著者
坂口 隆康
出版者
関西国際大学教育総合研究所
雑誌
教育総合研究叢書 = Studies on education (ISSN:18829937)
巻号頁・発行日
no.9, pp.131-144, 2016-03

反転授業はアクティブ・ラーニングとしての能動性を高めるだけでなく,より深い学びを導く可能性を秘めている。本稿では,2014 年度に始めた反転授業方式による「初等情報機器活用論」の授業を通じて,反転授業の可能性について検討することとした。本研究により,完全習得型と高次能力学習型の両方の授業を取り入れることができ,アクティブ・ラーニングによる学びの質が深まることが明らかになった。
著者
粂野 文洋 辻村 泰寛 大木 幹雄 山地 秀美
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.25-40, 2016-06-01

企業で活躍できる実践的なIT人材の育成が大学の情報系学科に対する社会的要請となっている.こうしたなか,ソフトウェア開発の実践的な能力を育成する効果的な手法としてPBL(Project Based Learning)が注目され,多くの大学で導入されている.一方で,周辺地域がかかえる諸課題をNPOや企業と連携して解決することも大学の重要な使命となってきている.著者らは,こうした2つの社会的な要請に応えるため,埼玉県内の複数の地域組織からソフトウェアシステムに係る要請を受け付け,その開発・提供および保守を演習テーマとするPBLを継続的に実施している.実際に利用してもらうシステムの開発・保守をテーマとする演習は,実務に近い状況体験による教育効果が期待できる反面,実施上のリスクや課題も存在する.本論文ではこうしたリスク・課題に配慮したPBLの実践例を提供することを目的に,本PBLの教育的狙い,実施上の課題をふまえた地域連携の仕組み,演習の進め方を提示し,2014年度までの実践状況を示す.その実践結果に基づき,教育効果,リスク分析と対策,連携の仕組みの評価について考察を与える.
著者
Anfernee Goon Yuhao Wu Makoto Matsushita Katsuro Inoue
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.255-256, 2016-08-24

A code clone is a fragment of code which is duplicated throughout the source code of a project and have been shown to make a project less maintainable because all code clones will share potential bugs and problems. This study analyzes the code clone ratios over the entire development lifetime of Git, a widely used open-source project written in C/C++ to understand development habits and the changing maintainability of the software. The study utilizes bash scripting in conjunction with CCFinderX and GitHub to automate the detection of clones across development history. The results showed very stable ratios across development history, with the code clone ratios only fluctuating greatly during the beginning of development mostly, which can imply design choices not being concrete during the beginning of development as well as considerably more functionality being added at the beginning of development relative to the rest of the development cycle. Overall, the clone ratios over the development of Git has given some insight on the different aspects of the development process such as refactoring and how Git handles such aspects. Developers should be able to improve on their approach to development and increase their software’s maintainability by looking at code clone ratios over the version evolution of their own projects.
著者
神谷 潤子
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Toyota College of Nursing (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.189-196, 2015-03-31

インドのコルカタには、マザー・テレサが貧しい中の最も貧しい人々のために設立した多くの施設がある。それらの施設の活動は、マザー・テレサの死後も「神の愛の宣教者会」の修道女・修道士、世界各国から集まったボランティアによって維持され、今もなおスラムの人々の受け皿となっている。著者は2002 年と2011 年に、マザー・テレサの活動の原点であり、スラムの路上で瀕死の状態にある貧しい人々を温かく看取るための施設「死を待つ人の家」と、障害児を養育する「ダヤ・ダン」のそれぞれでボランティア活動を行った。本稿ではマザー・テレサの施設とコルカタの現状、そこで行われているボランティア活動を紹介する。そして、マザー・テレサの施設で行われていた「その人に関心を向ける温もりのあるケア」に患者の生命力を支える看護の原点を感じたこと、などの学びを報告する。
著者
才野 慶二郎 大浦 圭一郎 橘 誠 剣持 秀紀 徳田 恵一
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.7, pp.1-6, 2012-01-27

ラップのような短時間のうちに音高などの特徴が大きく変動するスタイルの歌い方は,それを適切に表現するための記譜法が確立されておらず,従来のように五線譜基づく合成の仕組みではユーザが直観的にそのスタイルの歌声を再現することが難しかった.本稿では,ラップスタイルの歌唱のための記譜法を定義し,それを用いて HMM 歌声合成の枠組みでラップスタイルの歌声合成を行った.その結果得られた合成音声はラップ特有のグリッサンド技法によるピッチ変動の現象を含むものになっていることが確認された.また,合成時に得られる対数基本周波数系列を素片接続型の歌声合成器に与えてラップスタイルの歌声を合成することも試みた.
著者
鳥羽 美香 藤木 理代 塚原 丘美 田村 明 小澤 良太 青石 哲也 菅野 昌明 高田 正義
出版者
名古屋学芸大学健康・栄養研究所
雑誌
名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 = Annual Report of Institute of Health and Nutrition, Nagoya University of Arts and Sciences (ISSN:18821820)
巻号頁・発行日
no.5, pp.39-47, 2012-09

スポーツ選手の栄養サポートを行う部活動NSTA(Nutrition Support Team for Athlete)は、愛知県内のA 大学ラグビー部の学生寮にて、朝食・夕食の食事提供を行っている。この活動が始まった2005年から2009年の5 年間に、選手を対象に行った身体測定、体力測定結果の推移を見た。その結果、間欠性持久力を評価するYo-Yo Intermittent test の成績が有意に上昇した。一方、10m、30m スプリントタイム、スクワットジャンプパワーといった瞬発力を評価する項目や、身体計測値に変化は認められなかった。持久力の上昇には、練習後の速やかな糖質摂取による貯蔵グリコーゲン回復が必要であり、NSTA による食事提供の寄与は大きいと考えられる。
著者
太田 朋子 Tomoko OHTA
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
非線形現象の数理
巻号頁・発行日
pp.21-28, 1997-03

太田朋子[国立遺伝学研究所]