著者
原 正美 長谷川 俊史 松原 知代 山口 公一 百瀬 希美 古川 漸
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.155-160, 2013-04-25 (Released:2016-01-29)
参考文献数
3

Regardless of the consumption of the same amount of allergen-related foods, allergens were detected in some breast milk samples while not in the others. Breast milk is a secretory fluid. Therefore, concentrations of secretory fluid could potentially be linked with the concentration of allergens in the breast milk. Thus, the total protein and the levels of one particular protein, lactoferrin, in the breast milk were measured.The concentration of ovalbumin in breast milk was measured using an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) kit, previously reported by us. The limit of ovalbumin level in breast milk is 312ng/ml. The Lowry method was used for measuring the total protein. A Lactoferrin Human ELISA Kit was used to measure the lactoferrin levels.Therefore, we investigated cases wherein the level of ovalbumin was below or above 312ng/ml. We found no significant difference when we compared the total protein level between breast milk with ovalbumin below 312 ng/ml and that above 312ng/ml.When we compared the lactoferrin level between breast milk with ovalbumin below 312ng/ml and that above 312ng/ml, a significant difference was observed.Consequently, if the ovalbumin level in breast milk is >312ng/ml, the lactoferrin level is high, while if the ovalbumin level is <312 ng/ml, the lactoferrin level is low (P<0.01).When evaluating the concentrations of ovalbumin in breast milk, the lactoferrin levels might be used as the point of reference.
著者
坂本 謙司 森 麻美 中原 努 石井 邦雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.1, pp.22-26, 2011 (Released:2011-01-10)
参考文献数
84

網膜色素変性症は中途失明の3大原因の1つであり,本邦では緑内障,糖尿病網膜症に続いて中途失明原因の第3位を占めている.網膜色素変性症の原因は遺伝子の変異であり,常染色体劣性遺伝型を示すことが多い.網膜色素変性症の患者においては,網膜の視細胞および色素上皮細胞の広範な変性が認められ,自覚症状としては,初期には夜盲と視野狭窄が,症状が進行し40歳を過ぎた頃から社会的失明(矯正視力約0.1以下)に至る.しかし,本症の進行には個人差が大きく,中には生涯良好な視力を保つ患者も存在する.現在,人工網膜,網膜再生,遺伝子治療および視細胞保護治療などに関する研究が進められているが,本症の治療法は全く確立されていない.本総説では,代表的な網膜色素変性症の原因遺伝子と,それらに対応する動物モデルを概説し,さらにそれらの動物モデルを用いて得られた新たな治療法の開発の現状について紹介する.
著者
新美 亮輔 山田 真也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.94-104, 2020
被引用文献数
2

<p>Faces and clothing are clues to interpersonal perception. However, it is not known whether perceptions of faces and clothing are interacting with each other. We examined the effects of facial attractiveness on subjective ratings of clothing attractiveness. Participants were shown pictures of a person wearing a T-shirt in which the faces and shirt designs were manipulated. The faces were either male or female, attractive or unattractive. Participants were instructed to rate the attractiveness of the shirts, not the faces. Nevertheless, attractive female faces increased shirt attractiveness ratings, irrespective of the participant's gender. Attractive male faces only slightly increased shirt attractiveness ratings. Gender differences and individual variability in visual attention were not responsible for these effects. The current results more likely reflect social or cultural factors, such as the higher priority placed on female facial attractiveness than male facial attractiveness in today's society.</p>
著者
薩本 弥生 手塚 香代
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.701-709, 2005

本研究では, 着装シミュレーションソフトを使用して着用者の顔の印象が着装イメージに与える影響について検討した.顔の印象により, 服のみの状態とで着装イメージに違いがあるか, また, 被験者の性別やファッションへの関心度, 着用者との親しさの度合いによって評価に違いがあるか検討した.横浜国立大学の学生86名を対象に6種の服に関して「服のみ」, 着用者の「顔つき着装イメージ」の各々について形容詞対を用い7段階SD法による官能評価を行った.<BR>因子分析の結果, 「服のみ」では「性別と時代性の因子」・「年齢性と明るさの因子」・「装飾性の因子」の3因子が抽出され「モデルの顔つき着装イメージ」では「年齢性と装飾性の因子」・「似合う評価の因子」・「性別性の因子」の3因子が抽出された.両者を比較すると, 「モデルの顔つき着装イメージ」には「服のみ」の着装イメージの基本因子に「似合う評価の因子」が加えられていることが分かる.「着装イメージ」の因子負荷量に着目し「着装イメージ」の評価に影響する因子を検討したところ, 当初の予測に反してモデルとの面識の度合いの着装イメージへの影響や, ファッション関心度による着装イメージへの影響は見られなかった.一方, 顔の印象により着装イメージの評価が異なる場合があることがわかった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.967, pp.46-48, 1998-11-23

今年9月23日、東京・竹芝の旧国鉄工場跡地に建てられた「JR東日本アートセンター/四季劇場[春][秋]」で、盛大な竣工しゅんこう記念式典が開催された。約30億円を投じて2つの舞台を持つ同劇場を建てたのは、今年創業45周年を迎えた劇団四季(浅利慶太代表)だ。
著者
Nobuo Sanjo Satoko Kina Yukiko Shishido-Hara Yurie Nose Satoru Ishibashi Tetsuya Fukuda Taketoshi Maehara Yoshinobu Eishi Hidehiro Mizusawa Takanori Yokota
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1631-1635, 2016-06-15 (Released:2016-06-15)
参考文献数
15
被引用文献数
13 13

A 53-year-old man was admitted for sub-acute progressive dementia and Gerstmann syndrome. MRI demonstrated lesions in the white matter involving the left parietal lobe, accompanied by speckled or faint linear peripheral enhancement. Brain biopsy revealed JC virus infection in oligodendrocytes and balanced infiltration of CD8+ and CD4+ T lymphocytes. We diagnosed progressive multifocal leukoencephalopathy (PML) with controlled inflammation. The finding of CD4/CD8 T cells in the infected PML brain suggested therapeutically valuable immune system involvement, which we decided to preserve by withholding corticosteroids. We treated the patient with risperidone, cytarabine and mefloquine to suppress virus replication, but not with the corticosteroid that is conventionally used in inflammatory PML cases. The patient was discharged three months after admission, and one year later, his score on the Mini-Mental State Examination had recovered to 26/30, from 5/30 on admission.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.702, pp.24-25, 2018-12-24

2025年の国際博覧会(万博)開催が決まった大阪で、会場の夢洲(ゆめしま)(此花区)へのアクセスを確保するため、休止していた大阪メトロ(旧市営地下鉄)中央線の延伸計画が動き始めた。大阪市は11月30日に議会に提出した補正予算案で、調査費用として1億360…
著者
高橋 順治
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.71-79, 2012-10-20 (Released:2019-04-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究は、不登校状態にあり、自閉症スペクトラム障害が疑われる小学校6 年生のA児の事例について、本児と家族、そして、担任へ実施した総合的な支援についてまとめたものである。本事例では、2 年にわたって支援してきた経緯を振り返り、A児を指導する担任へ、A児を支える家族へ、通級指導教室に通級するA児へ、それぞれの場面で行った支援がどのように効果をもたらしたかを検証した。その結果、構造化やスモールステップ等の方法を、さまざまな場面で援用して総合的な支援を行ったことが、不登校状態のA 児へいかに効果をもたらしたかを明らかにした。
著者
三潴 みづほ Mitsuma Mizuho ミツマ ミヅホ
出版者
学習院大学
巻号頁・発行日
2020-03-07

ハプスブルク朝支配下のイベリア半島を中心とした複数の王国(reino)の集合体は、スペインという括りでの国家として成立していたわけではなかった。君主が複数の王冠とともに諸王国の政治形態や法を踏襲しながら支配する体制であった。16世紀から17世紀にかけては、概念上で「スペイン王国(Monarquía HispanaあるいはMonarquía de España)」 の形成が進む。その過程では実際に政治的統合への志向も見られるなか、中心となる王のあり方が模索された。スペインの王としての権威を示すこととカトリック性の確保は分かち難く結びつく。17世紀初頭、イスラーム教からキリスト教に改宗したモリスコ(morisco)と呼ばれる住民たち約30万人がスペインから追放された。カトリックに改宗していたとはいえ、モリスコは異端としての疑いをかけられがちな存在であった。フェリペ3世のこの決断は、追放を擁護する者たちにより「英雄的な決断」と称賛された。本稿では、王とその周囲の人々がスペイン王国の形成を意識するなかで、モリスコへの方針がどう推移したのか、政策議論を中心に検討する。即ち、スペイン王国の形成過程をモリスコ問題から照射し、その上で、モリスコ追放に踏み切った動きを解明する。 モリスコ問題から見るスペイン王国の概念上の形成について、モリスコの実態と統治状況、宮廷での審議、献策書という要素を用いて分析した。まずモリスコの実態と状況を確認し、それに対し宮廷での審議がどのように絡むか時系列で追い、そのうえで献策書という史料がどのように解釈できるか、という構成で考察を進めた。 問題の所在として「スペイン王国の形成とモリスコ問題」という観点から、特に、「宮廷」研究のホセ・マルティネス・ミリャンと「寵臣政治」研究のアントニオ・フェロスという、政治史の見直しからモリスコ問題を捉えた二人の説に着目した。モリスコ問題についての説を整理したうえで、二人の間の異なる見解の存在に言及し問題点として提示した。 マルティネス・ミリャンは、フェリペ2世期のスペイン・カトリシズムによる普遍君主政(教会をも従えようとする)の頓挫と、その後のフェリペ3世期のローマに従うカトリック王政への転換(ローマのスペインへの勝利)、という文脈のなかで、モリスコ追放を捉えることを提起した。フェリペ2世期の普遍君主政も、フェリペ3世期のカトリック王政も、当時のスペイン王国を論じた者たちによってその理論的裏付けがなされ、それらがスペイン王国を支える理念となったのは確かである。しかし、その転換が政治中枢のなかでどのように作用したかという点において、宗教性の違いに着目したミリャンの論は、政治決定の場における諸事の検証の可能性をもたらした。 この転換を通して、モリスコ問題と対峙する、スペイン王国という形成途上の概念と、それを取り巻く政治中枢の人々を見ると、何が見えてくるのか、という視点から、ミリャンの説が妥当か、あるいは他の見方が説得力があるのか、検証をこころみた。スペイン王国の概念上の形成過程とモリスコ問題の推移を関わらせて論じ、王とその周囲のモリスコ関連の政策議論の史料の見直しを行った。目指されたスペイン王国とは何なのか、それにモリスコ問題に関わる一連の議論がどう関わっていくのか。宮廷とその周辺で繰り広げられた議論を、モリスコ問題がより顕在化するフェリペ2世期から3世期に焦点を絞って分析した。16世紀前半から異端審問所と在地権力による統治の模索のなかでモリスコの存在が徐々に問題視される。フェリペ2世期になってから王権と異端審問所の各地への介入が増したことは、王権による政治的統合の動きのなかでモリスコの統治策が重要視され始めた兆候と考えられる。地域ごとの異なる様々な事情を越えて、モリスコという存在自体に問題を一元化するという傾向が生まれ、それが統治策に表れ始めた様子が確認でき、また、フェリペ2世と3世の統治下で彼らの存在がモリスコ問題としてより顕在化していく経緯を確認できた。宮廷におけるモリスコ関連審議については、フンタ(評議会)と国務顧問会議を中心に取り上げたが、16世紀末に両方でモリスコへの措置をめぐる議論がなされるようになった当初は、2つの会議で温度差があった。フンタは1590年代初頭までは一貫して教化の方針であったが、国務顧問会議では1588年に初めてモリスコ問題が議題にのぼった時から、モリスコに対する姿勢はフンタのそれより強硬であった。その後フンタの構成員は国務顧問会議の構成員と一致するようになり、モリスコ関連のフンタは国務顧問会議に吸収されたような形になった。国務顧問会議には教皇派あるいは教皇とつながりのある人物が確実に入ってきており、教皇派が追放を推進したとするミリャン説の妥当性が確認できた。その上で、モリスコ問題の史料として充分に注目されてきたとは言い難い献策書に史料価値を見い出し、分析を行った。献策書がモリスコ問題を扱うなかで、中世の頃の多様性の容認とは異なり、当時のスペイン王国にとって様々な出自の人々を臣民として統治することの難しさが増していることが浮き彫りになった。献策家たちにとって国力の源であった生産性と人口の多さと富という点において、モリスコの特質は有用であった。この特質をスペイン王国が獲得するべきであり、モリスコの持つ負の要素は克服されるべきものであった。献策書という、諸問題から国家統治を考える政治の文学とも言うべき言説と、モリスコ問題という題材が組み合わさることにより、献策家たちによる新たな国家像の模索が見られた。そこに描かれていたのは、モリスコという存在に利点を見出して臣民に組み込むという、彼らの考えるスペイン王国の正しい姿、あるべき姿であり、これは、宮廷の教化策推進者たちと志を同じくするものである。教皇から霊性を賦与された神聖ローマ帝国に代表されるようないわゆる普遍君主政を取り入れたかったフェリペ2世のスペイン王国だが、そもそも皇帝がおらず、そのため、実情に合わせた解釈のし直しが行われ、そのうえで、スペイン独特の性格を賦与されたものとして作り変えられた。それは、軍事力のような実践的な側面から、スペイン王は皇帝に、スペイン王国は帝国に比肩する存在である、という解釈に基づく。そこに正当性を持たせるため、レコンキスタへの十字軍の経験などに基盤を置く、スペイン独自のカトリックの系譜が重きを成してきた。したがって、スペイン王国の普遍君主政やスペイン・カトリシズムを背負った世界進出は、本来のローマ教皇のもとの世俗君主のあり方からは外れかけ、ローマ教皇庁からスペインを牽制する動きも見られた。版図拡大の負担と対外情勢の厳しさが増した頃、スペイン王国は新たな理念を模索し、ローマとの利害の一致を見出し、カトリック王政へと転換することになる。モリスコは、最終的には、個人にしか罪を問えない宗教上の罪ではなく、集団全体への罪を問える国家反逆罪として追放された。スペイン王国にとって宗教的・「民族」的マイノリティーであるモリスコの存在が多くの議論を呼んだことでも明らかなように、この時代に臣民として彼らを扱うことは各側面で難しさがあり、その存在がスペイン王国の転換を促す触媒の役割を果たしたと考えられる。

1 0 0 0 幸福論

著者
ラッセル [著] 安藤貞雄訳
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1991

1 0 0 0 幸福論

著者
アラン[著] 神谷幹夫訳
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2002
著者
島根国士著
出版者
彩流社
巻号頁・発行日
2015
著者
里村 一人 錦織 晴恵 竹部 祐生亮 井出 信次 戸田(徳山) 麗子
出版者
日本口腔診断学会
雑誌
日本口腔診断学会雑誌 (ISSN:09149694)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.187-193, 2021 (Released:2021-11-20)
参考文献数
34

Currently, it is known that various abnormal cells including various normal cells and cancer cells form and secrete vesicles having a lipid bilayer membrane, and these membranous vesicles are called extracellular vesicles. Extracellular vesicles are classified into three types: apoptotic bodies, microvesicles, and exosomes. In this paper, we focus on exosomes, which have recently been attracting attention as a new cell-cell communication mechanism, and their formation mechanism. The isolation and purification methods are outlined, mainly regarding their usefulness and future potential in the early diagnosis of cancer, based on the cytobiological characteristics of exosomes.
著者
本多勝一著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
2004
著者
OJTソリューションズ著
出版者
KADOKAWA
巻号頁・発行日
2014