著者
杉田 菜穂
出版者
大阪市立大学経済学会
雑誌
大阪市立大学経済学会經濟學雜誌 = Journal of economics (ISSN:04516281)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.81-110, 2016-03

1 はじめに : 日本では, 1990年の1.57ショックを機に少子化が行政課題になった。以来講じられてきた少子化対策の背後にあるのは出生率の回復が望ましいという考えであるが, 政府の人口に対する問題意識が人口状況に応じて変化し今日に至っていることはいうまでもない。戦後日本の合計特殊出生率(以下, 出生率)の推移をみれば, 戦後間もない時期の出生率は4を超える水準にあった。1950年代を通じて急激な出生率の低下を経験し, それ以降は2000年代半ばにかけてゆるやかな低下傾向を示してきた(図表1, 参照)。出生率が継続的に人口置換水準を下回るに至った1970年代には, 日本の人口論議をリードしてきた人口問題審議会の問題意識にも転換がみられた。1974年の黒田俊夫(当時, 厚生省人口問題研究所所長)は, 日本人口の変動をめぐって1974年を境にそれまでを第一期, それ以降を第二期としてそれぞれを以下のように特徴づけた。……
著者
プラウィタ ナディア ディアー 富山 栄子
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.63-81, 2021-04

本稿はインドネシアのデカコーンで、ライドシェアリング会社であるゴジェック社の成長戦略とビジネスモデルについてリープフロッグ、プラットフォーム、M&Aの研究フレームワークで分析した。その結果、第1 にゴジェック社はリープフロッグ戦略を利用し、ライドシェアリングと電子決済サービスを拡大したことが明らかになった。ゴジェック社のサービスはインドネシアにおける交通機関と金融サービスにリープフロッグ現象を発生させた。第2 にバイクタクシーを利用するライドシェアリングサービスを最初に提供したことで先発優位が見られ、初期段階でエコシステムを成長させたため、プラットフォームの利用者サイドと補完プレイヤーサイドを増加させることができた。次の段階でロイヤリティーを高めるため自社の付加価値としてサービスの拡大に注力した。第3 に新技術の獲得とエンジニア等の人材を強化し、自社を成長させるために、M&Aを戦略的に実施したことが明らかになった。
著者
米村 幸太郎
出版者
横浜法学会
雑誌
横浜法学 (ISSN:21881766)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.141-171, 2018-03-25
著者
山岡 耕春 井田 喜明 山科 健一郎 渡辺 秀文
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山.第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.263-274, 1989

Mt. Mihara of Izu-Oshima Volcano exploded on November 16, 1987 after one year's rest of its eruptivity. The eruption followed an intensive activity of earthquakes at the summit which began in January 1987. We studied the earthquakes and their mechanisms with a closely installed seismograph network around the summit. We found that most of the earthquakes occurred very narrow portion just below the summit crater with radius of 300 m. Their focal depths are shallower than 100 m above sea level. Most of the focal mechanisms are of normal types. The seismic activity ceased after this event. These facts show that the earthquakes were caused by small break of the bottom of the crater which was filled with the lava of the 1986 eruption, probably due to the load of the lava. The event on November 16 was the final break of the bottom which supported the load of the lava above it. The explosion on November 16 was caused by the sudden fall of both the bottom and the lava above it. The pressurized gas in the cavity below the bottom moved explosively upward in exchange of the falling body.
著者
内田 昌宏
出版者
北海道立北方民族博物館
雑誌
北海道立北方民族博物館研究紀要 (ISSN:09183159)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.143-160, 2017 (Released:2020-01-31)

This paper introduces Mr. Takeki Fujito and his wood carvings. He is a world famous artist of wood crafts. He made many great wooden bear's family, wolf, whale, dolphin, people and the other animals. His wood carving is not only real but also fantastic. He spoke many times about the history of wood crafts in Hokkaido.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.460, pp.26-28, 2008-11-28

池田誠課長の専門は砂防で、プロポーザル方式の入札における特定率は4割を超える。同時に八千代エンジニヤリングで最年少の課長として5人のスタッフを率いる。「相手の立場になって、多面的に見る」。プロポーザル方式で特定を勝ち取る秘訣の一端をこう語る。 八千代エンジニヤリング水工部技術第三課の池田誠課長は2007年12月に現職に就いた。同社の課長のなかでは最も若い。
著者
久保 義郎 長尾 初瀬 小崎 賢明 加藤 礼子 中村 憲一 塩沢 哲夫 下平 耕司 中元 洋介 橋本 圭司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.921-928, 2007-09-10

要旨:〔目的〕脳外傷者の不適応行動の構造を明らかにし,その程度を測定する「脳外傷者の認知―行動障害尺度」の構成を目的とした.ただし,専門的知識がなくても評価できるよう,質問項目を生活上観察可能な事項に限定した.〔対象・方法〕脳外傷者について,家族,もしくは本人の生活をよく知る福祉施設の支援員に調査を依頼した.〔結果〕因子分析の結果,7因子31項目が抽出された.因子は「健忘性」,「易疲労性・意欲低下」,「対人場面での状況判断力の低下」,「固執性」,「情動コントロール力の低下」,「現実検討力の低下」,「課題遂行力の低下」と判断された.〔結語〕本尺度の構成により,脳外傷者の不適応行動の構造が示され,定量的な測定が可能となった.このことで脳外傷リハビリテーションの標的が明らかになり,効果判定が可能となった.今後は本尺度に加え,障害への対処スキルを明らかにし,その修得度や頻度を評価する方法の開発も必要であろう.
著者
田中 英樹 鈴木 究真 小野関 由美 泉 庄太郎 青柳 久仁子 久下 敏宏
出版者
群馬県水産試験場
雑誌
群馬県水産試験場研究報告 (ISSN:13421085)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-12, 2014

内水面漁業と水圏生態系に重大な影響を及ぼすコクチバスMicropterus dolomieuは、群馬県内において1998年5月に榛名湖で初めて採捕され、翌1999年5月には奥利根湖で生息が確認された。2002年と2005年には神流湖で採補されたが、その後は奥利根湖以外における採捕事例は途絶えていた。本種は群馬県はもとより、全国的にも公式な放流事例はなく、他魚種の種苗放流に混入した生息域の拡大も著しく否定されている。2005年に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」、いわゆる「外来生物法」に基づき、飼育を始め、他地域への放流や運搬が禁止されている「特定外来種」に指定されているにもかかわらず、近年では群馬県内の河川でも生息が確認され、2009年の烏川での採捕に端を発し、2011年に鏑川、渡良瀬川、碓氷川、2012年には鮎川で採捕され、その生息分布域が拡大しており、繁殖抑制および拡散防止、ならびに駆除を行うことが急務となっている。一方、コクチバスの日本での生態は未だに不明な点が多く、実態の解明が早急の課題となっている。そこで今回、コクチバスの生息河川を管轄する漁業協同組合と遊漁者、水産行政の協力のもと、群馬県内の河川に生息するコクチバスの胃内容物と河川の水温変化に伴う摂餌行動に着目した調査を行い、その食性等に関する知見を得たので報告する。

1 0 0 0 The Etruscan

著者
by Mika Waltari translated by Lily Leino
出版者
Putnam
巻号頁・発行日
1956