著者
番原 睦則 田村 直之 井上 克巳
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.75-86, 2007-07-26
被引用文献数
1

本論文では,PrologからJavaへのトランスレータ処理系Prolog Cafeについて述べる.本システムでは,Prologプログラムは,WAMを介して,Javaプログラムに変換され,既存のJava処理系を用いてコンパイル・実行される.つまりProlog Cafeでは,項,述語などPrologの構成要素のすべてがJavaに変換される.このため,PrologCafeはJavaとの連携,拡張性に優れたProlog処理系となっている.Prolog Cafeはマルチスレッドによる並列実行をサポートしており,スレッド間の通信は共有Javaオブジェクトにより実現される.また任意のJavaオブジェクトをPrologの項として取り扱う機能を有しており,Prologからメソッド呼び出し,フィールドへのアクセスも行える.最後にProlog Cafeの応用として,複数SATソルバの並列実行システムMultisatについて述べる.
著者
西村 祐貴 江木 啓訓 折田 明子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.48, pp.77-82, 2001-05-24
被引用文献数
2

本研究では、グループレビューでの効果的な匿名性の利用を模索する。現状のグループレビューには、他者の評価を懸念し意見を言えないという問題点がある。匿名を用いることでこの問題を軽減することができる。しかし一方で匿名を用いると、議論が散漫になったり、非抑制的な発言が発生すると考えられる。これらの問題点を解決する匿名システムをチャット上に設計・実装し、評価実験を行った。The goal of this research is to examine efficient ways of using anonymity in review meetings on computer network. We propose to use anonymity in review meetings to avoid evaluation appreciation. Anonymity, however, often causes flaming and excessive criticism. To avoid these problems, we designed and implemented an anonymity control system on a chat system, using which we conducted experiments with actual review meetings.
著者
佐藤 宏介 土居 元紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.340-345, 1999-04-25
参考文献数
26
被引用文献数
16

複数ユーザに対応する情報システムでは, すべての利用ごとに適切な本人確認がなされなければならない. 現状のパスワードや暗証番号の確認は, 詐取が容易で, 本人自身が忘れてしまうこともあり, 決して利用したいものではない. そこで, 持ち歩かなくてもよく, 面倒な記憶もしなくてもすむ, 気の利いた本人確認の方法として, バイオメトリック認証が新展開を迎えている. 指紋, 網膜血管, 虹彩, 顔など身体の特徴部分の照合から, サインや身振りなど特定の習慣動作の照合まで, 近年のマルチメディア技術とパターン認識技術の統合により実現できるようになってきた.
著者
田島 節夫
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.45A-56A, 1994-09-30
著者
小島 悠子 山本 匠 西垣 正勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.375-380, 2007-03-01
参考文献数
6

我々は,人間の有する「経験を活用する能力の高さ」をユーザ認証に応用する試みとして,「ウオーリーを探せ」をコンセプトとした画像認証方式を提案している.しかし本方式は,毎回の認証時に正解キャラクタを直接クリックすることにより認証を行う方式となっているため,認証行為を覗き見られると,認証システムそのものの安全性が消失してしまうという問題を残していた.そこで本稿では,本方式に「間違い探し」のコンセプトを融合させることによって,認証方式のワンタイム化を図る.本稿では,本方式の有効性を基礎実験により評価する.
著者
冨樫 純一
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
no.48, pp.77-93, 2005

感動詞「ええ」には、イントネーションの異なりによる3種の機能が認められる。 (1)ええ、そうですね。 (2)ええ? そうなんですか? (3)ええ-、なんでしたかねぇ。 (1)は下降調イントネーションで、肯定や承諾を示す。(2)は上昇調イントネーションで、いわゆる問い返しを表す疑問の表現である。 ...
著者
石原 照敏
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.245-261, 1992-12-31

国際競争下, 日本農業は高品質の農産物を生産するのでなければ究極的には生き残れない. そのために, 地力維持が必要になり, とりわけ畑地的土地利用では輪作が不可欠となる. 日本の輪作の一般的な発展傾向を模索しようとすれば, 少なくとも広域的な範囲での輪作の態様を環境との関連で把握する必要があるが, 従来, このような研究はなされていない. そこで, 本稿では西欧型の一年一作の形をとる北海道の輪作のドミナントな態様を筆者の「土地利用調査」に基づいて把握したもので, 次のことが明らかとなった. 1) 北海道では牧草栽培期間の長い輸作(牧草を7年ほど連作するとよい牧草が生えなくなるので, 牧草地を掘り起こして施肥し, 土壌中に有機物を残すイネ科作物や, 土壌を柔らかにする根菜類を栽培した後, 再び牧草に帰る)がドミナントな形で行われている. 2) このタイプの輪作は雨量の多いイングランド西部や, フランス西部で行われている輪作と同じタイプの一時的草地輸作(Long-ley Rotation)と規定できる. 3) 北海道における一時的草地輪作の成立基盤は, (1)穀作やバレイショ作が冷害を被って行詰まり, (2)農協が気候環境に適応した経営方式(酪農・混合農業)へ転換する農業振興計画を策定した. (3)この計画に基づいて, 農業経営がそのような経営方式への転換を志向した, (4)この転換を促進したのは集約酪農地域の指定などの公共的な助成策であった. (5)新しい経営方式(酪農・混合農業)の導入とともに進展した一時的草地輪作の技術的基盤(泥炭土, 重粘土を排水施設や客土によって改良した)を準備し, 夏冷涼・湿潤な気候環境に適した作付方式(一時的草地輪作)への転換を促進したのは, 土地改良事業, 寒冷畑作振興地域の指定などの公共的な助成策であった.
著者
巖寺 俊哲 石崎 雅人 森元 逞
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.97-98, 1995-09-20
被引用文献数
1

機械翻訳システムあるいは対話システムにおいてある発話を処理する場合、より適切な翻訳/処理結果などを得るためには、その発話が先行するどの発話と関係しているかを考慮することが必要となる。たとえば、ある応答発話「はいそうです」を英語に翻訳する場合、これに対応する先行発話であるyes-no疑問文を発見し、その発話に応じてその呼応関係を考慮して「Yes, I am.」、「Yes, it is.」あるいは「No, you can't.」といった結果を生成する必要がある。従来から対話構造(談話構造あるいは談話セグメント等とよばれている)に関する研究が行なわれている(たとえば[1])。また、このような構造に関して、対話コーパス中の対話について被験者によりセグメントを行ない、この結果を用いた定量的な研究が行なわれている。例えば、Litman & Passonneau[2]は、対話中の談話セグメント境界を発見するための性質とアルゴリズムについて研究している。また、Hirschberg, Nakatani & Grosz[3]は、談話セグメントと韻律情報の関係について研究している。我々は、対話中の発話間の関係(対話構造)を認識する方法を提案している。Litman & Passonneau[2]のアルゴリズムは、セグメント間の境界を発見するのに対して、我々の提案する方法では、対話構造を3階層からなる構造で認識するため構造間の関係を含めて捉えること可能となる。現在、この方法の正当性、有効性あるいは問題点を調査するために、対話コーパスを用いた定量的な評価を行なっている。本稿では、この対話構造に関する定量的評価のための予備調査の結果と照応・省略と対話構造の定量的な関係について報告する。
著者
藤川 猛 今西 悦二郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.67, no.656, pp.929-934, 2001-04-25
被引用文献数
1

A precise and stiffly stable time integration method with numerical dissipation is presented for solving MCK type equations of motion. Its algorithm is assumed that acceleration during time step is expressed as a quadratic function. Stability and accuracy are investigated by numerical analysis to find out the best parameter values of the algorithm. Characteristics of this method are compared with other methods such as Newmark, Wilson, HHT-α method, etc, which showed that this method has much better accuracy for low frequency modes, and strong dissipation for high frequency modes. Some calculation examples are shown.
著者
岸野 泰恵 櫻井 保志 亀井 剛次 柳沢 豊 前川 卓也 岡留 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.127-134, 2008-02-27
被引用文献数
1

本研究では, 数多くのセンサノードからなる大規模センサネットワークのための効率的なデータ収集機構を提案する.収集したデータは,実世界の情報のリアルタイムなコンテンツ化に用いることを想定している.提案する機構では,データが発生してから基地局に到着するまでの遅延を抑制することを目的に,階層的にクラスタを作成してデータを収集する.クラスタリングは,クラスタ内の通信が他のクラスタと重複する度合いを指標として行い,クラスタ内のノードの個数や階層数は,データの発生量から遅延を見積もって決定する.本稿では,通信方式と,提案するクラスタリング手法について述べる.また,各階層ごとにデータを集めることで基地局にデータが到達するまでの時間を短縮できることを示す.The data aggregation method for a large-scale sensor network proposed here aims to reduce the communication delay from the generation of a sensor event to the arrival of the data to a base station. The method adopts hierarchical clustering whose criterion is the degree of duplication of wireless communication area among clusters. The clustering parameters such as the number of hierarchies and those of nodes in a cluster are determined by estimating the amount of data. Analyses of a tree-structural communication model show the method using the hierarchical clustering enables to reduce the communication delay.