著者
三輪 裕介 穂坂 路男 三田村 裕子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.65-69, 2022 (Released:2022-01-01)
参考文献数
8

関節リウマチ患者では約15%にうつ病が合併することが報告され,合併症の中では最多である.オキシトシンは幸福ホルモンといわれ,うつ病,統合失調症,自閉症,摂食障害,発達障害,心的外傷後ストレス障害などさまざまな精神疾患において関連することが報告されている.しかし,関節リウマチをはじめとする自己免疫性疾患での報告は少なく,関節リウマチでは,血清オキシトシン濃度と直接関連のある因子は報告されていない.血清オキシトシン濃度は,測定系の問題,疾患そのもの,治療薬剤などに影響される可能性があり,関節リウマチにおける抑うつに対する臨床応用については,慎重な判断を要する.
著者
高野 裕太 武田 知也 坂野 雄二 中野 倫仁
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.18-27, 2022 (Released:2022-01-01)
参考文献数
24

本研究の目的は,大学生の不眠症状に対して実施されている支援方法を整理し,各支援方法における不眠症状の改善効果をメタアナリシスで明らかにすることであった.文献検索にはPubMed,PsycINFO,CiNii,メディカルオンラインを使用し,989編の文献を抽出した.7件の研究をシステマティックレビューの対象とし,6件の研究でメタアナリシスを行った.その結果,大学生の不眠症状に対しては,不眠症に対する認知行動療法,睡眠衛生指導,cognitive refocus treatmentが実施されていた.不眠症に対する認知行動療法では不眠症状が有意に改善した(Hedges’ g=−0.78).一方で,睡眠衛生指導では不眠症状が有意に改善しなかった(Hedges’ g=−0.21).Cognitive refocus treatmentではメタアナリシスは実施できなかった.本研究の結果,不眠症に対する認知行動療法は有効性が確認され,支援の提供形態についての議論もなされた.睡眠衛生指導は重症度別における実施,cognitive refocus treatmentは複数の無作為化比較試験での追試の必要性が示された.
著者
高橋,堅二
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.1, 1991-05

昭和51年8月「東海地震説」が発表されて以後、静岡県では県民と一体となった東海地震対策が推進されてきた。その一環として、県では東海地震に対する県民意識を隔年毎に、又県政世論調査においても一部地震関係の調査を実施している。これにより、県民の意識や実態、経年的な変化を把握し、地震防災に係る施策を検討する基礎資料としている。以下は、この調査資料をもとに分析した「県民の防災意識変化」の要旨である。1 県民意識の変化分析(1)東海地震に対する関心度58年度から6年間の経過で関心層が約7%減少しており、ゆるやかな意識低下を続けている。男女別、年代別においては大差ないが、地区別では東部における関心層の減少率が低い。これは、これまで年中行事のごとく発生していた伊豆半島東方沖の群発地震や平成元年7月の海底噴火のためと思われる。県政世論調査による「地震発生後の行動についての話し合いの有無」においても、同様な傾向が見られる。しかし、「東海地震説」発表以前の昭和46年度における調査では61.1%と高い結果を見るが、これは、44年11月「駿河湾から遠州灘沖での地震発生の可能性大」との発表が、県民にかなりの動揺を与えていた結果と思われる。(2)家庭内対策の実施状況(1)家族の話し合いが必要と思われる対策項目について、わずかづつ低下しているが、これは(1)の関心度と相関があり、地震に関する話題が家庭内で減少していることを表している。(2)「出火防止対策」の項目では他より実施率が高いものの、やや低下を示すのは、種々の安全装置の普及によるものと思われる。(3)「家具の固定」「食料・飲料水の備蓄」等では、販売商品の多様化によるためか、実施率の上昇を示す。2 イベントと意識変化元年度の県民意識調査によれば、伊東、熱海両市を中心とした東部地区の「関心度」「家具の固定」が他地区に比較し高い結果を示している。この結果が平成元年発生した群発地震から海底噴火にいたる一連の現象によることは明らかであり、イベントとの遭遇が意識変化と大きくかかわっていることが分かる。中西部においては、51年度目立ったイベントがなく静穏であることが、家庭内対策必要性の認識を弱めている。3 意識低下の要因と今後の対策防災意識を低下させている要因は種々考えられるが、中でも、「日本(特に東海地震予想震源域)において、近年、大きな地震がない」ことが最大であろう。今後、適度な揺れを待つことができない以上、県民が東海地震に対する正しい認識を身につけると共に、地震に備えた日頃の家庭内対策の重要性を認識するよう、県・市町村一体となった啓蒙、啓発活動を繰り返し展開していく必要がある。
著者
山本 敬三郎
出版者
経済団体連合会
雑誌
経団連月報 (ISSN:04534484)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.p67-71, 1980-09
出版者
朝日新聞社
雑誌
週刊朝日
巻号頁・発行日
vol.102, no.58, pp.163-165, 1997-11-28
著者
服部 毅一
出版者
全国防災協会
雑誌
季刊防災 (ISSN:03857336)
巻号頁・発行日
no.62, pp.p35-40, 1980-10
著者
柴田 啓次
出版者
運輸調査局
雑誌
運輸と経済 (ISSN:02878305)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.p40-47, 1980-09
著者
入江 潤一郎 伊藤 裕
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.2813-2819, 2014-11-10 (Released:2015-11-10)
参考文献数
14

ヒトは一人あたり100兆個にも上る腸内細菌と共存しており,その腸内細菌の機能を個体の維持に効率的に利用している.腸内細菌と宿主の関係はこれまで感染症において主に検討がなされてきたが,感染症とはみなされない肥満や糖尿病に対しても腸内細菌が能動的に病態の形成に寄与していることが遺伝学的網羅的検討から近年明らかとなってきた.腸内細菌は腸管内容物の代謝を通じてエネルギー獲得を促進し,また短鎖脂肪酸や胆汁酸などを代謝し,シグナルとして腸管ホルモンや代謝臓器に影響を与えている.腸内細菌は宿主の生存に有利な腸内環境を構築しているが,過剰な栄養下では肥満を助長する.一方,腸内細菌は宿主に慢性炎症を引き起こし,宿主に不利なエネルギー代謝を誘導する.腸内細菌叢を含めた腸内環境の包括的評価,およびその整備が生活習慣病の新たな臨床指標・治療標的となるであろう.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1484, pp.38-41, 2009-03-30

2月7日午後1時半頃、「さっぽろ雪まつり」で賑わう大通公園で巨大な雪像群に劣らず衆目を集めた人物がいた。長崎県佐世保市に拠点を構える家電通販最大手、ジャパネットたかた社長の高田明(60歳)だ。 2時からの生中継を控えていたが、集まった観光客に「どこからいらっしゃったのですか」「もうすぐここで生番組やりますから、見てってくださいね」などと気さくに声をかける。
著者
中島,洋
出版者
太平洋学会
雑誌
太平洋学会学会誌
巻号頁・発行日
no.32, 1986-10