著者
米田 英嗣 仁平 義明 楠見 孝
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.479-486, 2005-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15
被引用文献数
6 or 0

This study examined the cross-domain, anticipatory, and self-referential roles of affect (Miall, 1989) in reading short mystery novels. In Experiment 1, undergraduate students either read an entire story once or read the same story twice. During the first reading, these participants read only the first part of the story, and during the second reading, they read the entire story. They rated the importance of each sentence. Then they either described a prediction or their impression of the story. Finally, they created a title. In Experiment 2, the first group rated the importance of each sentence. The second group rated the feelings of understanding: forefeel, empathy, and a sense of strangeness. The results of both experiments showed that the relative importance of sentences shifted between first reading and second reading. As they read the end of the story, empathy increased but a sense of strangeness decreased. The results of description showed that the readers updated their interpretations in order to understand the story correctly.
著者
楠見 孝 米田 英嗣
出版者
日本認知心理学会
巻号頁・発行日
2017 (Released:2017-10-16)

日本全国の18歳から79歳の800人に対象にweb調査で、作品舞台を旅する「聖地巡礼」行動における作品世界への没入感を検討した.質問項目としては、物語理解における没頭尺度,移入尺度を旅行行動に対応するように改良し、あわせて、懐かしさ傾向、旅行行動などを測定した.その結果、アニメの作品舞台の旅行者は、小説舞台の旅行者に比べて,場面既知感が高いこと,場面既知感と作品世界への没入は相関が高いことが明らかになった。
著者
楠見 孝 米田 英嗣 小島 隆次
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.415-424, 2008
被引用文献数
2 or 0

本研究は,教育用の3次元仮想空間オンラインチャットコミュニケーション・システムにアバターの表情機能を導入して,ユーザの会話に対する動機づけや相手の感情理解の精度に及ぼす効果とユーザビリティの評価に基づくシステムの改良を検討した.実験1では,15組の大学生ペアが,スマイリー入力表情システムと表情なしシステムの両方を用いて英語でチャットを行い,ユーザビリティを評価した.その結果,大学生のユーザビリティ評価においては,スマイリー入力表情システムの表情なしシステムに対する優位性を示すことはできなかった.そこでこのユーザビリティ評価に基づいて,スマイリー入力表情システムをアイコン入力表情システムに改良した.実験2では,16組の大学生ペアが,アイコン入力表情システムと表情なしシステムの両方を用いて日本語でチャットを行い,相手の感情を推測した.参加者の感情の推測はアイコン入力表情システムの方がより正確であった.最後にコミュニケーション・システムの改良に関する今後の課題を検討した.
著者
北神 慎司 菅 さやか KIM Heejung 米田 英嗣 宮本 百合
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.19-19, 2009

日本では,特に,トイレを表すマークにおいて,男女の区別は「形(男女それぞれのシルエット)」によって表されるだけでなく,男性用には青などの寒色系,女性用には赤などの暖色系の色を用いることが多い.このように,色によって,トイレの男女を区別するというデザインは日本特有のものであり,欧米ではあまり見られない.そこで,本研究では,日本人の大学生を対象として,トイレマークの認知に,色や形がどのような影響を及ぼすかについて,ストループ様課題を用いて検討した.その結果,ピクトグラム(トイレマーク)条件では,赤,ピンク,青,黒の各彩色条件において,男女の意味判断に要する反応時間に差が見られた(暖色系は「男>女」,寒色系は「男<女」).これらの結果は,日本人にとって,トイレマークの男女を識別する際の情報として,色が非常に重要であることを示唆するものと考えられる.
著者
北神 慎司 菅 さやか KIM Heejung 米田 英嗣 宮本 百合
出版者
日本認知心理学会
巻号頁・発行日
pp.28-28, 2010 (Released:2010-09-01)

北神ら(2009, 認知心)では,日本人を対象として,ストループ様課題を用いて,トイレマークの認知に,色や形がどのような影響を及ぼすかを検討している.その結果,赤やピンクの男性マークや,青や黒の女性マークにおいてストループ様干渉が起こることが示された.つまり,日本人にとって,トイレのマークを認知する際,色情報が非常に重要であることが示唆されている.それでは,色によって,トイレの男女を区別する文化がない場合,ストループ様干渉は生じないのだろうか.本研究では,アメリカ人の大学生を対象として,ストループ様課題を用いて,トイレマークの認知に,色や形がどのような影響を及ぼすかを検討した.その結果,アメリカ人においても,ピンクで彩色された男性マークにおいて,ストループ様干渉が示された.先行研究の結果と併せて,これらの結果は,色のジェンダー・ステレオタイプという観点から考察された.