著者
磯谷 光毅 大沢 英一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1I4GS4c03, 2021

<p>近年SNSが広く利用されている中,誹謗中傷の様な攻撃的な投稿がなされる場合があり問題となっている.そこで誹謗中傷などの攻撃的な投稿についてその特性を理解した上で効果的な対策を考案することが必要である.本研究では意見が二分されるようなテーマについての誹謗中傷などの攻撃的な投稿の,発生や収束といったダイナミクスを的確に表現することができるモデルを構築しその特性について分析することを目的とする.モデルには各ユーザについて中立,賛成,賛成かつ攻撃的,反対,反対かつ攻撃的の5つの状態を定義し状態遷移に周辺ユーザの影響を考慮するよう設定した.DTWにより実際のTwitterにおける攻撃的状態にあるユーザとモデルでの攻撃的状態のユーザの推移についての時系列の距離を測った結果,提案モデルは賛成かつ攻撃的について4.493,反対かつ攻撃的について7.443であり各状態をランダムで遷移した場合の132.2,170.0と比較し類似度が高いモデルを構築することが可能であった.また攻撃的なユーザの,同意見周辺ユーザへの影響を抑えると攻撃的状態ユーザ総数の割合の累計が減少することが示された.</p>
著者
長谷川 孝治 小向 佳乃
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集 = Shinshu studies in humanities (ISSN:24238910)
巻号頁・発行日
no.6, pp.71-82, 2019-03

本研究は,Twitter のフォロワーに対する類似性認知が他者への不寛容性を促進させるのかを検討することを目的として行われた。インターネット調査会社のモニター127名に対するWeb 調査の結果,フォロワーに対する類似性認知が高いほど,彼/彼女らに対する不寛容性も高いことが示された。また,この傾向は,孤独感の高さや自己肯定感の低さによって,調整されていた。すなわち,孤独感が高い人や自己肯定感が低い人は,フォロワーに対する類似性を高く認知するほど,それらの人々と意見の食い違いが生じた際に,不寛容性が高くなることが示された。さらに,そのような際に,フォローを解除したり,ミュートしたりする拒否行動をとるのは,不寛容性が高い人であることも示された。これらのことから,SNSを通してコミュニケーションが円滑になる反面,そこでの同質性の追求が,他者に対する寛容性を下げることにつながることが示唆された。
著者
藤田 博
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.441-445, 1975-07-01 (Released:2011-09-21)
著者
古屋 秀隆
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.3-12, 2020

<p>Dicyemids (phylum Dicyemida) are endosymbionts that typically are found in the renal sac of benthic cephalopod molluscs. The dicyemid bodies consist of only 8 to 40 cells, which are the fewest in number of cells in metazoans, and are organized very simply. Typically, two or three dicyemid species are found in a single specimen of the host, and most of them show high host specificity. Dicyemid species have been examined in the benthic cephalopods collected from the Kumano Sea at a seafloor depth of 150–400 m using bottom trawl nets since 2013. Twenty-five undescribed species of dicyemids, included in five genera, were found in 15 species of cephalopods. There is a considerable diversity of dicyemids in relatively narrow range of localities of the Kumano Sea. Here current taxonomic studies on dicyemid fauna in the Kumano Sea are briefly reported.</p>
著者
中谷 丈史 石丸 優 飯田 生穂 古田 裕三
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.285-292, 2006 (Released:2006-09-28)
参考文献数
18
被引用文献数
6 7

木材の主要3構成成分に対する各種有機液体の親和性について新たな知見を得ることを目的として,木材パルプ,ホロセルロースおよび木粉の乾燥および膨潤試料について,6種類の有機液体すなわちメタノール,エタノール,酢酸メチル,酢酸エチル,アセトンおよびジメチルスルホキシドの希薄ベンゼン溶液からの吸着性を比較して検討した。その結果,供試液体の中で,エタノール,ジメチルスルホキシドは乾燥リグニンに対して強い親和性を示した。また,乾燥試料と膨潤試料の吸着性の比較から,乾燥リグニンには乾燥セルロースやヘミセルロースと比較して,吸着サイトの新生にあまり大きなエネルギーを必要とせずに液体分子が近接できる吸着サイトがより多く存在していること,分子容の小さなメタノールの吸着には,乾燥リグニンだけでなく,セルロース,ヘミセルロースにおいても,吸着サイトの新生にあまりエネルギーを必要とせずに近接可能なサイトが存在していることが示唆された。
著者
宮崎 千展 松山 聖路 徳永 雄一 齋藤 正史 清原 良三
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.395-396, 2017-03-16

自動車メーカによる自動運転車両の市場への投入が近いと言われており,多くのメーカで活発な研究開発が行なわれている.また,社会的にも渋滞の緩和,CO2排出量の削減,不注意による事故の防止などの効果が期待されている.車のライフサイクルが10年程度と考えると,今後販売される新車がすべて自動運転車両であるという規制をかけたとしても,その規制後10年以上は自動運転とそうでない車両の混在環境が必ず生じる.混在環境において自動運転の車両が効率的な運転操作を行なうことで渋滞の軽減が期待できる.しかし,人間の感覚に沿わない運転操作を行なえば,人間のドライバが驚いて急ブレーキを踏み渋滞が悪化することにもなりかねないため,自動運転には人間の感覚に沿った安全な運転操作が求められる.本論文では,混在環境における渋滞の削減を目標に,自動運転車両による交差点における合流車両の進入支援方式を提案し,その評価を行なう.
出版者
四国民報社
巻号頁・発行日
vol.昭和14年版, 1939
著者
平岡 敏洋 霜野 慧亮 須田 義大 小野 晋太郎 内村 孝彦 梅田 学
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.93-99, 2021

<p>自動運転はシェアリングサービスとの相性が良いとされてきたが,新型コロナウイルス感染症の流行を経験した社会では,利用者の心理的な抵抗が増えることが予想される.また,感染症対策として,密閉・密集・密接を避けるように行動変容することが求められた結果,人の移動量は減少し, BtoC の物流は大幅に増加した.本発表では,このようなポスト感染症時代において,自動運転技術が必要かつ有効であると思われる場面について検討するだけでなく,今後どのような新しい技術が期待されるのかなどの自動運転技術の将来展望について論じる.</p>
著者
張 豊永 福田 豊
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第25回全国大会
巻号頁・発行日
pp.277-280, 2010 (Released:2011-03-26)

オンラインゲーム中毒によって、中国、韓国や日本などで不登校や自殺などの事故が多発している。その問題を解決するために、今までの研究はほとんど利用者側の啓発教育に注目してきた。しかし、オンラインゲームの運営側としての役割と責任も重大だと考えられる。本研究では、企業の社会的責任(CSR)の視点から、事例を取り上げ、その実施の現状を分析し、更にその方向性を考察する。
著者
田村 陽介
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.30-33, 2011-01-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
7

水素自動車の一部の安全対策を取り混ぜながら,(財)日本自動車研究所で実施した水素自動車の火災時の振る舞いやガソリン車火災との比較および水素漏洩着火試験の結果を紹介し,危険なガスとイメージされる水素ガスを見直してみる。たとえば,水素火炎は視認できないため,消火活動に支障を来すとされるが,実際の火災時には水素火炎を視認することができる。また,水素は少量でも漏れたら危険だというイメージがあるが,実験の結果,自動車の構造上,容易に水素を溜めることができないことや,エンジンルームコンパートメント内では,濃度20%程度で着火させても一瞬燃えるだけで,損傷がないことなどを紹介し,水素の安全性について見直してみる。