg body weight) decreased blood pressure for 4 weeks after administration, while that of NA (9.0 mg/kg body weight) was decreased for the full 8-weeks feeding period. At 8 weeks after administration, serum NA content in SHR was determined by amino acid analyzer and revealed that NA was not detected in the blood of SHR (0.9 mg and 4.5 mg/kg body weight group), while 32.6 ± 7.3 μg/dL NA was detected in the 9.0 mg/kg body weight group. It was suggested that NA absorbed from the intestine decreased the systolic blood pressure (SBP) in SHR, and an appropriate NA level (9.0 mg/kg body weight group) may provide long-term antihypertensive effects upon administration.
著者
柴田 茂久
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.210-218, 1988-03-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
35
被引用文献数
5 8
著者
梶浦 一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.31-33, 1972-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

The low temperature injuries were studied in white peach "Okubo" fruits, in relation to temperatures and the delayed storage. Fruits ripened in 7-9 days at 20°C, 17-21 days at 10°C and the ripening was suppressed at 2.8°C. More injuries developed at 2.8°C than at 1°, and 10°C, and the development of injuries was reduced by the delayed storage. Fruits seemed to be more susceptible to low temperature injuries at 3-5°C than at 0-1°C. The best storage conditions seemed to be in the delayed storage at 0-1°C.