著者
川久保 剛 Tsuyoshi Kawakubo
出版者
麗澤大学経済学会
雑誌
麗澤学際ジャーナル = Reitaku Journal of Interdisciplinary Studies (ISSN:09196714)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.1-36, 2008-09-30

This article examines the thought of Tsuneari Fukuda both before and during World War II. It focuses on his ideas regarding ethics of the common man, and it is an attempt to clarify the place and meaning of Fukuda's thought within the history of ideas.
著者
川久保 剛 Tsuyoshi Kawakubo
出版者
麗澤大学経済学会
雑誌
麗澤学際ジャーナル = Reitaku Journal of Interdisciplinary Studies (ISSN:09196714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-14, 2011-03-10

This article examines what Tsuneari Fukuda was interested in in his youth,especially in his primary, lower secondary and high school time according to his new materials.Fukuda got a liberal education - what is called a Taishou liberal education- during his primary and lower secondary schools. In his high-school time, student movements were prevalent among his generation. However, Fukuda was not involved in those movements because his primary concern was drama. At that time, although leftist dramas were very popular, he was not interested in them. Rather, he was interested in dramas of art for arts sake. From this perspective,he sympathized with the theatrical company, Tsukijiza.Mr. Fukuda was also interested in literary criticism at that time. The prominent critic, Hideo Kobayashi's anthology of literary criticism brought Fukuda into this arena.
著者
小川 奈津子
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2016

東京海洋大学博士学位論文 平成28年度(2016) 応用環境システム学 課程博士 甲第429号
著者
秋枝(青木) 美保 アキエダ(アオキ) ミホ Miho Akieda(aoki)
雑誌
福山大学人間文化学部紀要 = Journal of the Faculty of Human Cultures and Sciences, Fukuyama University
巻号頁・発行日
vol.6, pp.A21-A34, 2006-03-01

現代作家の中でも宮沢賢治の作品を最も多く引用している長野まゆみの作品において、その引用が童話「銀河鉄道の夜」に集中していることを示し、そこに「病む女性」という共通の要素があることを指摘する。さらに、それが一九八〇年代文化と一九二〇~三〇年代の文化的背景との共通の問題の基盤に由来することを示唆する。
著者
荻原 桂子
出版者
九州女子大学 : 九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要 = Bulletin of Kyushu women's university (ISSN:18840159)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.117-130, 2014

宮沢賢治詩の魅力を生徒に気づかせる指導方法として、詩の感動の中心と細部の表現の関係を中心に考察する。賢治詩のなかでも「永訣の朝」は教科書収載が最も多い作品であり、高等学校一・二年の詩教材として安定した位置にある。賢治の作品は、童話とともに国語教科書に収載されることが多いが、言語表現にいくつもの解釈が生まれる深遠な魅力をたたえている。豊かな言語表現を真摯な態度で読み解くことが学習者に求められるのだが、「永訣の朝」は『春と修羅』と題されたものに収録されていることからも、「修羅」の言語表現として読む可能性を持ち続けなければならない。「永訣の朝」においては、雪と水という清澄な言語表現にひそむ、生と死の世界を彷徨する「修羅」の昏迷があることを、文学教材の言語表現から読み解くことが重要である。
著者
小松 和彦
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.35, pp.311-340, 2007-05-21

高知県香美市の山間地域、旧物部村(この村の南半分が近世の槇山郷である)には、いざなぎ流と呼ばれる民俗宗教が伝承されている。いざなぎ流は、神道、陰陽道、修験道、シャーマニズム、民間信仰などが混淆した宗教で、その宗教的専門家はいざなぎ流太夫と呼ばれている。本稿は、このいざなぎ流太夫たちの先祖たちが関与していたと思われる「天の神」の祭り、特に岡内村の名本家の天の神祭りを詳細に記述し若干の考察をすることを目的としている。
著者
安達 明久
出版者
常葉大学経営学部
雑誌
常葉大学経営学部紀要 = Bulletin of Faculty of Business Administration Tokoha University (ISSN:21883718)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-21, 2017-02

本論文は、日本を含むOECD主要国23ヶ国の国際比較を通じて、各国の「雇用環境」(平均賃金、所得格差、失業率)の特徴を把握するために必要となる諸要因、すなわち「雇用保護規制」(個別解雇、集団解雇等に関する規制、最低賃金等)のほか、これらと深く関連すると考えられる「経済的社会的要因」(1人当りGDP,国際競争力、高齢者労働力率、都市人口比率、ビジネス文化など)を統計学的手法により抽出特定するとともに、それら諸要因の相互関係に関する総合的客観的な基礎的知見を提供することを目的としている。そして、これらの知見に基づいて、日本の今後の雇用保護規制の在り方について提言を行うことを意図して実施したものである。雇用規制等が経済活動に及ぼす研究は既に多数存在するが、分析のフレームとして「雇用環境」「雇用保護規制」「経済的社会的要因」の3つの柱を初めて提示したこと、国際比較モデルを構築し定量的な多変量解析に基づく分析を行っていること、さらには、都市人口比率、ビジネス文化等の社会的要因にまで範囲を拡大し多面的な分析を行った点が本研究の特徴となっており、学術上の意義があると考える。本研究の結論は、一国の雇用制度や雇用政策の特色を検討する上で、当該国がどの様な「経済的社会的要因」を前提・背景として、「雇用環境」(平均賃金、所得格差、失業率)の3つのうちどの項目を優先し、どの様な「雇用保護規制」の組合わせを採用しているかを明らかにすることが極めて重要であるという点である。この結論に関連し、本研究により明らかとなった基礎的知見は、次の5点である。①「雇用保護規制」の強化が「雇用環境」に与える影響としては、総じて、所得格差を縮小する効果をもつ一方で、平均賃金に対してはこれを引き下げる効果を持ち、また失業率に対してもこれを拡大してしまう「トレードオフ」の関係にあることが、定量モデルによる分析から明らかになった。②「雇用保護規制」に加えて、1人当りGDP,国際競争力、人間開発度、相対貧困率、高齢者労働力率、さらには、都市人口比率、高齢者人口比率、年金給付水準、ビジネス文化、人種などの「経済的社会的要因」が、各国の「雇用環境」(平均賃金、所得格差、失業率)の差異を説明する上で重要な要素であることが判明した。③したがって、「雇用環境」「雇用保護規制」「経済的社会的要因」の3つの要素を柱とする分析フレームは、雇用制度や雇用政策の分析を行う上で重要な役割を果たすと言える。その具体的な適用事例として、欧州を中心とする高規制国は、「経済的社会的要因」面における高い国際競争力・高い年金給付水準を前提として、厳格な「雇用保護規制」を採用し、「雇用環境」の面においては「所得格差縮小」と「平均賃金の底上げ」を優先、その代償として「高い失業率」を甘受する形となっている点が特徴として指摘できる。他方、米英系を中心とする低規制国は、「経済的社会的要因」面における低い年金水準、高い高齢者労働力率などを背景に、緩やかな「雇用保護規制」を採用し、「雇用環境」においては「低い失業率」と「中レベルの平均賃金の確保」を優先、その代償として、「高い所得格差」に甘んじる形となっている点に特色があると言うことができる。さらに、日本については、「雇用保護規制」の面では低規制国に属し、特に、男女均等度の低さではOECD主要23ヶ国の中でも低位にあるが、「経済的社会的要因」面でも、世界有数の高齢人口比率と高齢者労働力率の高さで際立っている。また、「雇用環境」の面でも「低い失業率」を優先し、「低い最低賃金」、「高い所得格差」を甘受するという、低規制国の中でも失業率に特化した状況となっている点が最大の特徴となっていることとが指摘できる。④この様な日本の雇用環境の特徴、「低い平均賃金」と「高い所得格差」を改善する方策として、低規制国の典型である「米国型」へのシフトと「高規制国型」へのシフトが想定される。しかし、「今回構築した定量モデルの分析から、「米国型」では平均賃金は上昇するものの、逆に所得格差を拡大してしまうこと、「高規制国型」では所得格差は改善するものの、平均賃金をさらに低下させてしまうと試算され、双方ともに問題点を有していることが明らかとなった。⑤これらの問題点を克服緩和するための方策としては、失業給付や職業訓練に対する「公的支出」の拡大、「男女均等」の推進などの「雇用保護規制」面の対策に加えて、「高齢者労働力率」の一層の改善、「長期勤続比率」の向上などの「経済的社会的要因」の面での対応が、米国型・高規制国型のいずれにおいても共通して有効であることが、今回構築した定量モデルのシミュレーションにより判明した。本研究の結論、および上記5点の基礎的知見を踏まえ、今後の我国の雇用規制等の在り方について提言すれば、現状の日本における厳しい財政制約や解雇の金銭解消制度導入に関する激しい労使間の意見対立を前提とした場合、雇用保護規制の直接的な変更や職業訓練に対する公的支出拡大などよりも、むしろ、「男女雇用均等」の推進に加えて、「高齢者労働力率」の一層の改善、「長期勤続比率」の向上、さらには、「都市人口比率」の引き下げなど、「経済的社会的要因」の面からの対策に重点を置くべきであるということができる。これらの施策は、多額の財政支出を伴わず労使に受け入れられ易い施策であるとともに、上記⑤に示しように、米国型・高規制国型のいずれに進むとしても、その多くが共通して有効な対策であることが本提言の根拠となっている。
著者
中野 智紘 安藤 元一 池田 周平 祐森 誠司 栗原 良雄 Chihiro Nakano Ando Motokazu Ikeda Syuhei Sukemori Seizi Kurihara Yoshio 東京農業大学農学研究科畜産学 束京農業大学農学部畜産学科 束京農業大学農学部畜産学科 束京農業大学農学部畜産学科 束京農業大学農学部畜産学科 Department of Animal Science Graduate School of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Animal Science Faculty of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Animal Science Faculty of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Animal Science Faculty of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Animal Science Faculty of Agriculture Tokyo University of Agriculture
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.150-155,

毎年,全国でムササビの幼獣や傷病獣が保護されている。しかしながら,これらの保護個体に対する飼育管理の基礎的知見は少ない。このため,飼育管理の状況を把握することを目的に全国の動物園施設に対しアンケート調査を行うと共に,飼料給与の基礎的な知見を得るために飼育下の個体を用いて樹葉の嗜好性を試験した。アンケートでは,対象動物をムササビと他のリス科動物とし,飼養実態,繁殖状況,疾病寄生虫について調査した。リス類は1施設の飼育頭数が多く群飼育していた。導入経路は,ムササビでは野生保護個体が半数であるのに対し,リス類は施設内での繁殖個体がほとんどであった。繁殖状況では,ムササビは13年間飼育していて1回だけ繁殖したといった例があげられた。リス類は年に1~2度出産するといった安定した成績がみられる施設が多かった。給与飼料は,ムササビでは樹葉を給与している施設が多く,他には果物,根菜,葉菜を給与し,リス類では果物類に加え動物質の飼料や種子,堅果などが給与されていた。これら飼料の栄養成分としてムササビは食物繊維含量が高く,リス類ではタンパク質,脂質含量,エネルギーが高い傾向にあった。ムササビ,リス類共に寄生虫は少なく,ムササビでは肺炎,リス類では外傷由来の死亡原因が多かった。飼育個体を対象とした樹葉の嗜好性について,厚木キャンパス内の16の樹種を用いて,カフェテリア方式で調査した。その結果,ニセアカシア,イヌシデ,コナラの順に嗜好性は高く,逆に,イチョウ,マツ,ツバキ,スギの順に嗜好性は低かった。この結果は,一般的な森林に棲息するムササビの食性調査のデータと同様の傾向と考えられた。
著者
三浦 欽也 Kinya MIURA
雑誌
神戸女学院大学論集 = KOBE COLLEGE STUDIES
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.63-73, 2012-12-20

"Kawaii", which is often translated as "cute" in English, is a word specific to Japanese modern and popular culture. In this paper, we attempted to characterize the items that female students feel to be "kawaii". First, we had female students list items that they would call "kawaii" , together with a list of terms that they would use to describe each item. From all the collected descriptive terms, we selected the twenty-seven terms that were most frequently used. Secondly, we had a separate group of female students list "kawaii" items similarly, and had them decide the degree of suitability of each of the twenty-seven descriptive terms for all the items. As a result of a cluster analysis of the data, these "kawaii" items were divided into three groups. It was observed that one group consists of items concerning the so called baby-schema, another group consists of items concerning personal adornment and the other consists of items possessing characteristics of both of the former two groups. Thirdly, we also analyzed the same data using factor analysis, and obtained three factors. One factor concerns baby-schema, another factor concerns personal adornment and the other concerns personal evaluation. We also examined the differences among the three groups in average scores of the factors using ANOVA, the results of which support former observations about the characteristics of the three groups.
著者
孫 才喜
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.79-104, 1999-06-30

太宰治(一九〇九―一九四八)の『斜陽』(一九四七)は、日本の敗戦後に出版され、当時多くの反響を呼んだ作品である。本稿では、かず子の手記の物語過程と、作品中に頻出している蛇に関する言説を中心に作品を読み直し、『斜陽』におけるかず子の「恋と革命」の本質の探究を試みた。
著者
藤田 由美子 フジタ ユミコ Yumiko FUJITA
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 = Journal of Kyushu University of Health and Welfare
巻号頁・発行日
vol.12, pp.69-78, 2011-03

The purpose of this article is to examine the subversion and maintenance of gender order as portrayed in Japanese baseball comics through content analysis of the images of female managers. The content analysis in this study was based on the idea of "social constructionalism," in which researchers read and interpret the texts subjectively, rather than analyze the texts objectively. For this analysis, four baseball comics describing female managers of senior high school baseball teams were chosen, three of which were popular. The content analysis was conducted with interpretive reading of each comic, interpreting the representation of the female baseball manager from feminist's and queer sociologist's perspectives. The findings were as follows: Firstly, female managers were represented as exceptions, especially in earlier published comics. Secondly, they were resistant to opposition from their players and other persons through demonstration of their power and skills. Thirdly, their femininity was a point of focus and some male characters looked upon them as sexual objects. These items are discussed in terms of Sedgwick's`homosocial desire' and Butler's`subversion' and maintenance of the gender order.
著者
北村 美穂子 下畑 さより 介弘 達哉 池野 篤司 坂本 仁 折原 幾夫 村田 稔樹
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.67(2008-NL-186), pp.97-102, 2008-07-10

近年インターネットの普及と価値観の多様性の拡大により,様々なサービスやコンテンツが提供される時代になっているが,多種多様化しているサービスやコンテンツは様々な言葉や形式で表現されているため,従来のキーワード型の検索サービスだけでは自分のニーズに合ったものを見つけることができない.我々は,対話システムにおいて,「対話の中で徐々に掘り下げた質問を繰り返すことにより,ユーザの真のニーズや価値観を引き出す」 ラダリング手法を用いることによりシステムがユーザに質問を投げかけ,ユーザが単独では表現できなかったキーワードや表現を引き出し,多種多様でかつ大量のサービスやコンテンツの中からそれとマッチするものを探し出す 「ラダリング型検索サービスシステム」 を構築した.本稿は,対話エンジン部を中心に本システムの全体概要を説明する.