著者
細矢 剛
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.209-214, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2

地球規模生物多様性情報機構(Global Biodiversity Information Facility、GBIF)は、地球規模で生物多様性情報を収集・提供する機構である。GBIF は、国、研究機関などの公式の機関が参加者となり、意思決定は、年に1 回開催される理事会においてなされる。実質的な運営は執行委員会と事務局が担っている。各参加国からのデータは、ノードと呼ばれる中核機関を通じてGBIF に提供されており、現在5.7 億件の標本情報、観察情報をだれでもホームページからダウンロードして利用できる。日本国内の活動は日本ノード(JBIF)が担っており、国立科学博物館(科博)・国立遺伝学研究所(遺伝研)・東京大学が拠点となって、GBIF への情報提供のほか、普及活動、アジア地域での活動への対応がなされている。GBIF の活動は世界6 地域に地域化し、日本はアジア地域で最多のデータ提供国であるが、アジアからのデータ数はGBIF 全体の3%に過ぎず、いっそう活発な活動が求められる。今後、データの統合・利用の互換性を維持のための技術的な問題の他、コピーライトの問題など、解決しなくてはならない課題が多数あるが、生物多様性情報学的な常識・基礎知識の普及や、オープンアクセスなど、オープンマインドな知識共有の文化醸成が今後の課題である。

10 0 0 0 OA 花袋全集

著者
田山花袋 著
出版者
花袋全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.第12巻, 1924
著者
中嶋 正人 加瀬 康弘
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-71, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
12

伝染性単核球症の入院加療例で抗菌薬投与群と非投与群を比較し, 投与の必要性を検討した. 入院期間は抗菌薬投与群は平均10.5日, 非投与群は平均7.4日で, 両群において有意差はなかったが投与群で延長傾向にあった. 咽頭痛消失までの期間は抗菌薬投与群は平均5.0日, 非投与群は平均4.3日で, 両群において有意差はなかった. 入院後解熱期間は抗菌薬投与群は平均4.6日, 非投与群は平均3.1日で, 両群において有意差はなかったが, 投与群で延長傾向にあった. 肝逸脱酵素値の入院中上昇は抗菌薬投与群の42%にみられ, 抗菌薬非投与群は0%だった. 皮疹や粘膜疹の出現, 増悪は抗菌薬投与群の17%で, 抗菌薬非投与群は0%だった. 抗菌薬投与群中, 有害事象がみられ抗菌薬の中止が必要と判断された例は58%で, いずれも抗菌薬中止後回復した. 伝染性単核球症は可能なら, 入院での安静にて厳重観察のもとに, 抗菌薬投与をせずに, 扁桃周囲膿瘍の発症など, 明らかな抗菌薬加療が必要な病態がみられたとき, 投与を検討すべきと考えた.

10 0 0 0 OA 名将言行録

著者
岡谷繁実 著
出版者
牧野書房
巻号頁・発行日
vol.巻之11−20, 1896
著者
北神 慎司 菅 さやか KIM Heejung 米田 英嗣 宮本 百合
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.19, 2009

日本では,特に,トイレを表すマークにおいて,男女の区別は「形(男女それぞれのシルエット)」によって表されるだけでなく,男性用には青などの寒色系,女性用には赤などの暖色系の色を用いることが多い.このように,色によって,トイレの男女を区別するというデザインは日本特有のものであり,欧米ではあまり見られない.そこで,本研究では,日本人の大学生を対象として,トイレマークの認知に,色や形がどのような影響を及ぼすかについて,ストループ様課題を用いて検討した.その結果,ピクトグラム(トイレマーク)条件では,赤,ピンク,青,黒の各彩色条件において,男女の意味判断に要する反応時間に差が見られた(暖色系は「男>女」,寒色系は「男<女」).これらの結果は,日本人にとって,トイレマークの男女を識別する際の情報として,色が非常に重要であることを示唆するものと考えられる.
著者
藤原 広行
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.67-71, 2014-03-25 (Released:2014-05-20)
参考文献数
20

There is a similarity between the distribution of prime numbers and the pattern of earthquake occurrence. Earthquakes occur in a discrete manner in time and space. When viewed as a whole, however, we find some laws, such as Gutenberg-Richter law, that govern the entire earthquakes that seem to be individually independent. A similar phenomenon can be observed also in the world of number. The most basic example is the distribution of the prime numbers in integers. We consider a correspondence between earthquakes and prime numbers. We parameterize occurrence time of earthquakes as the prime numbers and magnitude of earthquakes as the interval of prime numbers. Then we obtain a relationship similar to Gutenberg-Richter law. We call the model obtained by this correspondence as “arithmetic seismic activity model”. If we can parameterize earthquakes using prime numbers, knowledge that has been cultivated in the number theory can be used for understanding of earthquakes. The distribution of prime numbers is related to the distribution of zeros of Riemann zeta function. Researches are in progress to understand the zeros of the Riemann zeta function as an eigenvalue problem of quantum dynamical system. Earthquake may be modeled as a phenomenon corresponding to a change in the energy level of a quantum dynamical system associated with prime numbers.