著者
浅原 正幸 松本 裕治
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.1442-1450, 2004-05-15

一般的に日本語固有表現抽出で提案されている手法は形態素解析とチャンキングの組合せによる.形態素解析出力結果をそのままチャンカの入力にすると,形態素解析結果より小さい単位の固有表現を抽出することは困難である.そこで,文字単位でチャンキングを行う手法を提案する.まず,統計的形態素解析器で入力文を冗長的に解析を行う.次に,入力文を文字単位に分割し,文字,字種および形態素解析結果のn 次解までの品詞情報などを各文字に付与する.最後に,これらを素性として,サポートベクトルマシンに基づいたチャンカにより決定的に固有表現となる語の語境界を推定する.CRL 固有表現データを用いて評価実験(交差検定5-fold )を行った結果,F 値0.87 という高精度の結果が得られた.
著者
浅原 正幸 松本 裕治
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.4(2002-NL-153), pp.49-56, 2003-01-20

一般的に日本語固有表現抽出で提案されている手法は形態素解析とチャンキングの組み合わせによる.形態素解析出力結果をそのままチャンカーの入力にすると,形態素解析結果より小さい単位の固有表現を抽出することは困難である.そこで,文字単位でチャンキングを行う手法を提案する.まず,統計的形態素解析器で入力文を冗長的に解析を行う.次に,入力文を文字単位に分割し,文字,字種および形態素解析結果のn次解までの品詞情報などを各文字に付与する.最後に,これらを素性として,サポートベクトルマシンに基づいたチャンカーにより決定的に固有表現となる語の語境界を推定する.この手法により,1次解のみを用いる場合より豊かな素性をチャンカーに与えることができ,固有表現抽出の精度を向上させることができた.CRL 固有表現データを用いて評価実験(交差検定 5-fold)を行った結果,F 値約 88% という高精度の結果が得られた.
著者
石井 大祐 山崎 太一 渡辺 裕
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2013-AVM-80, no.1, pp.1-4, 2013-02-15

近年マンガは電子書籍市場における重要なコンテンツである.一方でマンガ画像の解析は現状あまり進んでいない.我々はマンガ画像における自動メタデータ生成技術の実現を目指している.本稿では,マンガの登場人物の顔画像に対する識別処理を行う手法を提案する. HOG と SVM による判別処理に対する学習と判別の為のマンガの特徴に基づく顔のパターン分類を示した.実験により,パターン分けを利用しない場合で本人に対して 80%,他人に対して 40%程度の識別率が得られ,パターン分けを用いた場合には,正面向きの場合および後ろ向きの場合に,より良好な結果が得られる事を確認した.
著者
吉田 有花 志築 文太郎 田中 二郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-162, no.5, pp.1-5, 2015-03-06

粘土は馴染み深い素材である.また,つぶす,つまむ,ひっぱる,切るなど自由に変形できる素材である.我々はこれらの特長を持った粘土を用いた 2 次元モデリング手法を提案する.ユーザは圧力センサシート上に粘土を置き,その粘土をつぶす,つまむなどの行為で 2 次元モデリングを行う.これにより,マウス,タッチパネル,ペンなどの入力デバイスに基づくモデリング手法にはない柔軟な質感を感じながら,2 次元モデリングを行うことが可能になる.本稿では,プロトタイプの開発および,つぶす,つまむの操作ができるかの調査を行った.またその調査結果に基づいて 2 次元モデリングのアプリケーションの開発を行い,簡単な 2 次元モデルであれば作成可能であることを確認した.
著者
カソリーノ マルコ 戎崎 俊一 羽場 宏光 ピオトロブスキ- ビクター レフ 東出 一洋 後藤 昌幸 久永 勇 Marco Casolino Toshikazu Ebisuzaki Hiromitsu Haba Piotrowski Wiktor Lech Kazuhiro Higashide Masayuki Goto Isao Hisanaga
雑誌
【B】電力・エネルギー部門 原子力研究会
巻号頁・発行日
2013-09-02

食品の放射線量の測定器LANFOSの開発を行っている。K40のバックグラウンドから、Cs137の存在を検出するために、検出器はサンプルの全周を覆っている。食品サンプルは測定のために加工をする必要はなく、測定後は、調理などに利用できる。ガンマ線測定などの専門家だけでなく、一般人の利用も念頭にデザインしており、簡単にセシウムからの放射線量やサンプルの安全性を測ることができる。
著者
宮地弘太郎 ミヤチ コウタロウ Kotaro Miyachi
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.12, pp.221-235, 2011-03-31

テニスプレーヤーが世界で活躍する目安は,世界ランキングで100 位に入ることである。ここ数年,このランキングに到達する日本人選手は数少ない。これまでの世界ランキングに関する研究や,現場指導において,このランキングに到達する年齢は10 代後半から,20 代前半であると言われている。 2005 年より日本テニス協会によって,新たにアフタージュニアの強化が,強化目標の1 つとして掲げられた。アフタージュニアとは,18 歳から22 歳頃の世代を意味しており,いわゆる大学生テニスプレーヤーである。 そこで,本研究において日本男子大学生テニス選手の現状と課題を4 点の柱から探り,今後大学生テニス選手の世界に挑戦する目安を明確にし,今後の強化活動に少しでも生かしていただけたらと考える。結果以下の2 点の課題を提言してゆきたい。 1.休学あるいは,卒業後にスムーズにツアーに順応できるよう,国内の学生大会の見直し。 2.技能的な目安として国内で行われる全日本選手権で優勝争いに絡む,ユニバーシアードのシングルスで金メダルを獲得の2 つをクリアする。 以上の2 点をユニバーシアードチーム及び各大学教育機関の指導者,選手に徹底することで今後可能性が広がると考えられる。
著者
小幡 拓弥 杉山 卓弥 保木 邦仁 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2009論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.12, pp.51-58, 2009-11-06

本稿では、将棋プログラムの新たな並列処理手法である”合議アルゴリズム”を提案し、その効果について検証した様々な実験を報告する。合議アルゴリズムは複数の思考プログラムの意見を集めて指し手を決定する手法で、疎結合マルチプロセッサにおける動作によく向いている。筆者らは合議アルゴリズムを用いて強豪プログラム同士を連結し、より強いプログラムを作ることに成功した。また、単一の思考プログラムから簡易な方法で複数のプレイヤを作り合議させる手法を提案し、その有効性を示した。
著者
宮森 恒 中村 聡史 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG18(TOD28), pp.59-71, 2005-12-15

本稿では,ウェブ上の実況チャットを利用することでテレビ番組のメタデータを自動的に抽出する手法を提案する.実況チャットは,テレビ番組と同期して視聴者によって書き込まれるウェブ上の掲示板である.番組実況チャットのデータを,利用者全体あるいは特定の傾向を持つ利用者のデータ集合として扱い,チャット上に表れる特徴的な表現を認識処理することで,番組の盛り上がり場面や,視聴者の嗜好・興味に沿ったリアクションなど,視聴者視点に関連するメタデータを効率良く抽出できる.実験の結果,提案方式により,視聴者の反応の大きさや喜び,落ち込みなどの感情度数などのメタデータを効率良く抽出できることを確認した.また,提案方式で得られるメタデータを利用した番組視聴システムを実装することにより,シーンのランキング表示やダイジェスト生成など視聴者視点を反映した多様な番組視聴へ応用可能になることを確認した.
著者
蓬莱 博哉 灘本 明代 田中 克己
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.71(2003-DBS-131), pp.265-272, 2003-07-16

これまで我々は,「容易に」「楽しく」「片手間に」Webコンテンツを取得するために,Webコンテンツを放送型コンテンツに変換してきた.本論文では,この放送型コンテンツをより親しみのあるコンテンツに変換することを目的とし,Webコンテンツを対話型番組に変換することを行う.本論文で提案する対話型番組とは漫才を用いた放送型コンテンツの事である.Webコンテンツを漫才に変換することにより,幅広い年齢のユーザ層にとって内容の理解を容易にするとともに,これまでWebコンテンツ取得時に必要であった能動的操作を軽減する事が可能となる.そこで,本論文ではまず漫才の形式化に取り組み,Webコンテンツから漫才形式に基づいた対話型番組に自動変換する機構を提案する.
著者
仙道 航 瀬川 典久 澤本 潤 杉野 栄二
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-158, no.2, pp.1-7, 2014-05-15

大学や大学院の学生の教育研究活動において PowerPoint などを用いたゼミナールが広く行われている.ゼミナールでは,専門性の高いテーマについての活動報告を行うことから,実際に当該テーマについて研究活動を行っている発表者とそうでない聴講者との間に知識量の差が生じやすい.聴講者が発表に対し理解できないままゼミナールが進行していく状態はゼミナールの研究テーマをより良いものにするという目的を妨げる一つの要因になりうる.本稿では,発表資料に記載されているキーワードについて事前に調査を行い,発表時に聴講者へと提示する,聴講者がわからないキーワードを発表者に知らせて説明を促すことにより理解を促すためのシステムを提案する.
著者
後藤 隆志 武藤 康平 平野 智大 見神 広紀 高橋 宇一郎 井上 栄 木村 啓二 笠原 博徳
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2015-EMB-36, no.34, pp.1-6, 2015-02-27

本稿では,マルチコアを搭載したスマートフォン端末において,コンパイラにより自動並列化及び低消費電力化された複数のアプリケーションを実行する際に,全体の実行時間の短縮あるいは各アプリケーション毎に設定されたデッドラインを守りつつ電力削減を達成するダイナミックスケジューリング方式について提案する.本スケジューリング手法では,コンパイル時に指定した各アプリケーションの並列実行時の利用コア数に応じた実行時間や消費電力,及びデッドラインを用いて,3種類の方式に基づくスケジューリングを行う.ARM 4 コアの端末上で動画コーデックアプリケーションを対象に評価を行い,FIFO 方式と比べ速度向上率で 18.5%,電力削減率で -28.8%の結果が得られた.
著者
東条 敏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.1099-1105, 2008-09-15
著者
友広歩李 角康之 松村耕平
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2014-UBI-44, no.22, pp.1-6, 2014-10-07

スケッチはデザイナの情報記録,共有,そしてアイディアの発想のためのツールとして使用されている.本研究ではタブレット PC とデプス (depth) カメラを用い,空間構造の理解やデザインを促すスケッチインタフェースを開発する.手描きのスケッチに三次元構造を組み合わせ,奥行きのついたスケッチの世界を歩き回ることや.空間内に付箋を貼るようにメモやアイディアを描き加えることが可能となる.対象ユーザは建築デザインやサービスデザインを手がけるデザイナの人々である.複数人で同じ空間にスケッチを行うことや,スケッチ後の空間が共有でき,情報の記録から活用までを支援するシステムを目指す.